ODA(政府開発援助)
女性が輝ける社会へ:ナイジェリア職業訓練校
平成29年11月30日
原稿執筆 在ナイジェリア日本国大使館
国内に抱える1億の貧困人口
日本の25倍の国土と,2016年時点では世界で7番目に多い人口を持ち,GDPは世界26位のアフリカ最大の経済大国であるナイジェリアは,同時に1億人以上の貧困層も抱えています。UNDP(国際連合開発計画)の人間開発指標では188か国中152位に位置づけられ,国内の経済格差は大きく,経済成長の恩恵を受けることができない人々が大多数です。
もっとも支援を必要とする人たちへ
ナイジェリアの首都アブジャ近郊にあるブワリ地区は,イスラム過激派組織ボコ・ハラムなどのテロ活動が続く北東部から逃れた国内避難民が押し寄せ,近年人口が急増しました。この地区に住む6割が失業者であり,その半数以上が女性です。読み書きができない女性も多く,貧困率が高いことが課題です。
農村まで届け!日本の支援
貧困から脱するためには生計手段が必要であり,日本政府の支援により新しい職業訓練施設が完成しました。
この施設により,年間300名の女性が裁縫,アクセサリー製作,調理,美容・理容,英語の読み書きや算数を学ぶことができます。訓練生に話を聞いたところ,「卒業後は都市部のヘアサロンで働きたい」,「アクセサリーを販売して自分で生計を立てられるようになりたい」,「家業の農業で帳簿をつけられるようになった」など,若い女性たちの夢が広がったことがうかがえました。
ナイジェリア中に広がる日の丸
在ナイジェリア日本国大使館は,草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて,約20年の間に158のプロジェクトを実施し,総額で約1,100万米ドルの支援を行ってきました。現地のNGOとコミュニケーションをとり,必要な支援を直接届けてきた実績は政府からも評価され,日本への高い信頼につながっています。