ODA(政府開発援助)

令和7年4月4日

 3月20日、経済協力開発機構(OECD)において、第54回OECD開発援助委員会(DAC)ハイレベル会合が開催された。スタールDAC議長の下、開発協力を担当する各国の閣僚や高官等が出席し、我が国からは横林外務省国際協力局開発協力企画室長が出席した。

セッション1 開発協力における効果

 開発を取り巻く国際情勢が急速に変化し、開発資金に対するニーズが高まる中、開発協力の効果の最大化に向け、援助手続の複雑化の解消、キャパシティ・ビルディングの強化、開発途上国政府との連携、デジタル化の重要性等について議論された。
 我が国からは、開発協力の効果とインパクトを最大限に高めるためには、最新技術を有する民間企業を含む様々な主体との連携が不可欠である旨強調した。また、ODA支援を通じて、日本のAI企業がブラジルで導入した予測犯罪システムの成功事例を紹介することにより、最先端技術を活用した開発協力の効果向上の重要性を説明し、今後もDACやパートナーとの協力を強化しながら、継続的な努力を進めていく旨発言した。

セッション2 多様なパートナーとの連携と協働

 南南協力や三角協力等を通じた新興ドナーとの連携、国際機関や市民社会との協調など、DACが様々な開発協力提供者と協力を強化していくにあたっての方策について議論が行われた。
 我が国からは、開発途上国との対話と協働を通じ、社会的課題の解決策を共に創り上げることが重要であるとし、アジア・太平洋、アフリカ、中東、中南米などあらゆる地域で長年に亘って三角協力を実施してきた日本の経験を紹介しつつ、南南協力や三角協力が、共創により関係国間の信頼構築に貢献し得る点で極めて有用な援助形式である旨強調した。

セッション3 持続的な開発のための資金動員

会合セッションの様子
日本代表発言の様子

 高まる開発資金需要に対応するため、民間資金や国内資金動員の強化、国際開発金融機関(MDBs)や開発金融機関(DFIs)との連携の重要性について議論された。
 我が国からは、2025年は第4回開発資金会議(FfD4)が予定されており、開発資金に大きな焦点が当たる旨言及した上で、ODAを触媒とした民間直接投資やサステナブルファイナンスなどの民間資金の動員、開発途上国の徴税能力強化等を通じた国内資金動員、また、ドナーベース拡大にあたっては新興ドナーの資金動員も促進していく必要性があることから、三角協力の拡充が重要である旨指摘した。加えて、本年8月に開催予定の第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)で、アフリカ諸国と本議題について建設的な議論を深めることに対する期待を表明した。

会合出席者の集合写真

ODA(政府開発援助)
ODAとは?
広報・イベント
国別・地域別の取組
SDGs・分野別の取組
ODAの政策を知りたい
ODA関連資料
皆様の御意見
開発に関する国際的取組へ戻る