ODA(政府開発援助)
世界に届け,日本のノウハウ・文化
ウズベキスタン日本人材開発センター
原稿執筆 在ウズベキスタン日本国大使館
未来を支える「人」を育てる
古代から栄えたシルクロードのオアシス都市・タシケント。ウズベキスタンの首都である緑深いこの街を見下ろす高層ビルの一角に,日本の技術協力プロジェクトを実施しているウズベキスタン日本人材開発センター(UJC)がある。
2001年に開設されたUJCは,市場経済に対応した最新の経営知識を日本の経験を含めて実践的に学べるビジネスコース,小学生から大人までさまざまな人が学んでいる日本語教室,両国の文化交流等を通じた相互理解促進事業を活動の3本柱とし,さらには,聴覚障害者向けITコースも開設するなどし,これまで約15年間にのべ72万人以上のウズベキスタンの市民が訪れている。
UJCのさまざまな活動の中で,ビジネスコースは,常に高い人気を集めている。1991年に旧ソ連から独立したウズベキスタンは,急激な改革による混乱を避けるため,市場経済への道を急がずにゆっくりと進むという独自の政策をとっているが,ビジネスコースは,日本人の派遣講師から,現代的な経営のあり方や市場経済のエッセンスに関する最新の知識を日本の経験を含めて実践的に学べるとして大人気だ。修了生たちは,ビジネスコースで学んだ知識や日本での研修で受けた刺激をもとに,ウズベキスタンにそれまでなかった商品やサービスを続々と展開している。
「日本」を伝える


こうしたビジネス人材育成事業コースのみならず,熱心かつ丁寧な授業で評判の日本語コースや,さまざまな日本文化の紹介,日本語や日本に関する蔵書の多い図書館といったUJCの幅広い活動は,ウズベキスタン国民に広く知られており,カリモフ大統領をはじめとするウズベキスタン政府の要人からも高く評価されている。
ウズベキスタンに住んでいる日本人はわずか100人程度に過ぎないが,UJCのプロジェクトは,日々の活動を通じて,ウズベキスタンの人材育成に寄与しているだけではなく,ウズベキスタンにおいて「日本」という国の存在感を示すことに大きく貢献している。



