ODA(政府開発援助)

政策評価法に基づく事前評価書

平成28年10月7日

評価年月日:平成28年9月1日
評価責任者:国別開発協力第三課長 今福孝男

1 案件名

1-1 供与国名

セネガル共和国

1-2 案件名

ダカール港第三埠頭改修計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,ダカール港において主にマリ向けバルク貨物を扱う第三埠頭の改修を行うことにより,ダカール港を経由するマリ向け物流の拡大を図り,もってセネガルの持続的成長の後押しとマリの食料安全保障に寄与するもの。供与限度額39.71億円。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)本計画は,環境社会配慮カテゴリー分類がBであり,「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010年4月公布)に掲げる影響を及ぼしやすい港湾セクターのうち大規模なものに該当せず,環境への望ましくない影響は重大でないと判断され,かつ,同ガイドラインに掲げる影響を及ぼしやすい特性及び影響を受けやすい地域に該当しない。
  • (2)治安の悪化等により,マリ-セネガル間の物流が阻害されないことが条件。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)セネガル政府は,国家開発計画「セネガル新興計画(PSE)」においてダカール港の近代化を優先課題に掲げており,PSEの「優先行動計画」及び「ダカール港マスタープラン」において第三埠頭の劣化状況に言及するなど,同埠頭の改修を緊急に実施すべき優先事業に位置づけている。
  • (2)ダカール港は後背内陸国のゲートウェイとしての役割を果たしており,年間貨物取扱量のうち内陸国向けトランジット貨物が15%を占め,そのうち9割以上がマリ向け貨物にあたる。
  • (3)第三埠頭で取り扱うマリ向け貨物の多くは,米,肥料,砂糖等からなり,マリの食料安全保障上極めて重要な役割を担っている。他方,同埠頭は老朽化が著しく,陥没や沈下等が生じているほか一部崩落の危険性も示唆されており,安全な荷役の阻害及び荷役機械の導入の障害になっている。雨季には陥没箇所の滞水のため荷役ができない場所が広く存在し,腐水によって貨物と荷役労務者の衛生環境が保持されていない。また,既存岸壁の水深が浅く,大型船舶が寄港できないため,拡大する貨物輸送の障害となっている。
  • (4)かかる状況からセネガル政府は我が国に対して,安全かつ効率的,衛生的な荷役の実現とダカール港を経由するマリ向け物流の拡大を図るため,同埠頭の改修に対する支援を要請した。
  • (5)本計画は,TICAD VIで表明した我が国取組「経済の多角化・産業化」を具現化するものであり,マリの食料安全保障に貢献するものである。
  • (6)日本とセネガルは同時期に共に安保理非常任理事国を務めていることに加え,同国はIWCにおいても日本の立場を支持している。本計画を通じ,良好な日・セネガル関係を維持・強化させることは,国際場裡における同国からの支持を引き続き獲得していくために極めて重要である。

2-2 効率性

 必要性,施工効率を勘案し,先方政府とも調整の上,整備内容及び規模の絞り込みを行った。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)本計画完成3年後で,第三埠頭の貨物取扱量(トン/年)が,85万トン(2015年)から120万トン(2022年),ダカール港で取扱う個体バルクのマリ向け貨物量が,65万トン(推計値,2015年)から93万トン(2022年)に改善され,また,降雨時に水はけの悪さから雨水の滞水が原因で荷役作業が滞る期間が4か月(2015年)から1か月(年間の延べ月数,2022年)に短縮される。
  • (2)第三埠頭の港湾施設の長寿命化
  • (3)第三埠頭における安全・衛生的な荷役作業の環境確保
  • (4)マリへの外貿運輸(海運)インフラと安定した物流ルートの確保

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)セネガル政府からの要請書
  • (2)JICAの協力準備調査報告書