ODA(政府開発援助)
中南米の消化器疾患の専門家はボリビアに集え!!
原稿執筆 在ボリビア日本国大使館
IGBJとは
南米ボリビアで高く評価されている我が国の開発協力の一つに1977年に始まった消化器疾患分野の臨床・研究体制の整備を目的とした「日本・ボリビア消化器疾患研究センター(以下,IGBJ)」の建設(7億円)があります。IGBJは,その後1977年~1995年に実施した技術協力プロジェクトを通じて,医療人材・サービスを強化し,ボリビア国内で最高レベルの消化器疾患専門病院となっただけでなく,2005年に世界消化器疾患機構(WGO)から中南米で初めて地域拠点研修センターとして認証されるなど,国外でもその存在を広く知られるようになりました。中南米で消化器分野の専門性を高めようとする医師達はこのボリビアで知識を深めるために研修にやって来ます。
日本の大学を母校とする医師達
1977年に研修生として初めて訪日したギド・ビジャゴメス先生は,内視鏡の専門家として今や中南米中に名前を轟かせていますが,その先生がこよなく愛するのが日本の母校である東邦大学です。先生は,訪日の思い出をこう語っています。「近代的発展と千年に及ぶ『日いずる国』のたたずまいは私に大きな印象を与えた。規律に価値を見出し,個人的,集団的目標として“完璧さ”を追求すること」。まさにその通り。IGBJの先生達は実にきびきびと働き,そこにあるのは日本的な「完璧さ」を追求する姿勢です。
集え!!ボリビアに


ビジャゴメス先生のように日本で研修を受けた医師達は,WGOと連携して研修コースを継続し,2005年から2014年までの間,中南米の18か国,約300名の消化器専門医の育成に貢献してきました。2014年に行われたIGBJ35周年記念には,中南米各国から多数の医師達が集まり,本年4月に行われたIGBJ主催の消化器・内視鏡上級国際コースにも多数が出席しました。特に内視鏡分野では機材が充実しており,多くの医師,研修医が内視鏡技術を学んでいく。IGBJは中南米における消化器疾患分野の技術力向上に貢献していると共に,日本の高い医療技術を各国に広める役割も果たしているのです。