ODA(政府開発援助)

平成27年8月24日

原稿執筆 在チュニジア日本国大使館

チュニジアってどんな国?

 チュニジアと聞いて,皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるだろうか。チュニジアは,北アフリカに位置する人口約1,000万人,面積は日本の約4割の小国だが,北東部は地中海に面し,南部はサハラ砂漠が広がるなど,様々な気候や自然を有している。また,カルタゴ,ローマなど紀元前からの歴史を持ち,地中海,アラブ,アフリカ等の文化の彩り豊かな国になっている。主要な産業は,電子機器等の製造業,オリーブ等の農業,観光業であり,沿岸周辺の都市部を中心に経済成長を続けている。

 しかし,都市部を中心に経済成長が進んできた結果,現在では人口の5分の1に当たる約200万人が首都チュニス市とその近郊に居住する状況になっている。このため,市内の交通量の多い道路では,一日に10万台以上の車の大往来があり,交通渋滞が大きな問題となっていた。

「ラデス・ラグレット橋」建設プロジェクト

 この問題を解決するため,有償資金協力により,チュニス市の南北をつなぐ橋長約300mの「ラデス・ラグレット橋」の建設が2004年から開始され,2009年に開通した。同橋の建設は,日本企業が担当し,高度な技術(チュニジアで初めて導入されたエキストラドーズド橋)が採用された。
 同プロジェクトにより,一日に約2万5千台の車が同橋を利用するようになり,チュニス市街の交通渋滞の緩和に大きく貢献している。また,同橋建設により,近接するラデス港とラグレット港が陸つなぎになり,港湾施設の一体的な運営が可能になったことから,地元住民だけでなく,近隣の運輸業者からも高く評価されている。

  ラデス・ラグレット橋の外観
  日本・チュニジア外交関係樹立
50周年記念切手

日本の橋「(le pont japonais)」,切手や紙幣に!

 同橋は,その美しいフォルムから,2006年に発行された「日本チュニジア国交樹立50周年記念切手」のモチーフに採用された。また,チュニジアの紙幣(50ディナール札)の絵柄にも使用されている。
 このように,同橋は,日本の支援により建設されたことが幅広くチュニジア国民に認識されており,地元の人々からは,日本の橋「(le pont japonais)」の愛称で呼ばれている。

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