ODA(政府開発援助)
政策評価法に基づく事前評価書
平成28年9月28日
評価年月日:平成28年9月1日
評価責任者:国別開発協力第1課長 原 圭一
1 案件名
1-1 供与国名
カンボジア王国
1-2 案件名
プノンペン公共バス交通改善計画
1-3 目的・事業内容
本計画は,交通渋滞が深刻化している首都プノンペンのバス公社に対し,バスを供与することにより,公共路線バスの輸送力増強による交通渋滞の改善を図り,もってプノンペンの経済基盤の強化に寄与するもの。供与限度額は13.96億円である。
1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点
プノンペンのバス公社が公共交通の整備に係る政策を継続し,バス運行に必要な財源を確保すること。
2 無償資金協力の必要性
2-1 必要性
- (1)カンボジア政府は,「第三次四辺形戦略」において,戦略の柱の一つとして「インフラ整備」を掲げるとともに,「国家戦略開発計画(NSDP:2014-2018)」において,都市化と都市課題に取り組むこととしている。
- (2)カンボジアの首都プノンペンでは,近年の経済発展や急激な都市化の振興を背景に交通渋滞や都市環境の悪化が深刻化し,早急な対応の必要な課題となっている。
- (3)我が国は,都市交通マスタープラン策定と,右に関連した公共路線バスの社会実験の支援実績があり,同分野における我が国の継続的な支援への期待は高い。
2-2 効率性
技術協力プロジェクト「プノンペン公共バス運営改善プロジェクト」の実施を予定しており,これによりバス公社の路線バス運行管理能力が改善され,本計画との相乗効果が期待される。
2-3 有効性
本件の実施により,以下のような成果が期待される。
- (1)バス運行路線が2016年の3本から,事業完成3年後の2021年には5本に増加する。
- (2)バス利用者数が2016年の8,133人/日から,事業完成3年後の2021年には40,000人/日に増加する。
- (3)路線バスルートにおける交通渋滞が緩和する。また,公共バスの運行サービス向上により,公共交通利用に対する市民の意識が向上する。
3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等
- (1)カンボジア政府からの要請書
- (2)外務省ODA評価年次報告書2015
- (3)「メコン地域のODA案件に関わる日本の取組の評価」報告書
- (4)JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)