ODA(政府開発援助)

平成29年4月24日

評価年月日:平成29年3月6日
評価責任者:国別開発協力第三課長 大場雄一

1 案件名

1-1 供与国名

ブルキナファソ

1-2 案件名

「第二次中学校校舎建設計画」

1-3 目的・事業内容

 ブルキナファソの中央西部州,中央南部州及び中央州において,後期初等教育普通校の新設及び教育機材の整備を行うことにより,対象地域における学習環境の改善及び中等教育へのアクセス改善を図り,もってブルキナファソの教育の質の向上に寄与する。供与限度額は15.61億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)環境社会配慮カテゴリーはCである。本計画は,教育施設の建設を行うものであり,環境・社会への望ましくない影響は最小限である。
  • (2)本計画の前提条件として,ブルキナファソ政府により計画建物と干渉する樹木の伐採等の準備工事及び建築に必要な許認可の申請費用の支払い等が確実に実施される必要がある。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ブルキナファソ政府は,綿花及び金の輸出に依存した産業構造の改善を課題としており,中期開発戦略「国家経済社会開発計画(PNDES:Plan National de Développement Economique et Social)2016~2020」において,「経済構造の変革」,すなわち質の高い人的資本を開発し経済・雇用を活性化することを目標に掲げており,教育セクタ-は同国の優先セクタ-に位置付けられている。
  • (2)同国では,2007年に制定された改正教育基本法により,初等教育と後期初等教育(以下「中学校」という。)の10年間を義務教育として学費の無償化を規定した。この結果,中学校の総就学者数が全国で22万人(2008年)から81万人(2014/2015年)へと増加し,総就学率も22.4%(2007/2008年)から改善しているものの,依然として44.9%(2014/2015年)にとどまっている。また,教室不足による1教室あたりの生徒数の増加を背景に,学習環境の悪化に伴う学習の質の低下も問題となっている。
  • (3)このため,同国政府は現行の教育セクター上位計画「基礎教育戦略開発プログラム(PDSEB:Programme de Développement Stratégique de l'Education de Base)2012~2021」において,中学校の総就学率の向上(2021年までの目標値:70.8%)を目標に掲げるとともに,学習環境改善のため1教室あたりの生徒数基準(45~50名)の実現を目指している。
  • (4)我が国は対ブルキナファソ国別援助方針において,教育の質の向上を重点分野として掲げており,本計画はこれに合致する。また,我が国は,2016年8月に開催したTICAD VIにおいて,「平和で安定したアフリカの実現に向けた約960万人への人材育成」を表明しており,本計画はこれに合致する。
  • (5)同国は,過去6回開催されたアフリカ開発会議(TICAD)のすべての会に国家元首が参加した唯一の国家であり,経済協力による二国間関係の維持・発展は,国際場裏における協力関係の強化の観点からも重要である。

2-2 効率性

  • (1)事業対象サイトについて,優先順位付けを行うことにより必要性の高いサイトに限定して実施することによりコストの縮減を図った。
  • (2)建設の難易度や必要性の高さを考慮して,井戸や外壁,運動場の設置及びソフトコンポーネントを含まないこととし,コストの縮減を図った。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)対象サイトで使用されている教室数が0教室(2016年実績)から180教室(2022年:事業完成から3年後)に増加する。
  • (2)対象サイトにおける継続使用可能な教室で就学する生徒数が0人(2016年実績)から8,640人(2022年:事業完成から3年後)に増加する。
  • (3)教室の新設及び生徒の人数・体格に応じた教室家具の設置を通して良好な学習環境が整備される。
  • (4)スロープ及び車椅子対応のトイレの設置により,障害をもつ生徒の就学環境が整備される。
  • (5)男女別のトイレを整備することにより,女子生徒に快適,安全な学習環境が整備される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ブルキナファソ政府からの要請書
  • (2)「第二次中学校校舎建設計画」協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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