ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年12月8日

評価年月日:平成27年5月29日
評価責任者:国別開発協力第一課長 宮下 匡之

1 案件名

(1)供与国名

東ティモール民主共和国

(2)案件名

コモロ川上流新橋建設計画

(3)目的・事業内容

 本計画は,首都ディリ市街地の東西を連結する橋梁及びアクセス道路を建設することにより,市内交通の分散化による渋滞の軽減及び緊急時における既存橋の代替確保を図り,同国の経済活動の活性化に寄与するもの。供与限度額は26.05億円。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

  • ア 約2.3haの用地取得が,公共事業省により着工までに滞りなく完了する必要がある。
  • イ 環境社会配慮カテゴリーはBであり,本計画は,JICA環境社会配慮ガイドラインに掲げる道路・橋梁セクターのうち大規模なものに該当せず,環境への望ましくない影響は重大でないと判断され,かつ,同ガイドラインに掲げる影響を及ぼしやすい特性及び影響を受けやすい地域に該当しない。また,施工中は施工業者が環境緩和策について講じるとともに,実施機関である公共事業省がそのモニタリングを行い、また供与後は公共事業省がモニタリングを行う。

2 無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • ア 東ティモールの平均人口増加率は,2000年-2009年の4.1%から,2010年には2.4%に下がったものの,今後もこの水準で推移すれば,30年後には人口が倍増することになる。現在,全人口の約2割が居住する首都ディリ東部に位置する市街地中心部は,地形上,既に新規宅地開発の余地が限られていることから,首都の人口分布は,市街地西側を南北に流れるコモロ川を挟んで,空港の位置する西方に拡大しており,同市内の東西間の交通量が急増している。
  • イ しかし,現在コモロ川を横断する橋梁(以下「既存橋」という。)は首都ディリを東西に走る国道3号線上にしか存在せず,交通量が増加する時間帯には,同橋への交通の集中により渋滞が発生し,市内交通を麻痺させている。
  • ウ 東ティモール国道路マスタープラン(2010-2019)(2009年策定)における需要予測によれば,今後,全車両保有台数,交通量ともに年3-4%の割合で増加する見込みであることから,同橋だけでは今後の交通需要増加に対応するには不十分であると見込まれる。また,防災及び,市街地の計画的な発展の観点からも,同市の東西を連結する新橋梁の建設により,市内交通の分散化及び既存橋の代替路確保を図り,既存橋への依存を改善することが緊急の課題となっている。

(2)効率性

  • ア コモロ川の河川特性を踏まえ,洪水時に新橋の橋台・橋脚が洗掘被害を受けないような計画とする。
  • イ 橋梁形式については,経済性・維持管理性・工期の妥当性のみでなく,東ティモール政府が望む景観性・当該技術の汎用性に優れたものを選定する。

(3)有効性

 本件の実施により、以下の成果が期待される。

  • ア コモロ川の現状の渡河交通量増加(乗用車台数相当)
    基準値(2013年)38,000台/日→目標値(2020年)57,000台/日
  • イ ピーク時の混雑による平均渡河走行速度の改善
    基準値(2013年)40km/h→目標値(2020年)60km/h程度

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)東ティモール民主共和国政府からの要請書
  • (2)JICAの準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)