ODA(政府開発援助)

平成28年10月17日

原稿執筆:在ウルグアイ日本国大使館

行政サービスを全ての県民に

  “Bus Expreso Esperanza(希望の急行バス)”前で待つ住民

 南米大陸でブラジルとアルゼンチンに挟まれ,地球上で日本のちょうど反対側,面積は日本の半分の国,ウルグアイ東方共和国。その北部に位置するリベラ県は,平成18年当時人間開発指数ランキングも県民一人当たりの収入もウルグアイ19県中第18位,県総生産額と平均寿命に至っては最下位で,ウルグアイの中でも社会開発・経済開発面で大きな遅れをとっていることがうかがえました。

 中でも県内の農村地域は特に社会開発が遅れていて,行政手続、基礎医療等様々な公共サービスへのアクセスが著しく限定されていたため,県民のために農村地域を定期的に巡回するバスとそこに設置する医療機材の購入のための費用を日本政府が支援しました(「リベラ県農村地域巡回車両整備計画」)。

 そのバスは県民からの公募によって“Bus Expreso Esperanza(希望の急行バス)”と名付けられました。

 外装に日本の国旗が大きくペイントされた“希望の急行バス”が農村地域を巡回すると,待っていた住民の長い列があちこちにできます。住民からは「このサービスのおかげで病院のない農村地域でも乳幼児が病気になったときに薬がもらえる」,「50年の人生で初めて医者に診てもらえて感謝している」などの声が寄せられています。このバスには,診療所としての機能のみならず,行政手続きを行うためのサービスを行うスペースもあり,今では県民生活にとってなくてはならないものになっています。

  “Bus Expreso Esperanza(希望の急行バス)”内部の様子

地方自治グッドプラクティス最優秀賞を受賞

  「公共サービスとインテリジェントサービスのグッドプラクティス国際会議」
での最優秀賞受賞を報告する記者会見(2015年6月25日,於:リベラ県庁)

 2015年6月,パナマにおいてラテン・アメリカと欧州から21か国が参加し「公共サービスとインテリジェントサービスのグッドプラクティス国際会議」が開催され,各国から応募された32件が審査されました。

 審査は,住民への裨益効果、計画の独創性及び創造性,効率性,持続性,他機関が真似のできる可能性,プレゼンテーションの質,などを基準に行われ,「リベラ県農村地域巡回車両整備計画」が地方自治グッドプラクティスとして高い評価を得て最優秀賞を受賞しました。このプロジェクトは,医療機関,行政機関などが一体となって取り組んでおり,他の自治体においても活用できるプロジェクトである点などが評価されたものです。この受賞をきっかけに,このプロジェクトが,他の国の病院のない農村地域を抱える自治体でも同様に実施され,そこに住む人々の生活が向上する日がくることを願っています。

  「公共サービスとインテリジェントサービスのグッドプラクティス国際会議」
での表彰式(中央で表彰状を持つのは,
ウルグアイ国立技術研究所バレラ組織管理部長)
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