ODA(政府開発援助)
マリの治安改善に貢献!
日本製機材が暮らしの安全を守る
平成30年5月28日
原稿執筆 在マリ日本国大使館
国家分断の危機
2012年1月17日,マリ北部の独立を求める武装勢力が国軍基地を攻撃し,4度目の紛争が勃発しました。同年3月には,首都バマコで国軍によるクーデターが発生し,当時の大統領が失脚。4月には,首都の混乱に便乗して,独立派と外国から侵入してきたイスラム過激派が北部全域を厳しい支配下に置き,独立を宣言。マリは,国家分断の危機に陥ります。
紛争がもたらしたもの
しかし,国連PKOの展開や大統領選挙を経た2015年には,政府と独立派の和平合意が成立し,マリは国家分断の危機から脱出します。一方で,紛争によって多くの避難民や難民が生まれ,地域経済が破綻し,抗争が絶え間なく発生するようになりました。イスラム過激派のテロリストも再度侵入し,薬物や人身取引などの国境を越えた犯罪をもたらしました。
サハラ砂漠の南端に位置する世界最貧国の一つであるマリは,現在も,これら重大な治安上の問題に直面しています。
平和と安定への歩み
そうした問題と向き合い,マリの人々の安全に貢献するため,日本は,無償資金協力にて警察車両,白バイ,救急車,消防車等の機材を供与しました。
2017年6月22日,ケイタ大統領主催の式典において,最初の機材がマリ政府に引き渡されました。大統領は,マリ政府が最重要課題として改善に努めている治安に対し,日本が高品質の日本製機材をもって素早く貢献してくれたと大変高く評価し,日本国民に感謝を述べました。
これら日本製機材が,マリの人々の暮らしの安全のために活躍し,1日も早くマリに平和と安定が訪れることを願って止みません。