ODA(政府開発援助)

令和元年7月14日
(写真1)会場の様子 会場の様子
(写真2)閉会セッションでの発言の様子 閉会セッションでの発言の様子

 7月13日から14日まで,米国(ニューヨーク)の国連本部において「効果的な開発協力に関するグローバル・パートナーシップ(GPEDC)第1回シニアレベル会合」が開催されたところ,概要以下の通り。

1 日程,参加国

  • (1)日程,場所
    令和元年7月13日(土曜日)から14日(日曜日)(於:ニューヨーク)
  • (2)参加国・国際機関等(参加者数:約600人)
    主要国・機関からの参加者は,バングラデシュ(マナン計画大臣),ミャンマー(トゥン投資・対外経済関係大臣),サモア(マタアファ副首相),独(バルトレ経済協力開発省政務官),コンゴ民主共和国(モサンゴ計画省事務次官),ウガンダ(アイェバレ国連大使),スイス(ガス外務省開発協力局副局長),韓国(オ外交部国際協力局長),OECD(シュラゲンホフ副事務総長,ムーアヘッド開発援助委員会(DAC)議長),国連(モハメド副事務総長),世界銀行(モヒルディン上級副総裁(2030開発アジェンダ・国連関係・パートナーシップ担当))等。その他,市民社会組織(CSO),民間セクター,基金,地方政府,議会関係者,労働組合等が多数参加。

2 会合の評価

  • (1)初のシニアレベル会合となる本会合においては,6つの全体会合,4つの分科会,サイドイベント等が実施され,民間セクター関与に関する「カンパラ原則」や効果的な三角協力のための「任意ガイドライン」がエンドースされた他,南南協力の効果をモニタリングするためのアプローチが紹介された。週末の開催であったにもかかわらず,多様な開発主体が集まり,それぞれの立場や経験について積極的に発言がなされた。
  • (2)成果文書として「運営委員会共同議長ステートメント」が発表された。同文書の主眼は,効果的な開発協力が2030アジェンダ及び持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて果たす役割の重要性を明確化し,国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)及びSDGsサミットに議論をつなげていくことにある。
  • (3)我が国との関係では,上記成果文書にて,本年のG20大阪サミットにおいてエンドースされた「持続可能な開発のための2030アジェンダに関するG20アクションプランの大阪アップデート」をはじめとする,効果的な開発へのG20としての貢献への言及がなされた。また,我が国代表を務める桑原国際協力局審議官が,三角協力に関する分科会にて,我が国の効果的な三角協力実施に係る考え方を発信したほか,閉会セッションにおいて,G20における議論とGPEDCにおける議論を接続していくことの重要性に言及するとともに,G20場裡においても開発の効果という課題に留意していくようG20メンバー国に呼びかけた。
  • (4)シニアレベル会合の前日に開催された,バングラデシュ及びネパール主催のサイドイベント「国レベルでの効果的な開発協力の原則を吟味する」においては,アジア地域の国々から約10カ国参加し,効果的な開発協力を進める上で重要となる要素(オーナーシップ,既存の国内システムの活用,包摂性,説明責任,予測可能性等)について活発な議論が行われた。また,桑原国際協力局審議官から,日本がどのように効果的な開発協力の原則を遵守しながら開発協力を行っているかについて,アジア地域の事例を引きながら紹介した。

3 運営委員会共同議長ステートメント(主要ポイント)

 運営委員会共同議長ステートメントの主要ポイントは以下のとおり。

  • (1)GPEDCは,効果的な開発協力を通じた2030アジェンダの推進を国レベルで確保する観点から,ナレッジ・シェアリング・プラットフォームや好事例集の作成に加え,パイロット国における実践を通じて得られたエビデンスにより,効果的な開発の原則を適用することが2030アジェンダ達成に向けた正のインパクトをもたらすことを示すことに貢献。
  • (2)SDGs達成及び開発における「誰一人取り残さない」を実現するためには,開発資金の動員だけでなく,動員された開発資金をいかに活用するかという議論が重要。また包摂的なパートナーシップ,透明性,相互説明責任,協働のための共通のフレームワークが不可欠。
  • (3)GPEDCによるグローバル・モニタリングはユニークな実践であり,特にSDGsターゲット17-16(マルチステークホルダー・パートナーシップの強化),17-15(各国における政策空間及びリーダーシップの尊重),5-c(ジェンダー平等の推進)の状況を測定するデータを提供し,相互説明責任のためのツールとなっている。モニタリングから得られたデータやエビデンスを各国での行動に結びつけていくことが重要。
  • (4)次回のハイレベル会合は,GPEDCが設置された「第4回援助効果向上に関するハイレベル・フォーラム」から10周年となる2021年に開催予定。運営委員会共同議長として,スイス,コンゴ民主共和国が新たに選出された旨記載。
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