ODA(政府開発援助)

平成27年9月10日

原稿執筆 在インドネシア日本国大使館

インドネシア最大の漁港は日本の支援でできている?!

 ASEAN諸国唯一のG20メンバーであり,近年経済発展が目覚ましい東南アジアの大国インドネシア。1万3千を超える島々からなり,世界第2位の漁獲高,また世界第3位の広大な排他的経済水域を誇る海洋国家である。そんなインドネシアで最大の漁港がジャカルタ漁港である。近海のみならず,遠洋漁業の水揚げ港として国際的にも有数の漁港として賑わっている。

 このジャカルタ漁港は,1970年代の設計・建設事業から2012年に完了したリハビリ事業まで一貫して日本が有償資金協力を行ってきた。これまでの協力により,岸壁,防波堤,冷凍設備,汚水処理場等の漁港インフラが整備され,衛生的な環境で魚の競り,魚やエビの加工などが行われ,日本や欧米を中心に毎日1億円相当の水産物が輸出されている。総額160億円の有償資金協力がきっかけとなり推定500億円の民間企業による投資を呼び込んだ。今では100社以上の企業が漁港内に工場を設け,4万人以上の雇用を生んでおり,周辺住民,なかでも多くの女性が水産物加工工場従業員などとして勤務している。

意外に近い,ジャカルタ港と日本の食卓

 このようにインドネシアに大きな経済効果をもたらした日本の協力だが,実は私達日本人の日々の食卓とも深くつながっている。ジャカルタ漁港はインド洋で漁獲された生マグロの世界有数の陸揚げ漁港に成長した。漁獲されたマグロの多くが生のまま日本へ空輸されている。日本に空輸される生マグロのうちインドネシアから来るものは実に2割にも及ぶ。ジャカルタ漁港のおかげで私たちは生マグロに舌鼓を打てるのである。

環境にも優しい支援であるということ

  漁港全景
  空輸前に下処理される生マグロ

 それだけではない。ジャカルタ漁港は,マングローブを積極的に利用するなど環境にも人にもやさしい漁港として設計されている。ジャカルタ市街地はビルが密集しているため,視界の開けた場所はほとんどない。ジャカルタ漁港やその周辺では開放的な沿岸域とマングローブ,水鳥,釣りなどが楽しめ,市内でも貴重な水辺の憩いの場を提供している。ジャカルタ訪問の際にはぜひジャカルタ漁港に足を運んでいただきたい。

  マングローブの繁る漁港西岸

(写真は折下定夫氏による撮影)

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