ODA(政府開発援助)

平成29年3月31日

評価年月日:平成29年3月6日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

カンボジア王国

1-2 案件名

コンポントム上水道拡張計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,カンボジア北部のコンポントム州都で急増する水道水の需要に対応する為に,給配水施設を建設することにより,地域の給水能力を増強し,もって社会開発の促進に寄与するもの。供与限度額は32.71億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 事業実施機関により,浄水場建設予定地の取得手続き,環境影響評価(EIA)の承認取得などが適切に行われることが必要。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)カンボジアでは,内戦後我が国及び他ドナーの支援により,首都プノンペンでの給水サービスは24時間飲料給水を実現し,給水率は90%,無収水率は8%(2006年)にまで向上したが,他都市における安全な水へのアクセス率は依然低く,給水サービスの質も低く課題を抱えている。
  • (2)カンボジア政府は「第三次四辺形戦略」及び「国家戦略開発計画(NSDP:2014-2018)」において,2025年に都市部での安全な飲料水へのアクセス率を100%にすることを目指し,工業・手工芸省(MIH)主導で地方都市の上水道施設整備を重要課題として進めている。
  • (3)本計画の対象となるコンポントム州の州都地域では,浄水場の供給力や配水管網の整備不足により給水率は41%にとどまっている。また,都市化が進んでいることから給水対象地域をさらに拡大する必要があるが,既存の浄水場の供給量は既に能力の90%を超えており,早急な拡張整備を必要としている。
  • (4)我が国は,プノンペンの成果を地方都市にも横展開するため,技術協力と資金協力を組み合わせ,上水道施設の運転技術向上・経営改善と施設拡張に継続的に取り組んでおり,同セクターに対する我が国からの支援への期待は大きく,これに応えることは二国間関係の一層の強化に資すると考えられる。

2-2 効率性

 JICAの技術協力により,コンポントム水道局による既存施設の適切な運転・維持管理及び組織運営に係る能力強化を図っており,本計画との相乗効果が期待される。

2-3 有効性

  • (1)2014年実績値と比べて事業完成3年後の2024年には,コンポントム州都地域の給水人口が約25,000人から約73,000人に,日平均給水量(立方メートル/日)が約4,000立方メートルから約10,000立方メートルに,家庭用給水栓数(軒)が約4,200軒から約12,400軒にそれぞれ改善される見込み。
  • (2)これまで雨水等を利用していた住民の公衆衛生環境の改善及び水不足の不安の解消,貧困層の水へのアクセスの促進が図られる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)カンボジア政府からの要請書
  • (2)外務省ODA評価年次報告書2015
  • (3)「メコン地域のODA案件に関わる日本の取組の評価」報告書
  • (4)カンボジア国別評価報告書(2005年度)
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