ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年9月29日

評価年月日:平成27年5月13日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1 案件名

1-1 供与国名

コートジボワール共和国

1-2 案件名

日本・コートジボワール友好交差点改善計画

1-3 目的・事業内容

 本事業は,アビジャン市内において,物流網のボトルネックとなっている日本・コートジボワール友好交差点の立体交差化を行うことにより交通容量の増加及び渋滞緩和を図り,もって円滑な域内物流及び都市物流の改善に寄与する。供与限度額は50.38億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)環境社会配慮カテゴリーはBであり,本事業は,「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(2010年4月)に掲げる道路セクターのうち大規模なものに該当せず,環境への望ましくない影響は重大でないと判断され,かつ,同ガイドラインに掲げる影響を及ぼしやすい特性及び影響を受けやすい地域に該当しない。
  • (2)事業実施の前提条件として,既設電線,水道管及びガス管が移設される必要がある(先方政府負担事項)。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)コートジボワールでは,1990年代の経済危機及び軍事クーデターに端を発する2000年代の政治・軍事危機の間に,道路インフラの新規投資や維持管理は十分になされてこず,アビジャン市の道路網約1800kmのうち850kmが舗装されているにすぎない(アビジャン市統計)。アビジャン市における自動車登録台数は2007年で38万6000台(うち27万7000台が乗用車)となっており,これは全国の81%に相当する(陸運局統計)。また,2007年から2011年までに8~10%ペースで登録台数が増加しており(陸運局統計),特に朝夕のラッシュ時には幹線道路等において交通渋滞が発生している。
  • (2)2012年から2015年を対象とした国家開発計画(Plan National de Developpement)は,国家の富の創出の拡大・持続とその結果の公正な分配を国家開発戦略の方向性の一つとしており,その中で都市内道路及び回廊の整備を重点項目に位置付けている。2000年に同国政府が策定したアビジャン都市開発計画(Schema Directeur d'Urbanisme du Grand Abidjan)は,都市開発の方向性として,幹線道路網整備の推進とともに大量輸送公共交通網の整備による都市交通機能の改善を挙げている。
  • (3)日本・コートジボワール友好交差点は市中心部とアビジャン港及び空港を含む郊外を往来する幹線道路の交通が交差するラウンドアバウト方式の交差点であり,ラゴス-アビジャン回廊等の国際回廊に位置する。交差点内の交通量は約13万台/日と推定され(JICA調査,2013年),特に朝・夕のラッシュ時には慢性的な渋滞が発生しており,同市内における円滑な人の移動や物流の阻害要因の一つとなっている。
  • (4)我が国はTICAD V横浜行動計画において,具体的な支援策として「5大成長回廊整備」を掲げており,当該交差点は,そのうちの「西アフリカ成長リング支援」に該当する。我が国は対コートジボワール国別援助方針において,経済成長の加速化を重点分野として掲げ,そのための具体的協力プログラムとして成長インフラ強化を設定することを検討中であり,本案件はこれに合致する。

2-2 効率性

  • (1)温度変化や車両通行等による,橋げた等への変位を吸収するために取り付けられる伸縮装置は,橋梁要素の中でも劣化しやすい部材であるが,本計画では複数の橋げたを剛結し,連続化させる設計を採用したことにより,伸縮装置分の経費を縮減したとともに,メンテナンスフリー化に配慮した。
  • (2)本計画により撤去が必要となる既設街路灯については,廃棄せずに再活用することにより,新規調達に係る経費を縮減した。
  • (3)開発計画調査型技術協力「大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト」(協力期間:2013年2月-2014年11月)と連携し,本事業を実施する。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)日交差点流入交通量(乗用車換算 台/日)が基準値(2014年)125,000台から,目標値(2021年事業完成から3年後)の117,000台となる。(注:目標年次においてはマルコリ地区とココディ地区を結ぶ第三橋(2014年12月完工)への交通量転換が見込まれるため日本・コートジボワール友好交差点への流入交通量は減少すると予想されるが,依然10万台/日以上の交通量が予測され立体化が必要となる状態は継続する見込み。)
  • (2)旅客輸送及び物流の定時性確保,並びに交通の利便性が向上する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等