ODA(政府開発援助)
第537回ODA出前講座 開催報告
中京大学
令和6年2月19日


2023年12月、中京大学にて国際協力局政策課の五十嵐光首席事務官がODA出前講座を実施しました。今回は「国際協力の課題と日本外交」をテーマとした講義を行い、法学部の2年生から4年生の249名が受講しました。

参加者からの感想(抜粋)
- 2023年に改定された開発協力大綱についてのお話で、オファー型による協力というものがあることを知りました。さらにODAは全部無償で対象国に援助を行っていると思っていましたが、有償資金協力という形態もあり、こちらは返済義務があり、いつかは日本に返ってくるお金だということを知りました。今までは全額無償による援助だと思っていたので有償資金協力もあることを知ることが出来てとても勉強になりました。
- 講座の最後に「SDGsという言葉だけが先走っているのではないか」との学生からの質問に対して、まずは言葉だけでも知ることが大事であり、SDGsの認識を広め内容を具体的に調べようと行動することに意味があるという回答を聞き、全てを解決できなければならないと考えるのではなく、目標やターゲットを定めて少しずつ解決していくことや残った課題に対してまた新たに取り組めばいいとわかり、SDGsに対する認識が変わりました。
- 前回の授業までに日本の開発協力の取組状況を学びましたが、具体的に現在はどのような支援が行われているのかを知りたいと思っていたところ、今回の特別授業では現在取り組んでいる支援やODAの実績を表やグラフなどで詳しく学ぶことができました。
- ODAは相手国にメリットが多いという感覚でしたが、日本にとって望ましい国際環境の創出や、自国の経済の安定成長、海外で展開する日本企業の安全の確保など日本側にも多くのメリットがあることが印象に残りました。一国だけでは解決しない複雑な問題は多くあるため、他国と協力してお互いに助け合うことが必要であり、講座を通してODAによる支援の重要性に気が付きました。
- パレスチナやウクライナなど現在も続いている課題に対して、実際にどのような支援を行っているのかを外務省の方から聞くことができて良かったです。オファー型協力では途上国支援の際に、政府間の取り決めにより自国の考え方を押し付けるのではなく、民間企業などを巻き込み、現地の人たちと対話を行いながら、最も適した支援を行っていくことが重要という、今後あるべきODAの姿を知ることができて良かったと思いました。
- 国際的な安全保障に関して連帯性を重視するというのは、分野を超えて通じると思いました。連帯性を意識するのは日常生活の中でも重要かと思いますが、国際的な観点から考えるとスケールの大きい話ですが、基本的かつ根本的な部分は大事にしなければいけないのだと痛感しました。
- 開発協力だけではなく、災害が起こった際の復興支援を行うなど、人道危機への対応も含めて幅広く実施していることがわかりました。
- 開発途上国の課題解決は同時に自国の課題解決や経済成長につながり、お互いの繁栄にも貢献していることなどを聞いて、一方的な支援関係ではなく相互的に対等な関係という認識に変わりました。
- 今まで関心がなかったのですが、開発協力の大切さを学び、貧困や飢餓などの撲滅などの地球規模課題について理解することができました。今後も開発協力について関心を持ち続けていきたいです。
- 国内で増税や社会福祉の財源の問題が取り上げられることが多い中で、他国の支援を行うことに最初は納得していませんでしたが、日本だけでは解決できない異常気象の問題やCOVID-19での国を超えた対応の必要性などを聞いて、国際協力を行う重要性に対する理解が深まり、ODAによる支援は必要だと思いました。
- ODAというのは各国でそれぞれが個別に参加する、出資するというイメージがありましたが、課題は世界の至る所にあるものなので、各国との交流を深め一体となって解決しなければならないと思いました。