ODA(政府開発援助)

平成28年12月16日

評価年月日:平成28年11月7日
評価責任者:国別開発協力第二課長 田中 秀治

1 案件名

(1)供与国名

ブータン王国

(2)案件名

国道四号線橋梁架け替え計画

(3)目的・事業内容

 本計画は、ブータンの国道四号線上に架かる橋梁の架け替えを行うことにより、効率的・安定的な運輸交通の確保を図り、もって持続可能な経済成長に寄与するもの。供与額は21億5,600万円。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 ブータン道路局により、施工入札公示までに環境承認の取得が完了されること。

2 無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • ア ブータンは、国土(面積38,394平方キロメートル:九州の約90%)の大部分が山岳地帯であり、道路交通が最も重要な交通・輸送手段の役割を担っている。ブータン公共事業・定住省は2006年に道路セクターマスタープラン(Road Sector Master Plan)を策定し、2027年までの20年間に国道や県道などの道路網拡張及び改修整備と支線道路の充実、維持・補修、架け替え等を実施することとしている。また、ブータン政府は、「第11次五か年計画(2013年~2018年)」において、全国国道網の改善、水力発電所建設サイトへのアクセスの改善等を重点事項として挙げている。
  • イ ブータンの主要道路ネットワークは、国土の東西に走る国道1号線とインド国境まで南下する4本の国道(国道2~5号線)(国道総延長約1,860キロメートル(2013年))のみである。そのうち、国道4号線は、同国中部の中心都市トンサと南部の中心都市ゲレフを結んでおり、人の移動・物流の観点から国内の重要路線である。また、同国経済を牽引することが期待される国家プロジェクトであるマンデチュ水力発電所の建設が同国道沿いで進行中であり、同国道は発電所の建設資機材の輸送ルートとして重要な役割を果たしている。しかし、同国道上に架かる橋梁の中には、1980年代以前に設置された老朽化した橋梁で、かつ幅員・耐荷重ともに現行設計基準の規格値を満たしていない橋梁が多くある。

(2)効率性

 現在実施中のブータンにおける橋梁施工監理及び維持管理能力向上を目的とした技術協力「橋梁施工監理及び維持管理能力向上プロジェクト」により向上した橋梁の維持管理能力が、本計画で整備される橋梁の維持管理にも活用されるよう図ることとする。

(3)有効性

 本件の実施により、以下のような成果が期待される。

  • ア 2015年から事業完成後3年後の2023年までの間に、架け替えを実施する4橋上で、(ア)一日あたりの交通量、旅客人数及び貨物積載量がそれぞれ約3割増加し、(イ)通行可能最大車両トン数が、55トン(全4橋)から100トンに増加する。
  • イ 橋梁の性能及び安全性の向上、接続道路部の切り土面の保護工の実施による道路の安全性の向上、歩道の設置による歩行者の安全性の確保、地域の経済活性化の促進、地方部の生活改善が図られる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ブータン政府からの要請書
  • (2)ブータン国別評価報告書
  • (3)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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