ODA(政府開発援助)

令和2年10月1日

評価年月日:平成31年3月1日
評価責任者:国別開発協力第三課長 井関 至康

1 案件名

1-1 供与国名

 ケニア共和国(以下「ケニア」という。)

1-2 案件名

 ナクル市及びその周辺並びにモンバサ市周辺配電設備整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は、ナクル市及びその周辺並びにモンバサ市周辺の未電化地域において、低損失型配電設備(配電変圧器、配電線及び電信柱等の供与及び設置)を整備することにより、対象地域の電化と電力の安定供給を図り、もってケニアの経済インフラ整備に寄与する。供与限度額は18.87億円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)本計画は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010年4月制定)に掲げる影響を及ぼしやすいセクター・特性及び影響を受けやすい地域に該当せず、環境への望ましくない影響が重大でないと判断されるため、環境社会配慮カテゴリはBである。
  • (2)ケニア配電公社により、低圧電線から各需要家への引込工事を行うこと。
  • (3)本計画で整備される配電設備の定期点検・日常の維持管理等がケニア配電公社により適切に実施されること。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ケニア(一人あたり国民総所得1,440ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、低中所得国に分類される。
  • (2)ケニアの全国電化率は約56%であり、世界平均の約87%を下回っているとともに、都市部と地方部の電化率はそれぞれ77.6%、39.3%(いずれも2016年、世界銀行)となっており、都市部と地方部との経済格差の要因にもなっている。
  • (3)ケニア第二の都市であるモンバサ市は北部回廊の玄関口であり、人口約120万人が居住し、モンバサ港を中心として湾岸地域での経済発展が続いているが、その周辺地域では電力にアクセスできない人々が多く存在する。また、北部回廊沿いのケニア第四の都市であるナクル市やその周辺地域についても、将来的に新興住宅地として都市圏の経済を支えることが期待されているものの、基礎インフラが整っておらず低い電化率となっている。さらに、国内の送配電において配電時の電力ロスが課題となっていることから、高効率の配電設備の導入が求められている。
  • (4)かかる状況下、ケニア政府は国家経済開発計画「Vision 2030」の中で、電力セクターを経済的基盤の一つとして位置付け、2020年までに全世帯に電力を供給することを目的としたLast Mile Connectivity Projectを国家の最優先課題解決に向けた事業の一つとして取り組んでおり、同プロジェクトを達成するために、我が国に対して低損失型配電設備の調達と据付を通じた電化率向上に関する支援を要請したものである。
  • (5)本計画は、ナクル市及びその周辺並びにモンバサ市周辺の未電化地域において、低損失型配電設備を整備することにより、対象地域の電化と電力の安定供給を図り、もってケニアの経済インフラ整備に寄与することを目的とする。
  • (6)ケニアは、我が国の国連安保理常任理事国入りを支持するなど、国際社会において我が国と協力関係にあり、2016年8月には初のアフリカ開催となる第6回アフリカ開発会議(TICADVI)の開催国となった。さらに、TICADVIの際の日ケニア首脳会談(於:ナイロビ)後に発出された共同声明において、両首脳は、力強く、持続可能でバランスのとれた成長を促進するため、質の高いインフラに投資することの重要性を強調し、ケニヤッタ大統領は、エネルギー等の分野に係るケニアのインフラ整備における日本の役割は重要なものとして歓迎しており、我が国として支援することは意義深い。
  • (7)ケニアは、東アフリカ地域の政治、経済の中核を担う国であり、同国への支援は域内経済への波及効果も大きい。

2-2 効率性

  • (1)低損失型配電用変圧器は本邦調達とする一方、配電線、電信柱等のその他の機材はコストを極力抑えるため現地調達とした。
  • (2)ケニアの配電部門ではアフリカ開発銀行、世界銀行、フランス開発庁、欧州投資銀行、欧州連合がLast Mile Connectivity Projectの枠組みにおいて配電設備整備支援を行っているが、本計画の対象地域等について他の援助機関による支援事業と本計画との重複はない。

2-3 有効性

 本計画の実施により、以下のような成果が期待される。

  • (1)事業対象地域における電力へのアクセス可能世帯数が、2017年実績(基準値)の0世帯から事業完成3年後(2024年)には14,671世帯に増加する。
  • (2)電力が安定供給される(電力ロス削減効果を含む)。
  • (3)市民の生活環境が改善される。
  • (4)経済・社会活動が活性化される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ケニア共和国政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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