ODA(政府開発援助)

リベリアの若者に職を!官・民・国際機関連携の雇用支援

平成29年2月20日

原稿執筆 在ガーナ日本国大使館

日本の支援で作られた重機訓練の学校

 日本から遠く離れた西アフリカのリベリアの首都モンロビアから70キロメートルほど北東に離れたカカタ市にあるリベリア初,かつ最大の職業教育機関である職業訓練校ブッカー・ワシントン・インスティテュート(BWI)。その中に,日本の名を冠する施設があります。日本重機オペレーター専門学校(JHEOS)です。2014年に国際連合工業開発機関(UNIDO)を通じて実施した日本の無償資金協力で建設された施設です。そこでは,リベリアの若者が,日本企業の株式会社小松製作所(コマツ)の建機を使って,重機訓練に日々励んでいます。

  • 日本重機オペレーター専門学校(JHEOS)

職がないリベリアの若者

 現在,リベリアの若者の3分の1は職に就けていない状況だと言われています。その理由の一つには,適切な教育や技術・職業訓練を受けておらず,就職に必要な技能が不足していることがあります。
 1989年以降断続的に2003年まで約14年もの間続いた内戦が一因です。現在は平和を取り戻していますが,多数の死傷者・難民が出たほか,インフラ設備の崩壊,国外への人材流出,教育機会の減少も引き起こされました。その結果,若者の成長の機会が失われました。また,最近のエボラ出血熱の流行による経済的打撃もこの状況に拍車をかけています。

官・民・国際機関連携の雇用支援

 日本は,平成24年から平成26年にかけ,若者の雇用支援のため,無償資金協力(フェーズ1(注1))を実施しました。UNIDOを通じて,重機訓練課程を提供するJHEOSを設立し,コマツの協力を得て,訓練用重機の供与,訓練課程の構築支援・提供等を行いました。建設業,鉱業,農業等の分野で重機操作の需要が高く,雇用に結びつくからです。

  • 日本で実施した研修の様子(研修生と見守る指導官)

 フェーズ1の結果,リベリア国内の職業訓練校から集まった22名から選定された4名の指導官に対する研修,日本での研修が開催されたほか,2015年8月には,JHEOSの第1期生149名が修了しました。既に一部の修了生の雇用や独立に結びつくなど,徐々に効果が現れています。日本の技術と国際機関の経験・知見の双方がいかされた質の高い支援は,大統領はじめ、政府要人からも非常に高い評価を受けています。

 さらに質の高い雇用支援を目指し,平成28年からはフェーズ2(注2)を実施中です。南アフリカなどの第三国でコマツと連携したインストラクター向け研修も実施しています。研修の修了生には,修了証書も発行されました。国外での研修機会は,研修生を指導するインストラクターにとって高いモチベーションとなっています。また,日本が実施中の道路建設プロジェクトでも研修生のインターンを受け入れます。まさに官と民と国際機関が一体となって実施するプロジェクトです。

  • コマツが寄贈した機材を用いた訓練の様子
  • 南アフリカで実施された
    コマツの研修の修了証書授与

 近い将来,日本の技術を習得したリベリアの若者が,しっかりと職を持ち,活躍する姿を目にする日を待ち遠しく思います。

  • (注1)平成24年度対リベリア無償資金協力「鉱業、建設及び農業分野における若者雇用創出計画」
  • (注2)平成27年度対リベリア無償資金協力「技術・職業教育支援を通じた若者雇用創出計画」