ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年11月10日

評価年月日:平成27年8月10日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1 案件名

1-1 供与国名

ジンバブエ共和国

1-2 案件名

ニャコンバ灌漑事業のための灌漑開発計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,ニャコンバ地区において,灌漑施設を整備することによって,農業生産性の向上及び小規模農家の生計向上を図り,もって人道支援に寄与するもの。供与限度額は,17億9,100万円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がジンバブエ政府により実施される必要がある。

  • (1)本計画により整備される灌漑施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
  • (2)灌漑施設の維持管理に係る人的手当及び予算措置を行うこと。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ジンバブエにおいて,農業分野は,GDPの16~20%,輸出額の約40%を占め,就労人口の約30%に就労の機会を提供する極めて重要な産業である。同国の農業は大規模農家がタバコ,綿など換金性作物を生産・輸出する一方で,小規模農家がメイズ・小麦など主食作物の生産を担っており,国民への食料の安定供給のためには小規模農家への支援が不可欠である。
  • (2)他方で,同国は2000年以降経済が崩壊し,医療機関や上下水道等のインフラが壊滅的な状況であり,深刻な食糧不足が継続しており,加えて,同国での年間降雨量が雨季に集中し,乾季には雨がほとんどみられないこともあり,小規模農家の生産性・生計向上は同国において最も緊急性の高い課題の一つである。
  • (3)ジンバブエ政府は,2010年に策定した「中期計画(MTP)」において,農業が経済・雇用等において果たす役割を重要視しており,持続的かつ環境負荷の低い農業生産技術の普及,灌漑共有地からの市場へアクセス改善などを通じた小規模農家支援を政策目標として取り組んでいる。
  • (4)このような状況の下,ジンバブエ政府は,厳しい財政事情を踏まえ,同国ニャコンバ地区における灌漑農業の導入を通じて農業生産性を向上させ,小規模農家の生計向上を図るため,本件に必要な資金につき,我が国に対し無償資金協力を要請した。

2-2 効率性

 本計画を実施するに当たっては,本計画によって整備される灌漑設備が十分に効果を発現するよう,先方実施機関職員及び水利組合員に対して,灌漑設備の維持管理方法に関する指導を行い,維持・保守管理の技術移転を確保するとともに,灌漑農業導入により契約栽培を推進するなど,事業の効率的・効果的実施に努める。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)灌漑面積に関し,2015年時点で261haであったものが,計画完成後の2021年には580haへ増加することが見込まれ,栽培面積に関しても,2015年時点で764haであったものが,計画完成後の2021年には1,045haへ増加することが見込まれる。また,主要農作物の生産量に関して,本計画完成後,グリーンメイズにつき,485トン(2015年時点)から1,727トン(2021年)へ増加し,シュガービーンにつき,333トン(2015年時点)から534トン(2021年)へ増加し,タマネギにつき,648トン(2015年時点)から2,160トン(2021年)へ増加することが見込まれる。
  • (2)ニャコンバ灌漑地区における食料供給が安定化するとともに,灌漑農業導入により収益性の高い作物が導入される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ジンバブエ政府からの要請書
  • (2)JICAの協力準備調査報告書