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アジア太平洋経済協力(APEC)
アジア太平洋経済協力(APEC)とは何ですか?
APEC(Asia Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力の枠組みです。1993年に初の首脳会議が行われてから今日まで、アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄を目指し、貿易・投資の自由化や円滑化、また地域の経済統合を推進しています。そのためにAPECでは、技術協力、能力向上支援、情報共有など様々な取組みを行っています。
どんな国・地域が参加していますか?
現在、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナムが参加しています。この地域は「世界の成長センター」であり、世界人口の約4割、貿易量の約5割、GDPの約6割を占めています。

「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは何ですか?
「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは、2040年までのAPECの中長期の方針を示す文書です。2020年のマレーシアAPECの際に採択されました(プトラジャヤとは、マレーシアの首都クアラルンプール郊外の都市の名前です)。このビジョンは、貿易・投資、イノベーションとデジタル化、持続可能で包摂的な成長を主な柱としています。

APECのロゴ
リーダーズウィークとは何ですか?
APECでは毎年異なるメンバーエコノミーが議長を務め、様々なレベルの会合を主催します。リーダーズウィークとは、毎年11月に開催される首脳会議及び閣僚(大臣レベル)会議のことです。2024年の議長国はペルーです。2024年は、ペルーが主導して、「エンパワーメント」、「包摂」、「成長」という3つのテーマを設定し、(1) 包摂的で連結性のある成長のための貿易・投資、(2) フォーマルかつグローバルな経済への移行を促進するイノベーション及びデジタル化、(3) 強靱な発展のための持続可能な成長、について議論が行われています。
● APECで話し合うことは、主に経済の内容であるので、APECでは、参加する国や地域の「経済」がメンバーになっているという意識があるよ。「経済」を英語で言うと「エコノミー」だから、APECでは「エコノミー」という言い方をするよ。
● 「エンパワーメント」とは、もともとは力(権限)を与えることを意味するよ。個人やチームがもともと持っている能力を十分に引き出せる環境を整えていくという意味でも使われるよ。
● 「包摂的で連結性のある成長」とは、誰一人取り残さず、アジア太平洋地域みんなで一緒に成長していくことを意味するよ。
● 「フォーマルかつグローバルな経済」とは、税金を払わずに儲けている裏の経済活動を止めさせ、また、保護を受けていない、多様な労働者を支援し、彼らを「正式(フォーマル)」な経済に取り組み、世界の貿易・投資への参加を助けることを意味するよ。
日本も、1995年(大阪)及び2010年(横浜)にAPECの議長国を務めました。大阪APECでは、経済の自由化及び円滑化、経済・技術協力の一層の発展などを記載する「大阪行動指針」を採択しました。また、横浜APECでは、地域経済統合、成長戦略、人間の安全保障を中心に、アジア太平洋の将来像について議論を行い、首脳宣言として「横浜ビジョン」に合意しました。これらを通じ、日本はアジア太平洋地域の更なる成長と反映が実現されるよう貢献しています。

APEC2023 首脳会議
(写真提供:内閣広報室)

APEC2023 首脳の集合写真
(写真提供:内閣広報室)

ASEAN(東南アジア諸国連合)
ASEAN(東南アジア諸国連合)とは何ですか?
ASEAN(アセアン)は、正式名称を「東南アジア諸国連合」といいます。1967年の設立当初は、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国でしたが、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが順次加盟し、現在では10か国から構成されています。ASEAN地域は、文化、言語、宗教、政治体制、経済発展の度合いなどの点で多種多様ですが、互いを認め合いながら発展を遂げてきました。2015年に念願だった「ASEAN共同体」が発足しましたが、ASEANは「共同体」としてさらに発展するため、域内の連結性強化や開発格差の是正などの課題に取り組んできています。
今や、ASEAN地域は7億人に迫る人口を抱え 「世界の成長センター」として注目を集めており、日系企業も1万を越える拠点を構えています。
インド太平洋地域の中心に位置するASEANは、「自由で開かれたインド太平洋」実現の要であり、そのASEANとの関係強化は、地域全体の安定と繁栄にとって極めて重要です。1973年に対話が始まり、2023年に友好協力50周年を迎えた日本とASEANは、半世紀にわたって幅広い分野で協力を進めています。

ASEANの旗
ASEANの旗の中央のシンボルマークは、ASEAN加盟国10か国をあらわす10本の稲の茎の束を表し、友好と結束で結ばれた東南アジアのすべての国で構成されるASEANを表しています。
アフリカ開発会議(TICAD)
アフリカ開発会議(TICAD)とは何ですか?
アフリカ開発会議(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)とは、日本やアフリカの国々、国際機関のリーダーたちが集まって、アフリカの開発について議論する国際会議です。そこでは、 貧困、平和と安定、教育、保健医療など、アフリカがかかえている課題だけでなく、豊かな資源や人材、ビジネスなどのアフリカのもつ様々な可能性について議論します。
1993年にはじめてのアフリカ開発会議が日本で開催されて以来、これまで8回開催されています。
2022年8月27日~28日には、チュニジアの首都チュニスで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されました。同会議では、アフリカと「共に成長するパートナー」として、アフリカ自身が目指す強靭で持続可能なアフリカを実現していくため、力強く後押ししていくことが表明されました。また、日本は、「経済」、「社会」、「平和と安定」という3つの分野で、「人」に注目した日本らしいアプローチで、「人への投資」や「成長の質」を重視しながら取組を進めていくことを強調しました。
次回の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)は、2025年8月20日から22日に横浜で開催予定です。これまで30年以上にわたって推進してきたTICADプロセスも踏まえながら、日本とアフリカ諸国との関係を一層深化させる機会としていきます。


TICAD8 開会式(写真提供:内閣広報室)

第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のロゴ
このロゴは、専門学校生の渡部菜都美さんの作です。TICAD9開催地である横浜の海の青をアフリカ各国が国旗にも掲げる緑と合わせ、生い茂る雄大に成長するイメージを持つ碧色を用い、会議が記憶に残るように、アフリカ大陸を9に見立てシンプルながら力強い文字で表現しています。
ALPS処理水
ALPS処理水とは何ですか?
ALPSとは、 Advanced Liquid Processing System の略で、さまざまな放射性物質を取り除いてきれいにする設備のことです。
ALPS処理水とは、東京電力福島第一原子力発電所の建物内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまできれいにした水のことです。
トリチウムについても安全基準を十分に守り、放出する前に海水で薄めます。安全基準を満たした上で、放出する量も管理して放出するので、環境や人の体への影響は考えられません。
国際社会の理解のために日本はどんなことをしているの?
日本は、 ALPS 処理水について、安全基準を守っていることを証明するために、原子力分野の専門機関である国際機関「IAEA」の評価を受けています。
IAEAは、ALPS処理水の海への放出は、「国際安全基準」に合っており、「人および環境に対する放射線の影響は無視できるほどである」と、報告書で発表しています。

グロッシーIAEA事務局長から岸田総理大臣へ手渡した報告書(出典:首相官邸HP)
(注)IAEA(国際原子力機関)とは、ウランやプルトニウムなどの核物質が核兵器をつくるために使われていないかを確認する機関です。
さらに、日本政府は、世界の国々に理解してもらうために、韓国、中国、香港、太平洋島嶼国といった国・地域への説明や、国際会議などでの発信、海外の報道機関にさまざまな情報を提供するなど、国内外に向けて丁寧に説明してきました。
これからも、ALPS処理水の安全性について、国内外への説明を続けるとともに、悪意のある偽情報が国際社会で広まることがないよう、必要な対応をしていきます。
さらにくわしい情報はこちら!
● パンフレットで見る
● 動画で見る
● ウェブサイトで見る
EEZ(排他的経済水域)
排他的経済水域(EEZ)とは何ですか?
排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone )とは、漁業をしたり、石油などの天然資源を掘ったりという活動を自由に行うことができる水域です。海に面している国は、自分の海(領海)の外側に決められた幅を超えない範囲で排他的経済水域を設定することができます。海に面している国は、これらの活動を行うほかは、排他的経済水域を自分の海として独り占めしてはならないことになっています。たとえば、他の国の船が通ったり、飛行機が上空を飛んだり、他の国が海底にパイプラインを作ったりすることを禁止することはできません。
EPA(経済連携協定)
経済連携協定(EPA)とは何ですか?
経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、モノやサービス、投資などができるだけ自由に行き来できるようにし、経済のつながりを強化するための国際約束(条約)です。
EPAを結ぶことによって、お互いの国や地域でつくられたモノを相手の国や地域に輸出しやすくなったり、お互いに相手の国や地域でビジネスをしやすくなったりして、それぞれの国や地域の経済に良い効果を与えます。また、私たちの生活においても、EPAのおかげで海外から輸入するものが安くなったり、商品を選ぶときに選択肢が広がったりするなどの良い効果があります。
APEC(アジア太平洋経済協力)
アジア太平洋経済協力(APEC)とは何ですか?
APEC(Asia Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力の枠組みです。1993年に初の首脳会議が行われてから今日まで、アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄を目指し、貿易・投資の自由化や円滑化、また地域の経済統合を推進しています。そのためにAPECでは、技術協力、能力向上支援、情報共有など様々な取組みを行っています。
どんな国・地域が参加していますか?
現在、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナムが参加しています。この地域は「世界の成長センター」であり、世界人口の約4割、貿易量の約5割、GDPの約6割を占めています。

「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは何ですか?
「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは、2040年までのAPECの中長期の方針を示す文書です。2020年のマレーシアAPECの際に採択されました(プトラジャヤとは、マレーシアの首都クアラルンプール郊外の都市の名前です)。このビジョンは、貿易・投資、イノベーションとデジタル化、持続可能で包摂的な成長を主な柱としています。

APECのロゴ
リーダーズウィークとは何ですか?
APECでは毎年異なるメンバーエコノミーが議長を務め、様々なレベルの会合を主催します。リーダーズウィークとは、毎年11月に開催される首脳会議及び閣僚(大臣レベル)会議のことです。2024年の議長国はペルーです。2024年は、ペルーが主導して、「エンパワーメント」、「包摂」、「成長」という3つのテーマを設定し、(1) 包摂的で連結性のある成長のための貿易・投資、(2) フォーマルかつグローバルな経済への移行を促進するイノベーション及びデジタル化、(3) 強靱な発展のための持続可能な成長、について議論が行われています。
● APECで話し合うことは、主に経済の内容であるので、APECでは、参加する国や地域の「経済」がメンバーになっているという意識があるよ。「経済」を英語で言うと「エコノミー」だから、APECでは「エコノミー」という言い方をするよ。
● 「エンパワーメント」とは、もともとは力(権限)を与えることを意味するよ。個人やチームがもともと持っている能力を十分に引き出せる環境を整えていくという意味でも使われるよ。
● 「包摂的で連結性のある成長」とは、誰一人取り残さず、アジア太平洋地域みんなで一緒に成長していくことを意味するよ。
● 「フォーマルかつグローバルな経済」とは、税金を払わずに儲けている裏の経済活動を止めさせ、また、保護を受けていない、多様な労働者を支援し、彼らを「正式(フォーマル)」な経済に取り組み、世界の貿易・投資への参加を助けることを意味するよ。
日本も、1995年(大阪)及び2010年(横浜)にAPECの議長国を務めました。大阪APECでは、経済の自由化及び円滑化、経済・技術協力の一層の発展などを記載する「大阪行動指針」を採択しました。また、横浜APECでは、地域経済統合、成長戦略、人間の安全保障を中心に、アジア太平洋の将来像について議論を行い、首脳宣言として「横浜ビジョン」に合意しました。これらを通じ、日本はアジア太平洋地域の更なる成長と反映が実現されるよう貢献しています。

APEC2023 首脳会議
(写真提供:内閣広報室)

APEC2023 首脳の集合写真
(写真提供:内閣広報室)

SDGs(持続可能な開発目標)
SDGsとは何ですか?
SDGs( Sustainable Development Goals )とは、日本語では「持続可能な開発目標」と言い、2030年までに、どんな国や環境に生まれ育った人も含め、誰一人取り残さず、みんなが元気に活躍できる世界をつくるための17の目標です。
途上国では、いまだに多くの人が、きちんとご飯が食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けなかったりするという課題があります。日本国内でも、貧富の格差、男女の不平等、働き方の問題などの課題があります。また、気候変動などの環境問題のように世界共通の課題もあります。SDGsは、国連で世界が抱えるこうした課題を解決するための17の目標を決めたもので、途上国も先進国も含めた世界中の一人ひとりが取り組む必要があります。
まずは、みなさん身の回りでSDGsに向けて取り組めることを考えて、実際に行動してみるところから始めてみましょう!

SDGs(持続可能な開発目標)
- みんなを貧しさから救おう
- お腹を空かせている人をなくそう
- みんなを健康にしよう
- いい教育をみんなが受けられるようにしよう
- 男女の差をなくそう
- きれいな水をみんながつかえるようにしよう
- 地球に配慮したエネルギーをつかおう
- 仕事も生きがいも大切にしよう
- 電気・水・インターネットなどに不便を感じないようにしよう
- ひとや国の不平等をなくそう
- 住みやすいまちをつくろう
- 食べ残しなどムダを減らそう
- 気候変動に取り組もう
- お魚や海のきれいさを守ろう
- 動物や森を守ろう
- 暴力のない安全で平和な社会にしよう
- 政府・NGO/NPO・企業・国連機関などみんなで協力しよう
現在、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、国連に加盟している国の政府と共に、国際機関・市民団体・NGO・民間企業などが協力し合っています。
OECD(経済協力開発機構)
経済協力開発機構(OECD)とは何ですか?
経済協力開発機構(OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development )とは、1961年に設立されたパリに本部をおく国際機関で、経済成長、開発援助、自由貿易の拡大を設立目的としています。また、人々の暮らしをより良くするための政策を各国が作れるよう貢献しています。
具体的には、世界の経済の動向、経済政策・分析、規制制度・構造改革、貿易・投資、環境・持続可能な開発、公共ガバナンスなど、幅広い様々な経済・社会分野において、調査や分析、政策の提案を行っています。最近では、生成AIや自由なデータ流通などデジタル分野、気候変動などの新しい課題も扱っています。
OECDには、2,000名を超える各分野の専門家がおり、世界最大のシンク・タンク(注)とも呼ばれています。
1. 加盟国(38か国)
- 設立時の加盟国
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国、カナダ - その後の加盟国
日本(1964年)、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国、スロバキア、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニア、ラトビア、リトアニア、コロンビア、コスタリカ
2. 日本とOECDの関係
2024年は、日本がOECDに加盟してから60周年を迎える年です。日本は1964年、アジアで初めてOECDに加盟しました。日本は、経済の自由化を推し進めていき、高い経済成長を実現しました。
日本は、2024年5月にOECD本部(パリ)で開催されたOECD閣僚理事会において、議長国を務めました。閣僚理事会は、OECD加盟国の閣僚が年1回集まって、OECDの活動の大きな方向性を議論する最も重要な会合です。日本は、OECD加盟以来、この重要な閣僚理事会の議長国を3回務めました(1978年、2014年及び2024年)。

OECD閣僚理事会開会式で議長国代表として基調演説を行う岸田総理(出典:内閣広報室)

OECD閣僚理事会における集合写真(出典:内閣広報室)
(注)シンク・タンク(think tank)
政治、経済、科学技術など、いろいろな分野について調査や研究を行ったり、いろいろな課題への解決方法などを提案したりする研究機関のこと。
ODA(政府開発援助)
政府開発援助(ODA)とは何ですか?
政府開発援助(ODA: Official Development Assistance )とは、政府開発援助のことです。まだ経済が十分に発展しておらず、貧しさなどに苦しんでいる国が豊かになり、また、人びとが健康でよりよい生活を送れるようになり、世界が平和で安定し、繁栄したものとなるように、お金や技術による協力を行います。
世界には飢えや貧しさに苦しみ、きちんとご飯が食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けない人が多くいます。環境・人口・病気など、たくさんの問題もあります。このような地球全体の問題を解決するために、日本はこれまで190もの国や地域に協力をし、人々の生活の向上と国々の発展に貢献してきました。こうした協力は、実は世界の人のためだけではなく、日本での食料やエネルギーの安定的な確保や日本企業が海外でビジネスをしやすくなるなど、日本の私たちのためにもつながっているのです。
日本は、1954年10月6日、開発途上国に対するODAを開始しました。政府は、この10月6日を「国際協力の日」と定め、国際協力への国民の理解と参加を呼びかけています。また、2024年は、日本がODAを開始してから70年の節目にあたります。

国際協力70周年のロゴ
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カリコム(CARICOM:カリブ共同体)
カリコム(CARICOM:カリブ共同体)とは何ですか?
カリブ海には大小様々な島国があるのを知っていますか?そして、カリブ海を囲んで、さらにたくさんの国があります。
カリブ共同体(CARICOM:カリコム)は、1973年に、これらの国々の結びつきを強めることを目的として設立されました。現在、カリコムに加盟しているのは、島国では、アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ドミニカ国、グレナダ、ハイチ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、トリニダード・トバゴの11か国、そして、カリブ海を囲む国では、ベリーズ、ガイアナ、スリナムの3か国、そして、これも島ですが、英国領モンセラットという地域があります。合わせて14か国と1地域です。

カリコム諸国一覧
カリコムの国々は、14か国のうち12か国は公用語が英語です(ハイチはフランス語、スリナムはオランダ語)。これは、元々英国の植民地であった国が多いからです。
カリコムの国々の特徴といえば、「カリブの海賊」でも知られる美しいカリブ海や陽気な音楽やダンスがあります。トリニダード・トバゴには、スティール・パンと呼ばれるドラム缶からつくられる太鼓や、世界的にも有名なカーニバルがあります。ジャマイカは日本でも人気のレゲエ音楽が生まれた国でもあります。ほかにも、音楽にあふれたカリコム諸国からは、世界で活躍する歌手も数多くいます。また、ジャマイカは陸上競技が盛んな国で、ジャマイカ人のウサイン・ボルトさんが2009年に出した100m走の世界記録、9秒58は、今でも世界記録であり続けています。ベリーズには「ブルーホール」として知られるサンゴ礁の保護区や古代マヤ文明の遺跡もあります。

トリニダード・トバゴのカーニバル

トリニダード・トバゴのスティール・パン

ベリーズの「ブルーホール」
カリコム諸国の大半は島国であり、ハリケーンや地震など自然災害を受けやすいのです。同じく自然災害を受けやすい日本は、防災や地球温暖化への対策などを中心に、これまでの経験の共有と協力を行ってきました。
また、ジャマイカやトリニダード・トバゴなどの国からは、「JETプログラム」を通じて、日本の小学校や中学校などで英語を指導する先生が年々来日するようになっています。皆さんの学校にも、カリコム諸国出身の英語の先生がいるかもしれませんね。
2024年は、「日・カリブ交流年」です。日本とカリコムとの対話が始まって30年が経ったことを記念して、日本とカリブの国々の交流を深めるイベントを日本とカリコム諸国の両方で実施予定です。日本とカリコム諸国は、これからも、幅広い分野で協力を進めていきます。

「日・カリブ交流年2024」ロゴマーク
環太平洋パートナーシップ(TPP)
環太平洋パートナーシップ(TPP)とは何ですか?
環太平洋パートナーシップ(TPP: Trans-Pacific Partnership )とは、太平洋を取り囲む国々の間で、モノやサービス、投資などが出来るだけ自由に行き来できるようにし、経済のつながりを強化するための国際約束(条約)であり、従来と比べても高いレベルの内容となっています。
(1)TPP協定
日本は2013年7月にTPP交渉に参加しました。参加国間での交渉を経て、2016年2月、ニュージーランドのオークランドにて12か国(注)がTPP協定に署名しました。2017年1月に、日本は締結(協定を結ぶこと)のため必要な国内の手続を完了しましたが、その後間もなく、就任直後だった米国のトランプ大統領(当時)が、米国はTPPから離脱すると発表しました。
(注)日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ。
(2)CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership:環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)
TPP協定から米国が離脱した後、米国を除く11か国で話し合いを重ね、2018年3月に、チリのサンティアゴにて、基本的にTPP協定と同じ内容のCPTPPに署名(サイン)しました。そして、署名を行った各国の国内手続きを経て、CPTPPは2018年12月30日に発効(効力を発生)しました。
CPTPPが発行した後、英国がCPTPPへの加入を希望し、2021年6月以降、CPTPPの参加国との間で加入交渉が行われました。日本は、その加入交渉の議長を務め、交渉の妥結に尽力しました。交渉の結果、2023年7月、英国のCPTPPへの加入議定書が署名に至りました。ヨーロッパの国である英国がCPTPPに加入することにより、CPTPPがアジア太平洋を超えて世界に広がっていくことが期待されます。
経済協力開発機構(OECD)
経済協力開発機構(OECD)とは何ですか?
経済協力開発機構(OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development )とは、1961年に設立されたパリに本部をおく国際機関で、経済成長、開発援助、自由貿易の拡大を設立目的としています。また、人々の暮らしをより良くするための政策を各国が作れるよう貢献しています。
具体的には、世界の経済の動向、経済政策・分析、規制制度・構造改革、貿易・投資、環境・持続可能な開発、公共ガバナンスなど、幅広い様々な経済・社会分野において、調査や分析、政策の提案を行っています。最近では、生成AIや自由なデータ流通などデジタル分野、気候変動などの新しい課題も扱っています。
OECDには、2,000名を超える各分野の専門家がおり、世界最大のシンク・タンク(注)とも呼ばれています。
1. 加盟国(38か国)
- 設立時の加盟国
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国、カナダ - その後の加盟国
日本(1964年)、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国、スロバキア、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニア、ラトビア、リトアニア、コロンビア、コスタリカ
2. 日本とOECDの関係
2024年は、日本がOECDに加盟してから60周年を迎える年です。日本は1964年、アジアで初めてOECDに加盟しました。日本は、経済の自由化を推し進めていき、高い経済成長を実現しました。
日本は、2024年5月にOECD本部(パリ)で開催されたOECD閣僚理事会において、議長国を務めました。閣僚理事会は、OECD加盟国の閣僚が年1回集まって、OECDの活動の大きな方向性を議論する最も重要な会合です。日本は、OECD加盟以来、この重要な閣僚理事会の議長国を3回務めました(1978年、2014年及び2024年)。

OECD閣僚理事会開会式で議長国代表として基調演説を行う岸田総理(出典:内閣広報室)

OECD閣僚理事会における集合写真(出典:内閣広報室)
(注)シンク・タンク(think tank)
政治、経済、科学技術など、いろいろな分野について調査や研究を行ったり、いろいろな課題への解決方法などを提案したりする研究機関のこと。
経済連携協定(EPA)
経済連携協定(EPA)とは何ですか?
経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、モノやサービス、投資などができるだけ自由に行き来できるようにし、経済のつながりを強化するための国際約束(条約)です。
EPAを結ぶことによって、お互いの国や地域でつくられたモノを相手の国や地域に輸出しやすくなったり、お互いに相手の国や地域でビジネスをしやすくなったりして、それぞれの国や地域の経済に良い効果を与えます。また、私たちの生活においても、EPAのおかげで海外から輸入するものが安くなったり、商品を選ぶときに選択肢が広がったりするなどの良い効果があります。
国際法
国際法とはどのようなものですか?
国際法とは、国と国の合意にもとづいて、主に国と国の関係を定めた法です。文章にされている『条約』と、たくさんの国が「これは法である」と考えて従っている習わしである『国際慣習法』によって成り立っています。
『条約』の例としては、日米安全保障条約や、気候変動対策のためのパリ協定があります。
国際法には色々な分野があり、内容もバラエティに富んでいます。それらをまとめて一口で説明することは難しいですが、外国とお付き合いするときのルールだと考えると分かりやすいかもしれません。
国際社会において、人々が平和で安心した生活をおくるためには、そうしたルールを各国が守ることが重要であり、こうしたことを国際社会における「法の支配」と呼んでいます。日本はその重要性を国際社会に広げるために様々な取組を行っています。
国連教育科学文化機構
(UNESCO)
(UNESCO)
国連教育科学文化機構(UNESCO)とはどういう機関ですか?
国連教育科学文化機構(UNESCO:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)とは、教育、科学及び文化などの活動を通じて、世界平和に貢献するために作られた国連の機関の一つです。(本部:フランス・パリ)
ユネスコが作られた最大のきっかけは第二次世界大戦であり、1946年11月4日、人類が二度と戦争を繰り返さないようにという願いを込め、その活動をスタートさせました。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」。これは、ユネスコ憲章前文の冒頭を飾る有名な言葉です。この言葉からも、ユネスコが、教育、科学、文化など私たちの普段の生活に大きく関わる分野を通して、人の心に平和の砦を築き、世界の平和に貢献しようとしていることがわかります。
ユネスコには2024年4月現在194か国が加盟しており、日本は1951年、世界で60番目に加盟しました。ユネスコは第二次大戦後日本が初めて加盟した国際機関であり、日本は当時からユネスコの活動が重要であると考えています。
また、1999年にアジア出身者として初めて松浦晃一郎さんがユネスコ事務局長に選ばれ、2009年まで10年間、ユネスコのトップを務めました。

2006年8月に外務省を訪れ、
麻生外務大臣(当時)と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん(当時)。
現在のユネスコの活動を紹介しますと、たとえば教育の分野において、ユネスコはさまざまな国際機関と協力しながら、世界中のすべての人々に教育の機会が与えられるよう取り組んでいます(「万人のための教育」)。また、科学の分野においても、津波の発生をいち早く海岸の近くの住民に知らせ、大きな被害を防ぐための努力を行っています(「津波早期警戒」)。さらに、人類共通の貴重な財産である遺跡(アンコール遺跡、バーミヤン遺跡等)、建造物(万里の長城、姫路城等)、自然(グランドキャニオン、知床等)などを世界文化遺産や世界自然遺産として登録すること、また同じく人類共通の宝である伝統的な音楽、演劇、舞踊、工芸技術などについては無形文化遺産に登録して、国際的に守っていく取り組みが行われています。
このようにユネスコは世界中のすべての人々にとって、とても重要な活動を行っています。
国連児童基金(UNICEF)
国連児童基金(UNICEF)とはどういう機関ですか?
国連児童基金(UNICEF:United Nations Children's Fund)とは、世界の子どもたちの命と権利を守るために作られた国連の機関の一つです。
ユニセフの元の機関となったのが第二次世界大戦後の1946年に作られた国連国際児童緊急基金( United Nations International Children's Emergency Fund )です。その時の略称UNICEFは世界中の人たちに親しまれたため、現在まで引き継がれています。
ユニセフは、子どもや女性の権利を守る団体であり、190以上の国と地域で、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、緊急支援、アドボカシー(子どもに関する課題への理解を広げ、子どもの権利の実現に向けての取組の啓発・政策提言を行うこと)などの面で支援をし、持続可能な開発目標(SDGs:エス・ディー・ ジーズ)達成のために貢献しています。ユニセフは、1965年、ノーベル平和賞を受賞しています。
国連平和維持活動(PKO)
国連平和維持活動(PKO)とは何ですか?
国連平和維持活動のことを英語で United Nations Peacekeeping Operations と呼びますが、日本ではPKOもしくは国連PKOと呼ばれることが多いようです。
国連PKOの活動は、争いをしていた国同士や人たちが、お互いに攻撃をやめることを決めた後、再び争いが起こらないように監視したり、話し合いを通じた解決が行われるように手助けしたりすることが中心でした。最近ではこのような活動に加えて、争いが終わったり新たに独立した国が一人前になれるよう、選挙の手伝いをしたり、もう戦う必要がなくなった兵士を説得して武器を捨てさせ、軍隊をやめた後に他の仕事につけるよう手伝ったり、その国の人たちが安心して生活できるよう国の仕組みや組織を整える手助けをしたりと、様々な支援を行うようになってきています。国連PKOのこうした活動はたくさんの人から高い評価を受け、今では世界中の国が軍隊や警察、専門家やボランティアを国連PKOに参加させ、世界の平和と安定に貢献しています。
日本は、1992年に初めて国連PKOに参加して以来、アンゴラ、カンボジア、モザンビーク、エルサルバドル、ゴラン高原、東ティモール、スーダン、ハイチ、南スーダン等の国連PKOに参加してきました。今でも、南スーダンでは、自衛隊の隊員が司令部要員として活躍しています。また、国連PKOに派遣される各国の軍隊の人たちに対して、けが人への対処やブルドーザーの操縦についての訓練を行い、育成する協力も行っています。日本のこれまでの活動は、世界中から高い評価を受け、現地の人たちからもとても感謝されています。日本はこれからも、世界の平和と安定を目指して、国連PKOに積極的に貢献していきます。
子どもたちに対する暴力をなくすための行動計画
子どもたちに対する暴力をなくすための行動計画とは何ですか?

2015年に、「誰一人取り残さず、みんなが元気に活躍できる社会をつくるための目標(SDGs)」を決めた時、2030年までに子どもたちに対する暴力を完全になくすことを、世界のみんなで約束しました。
日本もそのことに率先して取り組むことを決め、この行動計画をつくりました。「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」には、子どもに関係のあることを決める時、子どもは意見を言うことができること、子どもたちにはどのような暴力も受けない権利があることなど、世界中の子どもたちのもつ権利が定められています。行動計画は、条約にもとづいて子どもの権利を守っていくことにも深く関係しています。
この行動計画は、どれだけの日本の子どもたちが暴力にあっているのかを知って、どうしたら誰(だれ)も暴力にあわないようになるのか、そのために誰が何をしていくのか、決めたことを、2021年8月にまとめたものです。国の関係者、専門家、子どものための活動をしている人たちなど、たくさんの人たちが話し合ってつくりました。「子どもパブコメ」(Yahoo!きっず)
で集まった子どもたちの声もいかされています。
さ
G7
G7とは何ですか?
G7( Group of Seven )とは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国と欧州連合(EU)が参加するグループのことで、この7か国とEUのリーダー(首脳)が年に一回集まって話合いをします。これがG7サミットです。1998年から2014年まではロシアも加わった「G8」サミットが開催されてきましたが、2014年3月のロシアによるウクライナの主権と領土の侵害を受け、ロシアの参加が停止されたことにより、2014年以降は再びG7サミットになっています。
サミットとは、「山の頂上」を意味する英語で、首脳同士の会談という意味でも使われます。話し合われる内容は、その時々の世界における重要な問題についてです。サミットを開く国は順番に変わり、日本は1979年、1986年及び1993年に東京、2000年に九州・沖縄、2008年に北海道の洞爺湖、2016年には三重県の伊勢志摩でサミットを開きました。2023年5月19日、20日及び21日に、日本は議長国としてG7サミットを広島県広島市で開催しました。

G7広島サミットロゴマーク
G20
G20とは何ですか?
G20( Group of Twenty )とは、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国、欧州連合(EU)(アルファベット順)の集まりのことです。
G20のリーダー(首脳)が年に一回集まって、世界経済を中心とする問題を話し合う会合のことをG20サミットと呼びます。G20はもともと財務大臣と中央銀行総裁が話し合いを行う場でしたが、2008年にリーマン・ショックという大きな金融危機に対処するために、リーダー(首脳)の会合に格上げされ、G20サミットができました。
2019年6月28日及び29日に、日本は、初めて議長国としてG20サミットを大阪で開催しました。主要国のリーダーたちが一堂に会する中、互いの共通点を見出し、主要な世界経済の課題に団結して取り組んでいく姿を打ち出しました。

G20大阪サミットロゴマーク
G20大阪サミットのロゴマークでは、議長国日本から世界の経済成長と繁栄をもたらす象徴として富士山の「頂」と「旭日」がデザインされ、富士の裾野に咲いた桜の花びらは春の訪れ(経済成長と繁栄)を表現しています。

G20大阪サミット 集合写真(写真提供:内閣広報室)
持続可能な開発目標
(SDGs)
(SDGs)
SDGsとは何ですか?
SDGs( Sustainable Development Goals )とは、日本語では「持続可能な開発目標」と言い、2030年までに、どんな国や環境に生まれ育った人も含め、誰一人取り残さず、みんなが元気に活躍できる世界をつくるための17の目標です。
途上国では、いまだに多くの人が、きちんとご飯が食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けなかったりするという課題があります。日本国内でも、貧富の格差、男女の不平等、働き方の問題などの課題があります。また、気候変動などの環境問題のように世界共通の課題もあります。SDGsは、国連で世界が抱えるこうした課題を解決するための17の目標を決めたもので、途上国も先進国も含めた世界中の一人ひとりが取り組む必要があります。
まずは、みなさん身の回りでSDGsに向けて取り組めることを考えて、実際に行動してみるところから始めてみましょう!

SDGs(持続可能な開発目標)
- みんなを貧しさから救おう
- お腹を空かせている人をなくそう
- みんなを健康にしよう
- いい教育をみんなが受けられるようにしよう
- 男女の差をなくそう
- きれいな水をみんながつかえるようにしよう
- 地球に配慮したエネルギーをつかおう
- 仕事も生きがいも大切にしよう
- 電気・水・インターネットなどに不便を感じないようにしよう
- ひとや国の不平等をなくそう
- 住みやすいまちをつくろう
- 食べ残しなどムダを減らそう
- 気候変動に取り組もう
- お魚や海のきれいさを守ろう
- 動物や森を守ろう
- 暴力のない安全で平和な社会にしよう
- 政府・NGO/NPO・企業・国連機関などみんなで協力しよう
現在、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、国連に加盟している国の政府と共に、国際機関・市民団体・NGO・民間企業などが協力し合っています。
ジャパン・ハウス
ジャパン・ハウスとは何ですか?
外国の人々が、日本について知り、体験することができるよう、日本政府が2017年から2018年にかけて作った施設です。ブラジルのサンパウロ、イギリスのロンドン、アメリカのロサンゼルスの3都市にあります。
文化、和食、地域の特色、芸術・デザイン、最先端のテクノロジーなど日本の様々な魅力を知ってもらうために、展示やセミナーを行っています。現地に行けなくても、みなさんも視聴できます。また、ジャパン・ハウスの中にはレストランやショップもあるので、実際に和食を味わい、日本のものを手にとって感じてもらうことができます。

ジャパン・ハウス サンパウロの建物
(写真提供:ジャパン・ハウス サンパウロ/
Rogerio Cassimiro
)

Ainu Stories(アイヌ展)
(写真提供:ジャパン・ハウス ロンドン)
集団安全保障
集団安全保障とは何ですか?
集団安全保障とは、ある国が世界の平和を脅かしている場合に、国際社会全体が協力し合い、そのような国に対して、必要な行動(経済制裁、軍事制裁等)をとって平和を維持し回復するための仕組みであり、国連憲章で決められています。
集団的自衛権
集団的自衛権とは何ですか?
国連憲章第51条に定められている自衛権には、個別的自衛権と集団的自衛権とがあります。個別的自衛権とは、一般的に自分の国が攻撃されたときに、その攻撃を実力で阻む権利です。集団的自衛権とは、一般的に自分の国と近い関係にある国が攻撃されたときに、自分の国が直接攻撃されていなくても、実力でその攻撃を阻む権利です。どちらも、国際法上全ての国に認められている権利です。
これまで日本は、集団的自衛権を行使することは許されないと考えてきました。しかし、日本をとりまく安全保障環境が厳しくなってきている中、平和安全法制により、「新三要件」という条件を満たす場合には、日本を守るために集団的自衛権を行使することが認められました。
自由で開かれたインド太平洋
(FOIP)
(FOIP)
自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とはなんですか?
FOIPとは、
Free and Open Indo-Pacific
の略で、「自由で開かれたインド太平洋」を意味しています。
インド太平洋地域全体の平和と豊かさをしっかり守っていこうというビジョンで、2016年に日本が発表しました。
2023年3月には、新たなプランを発表するなど、日本はこのビジョンを主導し、進めていこうとしています。
なぜ今、FOIPなの?
インド太平洋地域は、世界経済の半分以上を占めている一方で、法の準備が整っていない国や外国と対等に向き合えない国など、弱さをもった国があることが背景にあります。
そのような国々に対して、必要な協力を行いながら、この地域を、武力ではなく、法の支配(注)に基づく、自由な世界の中で、豊かにしていこう、という狙いがあります。
(注)「法の支配」とは、武力によって物事を解決しようとするのではなく、話し合いや決められたルールに従って、国際社会の平和を守ろうということ。
FOIPの新たなプランとは?
- 平和の原則と繁栄のルール:「平和」を守り、「法の支配」をしっかりと打ち立て、弱い者が力で押さえつけられない国際環境をつくる!
- インド太平洋流の課題対処:気候、環境、保健など、国境を越えて解決しなければならない問題に対して協力を行う!
- 多層的な連結性:FOIP協力の中心!地域全体の成長実現のため、各国のつながりを強化する!
- 「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取組:「海」そして「空」も含む地域全体の安全・安定を確保する!
日本は、米国をはじめ、オーストラリア、インド、ASEAN諸国、太平洋島嶼国、韓国、欧州などと協力を強め、中東やアフリカ、中南米など世界中で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を深めていきます。
女性・平和・安全保障(WPS)
女性・平和・安全保障(WPS)とは何ですか?
女性・平和・安全保障(WPS:Women, Peace and Security)とは、平和を守り紛争を予防・解決するための事業・政策などを計画し、実施する際に、男性だけではなく女性も平等に加わること、紛争下の女性に対する暴力から保護すること、ジェンダー平等が必要という考え方です。
これは、2000年の国連安全保障理事会(注)で提唱され、「安保理決議第1325号」として初めて採択されました。この決議によって、国連加盟国はすべての取組に、女性が平等で完全に加わることができるようにすることが求められています。
日本は、その後に採択された9本のWPSについての安保理決議も含め、適切に取り組むため、WPS行動計画を作り、実施してきています。
(注)国連安全保障理事会(安保理)は、国際の平和及び安全の維持に重要な責任を負う機関。5か国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)の常任理事国と10か国の非常任理事国で構成される。
政府開発援助(ODA)
政府開発援助(ODA)とは何ですか?
政府開発援助(ODA: Official Development Assistance )とは、政府開発援助のことです。まだ経済が十分に発展しておらず、貧しさなどに苦しんでいる国が豊かになり、また、人びとが健康でよりよい生活を送れるようになり、世界が平和で安定し、繁栄したものとなるように、お金や技術による協力を行います。
世界には飢えや貧しさに苦しみ、きちんとご飯が食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けない人が多くいます。環境・人口・病気など、たくさんの問題もあります。このような地球全体の問題を解決するために、日本はこれまで190もの国や地域に協力をし、人々の生活の向上と国々の発展に貢献してきました。こうした協力は、実は世界の人のためだけではなく、日本での食料やエネルギーの安定的な確保や日本企業が海外でビジネスをしやすくなるなど、日本の私たちのためにもつながっているのです。
日本は、1954年10月6日、開発途上国に対するODAを開始しました。政府は、この10月6日を「国際協力の日」と定め、国際協力への国民の理解と参加を呼びかけています。また、2024年は、日本がODAを開始してから70年の節目にあたります。

国際協力70周年のロゴ
世界津波の日
「世界津波の日」とはどんな日ですか?
2015年12月、第70回国連総会で、日本の提案により11月5日が「世界津波の日」に制定されました。
11月5日とすることは、津波から多くの命を救った日本の有名な逸話「稲むらの火」に由来します。これは、安政元年(1854年)11月5日の安政南海大地震の際、伝統的知見から津波を察知した一人の村人(濱口梧陵(はまぐち ごりょう))が自らの稲束(稲むら)に火をつけ多くの村人を高台に避難させ、命を救ったという話です。この村人は、その後堤防の建設にも取組み、その後の津波災害から村人の命を守りました。
「津波を察知したら高台に避難する」このことを知っていれば、高台に避難することで命を救うことができます。
日本は「世界津波の日」を通して津波に関する知識を世界中に浸透させるための取組も進めています。
た
太平洋・島サミット(PALM)
太平洋・島サミットとは何ですか?
太平洋・島サミットとは、太平洋のミクロネシア、メラネシア、ポリネシアのそれぞれの地域にある島国がかかえている様々な問題について、日本と太平洋の島々のリーダー(首脳)が集まって問題の解決に向けて話し合いをする会議(サミット)です。
英語では Pacific Islands Leaders Meeting と表示され、英語の頭文字をつなげて「PALM(パーム)」と呼んでいます。
太平洋の島国は「国土がせまく、人口が少ない」、「ひとつの国の中にたくさんの島がバラバラに散らばっている」、「他の国と距離が離れていて、行き来がしづらい」、「海抜が低く、津波や地震、温暖化といった災害・気候変動の影響を受けやすい」といった悩みをかかえています。1997年から始まり、3年に1度開かれているこの太平洋・島サミットで、地域の平和と繁栄に向けてこうした問題に長い間ともに取り組むことを通じて、日本と太平洋の島国との絆を強めています。
2024年に東京で行われた第10回太平洋・島サミット(PALM10)では、日本を含む19か国・地域(注)の首脳等が集まり、変化する地域・国際情勢について議論を行うとともに、日本と太平洋の島国が気候変動や海洋資源の保護など共通の課題に取組みながら、未来に向けて「共に歩む」関係を確認しました。
(注)日本、オーストラリア、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、ニュージーランド、バヌアツ、ニューカレドニア、仏領ポリネシア


(写真提供:内閣広報室)

第10回太平洋・島サミットのロゴマーク
このロゴマークの作者は、グラフィックデザイナーの石田広宣氏です。ロゴマークの「PALM10」の文字は、植物の葉や水の要素を含み、数字の「ゼロ」のデザインはPALMのメンバーである19か国・地域を表現しています。また、ロゴマークの上部は島嶼国、下部は波のイメージで構成され、波のデザインは横から見た掌(英語で「PALM」)のイメージも表しています。
たびレジ
たびレジとは何ですか?
「たびレジ」とは、事前にメールアドレスを登録しておくことで、外務省から海外の危険や海外で注意しなければいけないことについての情報(海外安全情報)を受けとれるメール配信サービスです。旅行に出かける前や旅行中に旅先の最新の安全情報を日本語で入手できます。また、万が一、現地で事件や事故に巻き込まれても旅先の大使館からサポートを受けることが出来ます。外国に旅行に行くときは、必ず「たびレジ」に登録するようにしましょう。

WPS(女性・平和・安全保障)
女性・平和・安全保障(WPS)とは何ですか?
女性・平和・安全保障(WPS:Women, Peace and Security)とは、平和を守り紛争を予防・解決するための事業・政策などを計画し、実施する際に、男性だけではなく女性も平等に加わること、紛争下の女性に対する暴力から保護すること、ジェンダー平等が必要という考え方です。
これは、2000年の国連安全保障理事会(注)で提唱され、「安保理決議第1325号」として初めて採択されました。この決議によって、国連加盟国はすべての取組に、女性が平等で完全に加わることができるようにすることが求められています。
日本は、その後に採択された9本のWPSについての安保理決議も含め、適切に取り組むため、WPS行動計画を作り、実施してきています。
(注)国連安全保障理事会(安保理)は、国際の平和及び安全の維持に重要な責任を負う機関。5か国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)の常任理事国と10か国の非常任理事国で構成される。
TPP(環太平洋パートナーシップ)
環太平洋パートナーシップ(TPP)とは何ですか?
環太平洋パートナーシップ(TPP: Trans-Pacific Partnership )とは、太平洋を取り囲む国々の間で、モノやサービス、投資などが出来るだけ自由に行き来できるようにし、経済のつながりを強化するための国際約束(条約)であり、従来と比べても高いレベルの内容となっています。
(1)TPP協定
日本は2013年7月にTPP交渉に参加しました。参加国間での交渉を経て、2016年2月、ニュージーランドのオークランドにて12か国(注)がTPP協定に署名しました。2017年1月に、日本は締結(協定を結ぶこと)のため必要な国内の手続を完了しましたが、その後間もなく、就任直後だった米国のトランプ大統領(当時)が、米国はTPPから離脱すると発表しました。
(注)日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ。
(2)CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership:環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)
TPP協定から米国が離脱した後、米国を除く11か国で話し合いを重ね、2018年3月に、チリのサンティアゴにて、基本的にTPP協定と同じ内容のCPTPPに署名(サイン)しました。そして、署名を行った各国の国内手続きを経て、CPTPPは2018年12月30日に発効(効力を発生)しました。
CPTPPが発行した後、英国がCPTPPへの加入を希望し、2021年6月以降、CPTPPの参加国との間で加入交渉が行われました。日本は、その加入交渉の議長を務め、交渉の妥結に尽力しました。交渉の結果、2023年7月、英国のCPTPPへの加入議定書が署名に至りました。ヨーロッパの国である英国がCPTPPに加入することにより、CPTPPがアジア太平洋を超えて世界に広がっていくことが期待されます。
TICAD(アフリカ開発会議)
アフリカ開発会議(TICAD)とは何ですか?
アフリカ開発会議(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)とは、日本やアフリカの国々、国際機関のリーダーたちが集まって、アフリカの開発について議論する国際会議です。そこでは、 貧困、平和と安定、教育、保健医療など、アフリカがかかえている課題だけでなく、豊かな資源や人材、ビジネスなどのアフリカのもつ様々な可能性について議論します。
1993年にはじめてのアフリカ開発会議が日本で開催されて以来、これまで8回開催されています。
2022年8月27日~28日には、チュニジアの首都チュニスで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されました。同会議では、アフリカと「共に成長するパートナー」として、アフリカ自身が目指す強靭で持続可能なアフリカを実現していくため、力強く後押ししていくことが表明されました。また、日本は、「経済」、「社会」、「平和と安定」という3つの分野で、「人」に注目した日本らしいアプローチで、「人への投資」や「成長の質」を重視しながら取組を進めていくことを強調しました。
次回の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)は、2025年8月20日から22日に横浜で開催予定です。これまで30年以上にわたって推進してきたTICADプロセスも踏まえながら、日本とアフリカ諸国との関係を一層深化させる機会としていきます。


TICAD8 開会式(写真提供:内閣広報室)

第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のロゴ
このロゴは、専門学校生の渡部菜都美さんの作です。TICAD9開催地である横浜の海の青をアフリカ各国が国旗にも掲げる緑と合わせ、生い茂る雄大に成長するイメージを持つ碧色を用い、会議が記憶に残るように、アフリカ大陸を9に見立てシンプルながら力強い文字で表現しています。
テロ
テロとは何ですか?
「テロ」とは、自分たちの考えを認めさせるために、ものをこわしたり、人々を傷つけたり殺したりして人々を怖がらせることです。2001年9月11日にアメリカのニューヨークで起きたテロでは、武器を持ったテロリストが乗っ取った飛行機が乗客を乗せたまま世界貿易センタービルなどに衝突しました。このテロで、日本人を含む約3000人もの人が亡くなりました。また、2013年1月16日には、アルジェリアにある日系企業のガスプラント(天然ガス製造施設)が襲われ、日本人10名を含む40人が亡くなり、2016年7月1日には、バングラデシュの首都ダッカ市内のレストランでテロが発生し、日本人7名を含む20人以上が亡くなりました。さらに、2019年4月21日にスリランカで発生した連続爆発事件では、日本人1名を含む多数の死傷者が発生し、2019年12月4日には、アフガニスタンで車で移動中に遭った襲撃で日本人1名が亡くなりました。
東南アジア諸国連合
(ASEAN)
(ASEAN)
ASEAN(東南アジア諸国連合)とは何ですか?
ASEAN(アセアン)は、正式名称を「東南アジア諸国連合」といいます。1967年の設立当初は、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国でしたが、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが順次加盟し、現在では10か国から構成されています。ASEAN地域は、文化、言語、宗教、政治体制、経済発展の度合いなどの点で多種多様ですが、互いを認め合いながら発展を遂げてきました。2015年に念願だった「ASEAN共同体」が発足しましたが、ASEANは「共同体」としてさらに発展するため、域内の連結性強化や開発格差の是正などの課題に取り組んできています。
今や、ASEAN地域は7億人に迫る人口を抱え 「世界の成長センター」として注目を集めており、日系企業も1万を越える拠点を構えています。
インド太平洋地域の中心に位置するASEANは、「自由で開かれたインド太平洋」実現の要であり、そのASEANとの関係強化は、地域全体の安定と繁栄にとって極めて重要です。1973年に対話が始まり、2023年に友好協力50周年を迎えた日本とASEANは、半世紀にわたって幅広い分野で協力を進めています。

ASEANの旗
ASEANの旗の中央のシンボルマークは、ASEAN加盟国10か国をあらわす10本の稲の茎の束を表し、友好と結束で結ばれた東南アジアのすべての国で構成されるASEANを表しています。
は
PALM(太平洋・島サミット)
太平洋・島サミットとは何ですか?
太平洋・島サミットとは、太平洋のミクロネシア、メラネシア、ポリネシアのそれぞれの地域にある島国がかかえている様々な問題について、日本と太平洋の島々のリーダー(首脳)が集まって問題の解決に向けて話し合いをする会議(サミット)です。
英語では Pacific Islands Leaders Meeting と表示され、英語の頭文字をつなげて「PALM(パーム)」と呼んでいます。
太平洋の島国は「国土がせまく、人口が少ない」、「ひとつの国の中にたくさんの島がバラバラに散らばっている」、「他の国と距離が離れていて、行き来がしづらい」、「海抜が低く、津波や地震、温暖化といった災害・気候変動の影響を受けやすい」といった悩みをかかえています。1997年から始まり、3年に1度開かれているこの太平洋・島サミットで、地域の平和と繁栄に向けてこうした問題に長い間ともに取り組むことを通じて、日本と太平洋の島国との絆を強めています。
2024年に東京で行われた第10回太平洋・島サミット(PALM10)では、日本を含む19か国・地域(注)の首脳等が集まり、変化する地域・国際情勢について議論を行うとともに、日本と太平洋の島国が気候変動や海洋資源の保護など共通の課題に取組みながら、未来に向けて「共に歩む」関係を確認しました。
(注)日本、オーストラリア、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、ニュージーランド、バヌアツ、ニューカレドニア、仏領ポリネシア


(写真提供:内閣広報室)

第10回太平洋・島サミットのロゴマーク
このロゴマークの作者は、グラフィックデザイナーの石田広宣氏です。ロゴマークの「PALM10」の文字は、植物の葉や水の要素を含み、数字の「ゼロ」のデザインはPALMのメンバーである19か国・地域を表現しています。また、ロゴマークの上部は島嶼国、下部は波のイメージで構成され、波のデザインは横から見た掌(英語で「PALM」)のイメージも表しています。
排他的経済水域(EEZ)
排他的経済水域(EEZ)とは何ですか?
排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone )とは、漁業をしたり、石油などの天然資源を掘ったりという活動を自由に行うことができる水域です。海に面している国は、自分の海(領海)の外側に決められた幅を超えない範囲で排他的経済水域を設定することができます。海に面している国は、これらの活動を行うほかは、排他的経済水域を自分の海として独り占めしてはならないことになっています。たとえば、他の国の船が通ったり、飛行機が上空を飛んだり、他の国が海底にパイプラインを作ったりすることを禁止することはできません。
パリ協定
環境問題の話になるとパリ協定という言葉をよく聞きますが、どのようなものですか?
パリ協定とは、気候変動の原因となっている二酸化炭素やメタンガスなどの温室効果ガスの排出を減らし、産業革命以降の地球の温度上昇を2℃以内、できれば1.5℃以内にとどめることを、世界共通の目標として定めた国際的な約束のことです。1997年に京都で作られた「京都議定書」に代わる約束で、先進国だけでなく途上国も含めた全ての国が目標の達成のために取り組むことになっています。2015年にフランスのパリで作成されたことから、パリ協定という名前がつけられています。
PKO(国連平和維持活動)
国連平和維持活動(PKO)とは何ですか?
国連平和維持活動のことを英語で United Nations Peacekeeping Operations と呼びますが、日本ではPKOもしくは国連PKOと呼ばれることが多いようです。
国連PKOの活動は、争いをしていた国同士や人たちが、お互いに攻撃をやめることを決めた後、再び争いが起こらないように監視したり、話し合いを通じた解決が行われるように手助けしたりすることが中心でした。最近ではこのような活動に加えて、争いが終わったり新たに独立した国が一人前になれるよう、選挙の手伝いをしたり、もう戦う必要がなくなった兵士を説得して武器を捨てさせ、軍隊をやめた後に他の仕事につけるよう手伝ったり、その国の人たちが安心して生活できるよう国の仕組みや組織を整える手助けをしたりと、様々な支援を行うようになってきています。国連PKOのこうした活動はたくさんの人から高い評価を受け、今では世界中の国が軍隊や警察、専門家やボランティアを国連PKOに参加させ、世界の平和と安定に貢献しています。
日本は、1992年に初めて国連PKOに参加して以来、アンゴラ、カンボジア、モザンビーク、エルサルバドル、ゴラン高原、東ティモール、スーダン、ハイチ、南スーダン等の国連PKOに参加してきました。今でも、南スーダンでは、自衛隊の隊員が司令部要員として活躍しています。また、国連PKOに派遣される各国の軍隊の人たちに対して、けが人への対処やブルドーザーの操縦についての訓練を行い、育成する協力も行っています。日本のこれまでの活動は、世界中から高い評価を受け、現地の人たちからもとても感謝されています。日本はこれからも、世界の平和と安定を目指して、国連PKOに積極的に貢献していきます。
FOIP(自由で開かれたインド太平洋)
自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とはなんですか?
FOIPとは、
Free and Open Indo-Pacific
の略で、「自由で開かれたインド太平洋」を意味しています。
インド太平洋地域全体の平和と豊かさをしっかり守っていこうというビジョンで、2016年に日本が発表しました。
2023年3月には、新たなプランを発表するなど、日本はこのビジョンを主導し、進めていこうとしています。
なぜ今、FOIPなの?
インド太平洋地域は、世界経済の半分以上を占めている一方で、法の準備が整っていない国や外国と対等に向き合えない国など、弱さをもった国があることが背景にあります。
そのような国々に対して、必要な協力を行いながら、この地域を、武力ではなく、法の支配(注)に基づく、自由な世界の中で、豊かにしていこう、という狙いがあります。
(注)「法の支配」とは、武力によって物事を解決しようとするのではなく、話し合いや決められたルールに従って、国際社会の平和を守ろうということ。
FOIPの新たなプランとは?
- 平和の原則と繁栄のルール:「平和」を守り、「法の支配」をしっかりと打ち立て、弱い者が力で押さえつけられない国際環境をつくる!
- インド太平洋流の課題対処:気候、環境、保健など、国境を越えて解決しなければならない問題に対して協力を行う!
- 多層的な連結性:FOIP協力の中心!地域全体の成長実現のため、各国のつながりを強化する!
- 「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取組:「海」そして「空」も含む地域全体の安全・安定を確保する!
日本は、米国をはじめ、オーストラリア、インド、ASEAN諸国、太平洋島嶼国、韓国、欧州などと協力を強め、中東やアフリカ、中南米など世界中で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を深めていきます。
プロトコール
プロトコールとは何ですか?
プロトコールとは、外国からのお客様を迎える時など、国際的・公式な場で用いられるルールです。その目的は、国の大小に関わらず、誰もが納得して気持ちよく従える国際的なルールを使用することによって、不必要な誤解や混乱を避けることです。
つまり、国家や相手同士が互いをより良く理解するための環境作りに欠かせない配慮であり、それにより外交や大事な話し合いがスムーズに進むようにするお付き合いのルールといえます。プロトコールの一例としては、たとえば服装や席順、国旗の立て方などがあります。
や
UNICEF(国連児童基金)
国連児童基金(UNICEF)とはどういう機関ですか?
国連児童基金(UNICEF:United Nations Children's Fund)とは、世界の子どもたちの命と権利を守るために作られた国連の機関の一つです。
ユニセフの元の機関となったのが第二次世界大戦後の1946年に作られた国連国際児童緊急基金( United Nations International Children's Emergency Fund )です。その時の略称UNICEFは世界中の人たちに親しまれたため、現在まで引き継がれています。
ユニセフは、子どもや女性の権利を守る団体であり、190以上の国と地域で、最も支援の届きにくい子どもたちを最優先に、保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、緊急支援、アドボカシー(子どもに関する課題への理解を広げ、子どもの権利の実現に向けての取組の啓発・政策提言を行うこと)などの面で支援をし、持続可能な開発目標(SDGs:エス・ディー・ ジーズ)達成のために貢献しています。ユニセフは、1965年、ノーベル平和賞を受賞しています。
UNESCO(国際連合教育科学文化機関)
国連教育科学文化機構(UNESCO)とはどういう機関ですか?
国連教育科学文化機構(UNESCO:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)とは、教育、科学及び文化などの活動を通じて、世界平和に貢献するために作られた国連の機関の一つです。(本部:フランス・パリ)
ユネスコが作られた最大のきっかけは第二次世界大戦であり、1946年11月4日、人類が二度と戦争を繰り返さないようにという願いを込め、その活動をスタートさせました。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」。これは、ユネスコ憲章前文の冒頭を飾る有名な言葉です。この言葉からも、ユネスコが、教育、科学、文化など私たちの普段の生活に大きく関わる分野を通して、人の心に平和の砦を築き、世界の平和に貢献しようとしていることがわかります。
ユネスコには2024年4月現在194か国が加盟しており、日本は1951年、世界で60番目に加盟しました。ユネスコは第二次大戦後日本が初めて加盟した国際機関であり、日本は当時からユネスコの活動が重要であると考えています。
また、1999年にアジア出身者として初めて松浦晃一郎さんがユネスコ事務局長に選ばれ、2009年まで10年間、ユネスコのトップを務めました。

2006年8月に外務省を訪れ、
麻生外務大臣(当時)と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん(当時)。
現在のユネスコの活動を紹介しますと、たとえば教育の分野において、ユネスコはさまざまな国際機関と協力しながら、世界中のすべての人々に教育の機会が与えられるよう取り組んでいます(「万人のための教育」)。また、科学の分野においても、津波の発生をいち早く海岸の近くの住民に知らせ、大きな被害を防ぐための努力を行っています(「津波早期警戒」)。さらに、人類共通の貴重な財産である遺跡(アンコール遺跡、バーミヤン遺跡等)、建造物(万里の長城、姫路城等)、自然(グランドキャニオン、知床等)などを世界文化遺産や世界自然遺産として登録すること、また同じく人類共通の宝である伝統的な音楽、演劇、舞踊、工芸技術などについては無形文化遺産に登録して、国際的に守っていく取り組みが行われています。
このようにユネスコは世界中のすべての人々にとって、とても重要な活動を行っています。