ODA(政府開発援助)
日本式医療の挑戦 病院まるごと輸出
平成30年12月28日
原稿執筆 在カンボジア日本国大使館
日出ずる日本病院 サンライズジャパン病院

カンボジアは1990年代まで続いた内戦を乗り越え,現在では,過去20年もの間,経済成長率約7%を維持するという他国に例を見ないほど急速かつ安定した経済成長を遂げています。一方で,国の発展には医療体制の充実が不可欠ですが,残念ながら,他の東南アジア諸国と比べて遅れている分野の一つに「医療」が挙げられます。
そのような中,2016年に官民が一体となり,ODAを活用してカンボジアの首都プノンペンに日本式最新医療を備えた病院を「まるごと輸出」したサンライズ・ジャパン病院を開設しました。
開院当時(2016年)の外来患者数は1月当たり約1,300人でしたが,2018年には2倍以上の約2,800人に増加しています。これまでに延べ約30,000人が受診しており,これは単純計算ではカンボジア国民の約500人に1人にあたります。

カンボジア人医師
【写真提供:サンライズジャパン病院】
同病院の林祥史院長は「日本から高度な医療機器を導入するだけでなく,丁寧に説明を行い患者やそのご家族に寄り添った医療を提供することで「信頼できる日本式医療」を届けたい」と話しており,今後もこの病院が,日本とカンボジアの医療分野における架け橋としてカンボジアの人々の健康を守っていくことが望まれます。

カンボジア人スタッフ
【写真提供:サンライズジャパン病院】
現在この病院には,総合内科,救命救急科,脳神経外科,リハビリテーション科などが設置され,志高い日本人スタッフ20名及びカンボジア人スタッフ140名が常駐し,医療に従事しています。カンボジアで信頼される日本式の高品質な医療を提供することは,医療レベルの底上げのみならずカンボジアの経済発展,ひいてはカンボジアの新たな未来の創造に繋がるのです。

現地スタッフへの技術指導
【写真提供:サンライズジャパン病院】

取り組む病院スタッフ
【写真提供:サンライズジャパン病院】
今後も官民一体となったサンライズ・ジャパン病院の挑戦は続いていきます。
動画の概要:
- (1)サンライズジャパン病院は日本の高水準の医療サービスを提供しています。
- (2)24時間救急,脳卒中・脳神経外科,総合診療,健康診断等の対応をしています。
- (3)日本の医師,看護師やその他の医療専門家と日本でトレーニングを積んだカンボジアの医療スタッフが在籍しており,責任を持って治療にあたっています。
- (4)サンライズジャパン病院は高度な機器や最先端技術を導入し,「世界一信頼される病院」を目指しています。