ODA(政府開発援助)

令和2年9月23日

評価年月日:令和2年6月4日
評価責任者:国別開発協力第三課長 黒宮 貴義

1 案件名

1-1 供与国名

 マラウイ共和国(以下「マラウイ」という。)

1-2 案件名

 リロングウェ市幹線道路改修計画

1-3 目的・事業内容

 ナカラ回廊上のリロングウェ市内における国道1号線において、橋梁の架け替え及び2車線から4車線への道路拡幅、並びに歩道幅員、自転車専用レーンの確保、道路横断施設等の設置を行うことにより、近年の同市における人口増加による市内の交通混雑と、それに起因する経済活動の非効率の改善を図り、もって広域回廊における経済活動の活性化及び同国の都市化を念頭に置いた経済成長の基盤整備に寄与するもの。
供与限度額は30.99億円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)本計画は、JICA環境社会配慮ガイドライン(2010年4月制定)におけるカテゴリBであり、道路セクターのうち大規模なものに該当せず、環境への望ましくない影響は重大でないと判断され、かつ、同ガイドラインに掲げる影響を及ぼしやすい特性及び影響を受けやすい地域に該当しない。
  • (2)本計画の実施に先立つマラウイ政府による周辺整備(道路用地および迂回路(仮橋梁)用地の確保、仮橋梁の施工、電柱や地下埋設物の移設)がなされること。
  • (3)政情・治安の極度の悪化や、想定外の自然災害が発生しないこと。

2 無償資金協力の必要性 

2-1 必要性

  • (1)マラウイ(一人当たりの国民総所得(GNI)360ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、後発開発途上国(LDC)に分類される。
  • (2)同国は、国内輸送の90%を道路に依存している状況にあるが、国内の幹線道路の舗装率は約50%であり、近年では大型車両の走行による舗装面の劣化・損傷が走行性を低下させている。ザンビアからマラウイを抜けてモザンビークにつながる国際回廊(ナカラ回廊)の一部である本計画の対象道路は、首都リロングウェ市の商業地区の中心を通り抜ける都市道路かつ生活道路の役割をも果たす国際幹線道路と位置付けられているにも関わらず、全線2車線となっており、主要交差点の交通処理能力不足も相まって交通渋滞が慢性化している状況にある。また、リロングウェ川橋梁は、河川管理上必要な桁下余裕が確保されていないことから、雨期に発生する洪水により橋梁が崩壊し、交通が遮断される事態も多発しているため、早期に架け替える必要がある。
  • (3)さらに、当該区間は歩行者及び自転車の利用が多いにも関わらず、歩道幅員の不足や自転車通行帯の未整備により、安全な通行ができる状態になく、車両交通の阻害要因ともなっている。
  • (4)こうした中、同国では、交通インフラ整備の遅れが輸送コストを押し上げ、国内産業の競争力の低迷を招いているとし、地域社会の生活基盤を支える道路網の整備を喫緊の課題と位置付け、運輸交通インフラ整備を第3次マラウイ成長開発戦略(MGDSIII)の重点課題の一つと定めている。
  • (5)我が国は、対マラウイ国別開発協力方針において、経済活動に寄与する都市基幹等の質の高いインフラ整備を始めとした、気候変動や都市化を念頭に置いた成長の基盤整備支援を重点分野に掲げており、本計画は同方針に合致するとともに、SDGsゴール9(産業と技術革新の基礎をつくる)にも貢献すると考えられることから、本計画の実施を支援する必要性は高い。
  • (6)また、我が国は、2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を踏まえた質の高いインフラ投資の推進、並びに「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連結性の向上を表明しており、本計画はこれを具体化するものであり、同国は国際社会において我が国の立場を支持するとともに、多くの国際機関選挙で我が国候補を支持する友好国でもあることから、本計画の実施を通じて同国を支援する意義は大きい。

2-2 効率性

  • (1)必要性及び施工効率を勘案し、マラウイ政府とも調整の上、本計画の規模の絞り込み(混雑度の高い区間に改修対象区間を限定)を行った。
  • (2)通常の交通に対する影響を可能な限り抑えるべく、迂回路を施工することにより、現況交通への影響を最小限とし、全体工期の短縮が図られている。
  • (3)対象道路の舗装修繕の工法や、交差点の設計に関しては、既存の道路及び設計を安全性の観点から精査した上でいかせるものについてはいかし、工法・設計を変える必要があるものについては複数案を検討し、持続的かつ効率的な運用・維持管理を行う上で最も合理的な構造を採用した。

2-3 有効性

 本計画の実施により、2018年基準値と事業完成3年後の2027年の目標値を比べて、主に以下のような効果が期待される。

  • (1)定量的効果:対象区間における一日当たりの平均旅客数が、86,000人から133,000人に増加、平均交通量が、26,000台から39,800台に増加、対象区間の混雑度(交通量/交通容量)が1.63から0.93に改善する。
  • (2)定性的効果:対象区間において、円滑で安定的な交通網が確保され、経済活動が活性化する。また、車両と自転車、軽車両及び歩行者との交錯が減少する(注)ことにより交通事故が減少する。

(注)信号機、横断歩道、自転車専用レーン、横断防止柵、ポストコーン、道路鋲等の設置による。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等 

  • (1)マラウイ政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
  • (3)マラウイ国別評価報告書(2012年度/第三者評価)
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