ODA(政府開発援助)
蔵王町からパラオに救急車を供与,防災協力を通じて結ばれた日本とパラオの絆
パラオ共和国に日本から救急車が寄贈され,現地のメディアによって報道されました。この支援は,消防・救助活動の強化を目指すパラオ共和国の求めに応じ,日本のODAを通じて実現したものです。今回パラオ共和国に供与される車両は, 2020年東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つである宮城県蔵王町から寄贈されたもの。蔵王町には“北原尾(きたはらお)”という地名があります。これは太平洋戦争後に,パラオに移住していた日本人が引き上げた際,入植者の方がパラオを決して忘れることのないように,“北パラオ”の意味を込め“北原尾”と地区名をつけたものです。このように蔵王町とパラオには深いつながりがあることから,引き渡し式には,蔵王町から村上町長と関係者,パラオ側からはオイロー副大統領ほか関係者が出席し,注目を集めました。さらに蔵王町から救助隊員と救命士が派遣され,現地で技術指導も行われました。現在日本で改造中の消防車も,近日中に引渡しが行われる予定です。今年日本とパラオは外交関係樹立25周年を迎えました。1999年に始められた今回のような草の根レベルの支援は,2019年9月現在78件を数えます。
またレメンゲサウ・パラオ共和国大統領は,台風19号によって被災した日本に向けて「パラオは常に日本に寄り添います。必要な時に日本がパラオを助けてくれたように,パラオも力になれることがあれば,日本にいつでも駆けつける用意があります」という内容のお見舞い状を送付し,そのことが現地メディアによって報道されました。
パラオの人々は,最近の台風19号をはじめ日本で大きな災害が発生すると,被災者への募金活動を行うなど,温かい友情を示してくれます。このことに感謝申し上げるとともに,今後日本とパラオの友好関係がさらに発展することを希望します。
(協力:在パラオ日本国大使館)