ODA(政府開発援助)

平成28年5月10日

評価年月日:平成28年3月7日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

ミャンマー連邦共和国

1-2 案件名

少数民族地域における緊急食糧支援計画(国連世界食糧計画(WFP)連携)

1-3 目的・事業内容

 本計画は,貧困率が高いラカイン州及びチン州のうち,2015年7月に発生した洪水等の被害により生活維持が更に困難化している地域において,少数民族,国内避難民,洪水避難民及び栄養失調傾向にある妊婦,幼児らを対象とした緊急食料支援や労働対価としての食料配布,学校給食支援等を実施することにより,地域の生活基盤の復旧・維持を目的とした食料・栄養不足の改善を図り,もって国民の生活向上に寄与することを目的として,国連世界食糧計画(WFP)に資金を供与するもの。供与額は,22.55億円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項が本計画を行う上で国連世界食糧計画(WFP)により実施する必要がある。

  • (1)我が国支援のビジビリティの確保
  • (2)迅速かつ円滑な実施のためのモニタリングの確保

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)本計画対象地域であるラカイン州及びチン州はミャンマー辺縁部にあり,従来より他地域と比較して貧困率が極めて高い。加えて少数民族問題,民族間紛争を抱えている地域。このような中,2015年7月に発生した洪水及び地滑りにより,河川の氾濫,土砂崩壊,大規模地滑りが相次いで発生し,死者122名,避難者164万人にのぼる被害が発生した。
  • (2)今般の洪水等による被害は地域住民の生活基盤にも深刻な影響を及ぼし,多くの地域住民は家屋の倒壊により避難を余儀なくされ,穀物価格の高騰に伴い日々の食料確保にも困難な状態であり,人道上必要な食料の支援が不可欠である。
  • (3)本計画は,少数民族地域であるラカイン州及びチン州において避難民に対し食料等を提供することにより,彼らの食料・栄養不足の改善を図ることにより,国民の生活向上に貢献することが期待される。

2-2 効率性

 迅速かつ円滑な支援の実施及びモニタリングのため,国連世界食糧計画(WFP)はチン州及びラカイン州に3つの地域事務所を設置し,約80名のスタッフが業務に当たっている。ミャンマーでは一部地域において民族紛争等による治安上の理由からドナーの活動が制限されているが,国連世界食糧計画(WFP)は国際機関としても最も広範囲に活動を認められている機関であり,当該地域においても地域関係者と良好な関係を構築しており,円滑な事業実施が期待できる。

2-3 有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)ラカイン州及びチン州で洪水等の被害に遭った約11.7万人の食料・栄養状況の改善を期待し得る。
  • (2)上記(1)を通じ,被災コミュニティの復旧・復興が促進される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ミャンマー政府からの要請書
  • (2)国連世界食糧計画(WFP)からの申請書
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