ODA(政府開発援助)

働きたい女性を応援!山の中の女性職業訓練学校

平成31年2月6日

原稿執筆 在ホンジュラス日本国大使館

山間の村,サンブラーノ

 ホンジュラスの首都テグシガルパから車で約30分。複数の山岳集落からなるサンブラーノ村には,約1万人が暮らしています。住民は主に農業や近郊の繊維工場・コーヒー工場で勤務しながら収入を得ています。しかし,この村の平均月収は約300ドル,貧困率(収入が必要最低限の食費を下回る世帯)が高い地域です。

働きたい女性を支援

 貧困層の多い農村・山間地域では,働きたくても仕事がなく失業中の住民が多く,特にその傾向が顕著なのは女性です。ホンジュラスにおけるジェンダー平等に向けた取組の中でも,女性の経済的エンパワーメントは重要課題の一つとなっています。

 サンブラーノ村とその近郊に暮らす女性たちにとっても,収入を得られる職を探すことは容易ではありません。そこで,2016年6月,「働きたい!」と願う女性たちを支援するため,日本の協力を通じて女性職業訓練学校が開校しました(平成26年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「女性職業訓練学校建設計画」)。

  • (写真1)2016年に開校したサンブラーノ村の女性職業訓練学校。教員と生徒が大切に管理しています。
    2016年に開校したサンブラーノ村の女性職業訓練学校。
    教員と生徒が大切に管理しています。

目的とライフスタイルに合わせた学習

 本校は,周辺地域から集まる年間約300名の貧困層の女性に対し,職業訓練コースを無償で提供する養成機関です。生徒たちは,ふもとの小・中・高等学校に通う学生たちから,子どもを連れたお母さんやシニア世代まで,年齢も目的も様々。ライフスタイルと目的に合った方法で学べるよう,高等教育修了の資格を得る長期コース,週末のみ受講するコースや短期集中コース等,幅広いオプションが提供されています。

 製菓,調理,刺繍等の訓練を受ける成人クラスは,年齢を重ねてから教育を受ける新たな機会に大きな喜びを感じながら勉強に励んでいます。自身のコミュニティを代表して参加している女性たちは,本校で習得した技術と知識をコミュニティの仲間に教え,働く女性の輪が広がっています。

  • (写真2)成人コースの製菓の授業にて。新たな挑戦の機会が嬉しい,とトゥレさん。
    成人コースの製菓の授業にて。
    新たな挑戦の機会が嬉しい,とトゥレさん。
  • (写真3)本校で学んだ刺繍技術を近隣の女性に教えるクレメンティーナさん。仲間と制作した作品をバザーで販売しています。
    本校で学んだ刺繍技術を
    近隣の女性に教えるクレメンティーナさん。
    仲間と制作した作品をバザーで販売しています。

 小学生から高校生は,学校の授業時間外に本校で職業経験談の講演を聞いたり,基礎的なITリテラシーや経理に関する講座を受けたりしています。講演や講座を通して,進学,就職,開業等,自分の将来には様々な選択肢があること,また将来を自ら選択することの重要性を学びます。

  • (写真4)調理師の職業体験談を熱心に聞く小学生たち。
    調理師の職業体験談を熱心に聞く小学生たち。

経済的自立に向けたサポート

 本校の最大の目的は,生徒たちの経済的自立と,生活の質の向上を図ることです。どんなに小さなビジネスであっても収支をよく考え,持続的な収入を得られるよう,スペイン語,算数,基本的な経営学や経理の授業を実施し,技術のみならず必要な知識も習得できる総合的なサポートを目指しています。今後は国立職業訓練学校等との提携により,履修可能な科目が増える予定です。

各地のコミュニティに笑顔を

 80年以上にわたり友好関係を育んできた日本とホンジュラス。これまで日本はホンジュラスで,教育や保健など住民の暮らしに直結する草の根レベルの協力プロジェクトを計500件以上実施してきました。全国各地のコミュニティに根付いたプロジェクトは,日・ホンジュラスの友好の架け橋として両国をつなぎ,多くのホンジュラス国民に笑顔を運んでいます。