ODA(政府開発援助)

平成29年10月24日

原稿執筆 在ホンジュラス日本国大使館

バナナ共和国からコーヒー共和国へ

 19世紀に米国がホンジュラスでバナナ栽培を開始してから,バナナ搬出用鉄道や積出港などのインフラも建設され,それがホンジュラス経済の土台となりました。米国の小説家O・ヘンリーが,自身のホンジュラス亡命時代の経験をもとに著書を執筆していますが,その中でホンジュラスを「バナナ共和国」と評したことで,「バナナ共和国」という名が今でも根づいています。

 しかし,現在のホンジュラスの主要な輸出産品はバナナではなくコーヒー豆です。その生産量は,中米で1位,ラテンアメリカで3位,世界で6位を占めていますが,残念ながら日本でこの事実を知っているのは一部ではないでしょうか。

ヘスス・デ・オトロ市コーヒー豆乾燥・保管施設建設計画

(写真1)乾燥施設でのコーヒー豆の乾燥 乾燥施設でのコーヒー豆の乾燥

 輸出額がGDPの約11%に相当するコーヒー豆の栽培は,ホンジュラス国民にとって貴重な雇用の機会を提供しています。ホンジュラス政府は,コーヒー豆の生産拡大に向け取り組んでいますが,品質の改善も大きな課題となっています。

 ホンジュラス・コーヒー協会の要請により,コーヒー生産地のヘスス・デ・オトロ市サン・ヘロニモ村にて,草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じた「コーヒー豆乾燥施設」と「コーヒー豆保管施設」を建設しました。

(写真2)引渡式 引渡式

 これら施設が建設されたことで,約800戸のコーヒー生産農家が生産するコーヒー豆の品質向上が期待されます。2017年4月に実施された施設の引渡式には,政府代表としてパス農牧大臣が首都から駆けつけ,日本の協力を高く評価するとともに,感謝を伝えました。

ホンジュラス産コーヒー豆の日本への輸出

(写真3)コーヒー農園 コーヒー農園

 毎年,ホンジュラスで実施されるスペシャリティ・コーヒーの品評会で,上位入賞したコーヒー豆を日本企業が高額で購入しています。2017年の品評会で1位に入賞したコーヒー豆は,日本企業によって1ポンド(約450グラム)124.5米ドルで購入されました。また,JICAは,ホンジュラス産コーヒーの品質向上を目的とした日本での研修に,毎年ホンジュラス・コーヒー協会関係者を招へいしています。

 日本は,様々なスキームを通じてホンジュラス産コーヒー豆の品質向上に向けた支援を行っています。
 全生産量の僅か10%程度しかないスペシャリティ・コーヒー等,高品質のコーヒー豆の生産が拡大し,より多くの日本人に美味しいホンジュラス産コーヒーを味わってもらえる日が来ることを期待しています。 

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