ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成28年2月23日

評価年月日:平成28年1月21日
評価責任者:国別開発協力第二課アフガニスタン支援室 森安 克美

1 案件名

(1)供与国名

アフガニスタン・イスラム共和国

(2)案件名

小児感染症予防計画(UNICEF連携)

(3)目的・事業内容

 本計画は,アフガニスタン全土において,予防接種に必要なワクチン等を提供し,予防接種の必要性につき住民に広く知らしめるとともに,関係者の能力強化を実施することにより,ポリオ等小児感染症の予防を図り,もって持続的・自立的発展に寄与するもの。供与額は17億4,800万円。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

  • 以下の事項がアフガニスタン政府により実施される必要がある。
    • ア 円滑な事業実施のため,今後アフガニスタンの治安状況が著しく悪化しないこと。
    • イ 案件実施に際し,アフガニスタン保健省等の積極的な関与を促すとともに,案件完了後もアフガニスタン側で適切な維持管理がなされること。

2 無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • ア アフガニスタンの乳幼児死亡率は,世界で16番目に高く(UNICEF,2013),WHOの「世界保健統計2015年度版」によると,5歳未満児の死亡率が97/1,000人,1歳未満児死亡率が70/1,000人となっている。
  • イ 子供の死亡率が高い主な原因の一つとして,予防接種により感染拡大を防げる麻疹や呼吸器疾患等の病気が挙げられる。予防接種率を高めることにより,感染症への罹病率を抑え,乳幼児死亡率の低減を図ることが可能となる。これまでも,我が国を始めとする国際社会は,UNICEFやWHO等と協力し,アフガニスタンにおける感染症対策を実施してきているが,生後12~23か月の子供の定期予防接種率は59.7%(UNICEF,2013)にとどまっており,引き続き住民の意識改革を含めた感染症予防対策が必要である。
  • ウ アフガニスタンは,パキスタンと共にポリオ常在国2か国のうちの1か国である。国際社会からも早期のポリオ撲滅が求められており,同国政府は,UNICEF及びWHOの協力の下,1994年より全土においてポリオワクチンの一斉投与等の対策を実施している。また,2012年5月にジュネーブで開催された第65回世界保健総会で採択された「公衆衛生上の緊急事態」宣言を受け,翌2013年4月には,世界ポリオ撲滅イニシアティブ(GPEI)が,2018年を目標にポリオ根絶を目指す「ポリオ根絶・最終戦略計画2013-2018」を発表する等,ポリオ根絶に係る国際社会の取り組みは強化されている。
  • エ かかる状況を踏まえ,UNICEF及びアフガニスタン政府から,我が国に対する支援の継続要請があった。本事業は,アフガニスタン全土において,予防接種に必要なワクチン等を提供し,予防接種の必要性につき住民に広く知らしめるとともに,関係者の能力強化を実施することによりポリオ等小児感染症の予防を図り,もって我が国の対アフガニスタン国別援助方針(2013年4月)の重点分野ともなっている持続的・自立的発展に寄与するものであり,実施の必要性は高い。

(2)効率性

  • 治安リスクが高く,広範囲にわたる支援が困難なアフガニスタンでの効果的な支援を行うためには,現地のネットワーク及び保健分野における十分な実績と知見を有するUNICEFとの連携が効率的である。

(3)有効性

  • 本件の実施により、以下のような成果が期待される。
    • ア 定期予防接種活動において必要となるワクチン調達を支援することにより,120万人の1歳未満児及び250万人の出産適齢期の女性への接種が可能となる。
    • イ ポリオワクチン接種キャンペーンにおいて必要となるワクチン調達を支援することにより,910万人の5歳児以下の子供への接種が可能となる。
    • ウ 定期予防接種及びポリオキャンペーンの着実な実施により,予防接種により予防可能な疾患による感染・死亡を防ぎ,アフガニスタン全国の子供と出産適齢期の女性の健康状態の改善に寄与することが期待される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)アフガニスタン政府からの要請書
  • (2)UNICEFからの要請書