日本のODAプロジェクト
パキスタン
無償資金協力 案件概要
令和3年4月1日
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
4.84億円 |
案件概要 |
この協力は、パキスタンにおけるポリオの新規発症が新たに確認され、感染拡大の可能性が高い地域において、5歳未満児を対象に、集中的にポリオワクチン接種キャンペーンを実施するために必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、約2,090万人 の5歳未満児へのワクチン接種が可能となり、彼らのポリオウィルスへの免疫向上及び同国におけるポリオ撲滅に貢献し、ひいては、同国から他国へのポリオ感染拡大を防止し、国際的なポリオ撲滅に向けた取組に寄与することが期待されます。 |
ファイサラバードにおける浄水場及び送配水管網改善計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
40.94億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタン第三の人口を擁するファイサラバード市(パンジャブ州)において、既存浄水場の更新・拡張、送配水施設の整備等を行うことを支援するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、水道サービスの質の低さを指摘されている同市の給水能力を向上させ、もって住民の生活環境の改善、人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
アフガン難民及びホストコミュニティに対する保護、教育及び生計支援計画(UNHCR連携) |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
3.84億円 |
案件概要 |
この協力は、UNHCRと連携の下、アフガン難民が多く居住するバロチスタン州、ハイバル・パフトゥンハー州及びパンジャブ州において、アフガン難民及びホストコミュニティの児童が通う学校の増築・改築や女子教育促進、並びに両コミュニティのための職業訓練施設改修等の支援を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、新たに両コミュニティの約1,400人の児童が学校教育の機会を得るほか、職業訓練により両コミュニティの生計改善に寄与すること等が期待されます。 |
人材育成奨学計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
3.18億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの若手行政官等が、我が国で学位を取得するために必要な学費等を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタンの行政官等が自国の開発や発展に必要な各分野の専門的知識を習得し、帰国後、パキスタン政府の政策立案等に貢献することが期待されます。また、日・パキスタン間の相互理解及び友好関係の強化に加え、国際的な知的ネットワークの強化に寄与する人材の育成につながることが期待されます。 |
サッカル市における気象レーダー設置計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
19.86億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのシンド州サッカル市における新規気象レーダーシステムの導入とイスラマバードやラホール等の国内関係各所における気象レーダー表示システムの設置にかかる支援を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、同国災害対策機関等に提供される気象情報の観測密度が、2019年時点の平均88キロメートルメッシュ(注)から、事業完成3年後の2026年時点には1キロメートルメッシュに向上する等、同国気象局の気象観測能力の向上に貢献することが期待されます。また、国家防災庁等の同国災害対策機関、主要空港及びマスメディアに対する正確な情報提供を通じ、当該災害対策機関の適時適切な対応による災害被害及び被害者数の減少や主要空港の安全な運航の確保による社会基盤の改善に寄与することも期待されます。
(注)メッシュ:観測対象地域を正方形に区切った観測の最小単位。観測機器の性能が良いほどメッシュは小さい。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
10億円 |
案件概要 |
この協力は、保健・医療関連機材をパキスタン政府に供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタンの感染症対策及び保健・医療体制の強化が図られ、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。 |
ハイバル・パフトゥンハー州における災害に対して強靱な学校設備整備計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
4.71億円 |
案件概要 |
この協力は、パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州において、学校の耐震化、教育関連機材供与及び防災教育にかかる支援を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、同州の150校の既存学校の耐震工事、12校の新規耐震学校建設、60回の防災研修が実施され、地域防災人材や一般市民の防災に係る認知度と能力が向上し、もって同国の人間の安全保障の確保及び社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
令和2年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
この協力は、パキスタンのイスラマバード市に対し、日本企業製品を含む廃棄物管理機材(ごみ収集車等)を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、同市における廃棄物管理能力の向上と生活環境改善を図り、もって人間の安全保障の確保と社会基盤の改善を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの国立繊維大学に対し、繊維工学関連機材を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタンの繊維産業における人材育成や技術力向上を図り、もって同国の経済基盤の改善を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。 |
ハイバル・パフトゥンハー州新併合地域における平和構築のための法の支配強化計画(UNDP連携) |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
3.81億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのハイバル・パフトゥンハー(KP)州に併合された旧FATAにおいて、モデル警察署の建設、地域別年次警察計画策定支援、及び現地部族警察等への研修等を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、対象地域に居住する約7,500人への警察サービス向上やコミュニティの安全性向上による裨益、約500人の部族警察官のジェンダー意識を含む警察能力向上等が期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画(UNICEF連携) |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
4.85億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるポリオの新規発症が新たに確認された地域及び感染拡大の可能性が高い地域において、5歳未満児を対象に、集中的にポリオワクチン接種キャンペーンを実施するために必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、約2,000万人の5歳未満児へのワクチン接種が可能となり、彼らのポリオウィルスへの免疫向上及び同国におけるポリオ撲滅に貢献し、ひいては、同国から他国へのポリオ感染拡大を防止し、国際的なポリオ撲滅に向けた取組に寄与することが期待されます。 |
アフガン難民及びホストコミュニティのための保健、教育、水及び衛生環境改善計画(UNHCR連携) |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
2.37億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州、バロチスタン州、シンド州、パンジャブ州及びイスラマバード首都圏にて、アフガン難民及びホストコミュニティに対する保健支援等を行い、アフガン難民及びホストコミュニティの公的サービスへのアクセスの改善を図るものです。 |
裨益効果 |
この協力により、約50,000人の難民及び避難民の健康状況が改善され、約18,000人への水供給量が維持もしくは増加し、アフガン難民及びホストコミュニティの飲料水へのアクセスが改善され、約2,000人の教育サービスへのアクセスが改善する予定です。また、対象地域におけるアフガン難民及びホストコミュニティの人道状況が改善し、パキスタン国内の治安悪化防止に貢献することが期待されます。 |
パキスタンにおける農業食品及び農業関連産業開発支援計画(UNIDO連携) |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
5.6億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのハイバル・パフトゥンハー州及びバロチスタン州において、農産品のバリューチェーン構築に係る支援(農産加工機材供与、保管倉庫整備及び技術支援等)を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、事業完成時(2023年)までに、約240人の農業普及員の農産品バリューチェーンの構築技術習得、約10,000人の農家・農業関連従事者の農産品の付加価値向上に関する研修受講、5種類の農産品の高付加価値化、及び認証基準に基づいた5戸の農産品加工・保管施設の建設が行われ、対象地域における農業及び農業関連産業従事者の生計向上が期待されます。 |
人材育成奨学計画 |
実施年度 |
令和元年度 |
供与限度額 |
3.22億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの若手行政官等が、我が国で学位を取得するために必要な学費等を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタンの行政官等が自国の開発や発展に必要な各分野の専門的知識を日本で習得し、帰国後、パキスタン政府の政策立案等に貢献することが期待されます。また、日・パキスタン間の相互理解及び友好関係の強化に加え、国際的な知的ネットワークの強化に寄与する人材の育成につながることが期待されます。 |
パキスタン医科学研究所における母子保健センター及び小児病院の集中治療拡充計画 |
実施年度 |
平成31年度 |
供与限度額 |
36.2億円 |
案件概要 |
この協力は、パキスタン国内有数の第三次医療施設であるパキスタン医科学研究所(PIMS)において、小児病院及び母子保健センターのハイリスク周産期を対象とした診断・治療機能を新施設に集約・拡充するために新棟建設及び新生児保育器等の機材供与を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、母体胎児集中治療室が新設されることで、事業完成3年後の2024年には年間300件の同集中治療患者を収容できようになる等、PIMSにおけるハイリスク妊産婦、褥婦、新生児への医療サービス提供体制の強化や患者サービスの質の向上が期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
平成31年度 |
供与限度額 |
19億円 |
案件概要 |
この協力は、パキスタンの内陸物流拠点に貨物検査設備を整備するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、同国の主要内陸物流拠点における貨物検査能力の強化とともに非合法物資の流通抑制を通じてテロ発生リスクの低減に寄与することが期待されます。 |
ハイバル・パフトゥンハー州のアフガン難民受け入れ地区における栄養失調児及び妊婦・授乳婦への栄養支援計画(WFP連携) |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
3.96億円 |
案件概要 |
この協力は、世界食糧計画を通じて、パキスタン北部のハイバル・パフトゥンハー(KP)州に居住するアフガン難民、国内避難民及び受入れコミュニティの乳幼児及び妊婦・授乳婦に対して、栄養支援(栄養補助食品配布及び栄養・保健研修の実施等)を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、アフガン難民、国内避難民及び受入れコミュニティの栄養失調と診断された乳幼児約3万人及び妊婦・授乳婦約2万8千人の栄養改善、同州対象地区女性ヘルスワーカー200人以上に対するメンター研修等を通じて乳幼児及び妊婦・授乳婦の栄養改善を図り、もってパキスタンの平和と安定の確立に寄与することが期待されます。 |
ハイバル・パフトゥンハー州部族地域における包摂的な生計手段を通じた安定化計画(UNDP連携) |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
4.03億円 |
案件概要 |
この協力は、国連開発計画を通じて、パキスタン北部のハイバル・パフトゥンハー州の旧連邦直轄部族地域(FATA)において、帰還した国内避難民に対し、インフラ修復支援(主要道路修復、給水設備改修等)、生計改善支援(職業訓練実施及び関連機材供与)及びコミュニティの社会的結束力強化支援を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、コミュニティインフラの修復による約17,500人の帰還した国内避難民の生活環境改善、若年層への職業訓練による約6000人の生計向上、帰還した避難民の社会的結束力強化及び経済機会の提供促進、教育や水・衛生等の基礎的サービスへのアクセス向上等を通じて、同地域における包括的発展とパキスタンの平和と安定の確立に寄与することが期待されます。 |
パキスタン沿岸地域における津波及び地震対策強化計画(UNDP連携) |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
4.11億円 |
案件概要 |
この協力は、国連開発計画を通じて、パキスタンの沿岸地域における地震及び津波への対策に関する行政(政策立案、早期津波警報システム改善等)及びコミュニティレベル(避難所の設置、学校向けガイドライン作成、災害対応能力強化研修の実施等)の支援を行うものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタン政府関係者への技術研修を通じた対象地域約150万人の災害対策能力の強化、避難訓練及び学校向け地震・津波対策ガイドラインの作成による対象地域約5.6万人の学校生徒の災害対策能力強化等を通じて、同国の人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画(UNICEF連携) |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
5.10億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるポリオの感染拡大が懸念される地域において、UNICEFを通じて、全国への感染拡大を防ぐための接種キャンペーンに必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、約2,100万人の5歳未満児へのポリオワクチン接種が可能となり、5歳未満児のポリオウイルスへの免疫向上、及びパキスタンにおける新規発症件数の減少、ひいては同国のポリオ撲滅に寄与し、同国の人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に貢献することが期待されます。 |
アフガン難民及びパキスタン若年層の保護計画(UNHCR連携) |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
2.94億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンに居住するアフガン難民に対する法的支援及び保護支援、同難民及びホストコミュニティーの若年層に対して職業支援を行うことにより、その安定的な居住と生活環境の改善を図るものです。 |
裨益効果 |
この協力により、アフガン難民約45,000人に対するパキスタン当局による逮捕・拘束及び裁判時や難民登録等に際する法的支援、バロチスタン州における同難民及びホストコミュニティーの若年層(約1,000人)に対する職業訓練、ハイバル・パフトゥンハー州及びバロチスタン州における同難民への医療サービスの提供が行われ、同難民の居住安定化と生活環境改善、及び、同難民のホストコミュニティ-の若年層の生計向上に貢献し、パキスタンの治安悪化防止に寄与することが期待されます。 |
人材育成奨学計画 |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
3.28億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの若手行政官等が、我が国で学位を取得するために必要な学費等を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタンの行政官等が自国の開発や発展に必要な各分野の専門的知識を日本で習得し、帰国後、パキスタン政府の政策立案等に貢献することが期待されます。また、日・パキスタン間の相互理解及び友好関係の強化に加え、国際的な知的ネットワークの強化に寄与する人材の育成につながることが期待されます。 |
ムルタン市気象レーダー整備計画 |
実施年度 |
平成30年度 |
供与限度額 |
20.42億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのパンジャブ州ムルタン市において、気象レーダーシステムを整備することにより、災害を引き起こす気象現象の監視能力の強化及び同国の気象・洪水情報や予警報の精度向上を図るものです。 |
裨益効果 |
この協力により、2017年時点で既設の地上観測所により、1時間間隔で平均74.6キロメートルメッシュ(注)の降水データを観測している状態から、2025年には、気象レーダーサイトから半径300~400キロメートル内において、10分間隔で1キロメートルメッシュの精度で観測可能となり、観測密度が向上するとともに、正確な気象情報の提供が可能になり、災害軽減策の実施促進、二次災害防止につながることが期待されます。
(注)メッシュ:観測対象地域を正方形に区切った観測の最小単位。観測機器の性能が良いほどメッシュは小さくなる。 |
第二次空港保安強化計画 |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
23.92億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの主要国際空港(ムルタン、ファイサラバード、新イスラマバード、カラチ)において、保安機材を整備することにより、空港保安体制の強化を図るものです。 |
裨益効果 |
この協力により、ムルタン空港、ファイサラバード空港およびカラチ空港において、2023年にはすべての航空機が、国際的要件を満たす安全性の確認後に出発することとなる見込みであり、また、ムルタン空港、ファイサラバード空港、新イスラマバード空港においては、2023年には空港敷地内に入場する全ての車両が、国際的要件を満たす安全性を確認後に入場することになる見込みです。これにより、パキスタンにおけるテロ発生リスクが低減することが期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
洪水をはじめとする自然災害多発国であるパキスタンにおける防災対策は依然として脆弱性を抱えており、気候変動に起因する洪水等への対策が喫緊の課題とされています。この計画では、パキスタン政府に対し、我が国で製造された自動気象観測システムをはじめとする防災関連機材等を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、同国の災害対策強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。 |
国立保健研究所ポリオ検査室改善計画(WHO連携) |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
3.55億円 |
案件概要 |
この計画は、イスラマバードのパキスタン国立保健研究所に、ポリオウイルス検体検査に必要な機材及び薬剤を供与することにより、迅速かつ的確なウイルス検査を可能にし、疫学状況の監視機能の強化を図るものです。 |
裨益効果 |
この計画により、現在40日間要しているポリオウイルスの検体検査のうち、8割以上の検査が28日以内に短縮されます。また、パキスタン国立保健研究所が、アフガニスタン等周辺国の検体検査や職員の能力強化研修にも活用されていることから、パキスタンのみならず、周辺国におけるポリオ分析の能力向上にも寄与することが期待されます。 |
ノンフォーマル教育強化計画(UNICEF連携) |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
3.93億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのシンド州、バロチスタン州及びハイバル・パフトゥンハー州において、UNICEFとの連携により、ノンフォーマル教育用の施設整備、及び学校教育を受けることができない児童や青年へ対するノンフォーマル教育の実施を支援することにより、基礎教育へのアクセスの改善を図るものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、ノンフォーマル教育センターを400箇所整備し、約14,750人の非就学児童及び青年が基礎教育を受けられるようになり、また、教員(約400名)への能力向上研修を実施し、ノンフォーマル教育の質の向上を目指します。さらに、ノンフォーマル教育センターを開設する地域コミュニティの住人約8,000名に対し、センター運営に係る知識・ノウハウを習得する機会が提供され、ノンフォーマル教育に対する理解を促進し、非就学児童及び青年の基礎教育へのアクセスが改善されることが期待されます。 |
連邦直轄部族地域における生計回復計画(FAO連携) |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
5.60億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの連邦直轄部族地域(FATA)において、持続的な農業開発支援を行うことにより、帰還民の安定した生計の維持による定住の促進を図るものです。 |
裨益効果 |
この計画により、帰還した約12万世帯のうち32,651世帯(約29万人)の安定した生計の維持と定住化、それに伴う若年層の武装勢力に傾倒する可能性の低下、治安の安定化につながりることが期待されます。また、農業生産の増加により、FATA及び周辺地域の食糧安全保障が強化されます。 |
パキスタン口蹄疫対策強化計画(FAO連携) |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
2.97億円 |
案件概要 |
この計画は、家畜が特に多い主な4州(シンド州、パンジャブ州、ハイバル・パフトゥンハー(KP)州、バロチスタン州)及び首都イスラマバードにおいて、FAOとの連携により、口蹄疫対策の強化を図るものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、850万世帯の小農を中心に構成される畜産セクターの生産性が向上するほか、獣医・獣医助手約1,400名が口蹄疫症例の理解、診断・予防方法について習得します。さらに、畜産農家約40,000名が口蹄疫に対する知識を習得し、ワクチン接種の必要性に対する理解を深めることが期待されます。 |
シンド州及びハイバル・パフトゥンハー州における若年層のエンパワーメント計画(UNDP連携) |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
4.19億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンのシンド州及びハイバル・パフトゥンハー州において、UNDPとの連携により、若年層への技能訓練等の就労支援及び社会参加を促進し、社会安定化を図るものです。 |
裨益効果 |
この計画により、約50箇所のコミュニティーセンターが設置され、若年層約10,000人に対し各種社会・文化活動への参加が促進されます。また、約12,000人に対する就労支援をはじめ、約20,000人に対する生活技能訓練を行うことで、若年層の健全な経済・社会参画を通じた社会安定化を図り、パキスタンの国境地域などの安定化やバランスの取れた発展に寄与することが期待されます。 |
選挙支援計画 |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
6.39億円 |
案件概要 |
この協力は、UNDPを通じて、パキスタン選挙委員会の能力向上、女性及び青年の選挙参加促進並びにメディアの能力向上を行うものです。 |
裨益効果 |
本計画を行うことにより、パキスタンにおける自由で公正な選挙の円滑な実施を図り、同国の安定した持続的な社会の構築に寄与することが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
平成29年度 |
供与限度額 |
5.20億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるポリオの感染拡大が懸念される地域において、UNICEFを通じて、全国への感染拡大を防ぐための接種キャンペーンに必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、ポリオの感染拡大の防止を図り、パキスタンにおける人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に貢献することが期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
平成28年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
この計画は、テロ対策を優先課題とするパキスタンに対し、我が国で製造されたテロ対策に資する機材等を供与するものです。 |
裨益効果 |
パキスタンのテロ対策・治安改善分野における能力向上及びこれを通じた経済社会開発を後押しするのみならず、それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り、継続的な需要を創出し、日本経済の活性化に貢献することが期待されます。 |
女性専用交通整備計画 |
実施年度 |
平成28年度 |
供与限度額 |
1.91億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおいて、女性や児童専用のバス車両を調達し、停留所を整備するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、女性の教育や保健サービスへのアクセス改善及び経済活動への参加促進を図り、パキスタンにおける女性の社会的地位の向上による人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
平成28年度 |
供与限度額 |
4.04億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるポリオの突発的な感染拡大が懸念される地域において、UNICEFを通じて、全国への感染拡大を防ぐための接種キャンペーンに必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、ポリオの感染拡大の防止を図り、パキスタンにおける人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に貢献することが期待されます。 |
経済社会開発計画 |
実施年度 |
平成28年度 |
供与限度額 |
2億円 |
案件概要 |
今回の協力は、テロ対策に取り組むパキスタンに対し、我が国で生産される平和構築・人道支援・テロ対策分野の機材・製品等を購入するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
我が国で生産される平和構築・人道支援・テロ対策分野の機材・製品等を供与することを通じて、パキスタンのテロ対策等平和構築分野における能力向上及び経済社会開発を支援するのみならず、それらの機材・製品等に対する認知度の向上を図り、継続的な需要を創出し、日本経済の活性化に貢献することが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
3.60億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるポリオの突発的な感染拡大が懸念される地域において、UNICEFを通じて、全国への感染拡大を防ぐための接種活動(モップアップキャンペーン)に必要なワクチンを調達するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、同地域からの感染拡大の防止を図り、パキスタンにおける人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
不正薬物取引及び関連する国際的な組織犯罪に対する国境安全強化計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
7.68億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンにおけるアフガニスタン及びイランとの国境地域において、UNODCを通じて、麻薬取締局拠点の設置、機材供与、各種研修及び啓発活動等を行うための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、パキスタンの法執行機関の不正薬物取締能力及び国境管理能力の強化を図り、不正薬物取引の抑制、テロ対策及び国境地域等の安定・バランスの取れた発展に寄与することが期待されます。 |
送変電設備運用・維持研修所強化計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
9.94億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタンの国営送電会社に対して、送変電設備の運用や事故への対応に係る訓練用のシミュレーター及び研修施設を整備するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、送変電設備の適切な運用・維持に向けた研修機能の向上を図り、深刻な電力不足を抱えるパキスタンにおける電力の安定的な供給及び経済基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
シンド州北部農村部女子前期中等教育強化計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
9.73億円 |
案件概要 |
この計画は、パキスタン南部に位置するシンド州北部6県において、女子前期中等学校の建設、老朽化した初等学校の建て替え及び学校備品の供与を行うための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力により、パキスタンにおける女子児童の基礎教育の充実、就学に係る男女間格差の是正及び高等教育への女子進学率の向上を図り、人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
カラチ気象観測用レーダー設置計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
19.49億円 |
案件概要 |
この計画は、カラチの老朽化した既存の気象観測レーダーシステムを更新するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力によって、パキスタン気象庁の気象観測能力向上を図り、もってパキスタン南部におけるサイクロンや洪水等の自然災害による被害の軽減及び同国における人間の安全保障の確保と社会基盤の改善に寄与することが期待されます。 |
連邦直轄部族地域における農業経済復興・開発支援計画(FAO連携) |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
5.99億円 |
案件概要 |
この計画は、アフガニスタンと国境地域を接する連邦直轄部族地域(FATA)において、農業関連施設の復旧、農業資材の供与及び技術指導等を行うするものです。 |
裨益効果 |
今回の協力によって、連邦直轄部族地域(FATA)において、持続的な農業開発支援を行うことにより、貧困・経済的格差の削減を図り、もって同地域の安定・バランスの取れた発展及びパキスタンにおける平和構築に寄与することが期待されます。 |
ラホール給水設備エネルギー効率化計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
25.54億円 |
案件概要 |
この計画は、パンジャブ州ラホール市において老朽化した給水設備を更新するするものです。 |
裨益効果 |
今回の協力によって、低下した井戸能力の回復と給水設備に係るエネルギー使用の効率化を図り、もって持続的で安定した給水サービスの実現及び同国の経済成長に寄与することが期待されます。 |
ファイサラバード市中継ポンプ場及び最終配水池ポンプ機材改善計画 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
16.16億円 |
案件概要 |
この計画は、パンジャブ州ファイサラバード市において老朽化した送配水設備を更新するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力によって、送配水設備にかかるエネルギー使用の効率化、送配水コストの削減を図り、もって持続的で安定した給水サービスの実現及び同国の経済成長に寄与することが期待されます。 |
中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成27年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
パキスタンの経済社会開発を促進するために必要な資機材を購入するための資金を供与するもの。 |
裨益効果 |
優れた技術を有する我が国中小企業の製品を調達することにより、同国の経済社会開発努力が促進されるとともに、今後の我が国中小企業の同国への展開の足がかりとなることが期待される。 |
第二次洪水警報及び管理能力強化計画 |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
4.89億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、2010年に死者数が1,700人以上を超える甚大な洪水被害が発生したほか、その後も頻繁に大規模な洪水被害に見舞われており、深刻な人道上の問題が生じているのみならず同国における経済発展の阻害要因ともなっています。これを受け、2011年に我が国支援「洪水警報及び管理能力強化計画」により、我が国の技術を活用した洪水予測システムを同国のインダス川流域に導入しました。これによって、インダス川本線の上流域において初めて河川流量の把握と、下流域における洪水・氾濫予測が可能となりました。
今回の支援は、上記洪水予測システムの適応範囲をインダス川東部支線流域にまで拡大するとともに、インダス川流域に水文観測施設を整備することで、洪水予測精度の向上を図るものです。また、洪水予警報にかかる情報伝達ネットワークの構築及び防災関係者への災害管理研修等を通じて、同国における洪水被害の軽減に貢献するものです。
なお本件支援は、我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した、2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものです。我が国としては、全ての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。 |
カラチ港及びビンカシム港治安強化計画 |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
18.77億円 |
案件概要 |
2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件以降、パキスタン政府は治安対策、テロ発生の防止を重要視し、関連法の制定、テロリスト掃討作戦の実施とともに、国境や港湾における警備全般の強化や武器保有の規制を行っています。そのような中、パキスタンを代表する国際港であるカラチ港及びビンカシム港では、国際貿易の安全確保等を目的として世界税関機構(WCO)で採択された検査水準を満たしておらず、目視による開披検査が主流になっているなど、検査体制の質の確保及び通関の円滑化に大きな支障をきたしています。
この協力は、カラチ港及びビンカシム港に国際的水準に合致した大型X線検査装置の整備等を行うことで、コンテナ検査体制の強化及び通関の円滑化を図るものです。また、我が国はこれまでに同国の主要国際空港への保安検査機材の整備を支援しており、本件との相乗効果が期待されます。
|
裨益効果 |
この協力により、両港における物流、輸出入にかかる国際的信用の向上に貢献するとともに、国際社会の平和と安定への寄与が期待されます。 |
ラホール給水設備エネルギー効率化計画(詳細設計) |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
0.57億円 |
案件概要 |
ラホール市は、パキスタンの約55%の人が暮らすパンジャブ州の州都であり、人口740万人を抱える経済活動の中心地です。ラホール市では、人口増加に伴う水需要の増加に対応すべく、これまで深井戸の設置により水源を確保してきました。しかし、井戸の多くは耐用年数を超えて稼働しており、老朽化による揚水量やエネルギー効率の低下に加え、同国における計画停電の影響等もあり、計画給水量が確保できなくなっています。
この協力は、ラホール市における老朽化した深井戸を更新するとともに、給水設備のエネルギー効率の改善を図るための監査機材等を整備するものです。
なお本件は、我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した、2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものです。我が国としては、すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。 |
裨益効果 |
この協力により、安定的な水供給の実現とともに、これを通じた対象地域の社会・経済活動の活性化が期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
5.62億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的にもポリオ発症件数が多く、現在世界で3か国残るポリオ常在国(他はナイジェリア、アフガニスタン)の1つです。我が国は1996年から同国におけるポリオ撲滅に向けた支援をUNICEFと協力して継続的に行っているほか、2011年8月には約50億円の円借款を供与しています。我が国を含めた国際社会によるこれらの支援により、同国のポリオ発症件数は1995年には年間500件以上でしたが、2012年には58件まで減少しました。
しかし、その後反政府武装勢力によるワクチン接種活動への妨害等により、アフガニスタンとの国境周辺の一部地域ではワクチン接種活動が実施できず、さらに、2014年6月より同地域で開始された軍事作戦に伴い、ワクチン接種を受けていない住民が避難民として周辺地域に拡散しています。こうした状況を背景に、近年、同国ではポリオの発症が増加しており(2013年は93件)、引き続きポリオ撲滅に向けた国際的な取組が必要とされています。
この計画は、ポリオ発症が確認された際に、更なる感染拡大を防ぐための緊急的な活動に必要な経口生ワクチン(OPV)及びOPVとの併用で免疫効果をより高めることができる不活化ワクチン並びにワクチン保冷機材等を調達するために必要な資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
本計画の実施により、ポリオの発症例が多いアフガニスタンとの国境周辺地域(ハイバル・パフトゥンハー州、連邦直轄部族地域)を中心に同国における感染拡大の防止が期待されます。 |
グジュランワラ下水・排水能力改善計画 |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
10.31億円 |
案件概要 |
パキスタンの人口の約半数を抱えるパンジャブ州にある、同州第3の都市であるグジュランワラ市では、近年の急速な人口流入に伴い、社会経済インフラの強化が不可欠となっています。特に市中心部では、下水排水システムにおける設備の経年劣化や汚泥等の堆積による下水排水能力の低下により、冠水被害が頻発するほか、モンスーン期における大雨の際には、窪地や低平地において長時間の湛水が発生しており、市民の住生活・衛生環境にも悪影響を与えています。
この協力は、下水道の清掃・運搬機材と下水ポンプ場機材を整備するとともに清掃管理体制の向上支援を行うことにより、同市の下水・排水能力を強化するものです。
なお本案件は、我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した、2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものです。我が国としては、すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。 |
裨益効果 |
この協力により、同市における慢性的な冠水被害等が軽減され、同市の全人口約170万人の住民の衛生環境と社会経済活動が改善されることが期待されます。 |
中期気象予報センター設立及び気象予報システム強化計画 |
実施年度 |
平成26年度 |
供与限度額 |
26.15億円 |
案件概要 |
パキスタンではモンスーン期に洪水が頻発しており、2010年の死者約2,000名、被災者約2,000万人という甚大な洪水被害を始め、今年9月にも大規模な洪水被害が発生しています。パキスタン政府は防災体制の強化を図っており、パキスタン気象庁は、洪水予報に有効な中期(3~10日先)予報能力の強化を計画していますが、既存の気象レーダーシステムの老朽化及び気象観測・情報通信機材の不足により、中期予報に必要な設備が十分に整っていません。
この協力は、中期気象観測に必要な、気象レーダー建設、気象観測・解析機材及び通信システムの整備並びにこれらの円滑な運営・維持管理に関する技術指導への協力を行うものです。
なお本案件は、我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した、2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策の一環として実施するものです。我が国としては、すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。 |
裨益効果 |
この協力により、パキスタン国民や関係機関への正確な気象情報の提供が可能となり、洪水、サイクロン等の自然災害に対する災害軽減策の実施が促進され、経済損失が低減されるとともに、同国の全人口1億8,000万人の自然災害に対する被災リスクが軽減されます。 |
日本方式普及ノン・プロジェクト無償資金協力(次世代自動車パッケージ) |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
5億円 |
案件概要 |
この協力は、我が国の優れた次世代自動車の供与を通じて、環境負荷の少ない次世代自動車のパキスタンにおける普及促進を図り、同国の環境分野等における経済社会開発努力を支援するものです。
なお、この案件は、我が国が2013年11月に策定した攻めの地球温暖化外交戦略「Actions for Cool Earth: ACE」の中で表明した、2013年から2015年までの3年間の気候変動分野における途上国支援策計1兆6,000億円の一環として実施するものです。我が国としては、すべての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。 |
裨益効果 |
今回の協力を通じて、パキスタンの経済社会開発に貢献するとともに、我が国の次世代自動車を調達することにより、今後、同国における我が国の優れた次世代自動車の市場拡大及びこれら自動車の製造を行う我が国企業の展開が促進され、我が国とパキスタンの経済関係が一層強化されることが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画 |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
3.89億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的にもポリオ発症件数が多く、現在世界で3ヵ国残るポリオ常在国(他はナイジェリア、アフガニスタン)の1つです。我が国は1996年から継続的に同国におけるポリオ撲滅に向けた支援をUNICEFと協力して行っています。我が国を含めた国際社会の支援により、同国のポリオ発症件数は着実に減少してきましたが、未だ根絶には至らず、引き続きポリオ根絶に向けた国際的な取り組みが必要とされています。
この計画は、ポリオ発症が確認された際に、感染拡大を防ぐための一斉接種活動に必要なワクチン及びワクチン保冷機材を調達するために必要な資金を供与するものです。パキスタンでは、特にアフガニスタンとの国境周辺(ハイバル・パフトゥンハー州、連邦直轄部族地域)等の地域においてポリオの発症例が多く、この計画の実施により、これらの地域を中心とする感染拡大の防止が期待されます。 |
シンド州南部農村部女子前期中等教育強化計画 |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
8.08億円 |
案件概要 |
パキスタンの教育指標は南アジア諸国の中で最低位にあり、さらに男女間、都市農村間での格差が激しく、農村部女子の初等・中等教育への就学率はきわめて低い状況にあります。農村部においては学校数が少ないことに加え、女性隔離の社会習慣が依然としてあることから、共学(男性との同席)の環境が女子生徒の就学阻害要因の一つとなっており、女子生徒が就学可能な女子学校の整備が必要とされています。
この計画は、パキスタンのシンド州南部6県の農村部における既存小学校約30校に対し、施設の増改築、教育家具の整備等を行うことで、女子生徒が通える前期中等学校に拡充するものです。
|
裨益効果 |
この支援により、パキスタンにおける女子の基礎教育へのアクセスが改善され、就学に係る男女間格差の是正及び高等教育への女子進学率の向上が期待されます。 |
空港保安強化計画 |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
19.46億円 |
案件概要 |
2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件以降、国際社会は、航空保安体制の一層の強化に向けた取組を進めています。パキスタンにおいてもテロ発生の防止等保安対策の強化に取り組んでいますが、パキスタン国内の空港に設置されている保安検査機材は国際的な水準を満たしておらず、その対策が必要となっています。
この計画は、パキスタン国内のイスラマバード、ラホール及びカラチの主要国際空港に、国際的水準に合致した手荷物検査装置、車両検査装置を整備するものです。
|
裨益効果 |
この支援により、パキスタンの主要国際空港の保安能力が強化され、邦人旅客も利用するパキスタンにおける航空機運行の安全性が高まることが期待されます。 |
医療機材ノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
6億円 |
案件概要 |
パキスタンの公立病院等に我が国の優れた医療機材を整備するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
パキスタンの保健分野における取組を支援することを通じ、同国の医療事情改善に繋がることが期待されます。 |
中小企業を活用したノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成25年度 |
供与限度額 |
2億円 |
案件概要 |
パキスタンの経済社会開発を促進するために必要な資機材を購入するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力では、優れた技術を有する我が国中小企業の製品を調達することにより、今後の我が国中小企業の同国への展開の足がかりとなることが期待されます。 |
選挙支援計画(国連開発計画(UNDP)連携) |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
1.83億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、最近では1999年に軍事クーデターにより民主政権が倒されるなど民主主義の定着が課題となってきました。そうした中で、2008年2月に行われた総選挙の結果、成立した現政権は、5年の任期を全うしました。下院は3月16日に解散し、本年5月頃に予定されている総選挙が、同国に民主的な政権交代を定着させる上で極めて重要な意味を持つものとして注目されています。
この計画は、来る総選挙において、投票所スタッフの研修、選挙結果集計・公表システムの構築及び有権者に対する啓発活動を通じ、自由かつ公正な選挙の実現を支援するものです。国際社会の平和と安定にとって重要なパキスタンが、「穏健で近代的なムスリム国家」として発展していくため、我が国は、引き続き民主主義の定着に向けた同国の取組を支持していきます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画(国連児童基金(ユニセフ)連携) |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
2.26億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的にもポリオ発症件数が多く、現在世界で3か国残るポリオ常在国(他はナイジェリア、アフガニスタン)の1つです。同国のポリオ発症件数は、我が国を含めた国際社会の支援により着実に減少してきましたが、2010年、2011年は、洪水の影響もあり、発症件数は144件、198件と増加しました。これを受けて、ザルダリ大統領は、2011年1月に国家緊急行動計画、2012年1月には改訂版・国家緊急行動計画を発表し、重点感染地域を中心とした接種活動の強化や、ポリオに関する正しい知識を広める上で重要な啓蒙活動の強化等の取り組みを開始しました。この結果、2012年のポリオ発症件数は58件と、前年に比べ顕著に減少しています。加えて同国では7月以降は雨期に伴う衛生環境の悪化によりポリオが流行する傾向があるため、ポリオ撲滅のためには、非流行期であるこの時期を捉えて対策を強化することが重要となっています。
この計画は、ポリオ発症が確認された際に、それ以上の感染拡大を防ぐための一斉接種活動に必要なワクチン及び接種活動等に関する啓蒙活動を実施するために必要な資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
パキスタンでは、特にアフガニスタンとの国境周辺(ハイバル・パフトゥンハー州、連邦直轄部族地域、バロチスタン州)等の地域においてポリオの発症例が多く、この計画の実施により、これらの地域を中心とする感染拡大の防止が期待されます。 |
中波ラジオ放送網改修計画 |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
13.85億円 |
案件概要 |
アフガニスタンとの国境に位置するハイバル・パフトゥンハー(KP)州と連邦直轄部族地域(FATA)は、社会経済開発が最も遅れた地域の一つです。また、同地域では2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、武装勢力によるテロ活動や政府によるテロ掃討作戦が展開されており、同地域の民生向上と安定化のための対策の必要性が高まっています。
同地域の住民の多くは必要な情報の多くをラジオから得ていますが、同地域へ送信するパンジャブ州ファキラバードのラジオ送信所の老朽化により送信範囲が縮小し、住民に必要な情報が届いていない状態です。
この計画は、パキスタン放送公社イスラマバード本局の老朽化したスタジオ機材及び、ファキラバード送信所の送信機を更新するものです。
|
裨益効果 |
この計画によりパキスタン全土のラジオ放送網が安定すると共に、ファキラバード送信所の送信範囲が回復することでKP州、FATAを中心とした約6,300万人の住民及びアフガニスタン国境付近約350万人の住民が、教育啓発、保健衛生、気象・防災、治安等の生活情報に加えて、国内避難民・アフガニスタン難民向けの食糧や日用品の配給など人道支援に関わる情報を得ることが可能になり、パキスタン・アフガニスタン国境地帯の民生向上と安定化に繋がることが期待されます。 |
カラチ小児病院改善計画 |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
14.23億円 |
案件概要 |
パキスタンにおける乳児死亡率や5歳未満児死亡率等の保健指標は、南アジア地域諸国の中でも低い状況にあります。
この計画が対象とするシンド州のカラチ小児病院は、人口増加の著しいカラチ市の中でも貧困層の割合が高い地域に位置する州立病院ですが、設備の不備等から十分な医療サービスが提供できていません。
この計画は、カラチ小児病院施設を拡充し、必要となる医療機材を整備することで、医療サービス供給体制を増強するものです。
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裨益効果 |
この計画よりカラチ市の約175万人の小児の衛生環境が改善されることが期待されます。 |
ファイサラバード下水・排水能力改善計画 |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
6.83億円 |
案件概要 |
パキスタン第3の都市であるパンジャブ州ファイサラバード市では近年の急速な人口流入に伴い、社会経済インフラの強化が不可欠な状況です。同市はこれまで上水道施設の新設・更新を主として進めていますが、下水・排水の整備は遅れています。特に市中心部では、下水・排水設備の老朽化や土砂・廃棄物の堆積に伴う排水能力の低下により、あふれ出た下水による浸水被害が慢性化しています。また、降雨が集中する7月から9月のモンスーン期には冠水被害が頻発し、2010年の大洪水でも同市は大きな被害を受けました。今後、さらなる人口増加や上水道整備に伴い下水・排水量も大きくなることから、同市の下水・排水能力の改善が必要となっています。
この計画は、下水道の清掃用機材と下水ポンプ場の機材を更新・増強することにより、同市の下水・排水能力を強化するものです。
なお、この計画は、2009年12月に表明した気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援(短期支援)の一環です。パキスタンでは2010年、2011年と局地的かつ大規模な豪雨による洪水被害が発生しており、この計画の実施が気候変動に対する適応策となることが期待されます。我が国は、COP17で得られた成果を踏まえ、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
|
裨益効果 |
この計画により、ファイサラバード市の全人口約290万人の住民の衛生環境と社会経済活動が改善されることが期待されます。 |
国立民俗文化遺産研究所視聴覚機材整備計画(一般文化無償資金協力) |
実施年度 |
平成24年度 |
供与限度額 |
0.49億円 |
案件概要 |
パキスタンにはモヘンジョダロ等のインダス文明遺跡のみならず、各民族の多種多様な無形文化財(伝統音楽、舞踏、民話等)が存在していますが、テレビ・インターネットの影響で、各地域の伝統行事や口承文化が失われ、伝統工芸等の担い手が減少しつつあります。同国は開発計画の文化分野の重要課題として「有形・無形文化財の保存と修復」を掲げていますが、無形文化財の記録・保存及び知識普及活動の役割を担う国立民俗文化遺産研究所は、機材の老朽化等から役割が十分に担えない状況にあります。
この協力は、国立民俗文化財研究所が無形文化財の視聴覚資料制作、それら資料の上映会、伝統工芸催事等を行うための視聴覚機材を購入するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
この協力により、無形文化財が同国民の知的財産として保存され、民俗フェスティバル等開催時にそれら知識の普及と伝統工芸職人等の経済活動が促進されることが期待されます。 |
ノン・プロジェクト無償資金協力
(途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与) |
実施年度 |
平成23年度 |
供与限度額 |
3億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、2010年及び2011年に発生した洪水により甚大な被害が発生しています。今回の協力は、このような厳しい状況からの復旧・復興段階にあるパキスタンに対して必要な資機材を購入するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
今回の協力によりパキスタンの経済社会開発の促進に貢献することが期待されます。また、今回の協力では、東日本大震災による被災地で生産された製品を調達することにより、被災地の復興にも貢献することが期待されます。
アフガニスタンと国境を接し、テロ対策に取り組むパキスタンの安定は、国際社会の平和と安定にとって極めて重要であり、本件協力によってパキスタン及びその近隣地域の平和と安定の推進に寄与することが期待されます。 |
ペシャワール・トルハム間道路沿線のアフガニスタン難民受入コミュニティにおける社会的連帯及び平和構築計画 |
実施年度 |
平成23年度 |
供与限度額 |
9.96億円 |
案件概要 |
アフガニスタンとの国境に位置するパキスタンのハイバル・パフトゥンハー(KP)州の一部と連邦直轄部族地域(FATA)は、パキスタンにおいて最も開発が遅れた地域の一つです。同地域はタリバーン等武装勢力によるテロ活動、パキスタン当局によるテロ掃討作戦、2010年に発生したパキスタン建国以来の大洪水などにより甚大な被害が発生しました。また1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻して以降、多くのアフガニスタン難民が流入したことから同地域の生活環境は悪化し、アフガニスタン難民と受入地域住民の間には相互理解の不足により不和が生じています。
本計画は、パキスタン・アフガニスタン両国間の主要な物資輸送ルートであるペシャワールとトルハムを結ぶ道路沿線において、(1)アフガニスタン難民と受入地域住民の社会的連帯性を高めるための協議会設置、(2)持続可能な生計手段を確保するための職業訓練や営農指導、(3)テロや災害で破壊された道路、病院、学校等インフラの復旧・建設及び(4)FATA行政機関に対する研修を通じた地域開発能力の強化を行うものです。 |
裨益効果 |
本計画の実施により、同沿線のアフガニスタン難民約43万人と受入地域住民約60万人の経済状況が改善されるとともに地域内の社会的連帯性が高まることにより、テロとの闘いにおいて極めて重要な同地域が政治的・社会的に安定し、南アジアの平和と安定につながることが期待されます。 |
ポリオ感染拡大防止・撲滅計画(ユニセフ連携) |
実施年度 |
平成23年度 |
供与限度額 |
2.03億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的にもポリオの発生件数が多く、我が国は1996年から継続的に同国におけるポリオ撲滅に向けた支援をユニセフと協力して行ってきています。ポリオ感染拡大防止・撲滅計画は、ポリオの発症事例が確認された地域において、感染拡大を防ぐための掃討活動(モップアップキャンペーン)に必要なワクチン(1,100万ドース)及びワクチン接種活動等に関する啓蒙活動を実施するために必要な資金を供与するものです。
|
裨益効果 |
パキスタンでは、特にアフガニスタンとの国境周辺(ハイバル・パフトゥンハー州、連邦直轄部族地域、バロチスタン州)等の地域においてポリオの発症例が多く、この計画の実施により、これらの地域を中心とする感染拡大の防止が期待されます。
また我が国は、本2011年8月からビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation. マイクロソフト創始者ビル・ゲイツ氏らが設立)との連携による49億9,300万円を上限とする円借款「ポリオ撲滅計画」により全国一斉接種活動を通じた予防活動への支援を実施しており、今回の一般プロジェクト無償資金協力「ポリオ感染拡大防止・撲滅計画」による感染拡大防止活動、啓蒙活動を一体的に実施することにより、パキスタン国内及び隣国のポリオ撲滅に貢献することが期待されます。 |
洪水警報及び管理能力強化計画(UNESCO連携) |
実施年度 |
平成23年度 |
供与限度額 |
2.84億円 |
案件概要 |
パキスタンは、2010年7月下旬から各地で発生した記録的な豪雨により、建国以来最大の洪水に見舞われました。今後、同様の被害が想定される中、地域住民に対する洪水情報の確実な伝達と、政府の洪水管理能力の強化が重要な課題となっています。
我が国は、2010年の洪水災害に対し、国際緊急援助部隊である自衛隊のヘリ部隊等の派遣や国際機関と連携した食糧、非食糧物資、給水等の分野において緊急人道支援を実施してきました。また、特に洪水被害が大きいハイバル・パフトゥンハー州における道路復興や、洪水災害復興のために必要な物資の輸入資金の充足といった中・長期的な支援等を実施し、支援総額は568百万ドルとなっています。また2011年2月のザルダリ大統領訪日の際に発出した「日・パキスタン包括的パートナーシップに関する声明」において、防災に関する経験の共有及び措置の実施の重要性の認識を共有しています。
この協力は2009年12月に発表した、気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環です。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある枠組みの構築と意欲的な目標の合意に向けた国際交渉の進展を目指して、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
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裨益効果 |
この協力による洪水予警報システムの導入により、インダス川流域における洪水被害が低減することが期待されます。 |
パンジャブ州技術短期大学強化計画 |
実施年度 |
平成23年度 |
供与限度額 |
8.67億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、安定した経済成長の実現のため、特に製造業が必要とする中堅技術者の育成が課題となっています。このような状況の中、パキスタンではラホール市に位置するパンジャブ州技術短期大学を先進的モデル校として位置付けています。
我が国は、2011年2月のザルダリ大統領来日の際、「日・パキスタン包括的パートナーシップに関する声明」において、教育・人材育成の分野において支援を行う用意がある旨を表明しており、本件協力は、その一環として実施するものです。
|
裨益効果 |
本件協力による同大学の建築学科教育棟の建設及び機械学科・建築学科の実習機械の近代化を通じて、産業界の要請に合った中堅技術者の育成が図られると共に、パキスタン国内の職業訓練教育校の整備が進むことが期待されます。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ連携) |
実施年度 |
平成22年度 |
供与限度額 |
3.95億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的にもポリオの発生件数が多く、我が国は1996年から継続的にユニセフと協力して、同国におけるポリオ撲滅に向けた支援を行ってきています。本計画は、同国内でのポリオ発生件数が多く、また、2010年7月下旬から発生した洪水被害によりポリオ拡大の危険性が高まっている、アフガニスタンとの国境周辺(ハイバル・パフトゥンハー州、連邦直轄部族地域、バロチスタン州)におけるポリオ撲滅計画を実施するために必要なポリオ・ワクチンを調達するための資金を供与するものです。
テロの撲滅という国際社会の取組において死活的な役割を果たしているパキスタンの安定的発展は、国際社会の平和と安定に直結するものであり、極めて重要です。我が国は、2009年11月に「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、医療・保健等の貧困削減分野における支援を重点分野の1つとしており、本計画はその一環として実施されます。
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裨益効果 |
本計画により、乳幼児を中心とするポリオ・ワクチンの一斉投与が円滑に実施され、パキスタン国内及び隣国のポリオ撲滅に貢献することが見込まれます。 |
ファイサラバード上水道拡充計画 |
実施年度 |
平成22年度 |
供与限度額 |
7.99億円 |
案件概要 |
本件協力は、人口増加に伴う水需要の増加及び気候変動等の影響により渇水、洪水が発生しやすくなっており給水量が不足している、パンジャブ州ファイサラバード市において、水源施設や取水施設を整備するための資金を供与するものです。
我が国は、2009年11月に「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、パキスタンに対して、貧困削減分野等を中心に、同年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施する方針としており、本件協力はその一環として、また、2009年12月に発表した、気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環として実施するものです。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同に向けた働きかけも含め、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
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裨益効果 |
今回の協力によって、ファイサラバード市における給水人口が増加し、安全で安定した給水が行われることにより、同市内の保健・衛生環境の改善が期待されます。
また、2010年に記録的な豪雨による洪水被害を受けたパキスタン政府に対して、我が国は8月までに、緊急援助物資の供与をはじめとして、食料、水、衛生等の分野で総額約1,440万ドル(約12億2,000万円)の緊急人道支援を決定しており、今回の協力と相まって、洪水対策をはじめとする気候変動対策への取組に資することが期待されます。 |
ラホール市下水・排水機材緊急復旧計画 |
実施年度 |
平成22年度 |
供与限度額 |
12.23億円 |
案件概要 |
本件協力は、気候変動等の影響によりモンスーン期を中心に洪水被害が市内各所で発生している、パンジャブ州ラホール市において、市内の排水ポンプ場における老朽化した排水ポンプの更新等を行うための資金を供与するものです。
我が国は、2009年11月に「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、パキスタンに対して、貧困削減分野等を中心に、同年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施する方針としており、本件協力はその一環として、また、2009年12月に発表した、気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環として実施するものです。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同に向けた働きかけも含め、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
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裨益効果 |
今回の協力によって、ラホール市の浸水被害が軽減され、対象地域の経済活動の改善や衛生環境の改善が期待されます。
また、2010年に記録的な豪雨による洪水被害を受けたパキスタン政府に対して、我が国は8月までに、緊急援助物資の供与をはじめとして、食料、水、衛生等の分野で総額約1,440万ドル(約12億2,000万円)の緊急人道支援を決定しており、今回の協力と相まって、洪水対策をはじめとする気候変動対策への取組に資することが期待されます。 |
アボタバード市上水道整備計画 |
実施年度 |
平成22年度 |
供与限度額 |
36.44億円 |
案件概要 |
ハイバル・パフトゥンハー州(旧北西辺境州)アボタバード市は、生活用水を長年地下水のみに依存してきましたが、近年の市域拡大や人口増加、気候変動等の影響による水量の減少等により、給水能力の強化が急務となっています。
我が国は、2009年11月に「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、パキスタンに対して、貧困削減分野等を中心に、同年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施する方針としており、本件協力はその一環として実施するものです。また、この協力は、2009年12月に発表した、気候変動対策に関する我が国の2012年までの途上国支援の一環です。我が国としては、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を目指して、コペンハーゲン合意への賛同に向けた働きかけも含め、パキスタンと引き続き気候変動分野で連携していきます。
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裨益効果 |
本件協力により、アボタバード市及び周辺地域において、地下水利用施設及び河川水利用施設の改修及び建設等により上水道を整備することで、安全で充分な飲料水が供給され、公衆衛生環境が改善されることを通じ、社会・経済活動の活性化が期待されます。 |
アボタバード市上水道整備計画(詳細設計) |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
0.53億円 |
案件概要 |
北西辺境州アボタバード市は、水道を長年地下水のみに依存してきましたが、近年の市域拡大や人口増加等により、給水能力の強化が急務となっています。本件協力は、アボタバード市及び周辺地域において、地下水利用施設及び河川水利用施設の改修及び建設等により上水道を整備するものです。
我が国は2009年11月に、「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、パキスタンに対して、貧困削減分野における住民の生活改善を図る支援などを中心に、同年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施していくこととしています。本件協力はその一環となるものです。
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裨益効果 |
本件により、安全で充分な飲料水が供給され、公衆衛生環境が改善されることを通じ、社会・経済活動の活性化が期待されます。 |
太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画 |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
4.80億円 |
案件概要 |
本件協力は、パキスタン国内に太陽光発電設備(太陽光パネルなど)を整備するために必要な資金を供与するものです。
我が国は2009年11月に、「テロの脅威に対処するための新戦略」を発表し、パキスタンに対して、電力セクターを含むエネルギー、インフラ整備等に係る経済成長支援などを中心に、同年4月のパキスタン支援国会合において我が国が表明した最大10億ドルの支援を迅速に実施していくこととしています。本件協力はその一環となるものです。
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裨益効果 |
本件の実施により、化石燃料による発電による地球温暖化ガスの排出量が削減されるとともに、パキスタン国内における太陽光を含むクリーンエネルギーの活用に係る啓蒙・普及効果が得られることが期待されます。 |
北西辺境州における平和構築及び経済復興を通じた持続可能な開発計画(UNDP連携) |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
11.34億円 |
案件概要 |
・本計画の内容
北西辺境州における武装勢力掃討作戦により被害を受けた国内避難民に対し、道路・飲料水供給施設等のインフラ整備、農業・畜産業・養鶏業等に関する職業訓練、モスク・学校・病院等の官公庁舎における暖房施設の設置、市民グループの設置及び地域コミュニティにおける窓口の設置等の支援を行うもの。
・本計画の必要性
2009年4月に東京で開催したパキスタン・フレンズ閣僚会合において、ザルダリ大統領はテロ対策や経済改革といった諸課題に真剣に取り組むことを表明した。その一環として、4月末より北西辺境州のブネール郡及び下ディール郡において武装勢力掃討作戦が開始されたが、その結果、当該地域の住民の多くが国内避難民として周辺地域に流出するという影響があった。
掃討作戦は一定の成果を収めたため、7月よりパキスタン政府の下、国内避難民の帰還が進められている。国内避難民の帰還・再定住は、社会の安定に直結すると共に、テロ対策においても重要な要素の一つであることから、紛争地域の地方自治体の能力強化、農業・非農業を通した生計の確保、基礎的インフラの再生等を通じた、復興及び再建に資する取組が重要である。このような状況の中、UNDPより我が国に対して本件への協力の要請があったものである。 |
裨益効果 |
- 掃討作戦の影響を受けた人々の経済状況が、生計手段の確保、技能修得により改善される。
- 地域コミュニティの平和構築能力やコミュニティ間の相互活動が活発化し、武装勢力への若者の参加が減少する。
- 行政機関の能力や市民間の結束が強化され、地域の持続可能な発展が可能となる。
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ポリオ撲滅計画(ユニセフ連携) |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
4.03億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的に見てもポリオの発生件数が多く、我が国は1996年から継続的にユニセフと協力して同国におけるポリオ撲滅計画のための支援を行ってきています。本計画は、同国のポリオ撲滅にとって重要な地域である、アフガニスタンとの国境周辺(北西辺境州、連邦直轄部族地域(FATA)、バロチスタン州)におけるポリオ撲滅計画を実施するために必要な、ポリオ・ワクチン調達のための資金を供与するものです。
テロの撲滅という国際社会の取組において死活的な役割を果たしているパキスタンの安定的発展は、国際社会の平和と安定に直結するものであり、極めて重要です。我が国は2009年11月10日に、「テロの脅威に対処するための新戦略」において、同年4月に東京で開催したパキスタン支援国会合において我が国が表明した2年間で最大10億ドルの支援を迅速に実施していくことを表明しました。
また、本件については、2009年9月にニューヨークにおいて開催されたパキスタン・フレンズ首脳会合において発表した鳩山由紀夫内閣総理大臣からのメッセージにおける、テロ対策等に資する支援を行うための約4,700万ドルの支援の一環となります。
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裨益効果 |
本計画により、5歳未満児を中心とするポリオ・ワクチンの一斉投与が円滑に実施され、パキスタン国内及び隣国のポリオ撲滅に貢献することが見込まれます。 |
ノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
30億円 |
案件概要 |
テロ撲滅という国際社会の取組において死活的な役割を果たしているパキスタンの安定的発展は、国際社会の平和と安定に直結するものであり、極めて重要です。我が国は2009年11月10日に、「テロの脅威に対処するための新戦略」において、4月に東京で開催したパキスタン支援国会合において我が国が表明した2年間で最大10億ドルの支援を迅速に実施していくことを表明しました。
本件協力は、同支援の一環としてパキスタンの厳しい経済状況を緩和するための資金を供与するものです。また、本件については、2009年9月にニューヨークにおいて開催されたパキスタン・フレンズ首脳会合において表明した鳩山内閣総理大臣からのメッセージにおける、テロ対策等に資する支援を行うための約4,700万ドルの支援の一環となります。 |
裨益効果 |
同協力によってパキスタン及びその近隣地域の平和と安定の推進に寄与することが期待されます。 |
ノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成21年度 |
供与限度額 |
20億円 |
案件概要 |
アフガニスタンと国境を接し、テロ対策に取り組むパキスタンの安定は、国際社会の安定と平和に直結するものであり、極めて重要です。我が国は、2009年4月に東京で開催したパキスタン支援国会合において、世界的な経済危機などの影響によってパキスタンが直面している短期的な課題を乗り越えるための支援として、最大10億ドルの支援を行うことを表明しました。
本件協力は、同支援の一環としてパキスタンの厳しい経済状況を緩和するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
同協力によってパキスタン及びその近隣地域の平和と安定の推進に寄与することが期待されます。 |
ノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成20年度 |
供与限度額 |
25億円 |
案件概要 |
アフガニスタンと国境を接し、テロ対策に取り組むパキスタンの安定は、国際社会の平和と安定に直結するものであり、極めて重要です。本件協力は、こうした観点から、パキスタンの厳しい経済状況を緩和するための資金を供与するものです。 |
裨益効果 |
同協力によってパキスタン及びその近隣地域の平和と安定の推進に寄与することが期待されます。 |
パキスタン・イスラム共和国におけるポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成20年度 |
供与限度額 |
4.22億円 |
案件概要 |
パキスタンは、世界的に見てもポリオの発生件数が多く、我が国は1996年から継続的にユニセフと協力して同国におけるポリオ撲滅計画のための支援を行ってきています。本計画は、同国のポリオ撲滅にとって重要な地域である、アフガニスタンとの国境周辺(北西辺境州、連邦直轄部族地域(FATA)、バロチスタン州)におけるポリオ撲滅計画を実施するために必要な、ポリオ・ワクチン調達のための資金を供与するものです。
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裨益効果 |
本計画により、ポリオ・ワクチンの乳児を対象とする一斉投与が円滑に実施され、パキスタン国内及び隣国のポリオ撲滅に貢献することが見込まれます。 |
ファイサラバード上水道整備計画 |
実施年度 |
平成20年度 |
供与限度額 |
44.42億円 |
案件概要 |
・本計画の内容
パンジャブ州住宅・都市開発・公衆衛生省及びファイサラバード市上下水道公社が、取水井、導・送水管、配水場等の建設及び市内配水管の改修を行うために必要な資金を供与する。
・本計画の必要性
カラチ、ラホールに次ぐパキスタン第3の都市であるファイサラバード市(人口260万人)では、アジア開発銀行(ADB)の支援の下1992年に完成した上水道設備により市内の上水道を供給しているが、予想を超える人口増加や取水量の減少により、逼迫する水需要に対応することができない状態にある。この結果、市内の給水は一日3回各1~2時間の時間給水に限定されているほか、市郊外の地区では市内送水管の設計上の問題や時間給水による急激な取水により水圧が不足しほとんど取水ができないなど、最低限必要な飲料水等の供給が困難な状態に陥っている。
このような状況の下、パキスタン政府は、持続的開発が可能な水源の確保により水需要の逼迫を緊急に緩和するとともに、市内配水の不均衡の解消及び水道の安定供給を図るため「ファイサラバード上水道整備計画」を策定し、取水井、導・送水管、配水場等の建設及び市内配水管の改修に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請したものである。
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裨益効果 |
本計画の実施により、ファイサラバード市民に対し、給水人口が約140万人から約168万人に増加するとともに、給水時間が最大6時間から24時間に増加するなど、給水サービスが向上することが見込まれる。また、安全な飲料水の供給により、肝炎、下痢、チフス等の水因性疾患が減少し、ファイサラバード市民の保健・衛生環境の改善に貢献することが期待される。 |
セクター・プログラム無償資金協力 |
実施年度 |
平成19年度 |
供与限度額 |
7億円 |
案件概要 |
・本無償資金協力の内容
今回の無償資金協力は、パキスタンにおける社会経済開発に向けた取組を支援するために実施するもので、右取組に必要な物品の購入に充てる資金を供与するものであり、主に連邦直轄部族地域(FATA)における社会・経済開発のために必要な物品の購入に使用される予定である。
また、見返り資金についても、連邦直轄部族地域(FATA)の社会経済開発にかかるプロジェクトに対して活用される。
・本無償資金協力の必要性
パキスタンは2001年に10か年長期開発計画及び3か年開発プログラム、2003年に貧困削減戦略ペーパー(PRSP)を策定し、経済成長の加速と貧困削減に取り組んでいる。しかしながら、この効果は、未だ国民生活といったミクロ経済、社会開発面にまでは必ずしも十分には及んでいない。特に、アフガニスタンとの国境に位置する連邦直轄部族地域は、部族社会という特殊性から特に開発が遅れていることから、パキスタン政府は2007年に「FATA開発計画」を策定した。
また、パキスタンは2001年9月11日以降、「テロとの闘い」の前線国家として、国際社会の平和を維持するため極めて重要な役割を果たしている。
パキスタン政府は、このような状況下、同国の開発の一層の推進のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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裨益効果 |
我が国の支援により、見返り資金の活用と併せて、連邦直轄部族地域(FATA)における社会経済開発が促進されることが期待される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成19年度 |
供与限度額 |
4.43億円 |
案件概要 |
・内容
パキスタン政府保健省が、ユニセフと協力して、ポリオ撲滅計画(ポリオ・ワクチンの投与(約2,380万ドース)等)を実施するために必要な資金を供与する。我が国の支援を受けたワクチン等は、主にパキスタンにおけるポリオ撲滅に重要な地域であるアフガニスタンとの国境周辺地域(北西辺境州及び連邦直轄部族地域(FATA))における一斉投与に使用される。
・必要性
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオ・ワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2006年の40件へと減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、ポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取組が重要であるとして、今後、一層NIDを強化することを同国政府に対し指導している。しかしながら、パキスタンの財政事情が依然として厳しいため、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、同国政府及びユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオ・ワクチン等の購入に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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裨益効果 |
今回の協力により、パキスタン国内の5歳未満児約2,000万人に対するワクチン投与が可能となり、ポリオ撲滅に貢献することが期待される。 |
南アジア地域における地震防災対策計画 |
実施年度 |
平成18年度 |
供与限度額 |
5.84億円 |
案件概要 |
自然災害が多発するアジアの中で、特に、南アジア地域は、2004年のインド洋津波や2005年のパキスタン等地震等が発生するなど、最も自然災害の多い地域の一つとなっており、自然災害による犠牲者(死者、被災者)や経済損失も甚大であり、そのため域内各国の開発への努力に大きな損失を与えている。
南アジア地域各国の脅威となっている自然災害のうち、近年各地で頻発し、大きな被害をもたらしている災害が地震である。過去の地震発生時には、義務教育施設等の公共建築物の耐震性の欠如が、多くの犠牲者と災害直後の被災者救援活動等への支障をもたらした。そうした経験と教訓を踏まえ、我が国の防災に係る知見、国連関係機関の持つネットワークや開発されたノウハウなどを活用しながら、コミュニティ、地方、国、地域などでの地震災害への対応能力を向上させ、公共建築物等の耐震化を中心とした事業を展開し、災害発生時における被害の軽減、復興のための拠点を確保することが重要である。また、的確で迅速な復興活動の展開を可能とする安全で安心なコミュニティ・地域の創出が求められているところであり、2005年1月の国連防災世界会議における「兵庫行動計画」にも盛り込まれている。
このような状況の下、我が国のイニシアティブで設立した国際復興支援プラットフォーム(IRP、事務局:兵庫県神戸市)のリーディング機関であるUNDPはインド、ネパール、パキスタン、バングラデシュ及びブータンの南アジア地域を対象として、南アジア地域協力連合(SAARC)の防災分野での能力強化も視野に入れた形で、建物の耐震化等を進めることにより、地震による被害軽減と復興を迅速にするための本件計画を我が国と協力しつつ形成し、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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裨益効果 |
本件協力の実施にあたっては、IRPの本邦構成機関であるアジア防災センター(事務局:兵庫県神戸市)が、技術面での協力を支援することとなっており、我が国の地震災害に対する知見と経験が充分活用されることが期待される。 |
パキスタン・イスラム共和国におけるポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成18年度 |
供与限度額 |
4.50億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2005年の28件へと減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、ポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取り組みが重要であるとして、今後、一層NIDを強化することを同国政府に対し指導している。しかしながら、パキスタンの財政事情が依然厳しいため、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチンの購入に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、パキスタン国内の5歳以下の乳幼児約3,400万人に対するワクチン投与が可能となる。 |
建設機械技術訓練所機能向上計画 |
実施年度 |
平成18年度 |
供与限度額 |
8.90億円 |
案件概要 |
パキスタンでは道路セクターが同国の経済社会開発にとって極めて重要な分野となっているが、その維持管理状況は半数以上の道路で早急な補修工事が必要な状況である。これに対応すべくパキスタン政府は工事予算の確保や建設機械の調達を進めているが、インフラ整備の下支えとなる建設機械の技術者については、その数、質ともに不足している。特に近年急速に電子化が進んだ建設機械に対応できる技術者が不足しているのが実情である。
しかしながら、パキスタンで唯一の公的訓練機関であり1984年にわが国の無償資金協力により設立された建設機械技術訓練所では、訓練に使用されている機械が1980年代、1990年代に製造されたものであることから、近年の電子化された建設機械に対応する技術者を養成できない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、本建設機械技術訓練所に新たに建設機械を整備し、建設現場のニーズに合致したコースを新設することを通じて、建設機械技術者の養成を加速化させることを目的として、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、現在約800名である受入者数が約1200名に増加すること、および、建設機械電気工コース等の高度化した技術に対応した訓練プログラムが新設されることにより、パキスタンの建設機械技術者の養成が促進されることとなる。また、本訓練学校を卒業した建設機械技術者がパキスタンのインフラ整備の現場で活躍することにより、同国の道路整備計画が効率的に実施され、パキスタンの経済社会開発に貢献することが期待される。さらに、本訓練所は、周辺国の技術者の養成も行っていることから、アフガニスタン等を含めた周辺国地域の物流ネットワーク構築の促進に資することが期待される。
また、このような人材育成支援は、雇用促進にも繋がり、ひいてはテロの温床となりやすい貧困層の削減にも資するものである。 |
国道二十五号線(カラロ-ワッド間)改修計画 |
実施年度 |
平成18年度 |
供与限度額 |
40.52億円 |
案件概要 |
パキスタンにおいては、全旅客輸送の約95%、全貨物輸送の90%を道路輸送が占めるなど道路は極めて重要な輸送インフラであり、整備が積極的に進められている。特に、カラチ港からバロチスタン州の州都クエッタ、更にはアフガニスタンのカンダハルに接するチャマンへ通じる国道25号線は、バロチスタン州およびカラチ港の発展にとって重要なルートであるのみならず、近年は、アフガニスタン復興の観点からも極めて重要なルートとなっている。
しかし、今回の対象区間である国道25号線カラロ-ワッド間(96キロメートル)は、山岳地帯を越えるルートであるため急カーブが多く、狭隘な区間であり(最小幅員3.5メートル)、また、道路の損傷が激しいことから、死者・重傷者を伴う交通事故の発生数(年平均約50件)は距離割合でパキスタン全土平均の6倍を超え、極めて深刻な問題となっている。また、急勾配における大型車の速度低下や、事故車両・故障車両に起因する渋滞により、同区間は交通のボトルネックとなっている。
このような状況の下、国道25号線のカラロ-ワッド間の安全走行の確保および物流の円滑化を目的として、道路拡幅、道路構造物の改修、道路線形の改修に必要な資金につき、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、道路拡幅(5.0メートル→7.3メートル)され、道路線形が改善(最大勾配10%→7%)されることにより、交通の安全性が向上し、交通事故が減少するとともに、交通のボトルネックとなっている同区間の通過時間が短縮(38%減)され、地域の物流が活性化する。また、アフガン復興への流通面での貢献も期待される。 |
地震復興のためのノン・プロジェクト無償資金協力 |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
40億円 |
案件概要 |
昨年10月8日、パキスタンのイスラマバード市北東約90km地点を震源とする大規模地震(M. 7.6)が発生し、死者76,000人以上、約3万平方キロ(スイスの3分の2の面積に相当)もの広域に被害が及んだ。特に、パキスタン側カシミールやバタグラム県を含む北西辺境州東部地域においては甚大な被害が発生した。
わが国はこれまで2,000万米ドルの無償資金協力、1億ドルの円借款、2,000万ドルの補正予算による国際機関への拠出を始めとし、緊急援助のための資金協力を行っているが、今回は、被災地の復旧・復興のために本ノン・プロジェクト無償資金協力を行うものである。なお、本件は麻生太郎外務大臣が1月にパキスタンを訪問した際に表明した追加的支援の1つであり、これらの支援をあわせるとわが国の対地震支援総額は約2億ドルに上。 |
裨益効果 |
今回の支援により、地震直後よりわが国の緊急援助隊医療チームや陸上自衛隊が活動を行い、わが国の支援の拠点となっていた北西辺境州バタグラムの病院、保健医療施設、小中学校等の再建が図られ、被災者が一刻も早く必要な教育・医療を受けることができるようになることが期待される。
また、伝統的に友好関係を有し、テロとの闘いの最前線にあり、また、「穏健かつ近代的イスラム国家」建設に向けた改革・発展への取組、民主国家への移行の取組を行っているパキスタンを支援することにより、同国とわが国との友好関係が一層緊密になることが期待される。 |
建設機械技術訓練所機能向上計画(詳細設計) |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
0.27億円 |
案件概要 |
パキスタンでは旅客・貨物輸送の90%以上を道路輸送に頼っており、道路セクターは同国の経済社会開発にとって極めて重要な分野となっているが、その維持管理状況は半数以上の道路で早急な補修工事が必要な状況である。これに対応すべくパキスタン政府は工事予算の確保や建設機械の調達を進めているが、インフラ整備の下支えとなる建設機械の技術者については、その数、質ともに不足している。特に近年急速に電子化が進んだ建設機械に対応できる技術者が不足しているのが実情である。
しかしながら、パキスタンで唯一の公的訓練機関であり1984年にわが国の無償資金協力により設立された建設機械技術訓練所では、訓練に使用されている機械が80年代、90年代に製造されたものであることから、近年の電子化された建設機械に対応する技術者を養成できない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、本建設機械技術訓練所に新たに建設機械を整備し、建設現場のニーズに合致したコースを新設することを通じて、建設機械技術者の養成を加速化させることを目的として、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、現在約800名である受入者数が約1200名に増加すること、および、建設機械電気工コース等の高度化した技術に対応した訓練プログラムが新設されることにより、パキスタンの建設機械技術者の養成が促進されることとなる。また、本訓練学校を卒業した建設機械技術者がパキスタンのインフラ整備の現場で活躍することにより、同国の道路整備計画が効率的に実施され、パキスタンの経済社会開発に貢献することが期待される。さらに、本訓練所は、周辺国の技術者の養成も行っていることから、アフガニスタン等を含めた周辺国地域の物流ネットワーク構築の促進に資することが期待される。 |
国道25号線(カラロ-ワッド間)改修計画(詳細設計) |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
1.03億円 |
案件概要 |
パキスタンにおいては、全旅客輸送の約95%、全貨物輸送の90%を道路輸送が占めるなど道路は極めて重要な輸送インフラであり、整備が積極的に進められている。特に、カラチ港からバロチスタン州の州都クエッタ、更にはアフガニスタンのカンダハルに接するチャマンへ通じる国道25号線は、バロチスタン州およびカラチ港の発展にとって重要なルートであるのみならず、近年は、アフガニスタン復興の観点からも極めて重要なルートとなっている。
しかし、今回の対象区間である国道25号線カラロ-ワッド間(96キロメートル)は、山岳地帯を越えるルートであるため急カーブが多く、狭隘な区間であり(最小幅員3.5メートル)、また、道路の損傷が激しいことから、死者・重傷者を伴う交通事故の発生数(年平均約50件)は距離割合でパキスタン全土平均の6倍を超え、極めて深刻な問題となっている。また、急勾配における大型車の速度低下や、事故車両・故障車両に起因する渋滞により、同区間は交通のボトルネックとなっている。
このような状況の下、国道25号線のカラロ-ワッド間の安全走行の確保および物流の円滑化を目的として、道路拡幅、道路構造物の改修、道路線形の改修に必要な資金につき、わが国に無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、交通の安全性が向上し、交通事故が減少するとともに、交通のボトルネックとなっている同区間の通過時間が短縮され、地域の物流が活性化する。また、アフガン復興への流通面での貢献も期待される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
7.21億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2004年の53件へと年々減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、ポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取り組みが重要であるとして、今後、更にNIDを強化することを指導している。しかしながら、パキスタンの財政事情が依然厳しいため、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチンの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、10月8日に発生したパキスタン等大地震の被災地を含むパキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,400万人に対するワクチン投与が可能となる。 |
ライヌラー河洪水予警報システム整備計画 |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
6.61億円 |
案件概要 |
パキスタンは、そのほとんどが亜熱帯に属しており、降雨のほとんどは7月から9月に集中し、パキスタンの40%を占める丘陵地帯へのモンスーンによる集中豪雨がインダス河およびその支流における急激な洪水流出量の増加につながっている。過去50年間に洪水による直接被害は、約100億ドル、約6千人の死亡に上っている。特に、首都イスラマバードを集水域としラワルピンディ市(人口約140万人)内を流れるライヌラー河は、イスラマバード地区の急激な都市化に伴い洪水時の水量が増大し、しばしば洪水が発生している。01年7月の洪水では、ラワルピンディ市内において死者74人、家屋倒壊3,000戸、橋梁損壊等の甚大な被害が生じた。パスタン政府は、連邦洪水委員会を中心として国家洪水防御計画を策定し、1978年から堤防、渓流砂防施設などを順次建設してきているが、財政の逼迫等により十分とはいえない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、わが国により実施された開発調査の結果を踏まえて、「ライヌラー河洪水予警報システム整備計画」を策定し、雨量観測計、水位観測計、洪水警報局の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、ライヌラー河の洪水予報の精度が向上するとともに、警報の伝達網が強化されることにより、ラワルピンディ市の洪水被害が軽減され、安全な生活が確保されることが期待される。 |
イスラマバード小児病院改善計画 |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
6.47億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、1,000人当たりの乳幼児死亡率が82、1,000人当たりの5歳児未満時死亡率が105と近隣諸国と比べて保健水準が劣悪な状況にある。このため、パキスタン政府は、「保健政策10年計画」を策定し、保健水準の向上を図るべく基礎医療施設の拡充、貧困層への医療サービスの拡充等の施策を推進しているところであるが、十分とはいえず、更なる対策が求められている。
連邦保健省パキスタン医科学研究所の直轄病院であるイスラマバード小児病院は、小児医療サービスの向上と同医療従事者の養成を目的としてわが国の無償資金協力により1985年に完成したものであり、230床を有する国内でも有数の公的小児専門病院として医療活動を行っているが、同病院には手術室が2つしかなく年々増加する患者・手術件数に対して対応が困難となっているほか、当該手術室が1室2床であり術後回復室等の必要な衛生設備も有していないため、感染症のリスクを抱えつつ手術を行わざるを得ない状況にある。また、機材の不足・機能低下などから、適切な医療サービスの提供が困難な状態に陥っている。
このような状況の下、パキスタン政府は、「イスラマバード小児病院改善計画」を策定し、イスラマバード小児医療病院の新手術棟の増築、既存手術部の改修、医療機材の整備に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、イスラマバード小児病院の手術室が増設されるとともに、医療機材が整備されることにより、イスラマバードを始めとしたパキスタンの医療環境が改善することが期待される。 |
環境監視システム整備計画 |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
12.38億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、自動車の排ガスや工場からの汚染物質により大量の浮遊粒子物質を含む排ガスの放出が問題となっているとともに、下水排水の放出による水質汚濁が深刻化していることから、国民の健康被害が懸念されている。このため、パキスタン政府は従来より「国家環境行動計画支援プログラム」等を通じて環境対策を行っているところであるが、近年の急速な都市化に伴い大気汚染・水質汚濁は深刻な状況となっていることから、「国家環境政策2005-2015年」および「中期発展フレームワーク2005-2015年」を発表しより重点的に環境改善に取り組む予定としている。
パキスタンでは、従来より連邦環境保護局および各州政府に所属する環境保護局を通じて大気汚染状況、水質汚濁状況等の環境モニタリングを行って来ているところであるが、所有するモニタリング用機材の数、能力不足を始めとした実施体制の未整備により、全国的で定時的な環境モニタリングが行われておらず、有効な環境対策を行うために必要な分析も行えない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、「環境監視システム整備計画」を策定し、パキスタンの環境対策の基盤となる環境監視網を整備するとともに、観測された汚染状況データを科学的に分析する中央環境分析ラボラトリーセンターを設立するために必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、パキスタン全土の環境汚染の現状把握・分析、環境基準が整備され、効果的な環境対策の推進が行われることを通じて、同国国民の健康改善に資することが期待される。 |
タウンサ堰水門改修計画 |
実施年度 |
平成17年度 |
供与限度額 |
51.65億円(平成17年度~平成20年度) |
案件概要 |
パキスタンでは農業生産の90%を灌漑農業が占めるなど、灌漑施設は極めて重要なインフラであるが、人口増加に伴う水資源の不足、灌漑システムの老朽化による灌漑効率の低下等、灌漑セクターにおける問題を多く抱えている。
タウンサ堰は、パンジャブ州南西部に位置し、インダス川両岸の約110万ha(主に綿花、小麦、水稲、果樹を作付け)を灌漑するために1958年に建設されたインダス川本流を全面的にせき止める全幅約1,300mの超大規模の堰であるが、ゲートおよび付帯施設の老朽化による著しい漏水(灌漑水路流量の約50%相当)のほか、ゲート操作装置の不具合により増水時の円滑な放水操作ができずに堤防決壊を招く事態を発生させている。現在の状態で放置した場合には、堰自体の崩壊を招く危険性も指摘されている。
このような状況の下、パキスタン政府は、1997年にわが国により実施された開発調査の結果を踏まえて、「タウンサ堰水門改修計画」を策定し、ゲートおよびゲート開閉器等の改修に必要な機材整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画を実施することにより、タウンサ堰のゲート開閉がスムーズとなり増水時の周辺堤防の崩壊・堰自体の崩壊の危険性が軽減されるとともに、取水量が確保され、周辺地域により安定した灌漑用水が供給される。 |
アラマイクバル放送大学教育設備改善計画 |
実施年度 |
平成16年度 |
供与限度額 |
7.95億円 |
案件概要 |
パキスタンにおける識字率、就学率は低く、特に、地方農村部居住者や女性においては極めて低い状況にある。さらに、教育を支える教員についても求められる数には大きく及ばず、初等教育において新たに約15万人の教員の増員が必要とされている。
パキスタン政府はこのような状況の改善を図るため、「国家開発計画2001-2010」等を策定し教育分野の状況改善を重要な課題として位置づけている。改善の一環として通信教育を通じた教育機会の拡充、教員養成、地域およびジェンダー間の格差是正を図るため、アラマイクバル放送大学を中核として、テレビ放送、ラジオ放送のほか、全国に配置された地方キャンパス、地域学習センターを通じ、教育プログラムの提供を行っているが、同大学の現有機材では増加する受講生の教育ニーズに十分応えることができない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、アラマイクバル放送大学において作成・提供している教育プログラムの拡大・充実を図るため、「アラマイクバル放送大学教育設備改善計画」を策定し、通信教育教材を作成するために必要な機材の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画の実施により、パキスタン全体の教育レベルの改善が図られるほか、約40%を占める教員養成課程受講者が教員となることにより、将来にわたる初等教育の改善が図られるとともに、貧困層者、女性、地方農村部居住者等の教育アクセス困難な者に対する教育機会の改善が期待される。 |
ラホール市下水・排水施設改善計画 |
実施年度 |
平成16年度 |
供与限度額 |
12.22億円 |
案件概要 |
約720万人の人口を有するパキスタン第2の都市であるラホール市は、急激な人口増加に市内下水・排水施設の拡充が対応できていないことに加え、既存の下水管路・排水路の多くが大量の汚泥・廃棄物等で閉塞していること等から既存施設の能力を十分に発揮させることができていない。
このため、雨季には、毎年市街地のいたるところで冠水被害が発生し、市民の安全確保、財産保護にも重大な影響を及ぼしているが、清掃機材の不足により、堆積する汚泥・廃棄物を取り除くには到底不十分な状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は「ラホール市下水・排水施設改善計画」を策定し、既設の下水管路・排水路に滞留する汚泥・廃棄物を取り除くとともに、排水能力の向上を図るため、下水管路清掃機材等の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画の実施により、市内冠水の頻度・時間・範囲が低減されラホール市の都市環境が改善されるとともに、水系伝染病(赤痢、チフス、肝炎等)の危険性が低下することが期待される。 |
ファイサラバード上水道整備計画 |
実施年度 |
平成16年度 |
供与限度額 |
7.08億円 |
案件概要 |
パキスタンにおいては、上水道普及率が人口の63%(2001年)にとどまっており、肝炎、下痢、チフス等水因性疾患が5歳未満乳幼児死亡数の60%を占めるなど、安全な飲料水の普及が課題となっている。パンジャブ州中央部に位置し、パキスタン第3の都市であるファイサラバード市(人口230万人)では、予想を超える人口増加や取水量の減少により、市内の給水は1日3回各1~2時間の時間給水に限定されているほか、市郊外の地区ではほとんど取水ができないなど、最低限必要な飲料水等の供給が困難な状態に陥っている。
このような状況の下、パキスタン政府は、「ファイサラバード上水道整備計画」を策定し、取水井、送水管、浄水場等の建設及び市内配水管の改修に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力の要請があったものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、ファイサラバード市の市民約230万人が、安全かつ安定した量の給水を受けることが可能となり、肝炎・下痢・チフス等の水因性疾患が軽減され、市民の保健・衛生環境が改善される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成16年度 |
供与限度額 |
11.03億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2003年の103件へと年々減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、ポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取り組みが重要であるとして、今後、更にNIDを強化することを指導している。しかしながら、パキスタンの財政事情が依然厳しいため、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチンの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
今回の協力により、パキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,400万人に対するワクチン投与が可能となる。 |
プラスティック技術センター整備計画 |
実施年度 |
平成16年度 |
供与限度額 |
8.04億円 |
案件概要 |
パキスタンは、1990年代の不安定な政情・経済、度重なる旱魃、年平均3%という高い人口増加率のため、都市部を中心に貧困層が拡大し、近年の経済・財政制度改革の実施による経済の急激な回復、財政赤字の解消等に関わらず、一人当たりのGNI(国民総所得)は457ドルと依然低い水準が続いている。
このため、パキスタン政府は、2003年12月に策定されたPRSP(貧困削減戦略ペーパー)に基づき、農業生産の拡大のみならず、旱魃等に左右される脆弱な産業構造から脱却するため、中小企業の育成および輸出振興等による鉱工業の活性化を通じた雇用拡大、貧困削減を図ることとしており、建設資材・工業素材としての需要拡大が著しいプラスティック成型産業などを中心に、雇用や技能向上に直結した各種専門教育や職業訓練の充実を通じ、工業製品の品質の改善、裾野産業の技術レベル向上を目指している。
カラチにあるプラスティック技術センターは、1988年に設立された国内唯一のプラスティック加工分野における公的職業訓練機関として、中小企業への技術指導、製品検査、技術情報の提供を行うとともに、短期・長期の技能研修コースを運営しており、中小企業が88%を占めるプラスティック産業の関係者から人材育成機関としての機能充実を高く期待されている。しかしながら、同センターの機材の老朽化や不足等により、プラスティック成型についての基本的な技能を習得するに必要な研修を行うことが困難な状況となっている。
このような状況の下、パキスタン政府は、プラスティック技術センターの研修機能の強化および品質検査体制の整備を図るため「プラスティック技術センター整備計画」を策定し、研修機材等の調達および実習棟の建設に必要な資金につき、わが国に対し無償資金協力の要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画の実施により、プラスティック産業の技術者、未就業者に対し、プラスティック加工技術についての適切かつ効率的な研修等が提供され、プラスティック産業の発展・輸出振興、ひいてはパキスタンにおける雇用拡大・貧困削減に資することが期待される。 |
セクタープログラム無償資金協力 |
実施年度 |
平成15年度 |
供与限度額 |
40億円 |
案件概要 |
パキスタンは1998年5月の核実験以降、IMF(国際通貨基金)等の国際金融機関からの融資停止や主要援助国からの援助停止等により、国内経済が危機的な状況に陥った。2000年11月のIMF融資などにより危機的な状況は回避できたが、特に米国同時多発テロ事件発生以降、慢性的な経済困難に直面している。また、2002年11月のパリクラブでの公的債務約125億ドルの繰延や政府の財政・経済構造改善のための取り組みにより、経済好転の兆しがあるが、貿易収支、移転収支について諸外国からの援助や海外労働者からの送金受取りに依存する構造が依然として続いている。
このような状況の下、パキスタン政府は、2003年12月に貧困削減戦略ペーパー(PRSP)を策定し、マクロ経済の安定化、開発重点セクター(農業および工業分野)の成長、人間開発(保健・教育分野等)に重点を置いた貧困削減の実施に継続して取り組むこととしている。
今回のセクタープログラム無償資金協力は、構造調整計画の実施を支援するものであり、パキスタン政府が経済構造改善の推進に必要な商品を輸入する代金の支払いのために使用される。また、現地通貨ルピーで積み立てられる見返り資金は、水資源分野(灌漑および上・下水道)と環境分野に使用される。 |
ポリオ撲滅計画(ユニセフ経由) |
実施年度 |
平成15年度 |
供与限度額 |
10.83億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与(NID: National Immunization Days)を実施し、ポリオ撲滅に向けて取り組んできている。この結果、ポリオの報告例は1993年の1,803件から2002年の90件へと年々減少してきているが、依然としてその数は世界的に見ても多い。このため、ユニセフは、パキスタンにおけるポリオ撲滅の早期実現に向け一層積極的な取り組みが重要であるとして、今後、さらにNIDを強化することを指導している。しかしながら、パキスタンの財政難により、自国だけでNID実施に必要となる多量のワクチンを確保することが困難となっている。
このような状況の下、パキスタン政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチンの購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画の実施により、パキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,800万人に対するポリオワクチン投与が可能となる。 |
イスラマバード小児病院整備計画 |
実施年度 |
平成15年度 |
供与限度額 |
6.25億円 |
案件概要 |
イスラマバード小児医療病院は、1985年、小児医療サービスの充実と同医療従事者の養成を目的としてわが国の無償資金協力により完成し、230床を有する国内でも有数の小児病院としてパキスタン・イスラム共和国の小児医療の中核を担ってきた。しかしながら、2001年7月に80年ぶりといわれる集中豪雨が発生したため、その影響により地階の機械室が浸水し、電気設備・機械設備が被災したことにより、一部病院機能(地下にある機械室の冷凍機・ボイラー、電気室の発電機等及びそれらを利用した医療機器・施設)が稼動できない状況にある。
このような状況の下、パキスタン政府は、イスラマバード小児病院の機能回復及び災害防止を図るべく、設備機器の交換・修繕、空調用機器の修繕、雨水・排水設備の改善等を目的とした「イスラマバード小児病院整備計画」を策定し、この実施のために必要な資金等につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
裨益効果 |
この計画の実施により、イスラマバード小児病院のレントゲン、人工呼吸器、保育器、滅菌機能等稼動していない病院機能が被災前の状態に回復し、外来・入院患者に対し適切な小児医療サービスが提供されるとともに、雨水排水設備の改善等により再被災が防止されることが期待される。 |
ポリオ撲滅計画 |
実施年度 |
平成14年度 |
供与限度額 |
11.81億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与を実施するなどポリオ撲滅に向けて取り組んでいるが、依然としてその発症数(2001年:116件)は世界的に見ても高い状況にある。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチン(パキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,000万人に対するワクチン)の購入に必要な資金につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
ポリオ撲滅計画 |
実施年度 |
平成13年度 |
供与限度額 |
9.85億円 |
案件概要 |
パキスタン政府は、ユニセフの協力の下、1994年より毎年継続的にポリオワクチンの全国一斉投与を実施するなどポリオ撲滅に向けて取り組んでいるが、依然としてその発症数(2000年:159件)は世界的に見ても高い状況にある。
このような状況の下、同国政府およびユニセフは「ポリオ撲滅計画」を策定し、この計画の実施のためのポリオワクチン(パキスタン全土の5歳以下の乳幼児約3,000万人に対するワクチン)の購入に必要な資金につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
新生児破傷風予防接種拡大計画(第3期) |
実施年度 |
平成13年度 |
供与限度額 |
3.09億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、乳児死亡率、5歳未満児死亡率が高い水準にあり(それぞれ84人/1,000人、112人/1,000人)、各種ワクチンの予防接種の強化が必要とされている。特に新生児破傷風の発生数が多く、新生児破傷風による死亡者数は少なくとも年間3万人(新生児死亡の約1/4)と推定されている。
このような状況の下、同国政府は、発生率が特に高い地域を対象として予防接種を実施する「新生児破傷風予防接種拡大計画」を策定し、この計画の実施のためのワクチン、注射器、コールド・チェーン機材等の購入に必要な資金(予防接種対象地域の約820万人分)につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
新生児破傷風予防接種拡大計画(第2期) |
実施年度 |
平成12年度 |
供与限度額 |
3.80億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、乳児死亡率、5歳未満児死亡率が高い水準にあり(それぞれ95人/1,000人、136人/1,000人)、各種ワクチンの予防接種の強化が必要とされている。特に新生児破傷風の発生数が多く、新生児破傷風による死亡者数は少なくとも年間3万人(新生児死亡の約1/4)と推定されている。
このような状況の下、同国政府は、発生率が特に高い地域を対象として予防接種を実施する「新生児破傷風予防接種拡大計画」を策定し、この計画の実施のためのワクチン、注射器、コールド・チェーン機材等の購入に必要な資金(予防接種対象地域の約820万人分)につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
新生児破傷風予防接種拡大計画(第1期) |
実施年度 |
平成12年度 |
供与限度額 |
1.02億円 |
案件概要 |
パキスタンでは、乳児死亡率、5歳未満児死亡率が高い水準にあり(それぞれ95人/1,000人、136人/1,000人)、各種ワクチンの予防接種の強化が必要とされている。特に新生児破傷風の発生数が多く、新生児破傷風による死亡者数は少なくとも年間3万人(新生児死亡の約1/4)と推定されている。
このような状況の下、同国政府は、発生率が特に高い地域を対象として予防接種を実施する「新生児破傷風予防接種拡大計画」を策定し、この計画の実施のためのワクチン、注射器、コールド・チェーン機材等の購入に必要な資金(予防接種対象地域の約820万人分)につき、日本政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 |
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