ODA(政府開発援助)

平成28年3月29日

評価年月日:平成28年3月7日
評価責任者:国別開発協力第三課長 今福 孝男

1 案件名

1-1 供与国名

ジブチ共和国

1-2 案件名

道路管理機材整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,ジブチ設備運輸省道路局のジブチ市内及び地方の維持管理基地3か所において,道路整備機材及び維持管理用資機材を整備することにより,道路維持管理体制・能力の向上を図り,もって同国の持続可能な発展のための経済社会基盤整備に寄与するもの。供与限度額:12.39億円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)ジブチ設備運輸省道路局の現状の収入が維持されること。
  • (2)本計画で新たに整備される機材を効率的に運用するため,同局が運営・維持管理計画に基づき必要な予算措置を行い,適切な維持管理が実施されること。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)近年,ジブチは年間5%以上の高い経済成長を遂げており,港湾や鉄道の建設等,複数の大型インフラ整備が進められている。輸送手段の全てを車両による陸上輸送に頼っている同国にとって,経済成長にともなう交通量の増加は主要幹線道路の劣化に拍車をかけている。
  • (2)ドナー支援による道路建設や改修工事が一部地域で進められているが,全ての重要幹線道路の整備には至っていない状況である。また,ジブチ市内の道路についても,道路維持管理機材の不足等から,十分な維持管理がなされておらず,都市交通の悪化を招き,バス運用の不安定化や砂塵等による環境被害など市民生活に悪影響を与えている。
  • (3)ジブチ政府は,長期開発計画「Vision Djibouti 2035」に基づき,設備運輸省下の部局を改編・強化して,2013年11月に新たに道路局を設置し,幹線道路を通行する貨物車両から徴収した料金による道路整備基金の裁量権を有するなど,幹線,地方及び市内の各道路を直営で改修する体制を強化しつつある。
  • (4)しかし,上述の主要幹線道路の劣化に加え,過去に我が国の無償資金協力を中心に供与した道路維持管理機材の老朽化や維持管理ノウハウの劣化が進み,新規幹線道路及び市街地道路の整備等同局の管轄する道路が拡大している中,既存機材では,路面整正や小規模舗装改修といった多様化する道路維持管理ニーズに対応できていない状況から,ジブチ政府は我が国に対して無償資金協力による支援を要請してきたものである。
  • (5)以上の経緯・理由から,ジブチ設備運輸省道路局のジブチ市内及び地方の維持管理基地3か所において,道路整備機材及び維持管理用資機材を整備することにより,道路維持管理体制・能力の向上を図り,もって同国の持続可能な発展のための経済社会基盤整備に寄与するために本計画を実施する。
  • (6)ジブチは紛争の多発するアフリカの角地域において安定した国であり,我が国自衛隊等を含め各国のソマリア沖海賊対処の拠点となっており,我が国は同国を外交上重要な国と位置付けている。また,本計画は我が国の対ジブチ国別援助方針の重点分野「持続可能な発展のための経済社会基盤整備」に合致することから,本計画を実施する必要性及び妥当性は高い。

2-2 効率性

  • (1)機材については,原則日本調達とするが,日本またはジブチで調達困難な機材については第三国調達とした。
  • (2)新たに整備する機材の運営・維持管理について,技術研修・指導を実施することにより本計画の効率性向上を図ることとした。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)道路整備(新規舗装:ジブチ市内道路,国道12号線)が事業完成3年後の2021年には22.4km整備される。
  • (2)道路整備(路面整正:国道16号線)が事業完成3年後の2021年には40.0km整備される。
  • (3)整備対象道路での平均旅行速度が事業完成3年後の2021年には40-65km/hに増加する。(15-40km/h(2015年))。
  • (4)適切な道路維持管理が実施されることで,輸送量の増加や利便性の向上が図られる他,砂塵等の低減が図られ,道路周辺住民等の生活環境が改善される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ジブチ共和国政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査
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