ODA(政府開発援助)

平成29年3月31日

評価年月日:平成29年2月13日
評価責任者:国別開発協力第一課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

カンボジア王国

1-2 案件名

バッタンバン州病院改善計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,バッタンバン州の拠点病院であるバッタンバン州病院の施設及び医療機材を整備・供与することにより,近隣州を含む当該地域の保健システムの強化を図り,もって同国の社会開発の促進に寄与するもの。供与限度額は14.53億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 事業実施機関により州病院の敷地内において本事業用地が確保されること。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)カンボジア政府は,「国家戦略開発計画(NSDP:2014-2018)」において,保健を優先分野に掲げ,「国家保健戦略計画(2016-2020)」において,質の高い保健サービスの提供と公平なアクセスの確保を優先政策の一つに掲げている。
  • (2)同国の和平成立以降,我が国は,カンボジアの保健・医療セクターにおいて,国立母子保健センターの建設などの無償資金協力と人材育成とその組織作りのための技術協力などを組み合わせて一貫して支援しており,その結果,国単位での保健指標の改善に著しい成果が表れるなど,同セクターにおける我が国の貢献に対する評価は高い。
  • (3)一方で,首都プノンペンと地方の格差は大きく,地方における医療サービス向上はいまだ課題となっている。本事業の対象は,首都に次ぐ第二の州であるバッタンバン州の州病院であるが,南部経済回廊の一部である国道5号線が位置する主要な物流の経由地であることから,交通事故等により外科患者数等が急増している。一方,その設備は老朽化が進んでいる。我が国は,これまで州病院の整備を支援し,中央から地方への横展開を図ってきており,その一環である本事業に対する支援への期待は大きく,これに応えることは二国間関係の一層の強化に資する。

2-2 効率性

JICAの技術協力によりバッタンバン州病院研修部が設置されるとともにその強化が図られてきており,本計画との相乗効果が期待される。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)質の高い医療サービスの提供,地域のレファラル体制の強化,地域の中核研修センターとしての機能の拡大。
  • (2)医療サービス利用者数の増加(2015年実績値から2022年(事業完了3年後)の目標値として,外科入院患者数を年間約2,738人から年間約3,356人に,内科ICU入院患者数を年間約1,261人から約1,618人に,外科手術件数を年間約970件から1,101件に設定)

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)カンボジア政府からの要請書
  • (2)外務省ODA評価年次報告書2015
  • (3)「メコン地域のODA案件に関わる日本の取組の評価」報告書
  • (4)JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)
  • (5)カンボジア国別評価報告書(2005年度)
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