ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成27年5月13日

評価年月日:平成27年4月20日
評価責任者:国別開発協力第1課長 宮下 匡之

1.案件名

1-1.供与国名

モンゴル

1-2.案件名

日本モンゴル教育病院建設計画

1-3.目的・事業内容

 本事業は,モンゴル唯一の医療系国立大学であるモンゴル国立医科大学(ウランバートル市)に教育病院を設置し,同病院を活用した卒後研修を通じて地方への質の高い医療人材の配置を推進し,また同病院による非感染性疾患など優先度の高い三次医療サービスの提供及び不足している二次医療サービスの提供を通じて,医療サービスの向上を図るもの。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 モンゴル側が施設に必要なインフラ整備(配電、給排水等)を行うことが必要である。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

 モンゴルでは,国全体の基礎保健指標は改善しているものの地域格差が大きく,地方における医療サービスの向上が課題となっている。モンゴル政府は地方への医療人材の配置を推進しているが,若手医師が臨床経験を積むことができる教育病院及び統一された医師教育プログラムがなく,医師の卒後研修体制が整っていない状況にある。
 また,ウランバートル市には全人口の約半数が集中し,人口流入が著しく貧困層の多い地区では患者数の増加に伴い二次医療サービスのニーズが高まっているが,医療施設が不足している。そのため,優先度の高い非感染性疾患などに従事すべき三次医療サービスに軽微な傷病等の患者が集中するなど,市内のレファラルが適切に機能していない。

2-2.効率性

 無償資金協力「地方医療機材整備計画」のJICAによる事後評価等においてスペアパーツや消耗品の調達に必要な予算が必ずしも十分確保されていない事例が指摘された。本事業における機材検討に際しては,医療従事者の技術レベルや維持管理人員の保守点検能力の確認を行い,さらに病院の維持管理費見込み等,機材保守管理に要する財政的な負担をモンゴル側と確認し必要な予算の確保について合意している。

2-3.有効性

 基準値(2014年実績値)では0である次の指標につき,事業完成後3年後(2020年)には,外来患者数600人/日,画像診断検査数(CT)5700件/年,手術件数2060件/年,受入れ研修医150名/年となることが見込まれる。また,本件により医療サービスという基礎的社会サービスの向上が図られ,全ての人々が恩恵を受ける成長の実現に寄与する。
 日本製の主要医療機材の導入が見込まれ,我が国の医療分野の協力と医療器材の質の良さをウランバートル市民に対し,目に見える形で効果的にアピールできる。
 卒後研修の運営強化,カリキュラムや教材の改善を支援する技術協力「地域医療改善プロジェクト」との相乗効果が期待できる。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)モンゴル政府からの要請書
  • (2)JICAの調査報告書