ODA(政府開発援助)

令和2年8月12日

 評価年月日:令和2年7月16日
 評価責任者:国別開発協力第三課長 黒宮 貴義

1 案件名

1-1 供与国名

 ジブチ共和国(以下「ジブチ」という。)

1-2 案件名

 バルバラ地区ナッシブにおける小中学校建設計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は、ジブチ市バルバラ地区において、小中併設校を建設し、必要機材を整備することにより、基礎教育へのアクセス拡大及び就学環境の改善を図り、もってジブチの経済社会開発を下支えする人材の育成に寄与する。
 供与限度額は20.92億円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 本計画は、JICA環境社会配慮ガイドライン(2010年4月制定)におけるカテゴリCであり、環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ジブチ(一人あたり国民総所得(GNI)3,190ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、後発開発途上国に分類される。
  • (2)同国は、国家開発計画である「ジブチビジョン2035」及び5か年計画「成長加速化と雇用促進戦略2015-2019」において、人的資源開発を重要課題と位置づけており、教育機会へのアクセス向上と質の強化を重視し、教室の整備やカリキュラム改定等、教育政策の実施に積極的に取り組んでいる。こうした取組等により、教育アクセスに関しては、初等教育の粗就学率が大幅に改善する等の成果が見られた。その一方で、前期中等教育の粗就学率は56.1%(2010年)から66.2%(2018年)に向上したものの依然低く、また、前期中等教育1年目における中退率が8.9%(2017年)と高いなど、初等教育から前期中等教育への接続に課題を抱えている。かかる状況を踏まえ、同国政府は、小中併設校の設置の推進を通じて、小中学校が連携した形で教育の質の改善に取り組む方針を示しており、こうした小中併設校の模範となるモデル校の整備を進めている。
  • (3)中でも、ジブチ市バルバラ地区は、人口飽和状態にあるジブチ市旧市街の状況改善のために新たに都市開発する拠点に指定された地域の1つであり、宅地造成や教育施設等の整備が重要な地区となっている。特に、同地区のナッシブは、人口が急増しており、また、就学人口も直近3年で年率2.3%という伸び率であり、小中学校等の教育施設の整備が急務となっている。
  • (4)我が国は、対ジブチ国別援助方針において、経済社会開発を下支えする人材の育成を支援することを表明しており、本計画は同方針に合致する。また、我が国は第7回アフリカ開発会議(TICAD 7)において、理数科教育の拡充や学習環境の改善により、300万人のこどもたちに「質の高い教育」を提供する旨を表明しており、本計画は同表明の具体化に資するものである。さらに、SDGsゴール4(教育)にも貢献すると考えられることから、計画の実施を支援する必要性は高い。
  • (5)また、同国は、国際社会において、我が国の立場に基本的に好意的な理解を示すことが多い友好国であり、かつ、地域の安全保障上、地政学的に重要な役割を有している。本計画を通じた支援を実施することは、二国間関係の維持・一層の発展につながることから外交的意義は高い。

2-2 効率性

  • (1)ジブチ政府の要請を踏まえつつ、現地調査による支援対象の規模等の絞り込みを実施し、必要かつ適切な規模とした。
  • (2)また、コンクリート等の一般的な資機材については現地調達を基本とすることでコスト縮減を図った。

2-3 有効性

 本計画の実施により、2019年の実績値を基準値として、事業完成3年後の2025年の目標値と比較すると、主に以下のような効果が期待される。

  • (1)定量的効果
    • ア 教室数が、小学校では20教室、中学校では40教室それぞれ新たに確保できる。
    • イ 未就学の児童・生徒が、小学校では840人、中学校では1,800人それぞれ就学可能となる。
  • (2)定性的効果
    • ア 小中学校双方の教員が連携した形で指導を行うことができる環境を確保できるとともに、理科実験室や情報教室等の整備により、教育の質の向上を図ることが期待できる。
    • イ バリアフリー等に配慮した施設とすることで、障害を持った児童等の就学アクセス改善が期待される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ジブチ政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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