ODA(政府開発援助)

令和2年8月6日

評価年月日:令和2年6月4日
評価責任者:国別開発協力第三課長 黒宮 貴義

1 案件名

1-1 供与国名

 ザンビア共和国(以下「ザンビア」という。)

1-2 案件名

 コッパーベルト州における保健センターの郡病院への改善計画

1-3 目的・事業内容

 本コッパーベルト州キトウェ郡及びンドラ郡において、各1か所ずつ基礎的な医療を提供する一次レベル病院の整備を図るもの。
 供与限度額は26.54億円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 本計画は、JICA環境社会配慮ガイドライン(2010年4月制定)におけるカテゴリCであり、環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)ザンビア(一人当たり国民総所得(GNI)1,430ドル)は、OECD開発援助委員会(DAC)の援助受取国リスト上、後発開発途上国に分類される。
  • (2)同国における保健セクターの状況は、5歳未満児死亡率57.8(出生1,000対、2018年)、乳児死亡率40.4(出生1,000対、2018年)、妊産婦死亡率213(出生10万対、2017年)であり、2015年までの開発目標であったミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)で掲げた母子保健指標のうち、5歳未満児死亡率63(出生1,000対)は達成しているが、乳児死亡率36(出生1,000対)及び妊産婦死亡率162(出生10万対)は未だ達成しておらず、保健指標の改善が課題となっている。
  • (3)同国においては、基礎的な医療を提供する一次レベル病院が、特に都市部において不足し、二次、三次レベル病院が簡易な手術等にも対応せざるを得ず、本来の機能を十分に果たせなくなっている。こうした中、同国政府は「国家保健戦略」に基づき、首都が位置するルサカ郡(人口約210万人)において一次レベル病院の整備を進めており、同郡における不足は解消されつつある。一方で、銅産地を抱えるコッパーベルト州に位置する国内第2、第3の人口を有するキトウェ郡(人口約69万人)及びンドラ郡(約55万人)は、軽傷治療、予防接種、正常分娩等の基本的な保健サービスを提供する保健センターは約30か所ずつあるものの、簡易な手術や帝王切開等の基礎的な医療を提供できる一次及び二次レベルの公的医療機関がなく、より多くの住民が基礎的な医療にアクセスできるよう一次レベル病院を整備することが喫緊の課題とされている。
  • (4)本計画は、同国の第7次国家開発計画で掲げられた「質の確保された保健サービスへのアクセス」を実現するための具体的な施策として位置付けられており、我が国の対ザンビア国別開発協力方針においても、重点分野の一つである「経済活動を支えるインフラ整備・社会サービスの向上」の中で保健サービスへのアクセス改善に取り組むとしており、同方針に合致している。
  • (5)住民の基礎的医療サービスへのアクセス向上につながる本計画は、2019年の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において日本が表明した取組の1つであるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の一層の促進にも資するとともに、SDGsゴール3(すべての人々に健康と福祉を)の達成にも貢献することから、無償資金協力にて本計画の実施を支援する必要性及び妥当性は高い。
  • (6)また、同国は、国際社会において基本的に我が国の立場を支持する友好国であり、二国間関係の維持・強化の観点からも本計画を通じた支援は重要である。

2-2 効率性

  • (1)建設する施設の規模についてザンビア国保健省側とも協議の上、適正な規模かつ効率的な事業になるよう留意した。また、建設資材費のコストダウンや、華美なデザインとしないなどの対策を行い、効率的な事業になるよう留意した。
  • (2)前例「ルサカ郡病院整備計画」の情報を参考に、適正なコストを検討する形で、効率的な案件形成を行った。

2-3 有効性

 本計画の実施により、2018年基準値と事業完成3年後の2025年の目標値を比べて、主に以下のような効果が期待される。

  • (1)定量的効果:キトウェ郡チャンボリ及びンドラ郡ムシリにおける通常分娩数がそれぞれ新たに2,900件と2,300件増加し、X線撮影件数がそれぞれ新たに5,830件と4,750件増加する。また、三次レベル病院へのリファー数が、キトウェ郡チャンボリでは4,186件から2,918件、ンドラ郡ムシリでは、2,826件から1,970件に軽減される。
  • (2)定性的効果:対象一次レベル病院周辺の住民に対する医療サービスの質の改善、住民の健康増進に加え、キトウェ郡及びンドラ郡のリファラル・システムが強化される。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ザンビア政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
政策評価法に基づく事前・事後評価へ戻る