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みんなの質問 Q & A

ちょっと知りたい言葉の意味! G7って? ALPS処理水って? パリ協定って? TPPって?

アジア太平洋たいへいよう経済協力けいざいきょうりょくAPECエイペック

アジア太平洋たいへいよう経済協力けいざいきょうりょくAPECエイペック)とは何ですか?

APECエイペック(Asia Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきの21のくに地域ちいき参加さんかする経済協力けいざいきょうりょく枠組わくぐみです。1993年にはつ首脳会議しゅのうかいぎおこなわれてから今日まで、アジア太平洋たいへいよう地域ちいき持続可能じぞくかのう成長せいちょう繁栄はんえい目指めざし、貿易ぼうえき投資とうし自由化じゆうか円滑化えんかつか、また地域ちいき経済統合けいざいとうごう推進すいしんしています。そのためにAPECでは、技術協力ぎじゅつきょうりょく能力向上のうりょくこうじょう支援しえん情報共有じょうほうきょうゆうなど様々さまざま取組とりくみを行っています。

どんな国・地域ちいき参加(さんか)していますか?

現在げんざい、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港ほんこん、インドネシア、日本、韓国かんこく、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾たいわん、タイ、米国べいこく、ベトナムが参加さんかしています。この地域ちいきは「世界せかい成長せいちょうセンター」であり、世界人口せかいじんこうやく4わり貿易量ぼうえきりょうやく5わり、GDPのやく6わりめています。

(画像)APECに参加している国の地図
「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは何ですか?

「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは、2040年までのAPECの中長期ちゅうちょうき方針ほうしんしめす文書です。2020年のマレーシアAPECのさい採択さいたくされました(プトラジャヤとは、マレーシアの首都しゅとクアラルンプール郊外こうがい都市としの名前です)。このビジョンは、貿易ぼうえき投資とうし、イノベーションとデジタル持続じぞく可能かのう包摂的ほうせつてき成長せいちょうおもはしらとしています。

(画像)APECのロゴ

APECのロゴ

リーダーズウィークとは何ですか?

APECでは毎年ことなるメンバーエコノミーが議長ぎちょうつとめ、様々さまざまなレベルの会合を主催しゅさいします。リーダーズウィークとは、毎年11月に開催かいさいされる首脳しゅのう会議かいぎおよ閣僚かくりょう大臣だいじんレベル)会議かいぎのことです。2024年の議長国ぎちょうこくはペルーです。2024年は、ペルーが主導しゅどうして、「エンパワーメント」、「包摂ほうせつ」、「成長せいちょう」という3つのテーマを設定せっていし、(1) 包摂ほうせつてき連結れんけつせいのある成長せいちょうのための貿易ぼうえき投資とうし、(2) フォーマルかつグローバルな経済けいざいへの移行いこう促進そくしんするイノベーションおよびデジタル、(3) 強靱きょうじん発展はってんのための持続じぞく可能かのう成長せいちょう、について議論ぎろんが行われています。
● APECで話し合うことは、おも経済けいざい内容ないようであるので、APECでは、参加さんかする国や地域ちいきの「経済けいざい」がメンバーになっているという意識いしきがあるよ。「経済けいざい」を英語えいごで言うと「エコノミー」だから、APECでは「エコノミー」という言い方をするよ。
● 「エンパワーメント」とは、もともとは力(権限けんげん)をあたえることを意味いみするよ。個人こじんやチームがもともとっている能力のうりょくを十分に引き出せる環境かんきょうととのえていくという意味いみでも使つかわれるよ。
● 「包摂ほうせつてき連結れんけつせいのある成長せいちょう」とは、誰一人だれひとりのこさず、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきみんなで一緒いっしょ成長せいちょうしていくことを意味いみするよ。
● 「フォーマルかつグローバルな経済けいざい」とは、税金ぜいきんはらわずにもうけているうら経済けいざい活動かつどうを止めさせ、また、保護ほごけていない、多様たよう労働者ろうどうしゃ支援しえんし、かれらを「正式せいしき(フォーマル)」な経済けいざいみ、世界せかい貿易ぼうえき投資とうしへの参加さんかたすけることを意味いみするよ。

日本も、1995年(大阪おおさかおよび2010年(横浜よこはま)にAPECの議長国ぎちょうこくつとめました。大阪おおさかAPECでは、経済けいざい自由じゆうおよ円滑えんかつ経済けいざい技術ぎじゅつ協力きょうりょくの一そう発展はってんなどを記載きさいする「大阪おおさか行動こうどう指針ししん」を採択さいたくしました。また、横浜よこはまAPECでは、地域ちいき経済けいざい統合とうごう成長せいちょう戦略せんりゃく、人間の安全あんぜん保障ほしょうを中心に、アジア太平洋たいへいよう将来像しょうらいぞうについて議論ぎろんを行い、首脳しゅのう宣言せんげんとして「横浜よこはまビジョン」に合意ごういしました。これらを通じ、日本はアジア太平洋たいへいよう地域ちいきさらなる成長せいちょう反映はんえい実現じつげんされるよう貢献こうけんしています。

(写真)APEC2023 首脳会議

APEC2023 首脳会議しゅのうかいぎ
(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

(写真)APEC2023首脳の集合写真

APEC2023 首脳しゅのう集合しゅうごう写真しゃしん
(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

「勉強になった!」

ASEANアセアン東南とうなんアジア諸国連合しょこくれんごう

ASEAN(東南とうなんアジア諸国連合しょこくれんごう)とは何ですか?

ASEAN(アセアン)は、正式名称めいしょうを「東南アジア諸国連合」といいます。1967年の設立当初せつりつとうしょは、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国でしたが、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが順次加盟じゅんじかめいし、現在げんざいでは10か国から構成こうせいされています。ASEAN地域ちいきは、文化、言語、宗教しゅうきょう政治体制せいじたいせい経済発展けいざいはってんの度合いなどの点で多種多様たしゅたようですが、たがいをみとめ合いながら発展はってんげてきました。2015年に念願ねんがんだった「ASEAN共同きょうどう体」が発足しましたが、ASEANは「共同体」としてさらに発展はってんするため、域内いきない連結性れんけつせい強化や開発格差かくさ是正ぜせいなどの課題かだいに取り組んできています。

今や、ASEAN地域は7おく人にせまる人口をかかえ 「世界の成長せいちょうセンター」として注目を集めており、日系企業にっけいきぎょうも1万を越える拠点きょてんかまえています。

インド太平洋地域の中心に位置いちするASEANは、「自由で開かれたインド太平洋」実現じつげんかなめであり、そのASEANとの関係強化は、地域全体の安定と繁栄はんえいにとってきわめて重要じゅうようです。1973年に対話が始まり、2023年に友好協力ゆうこうきょうりょく50周年をむかえた日本とASEANは、半世紀にわたって幅広はばひろい分野で協力を進めています。

(写真)ASEANの旗

ASEANのはた

ASEANの旗の中央のシンボルマークは、ASEAN加盟国10か国をあらわす10本のいねくきたばを表し、友好ゆうこう結束けっそくむすばれた東南アジアのすべての国で構成こうせいされるASEANを表しています。

アフリカ開発会議かいはつかいぎTICADティカッド

アフリカ開発(かいはつ)会議(かいぎ)TICADティカッド)とは何ですか?

アフリカ開発(かいはつ)会議(かいぎ)(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)とは、日本やアフリカの国々、国際機関こくさいきかんのリーダーたちが集まって、アフリカの開発について議論する国際会議です。そこでは、 貧困ひんこん平和へいわ安定あんてい、教育、保健ほけん医療いりょうなど、アフリカがかかえている課題かだいだけでなく、豊かな資源しげん人材じんざい、ビジネスなどのアフリカのもつ様々さまざま可能性かのうせいについて議論ぎろんします。

1993年にはじめてのアフリカ開発かいはつ会議かいぎが日本で開催かいさいされて以来いらい、これまで8回開催かいさいされています。

2022年8月27日~28日には、チュニジアの首都しゅとチュニスで第8回アフリカ開発会議(TICAD8えいと)が開催されました。同会議(どうかいぎ)では、アフリカと「(とも)成長せいちょうするパートナー」として、アフリカ自身じしん目指めざ強靭きょうじん持続じぞく可能かのうなアフリカを実現じつげんしていくため、力強ちからづよ後押あとおししていくことが表明ひょうめいされました。また、日本は、「経済けいざい」、「社会」、「平和へいわ安定あんてい」という3つの分野ぶんやで、「人」に注目ちゅうもくした日本らしいアプローチで、「人への投資とうし」や「成長せいちょうしつ」を重視じゅうししながら取組とりくみすすめていくことを強調きょうちょうしました。

次回の第9回アフリカ開発かいはつ会議かいぎ(TICAD9)は、2025年8月20日から22日に横浜よこはま開催かいさい予定よていです。これまで30年以上いじょうにわたって推進すいしんしてきたTICADプロセスまえながら、日本とアフリカ諸国しょこくとの関係かんけい一層いっそう深化しんかさせる機会きかいとしていきます。

TICAD8会場の様子
オンラインで参加する岸田総理大臣と対面で会議に参加する林外務大臣

TICAD8 開会式(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のロゴ

このロゴは、専門せんもん学校がっこうせい渡部わたなべ菜都美なつみさんのさくです。TICAD9開催かいさいである横浜よこはまの海の青をアフリカ各国かっこく国旗こっきにもかかげる緑と合わせ、生いしげ雄大ゆうだい成長せいちょうするイメージを持つ碧色へきしょくもちい、会議かいぎ記憶きおくのこるように、アフリカ大陸たいりくを9に見立てシンプルながら力強ちからづよ文字もじ表現ひょうげんしています。

ALPSアルプス処理水しょりすい

ALPSアルプス処理水しょりすいとは何ですか?

ALPSアルプスとは、 Advanced Liquid Processing Systemりゃくで、さまざまな放射性物質ほうしゃせいぶっしつを取り除いてきれいにする設備せつびのことです。

ALPS処理水しょりすいとは、東京電力福島第一原子力発電所とうきょうでんりょくふくしまだいいちげんしりょくはつでんしょ建物内たてものないにある放射性物質をふくむ水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準あんぜんきじゅんを満たすまできれいにした水のことです。

トリチウムについても安全基準を十分じゅうぶんまもり、放出ほうしゅつする前に海水でうすめます。安全基準をたした上で、放出ほうしゅつするりょう管理かんりして放出ほうしゅつするので、環境かんきょうや人の体への影響えいきょうは考えられません。

国際社会の理解のために日本はどんなことをしているの? ウサギの画像

日本は、 ALPS 処理水について、安全基準を守っていることを証明しょうめいするために、原子力げんしりょく分野の専門機関せんもんきかんである国際機関「IAEAあいえーいーえー」の評価ひょうかけています。
IAEAは、ALPS処理水の海への放出ほうしゅつは、「国際安全基準こくさいあんぜんきじゅん」に合っており、「人および環境に対する放射線の影響えいきょう無視むしできるほどである」と、報告書ほうこくしょ発表はっぴょうしています。

グロッシーIAEA事務局長と岸田総理大臣

グロッシーIAEA事務(じむ)局長(きょくちょう)から岸田(きしだ)総理(そうり)大臣(だいじん)へ手渡した報告書(出典:首相官邸HP)

(注)IAEA(国際原子力機関こくさいげんしりょくきかん)とは、ウランやプルトニウムなどの核物質かくぶっしつ核兵器かくへいきをつくるために使われていないかを確認する機関です。

さらに、日本政府は、世界の国々に理解りかいしてもらうために、韓国かんこく、中国、香港、太平洋島嶼国たいへいようとうしょこくといった国・地域への説明や、国際会議などでの発信はっしん海外かいがい報道機関ほうどうきかんにさまざまな情報を提供ていきょうするなど、国内外こくないがいけて丁寧ていねいに説明してきました。

これからも、ALPS処理水の安全性について、国内外への説明を続けるとともに、悪意あくいのある偽情報にせじょうほうが国際社会で広まることがないよう、必要ひつよう対応たいおうをしていきます。

さらにくわしい情報はこちら!
● パンフレットで見る
● 動画で見る
● ウェブサイトで見る

EEZイーイーゼット排他的経済水域はいたてきけいざいすいいき

排他的経済水域はいたてきけいざいすいいきEEZイーイーゼット)とは何ですか?

排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone )とは、漁業ぎょぎょうをしたり、石油などの天然資源てんねんしげんったりという活動を自由に行うことができる水域です。海に面している国は、自分の海(領海りょうかい)の外側そとがわに決められたはばえない範囲はんいで排他的経済水域を設定せっていすることができます。海に面している国は、これらの活動を行うほかは、排他的経済水域を自分の海としてひとめしてはならないことになっています。たとえば、他の国の船が通ったり、飛行機ひこうきが上空をんだり、他の国が海底かいていにパイプラインを作ったりすることを禁止きんしすることはできません。

EPAイーピーエー経済連携協定けいざいれんけいきょうてい

経済連携協定けいざいれんけいきょうていEPAイーピーエー)とは何ですか?

経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、モノやサービス、投資とうしなどができるだけ自由に行き来できるようにし、経済けいざいのつながりを強化するための国際約束こくさいやくそく条約じょうやく)です。

EPAをむすぶことによって、おたがいの国や地域ちいきでつくられたモノを相手の国や地域に輸出ゆしゅつしやすくなったり、お互いに相手の国や地域でビジネスをしやすくなったりして、それぞれの国や地域の経済に効果こうかあたえます。また、わたしたちの生活においても、EPAのおかげで海外から輸入ゆにゅうするものが安くなったり、商品をえらぶときに選択肢せんたくしが広がったりするなどの良い効果があります。

APECエイペック(アジア太平洋たいへいよう経済協力けいざいきょうりょく

アジア太平洋たいへいよう経済協力けいざいきょうりょくAPECエイペック)とは何ですか?

APECエイペック(Asia Pacific Economic Cooperation)とは、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきの21のくに地域ちいき参加さんかする経済協力けいざいきょうりょく枠組わくぐみです。1993年にはつ首脳会議しゅのうかいぎおこなわれてから今日まで、アジア太平洋たいへいよう地域ちいき持続可能じぞくかのう成長せいちょう繁栄はんえい目指めざし、貿易ぼうえき投資とうし自由化じゆうか円滑化えんかつか、また地域ちいき経済統合けいざいとうごう推進すいしんしています。そのためにAPECでは、技術協力ぎじゅつきょうりょく能力向上のうりょくこうじょう支援しえん情報共有じょうほうきょうゆうなど様々さまざま取組とりくみを行っています。

どんな国・地域ちいき参加(さんか)していますか?

現在げんざい、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港ほんこん、インドネシア、日本、韓国かんこく、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾たいわん、タイ、米国べいこく、ベトナムが参加さんかしています。この地域ちいきは「世界せかい成長せいちょうセンター」であり、世界人口せかいじんこうやく4わり貿易量ぼうえきりょうやく5わり、GDPのやく6わりめています。

(画像)APECに参加している国の地図
「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは何ですか?

「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」とは、2040年までのAPECの中長期ちゅうちょうき方針ほうしんしめす文書です。2020年のマレーシアAPECのさい採択さいたくされました(プトラジャヤとは、マレーシアの首都しゅとクアラルンプール郊外こうがい都市としの名前です)。このビジョンは、貿易ぼうえき投資とうし、イノベーションとデジタル持続じぞく可能かのう包摂的ほうせつてき成長せいちょうおもはしらとしています。

(画像)APECのロゴ

APECのロゴ

リーダーズウィークとは何ですか?

APECでは毎年ことなるメンバーエコノミーが議長ぎちょうつとめ、様々さまざまなレベルの会合を主催しゅさいします。リーダーズウィークとは、毎年11月に開催かいさいされる首脳しゅのう会議かいぎおよ閣僚かくりょう大臣だいじんレベル)会議かいぎのことです。2024年の議長国ぎちょうこくはペルーです。2024年は、ペルーが主導しゅどうして、「エンパワーメント」、「包摂ほうせつ」、「成長せいちょう」という3つのテーマを設定せっていし、(1) 包摂ほうせつてき連結れんけつせいのある成長せいちょうのための貿易ぼうえき投資とうし、(2) フォーマルかつグローバルな経済けいざいへの移行いこう促進そくしんするイノベーションおよびデジタル、(3) 強靱きょうじん発展はってんのための持続じぞく可能かのう成長せいちょう、について議論ぎろんが行われています。
● APECで話し合うことは、おも経済けいざい内容ないようであるので、APECでは、参加さんかする国や地域ちいきの「経済けいざい」がメンバーになっているという意識いしきがあるよ。「経済けいざい」を英語えいごで言うと「エコノミー」だから、APECでは「エコノミー」という言い方をするよ。
● 「エンパワーメント」とは、もともとは力(権限けんげん)をあたえることを意味いみするよ。個人こじんやチームがもともとっている能力のうりょくを十分に引き出せる環境かんきょうととのえていくという意味いみでも使つかわれるよ。
● 「包摂ほうせつてき連結れんけつせいのある成長せいちょう」とは、誰一人だれひとりのこさず、アジア太平洋たいへいよう地域ちいきみんなで一緒いっしょ成長せいちょうしていくことを意味いみするよ。
● 「フォーマルかつグローバルな経済けいざい」とは、税金ぜいきんはらわずにもうけているうら経済けいざい活動かつどうを止めさせ、また、保護ほごけていない、多様たよう労働者ろうどうしゃ支援しえんし、かれらを「正式せいしき(フォーマル)」な経済けいざいみ、世界せかい貿易ぼうえき投資とうしへの参加さんかたすけることを意味いみするよ。

日本も、1995年(大阪おおさかおよび2010年(横浜よこはま)にAPECの議長国ぎちょうこくつとめました。大阪おおさかAPECでは、経済けいざい自由じゆうおよ円滑えんかつ経済けいざい技術ぎじゅつ協力きょうりょくの一そう発展はってんなどを記載きさいする「大阪おおさか行動こうどう指針ししん」を採択さいたくしました。また、横浜よこはまAPECでは、地域ちいき経済けいざい統合とうごう成長せいちょう戦略せんりゃく、人間の安全あんぜん保障ほしょうを中心に、アジア太平洋たいへいよう将来像しょうらいぞうについて議論ぎろんを行い、首脳しゅのう宣言せんげんとして「横浜よこはまビジョン」に合意ごういしました。これらを通じ、日本はアジア太平洋たいへいよう地域ちいきさらなる成長せいちょう反映はんえい実現じつげんされるよう貢献こうけんしています。

(写真)APEC2023 首脳会議

APEC2023 首脳会議しゅのうかいぎ
(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

(写真)APEC2023首脳の集合写真

APEC2023 首脳しゅのう集合しゅうごう写真しゃしん
(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

「勉強になった!」

SDGsエスディージーズ持続可能じぞくかのう開発(かいはつ)目標もくひょう

SDGsエスディージーズとは何ですか?

SDGs( Sustainable Development Goals )とは、日本語では「持続可能じぞくかのうな開発目標もくひょう」と言い、2030年までに、どんな国や環境かんきょうに生まれ育った人もふくめ、だれ一人のこさず、みんなが元気に活躍かつやくできる世界をつくるための17の目標です。

途上とじょう国では、いまだに多くの人が、きちんとごはんが食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けなかったりするという課題かだいがあります。日本国内でも、貧富ひんぷ格差かくさ、男女の不平等ふびょうどうはたらき方の問題などの課題があります。また、気候変動きこうへんどうなどの環境かんきょう問題のように世界共通きょうつうの課題もあります。SDGsは、国連こくれんで世界がかかえるこうした課題を解決かいけつするための17の目標を決めたもので、途上国も先進国も含めた世界中の一人ひとりが取り組む必要があります。

まずは、みなさん身の回りでSDGsに向けて取り組めることを考えて、実際じっさいに行動してみるところから始めてみましょう!

(画像)SDGs(持続可能な開発目標)

SDGs(持続可能な開発目標)

  1. みんなを貧しさからすくおう
  2. なかかせている人をなくそう
  3. みんなを健康けんこうにしよう
  4. いい教育をみんなが受けられるようにしよう
  5. 男女のをなくそう
  6. きれいな水をみんながつかえるようにしよう
  7. 地球に配慮はいりょしたエネルギーをつかおう
  8. 仕事も生きがいも大切にしよう
  9. 電気・水・インターネットなどに不便ふべんを感じないようにしよう
  10. ひとや国の不平等ふびょうどうをなくそう
  11. 住みやすいまちをつくろう
  12. 食べのこしなどムダをらそう
  13. 気候変動に取り組もう
  14. お魚や海のきれいさを守ろう
  15. 動物や森を守ろう
  16. 暴力ぼうりょくのない安全で平和な社会にしよう
  17. 政府せいふ・NGO/NPOエヌピーオー企業きぎょう・国連機関きかんなどみんなで協力しよう

現在げんざい、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、国連に加盟している国の政府とともに、国際機関・市民団体しみんだんたい・NGO・民間みんかん企業などが協力し合っています。

OECDオーイーシーディー経済協力開発機構けいざいきょうりょくかいはつきこう

経済協力開発機構(けいざいきょうりょくかいはつきこう)(OECD)オーイーシーディーとは何ですか?

経済協力開発機構(OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development )とは、1961年に設立(せつりつ)されたパリに本部(ほんぶ)をおく国際(こくさい)機関(きかん)で、経済(けいざい)成長(せいちょう)開発(かいはつ)援助(えんじょ)自由貿易(じゆうぼうえき)拡大(かくだい)設立(せつりつ)目的(もくてき)としています。また、人々の()らしをより()くするための政策(せいさく)各国(かっこく)が作れるよう貢献(こうけん)しています。

具体的(ぐたいてき)には、世界(せかい)経済(けいざい)動向(どうこう)経済(けいざい)政策(せいさく)分析(ぶんせき)規制(きせい)制度(せいど)構造(こうぞう)改革(かいかく)貿易(ぼうえき)投資(とうし)環境(かんきょう)持続(じぞく)可能(かのう)開発(かいはつ)公共(こうきょう)ガバナンスなど、幅広(はばひろ)様々(さまざま)経済(けいざい)・社会分野において、調査(ちょうさ)分析(ぶんせき)政策(せいさく)提案(ていあん)を行っています。最近(さいきん)では、生成(せいせい)AIや自由(じゆう)なデータ流通(りゅうつう)などデジタル分野、気候(きこう)変動(へんどう)などの新しい課題(かだい)(あつか)っています。

OECDには、2,000名を()える(かく)分野の専門家(せんもんか)がおり、世界(せかい)最大(さいだい)のシンク・タンク((ちゅう))とも()ばれています。

1. 加盟(かめい)国(38か国)
  1. 設立せつりつ時の加盟(かめい)
    オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国えいこく、米国、カナダ
  2. その後の加盟(かめい)
    日本(1964年)、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国かんこく、スロバキア、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニア、ラトビア、リトアニア、コロンビア、コスタリカ
2. 日本とOECDの関係(かんけい)

2024年は、日本がOECDに加盟(かめい)してから60周年(しゅうねん)(むか)える年です。日本は1964年、アジアで(はじ)めてOECDに加盟(かめい)しました。日本は、経済(けいざい)自由(じゆう)()()(すす)めていき、高い経済(けいざい)成長(せいちょう)実現(じつげん)しました。

日本は、2024年5月にOECD本部(ほんぶ)(パリ)で開催(かいさい)されたOECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)において、議長国(ぎちょうこく)(つと)めました。閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)は、OECD加盟(かめい)国の閣僚(かくりょう)が年1回(あつ)まって、OECDの活動(かつどう)の大きな方向性(ほうこうせい)議論(ぎろん)する(もっと)重要(じゅうよう)な会合です。日本は、OECD加盟(かめい)以来(いらい)、この重要(じゅうよう)閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)議長国(ぎちょうこく)を3回(つと)めました(1978年、2014年(およ)び2024年)。

(画像)演説する岸田総理

OECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)開会式(かいかいしき)議長国(ぎちょうこく)代表(だいひょう)として基調(きちょう)演説(えんぜつ)を行う岸田(きしだ)総理(そうり)出典(しゅってん)内閣(ないかく)広報(こうほう)室)

(画像)集合写真

OECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)における集合(しゅうごう)写真(しゃしん)出典(しゅってん)内閣(ないかく)広報(こうほう)室)

(ちゅう))シンク・タンク(think tank
政治(せいじ)経済(けいざい)科学技術(かがくぎじゅつ)など、いろいろな分野について調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)を行ったり、いろいろな課題(かだい)への解決(かいけつ)方法(ほうほう)などを提案(ていあん)したりする研究(けんきゅう)機関(きかん)のこと。

ODAオーディーエー政府せいふ開発(かいはつ)援助えんじょ

政府(せいふ)開発(かいはつ)援助(えんじょ)(ODA)オーディーエーとは何ですか?

政府開発援助(ODA: Official Development Assistance )とは、政府開発援助のことです。まだ経済けいざいが十分に発展はってんしておらず、まずしさなどに苦しんでいる国がゆたかになり、また、人びとが健康けんこうでよりよい生活を送れるようになり、世界が平和で安定し、繁栄はんえいしたものとなるように、お金や技術ぎじゅつによる協力きょうりょくを行います。

世界にはえや貧しさに苦しみ、きちんとごはんが食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けない人が多くいます。環境かんきょう・人口・病気など、たくさんの問題もあります。このような地球全体の問題を解決かいけつするために、日本はこれまで190もの国や地域に協力をし、人々の生活の向上と国々の発展はってん貢献こうけんしてきました。こうした協力(きょうりょく)は、(じつ)世界(せかい)の人のためだけではなく、日本での食料(しょくりょう)やエネルギーの安定的(あんていてき)確保(かくほ)や日本企業(きぎょう)が海外でビジネスをしやすくなるなど、日本の(わたし)たちのためにもつながっているのです。

日本は、1954年10月6日、開発(かいはつ)途上国(とじょうこく)(たい)するODAを開始(かいし)しました。政府(せいふ)は、この10月6日を「国際(こくさい)協力(きょうりょく)の日」と(さだ)め、国際(こくさい)協力(きょうりょく)への国民(こくみん)理解(りかい)参加(さんか)()びかけています。また、2024年は、日本がODAを開始(かいし)してから70年の節目(ふしめ)にあたります。

国際協力70周年

国際協力70周年のロゴ

カリコム(CARICOM:カリブ共同体きょうどうたい

カリコム(CARICOM:カリブ共同体きょうどうたい)とは何ですか?

カリブ海には大小様々さまざま島国しまぐにがあるのを知っていますか?そして、カリブ海をかこんで、さらにたくさんの国があります。

カリブ共同体きょうどうたい(CARICOM:カリコム)は、1973年に、これらの国々くにぐにむすびつきを強めることを目的もくてきとして設立せつりつされました。現在、カリコムに加盟かめいしているのは、島国では、アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ドミニカ国、グレナダ、ハイチ、ジャマイカ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島しょとう、トリニダード・トバゴの11か国、そして、カリブ海を囲む国では、ベリーズ、ガイアナ、スリナムの3か国、そして、これも島ですが、英国領えいこくりょうモンセラットという地域ちいきがあります。合わせて14か国と1地域です。

カリブ共同体きょうどうたい(CARICOM:カリコム)諸国

カリコム諸国一覧いちらん

カリコムの国々は、14か国のうち12か国は公用語こうようごが英語です(ハイチはフランス語、スリナムはオランダ語)。これは、元々もともと英国えいこく植民地しょくみんちであった国が多いからです。

カリコムの国々の特徴とくちょうといえば、「カリブの海賊かいぞく」でも知られる美しいカリブ海や陽気ようきな音楽やダンスがあります。トリニダード・トバゴには、スティール・パンとばれるドラムかんからつくられる太鼓たいこや、世界的せかいてきにも有名ゆうめいなカーニバルがあります。ジャマイカは日本でも人気のレゲエ音楽が生まれた国でもあります。ほかにも、音楽にあふれたカリコム諸国からは、世界で活躍かつやくする歌手かしゅ数多かずおおくいます。また、ジャマイカは陸上競技りくじょうきょうぎさかんな国で、ジャマイカ人のウサイン・ボルトさんが2009年に出した100m走の世界記録きろく、9秒58は、今でも世界記録であり続けています。ベリーズには「ブルーホール」として知られるサンゴしょう保護区ほごく古代こだいマヤ文明ぶんめい遺跡いせきもあります。

トリニダード・トバゴのカーニバル

トリニダード・トバゴのスティール・パン

ベリーズの「ブルーホール」

カリコム諸国の大半たいはんは島国であり、ハリケーンや地震じしんなど自然災害しぜんさいがいけやすいのです。同じく自然災害を受けやすい日本は、防災ぼうさい地球温暖化ちきゅうおんだんかへの対策たいさくなどを中心に、これまでの経験けいけん共有きょうゆう協力きょうりょくを行ってきました。

また、ジャマイカやトリニダード・トバゴなどの国からは、「JETじぇっとプログラム」を通じて、日本の小学校や中学校などで英語を指導しどうする先生が年々ねんねん来日らいにちするようになっています。皆さんの学校にも、カリコム諸国出身しゅっしんの英語の先生がいるかもしれませんね。

2024年は、「にち・カリブ交流年こうりゅうねん」です。日本とカリコムとの対話たいわが始まって30年がったことを記念きねんして、日本とカリブの国々の交流こうりゅうふかめるイベントを日本とカリコム諸国の両方りょうほう実施じっし予定よていです。日本とカリコム諸国は、これからも、幅広はばひろい分野で協力をすすめていきます。

JAPAN CARICOM

「日・カリブ交流年2024」ロゴマーク

環太平洋かんたいへいようパートナーシップ(TPPティーピーピー

かん太平洋パートナーシップ(TPPティーピーピー)とは何ですか?

環太平洋パートナーシップ(TPP: Trans-Pacific Partnership )とは、太平洋をかこむ国々の間で、モノやサービス、投資とうしなどが出来るだけ自由に行き来できるようにし、経済けいざいのつながりを強化するための国際約束こくさいやくそく条約じょうやく)であり、従来(じゅうらい)(くら)べても高いレベルの内容(ないよう)となっています。

(1)TPP協定きょうてい

日本は2013年7月にTPP交渉こうしょう参加さんかしました。参加国(さんかこく)間での交渉をて、2016年2月、ニュージーランドのオークランドにて12か国(注)がTPP協定に署名しょめいしました。2017年1月に、日本は締結ていけつ(協定をむすぶこと)のため必要ひつような国内の手続てつづき完了かんりょうしましたが、その後間もなく、就任(しゅうにん)直後だった米国のトランプ大統領だいとうりょう当時とうじ)が、米国はTPPから離脱りだつすると発表しました。

(注)日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ。

(2)CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership:環太平洋(かんたいへいよう)パートナーシップに(かん)する包括的(ほうかつてき)(およ)先進的(せんしんてき)協定(きょうてい)

TPP協定から米国が離脱りだつした後、米国をのぞく11か国で話し合いを重ね、2018年3月に、チリのサンティアゴにて、基本的きほんてきにTPP協定と同じ内容ないようのCPTPPに署名(サイン)しました。そして、署名(しょめい)を行った各国(かっこく)の国内手続(てつづ)きを()て、CPTPPは2018年12月30日に発効(はっこう)効力(こうりょく)発生(はっせい))しました。

CPTPPが発行(はっこう)した後、英国(えいこく)がCPTPPへの加入(かにゅう)希望(きぼう)し、2021年6月以降(いこう)、CPTPPの参加国(さんかこく)との間で加入(かにゅう)交渉(こうしょう)が行われました。日本は、その加入(かにゅう)交渉(こうしょう)議長(ぎちょう)(つと)め、交渉(こうしょう)妥結(だけつ)尽力(じんりょく)しました。交渉(こうしょう)結果(けっか)、2023年7月、英国(えいこく)のCPTPPへの加入(かにゅう)議定書(ぎていしょ)署名(しょめい)(いた)りました。ヨーロッパの国である英国(えいこく)がCPTPPに加入(かにゅう)することにより、CPTPPがアジア太平洋(たいへいよう)()えて世界(せかい)に広がっていくことが期待(きたい)されます。

経済協力開発機構けいざいきょうりょくかいはつきこうOECDオーイーシーディー

経済協力開発機構(けいざいきょうりょくかいはつきこう)(OECD)オーイーシーディーとは何ですか?

経済協力開発機構(OECD: Organisation for Economic Co-operation and Development )とは、1961年に設立(せつりつ)されたパリに本部(ほんぶ)をおく国際(こくさい)機関(きかん)で、経済(けいざい)成長(せいちょう)開発(かいはつ)援助(えんじょ)自由貿易(じゆうぼうえき)拡大(かくだい)設立(せつりつ)目的(もくてき)としています。また、人々の()らしをより()くするための政策(せいさく)各国(かっこく)が作れるよう貢献(こうけん)しています。

具体的(ぐたいてき)には、世界(せかい)経済(けいざい)動向(どうこう)経済(けいざい)政策(せいさく)分析(ぶんせき)規制(きせい)制度(せいど)構造(こうぞう)改革(かいかく)貿易(ぼうえき)投資(とうし)環境(かんきょう)持続(じぞく)可能(かのう)開発(かいはつ)公共(こうきょう)ガバナンスなど、幅広(はばひろ)様々(さまざま)経済(けいざい)・社会分野において、調査(ちょうさ)分析(ぶんせき)政策(せいさく)提案(ていあん)を行っています。最近(さいきん)では、生成(せいせい)AIや自由(じゆう)なデータ流通(りゅうつう)などデジタル分野、気候(きこう)変動(へんどう)などの新しい課題(かだい)(あつか)っています。

OECDには、2,000名を()える(かく)分野の専門家(せんもんか)がおり、世界(せかい)最大(さいだい)のシンク・タンク((ちゅう))とも()ばれています。

1. 加盟(かめい)国(38か国)
  1. 設立せつりつ時の加盟(かめい)
    オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国えいこく、米国、カナダ
  2. その後の加盟(かめい)
    日本(1964年)、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国かんこく、スロバキア、チリ、スロベニア、イスラエル、エストニア、ラトビア、リトアニア、コロンビア、コスタリカ
2. 日本とOECDの関係(かんけい)

2024年は、日本がOECDに加盟(かめい)してから60周年(しゅうねん)(むか)える年です。日本は1964年、アジアで(はじ)めてOECDに加盟(かめい)しました。日本は、経済(けいざい)自由(じゆう)()()(すす)めていき、高い経済(けいざい)成長(せいちょう)実現(じつげん)しました。

日本は、2024年5月にOECD本部(ほんぶ)(パリ)で開催(かいさい)されたOECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)において、議長国(ぎちょうこく)(つと)めました。閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)は、OECD加盟(かめい)国の閣僚(かくりょう)が年1回(あつ)まって、OECDの活動(かつどう)の大きな方向性(ほうこうせい)議論(ぎろん)する(もっと)重要(じゅうよう)な会合です。日本は、OECD加盟(かめい)以来(いらい)、この重要(じゅうよう)閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)議長国(ぎちょうこく)を3回(つと)めました(1978年、2014年(およ)び2024年)。

(画像)演説する岸田総理

OECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)開会式(かいかいしき)議長国(ぎちょうこく)代表(だいひょう)として基調(きちょう)演説(えんぜつ)を行う岸田(きしだ)総理(そうり)出典(しゅってん)内閣(ないかく)広報(こうほう)室)

(画像)集合写真

OECD閣僚(かくりょう)理事会(りじかい)における集合(しゅうごう)写真(しゃしん)出典(しゅってん)内閣(ないかく)広報(こうほう)室)

(ちゅう))シンク・タンク(think tank
政治(せいじ)経済(けいざい)科学技術(かがくぎじゅつ)など、いろいろな分野について調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)を行ったり、いろいろな課題(かだい)への解決(かいけつ)方法(ほうほう)などを提案(ていあん)したりする研究(けんきゅう)機関(きかん)のこと。

経済連携協定けいざいれんけいきょうていEPAイーピーエー

経済連携協定けいざいれんけいきょうていEPAイーピーエー)とは何ですか?

経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、モノやサービス、投資とうしなどができるだけ自由に行き来できるようにし、経済けいざいのつながりを強化するための国際約束こくさいやくそく条約じょうやく)です。

EPAをむすぶことによって、おたがいの国や地域ちいきでつくられたモノを相手の国や地域に輸出ゆしゅつしやすくなったり、お互いに相手の国や地域でビジネスをしやすくなったりして、それぞれの国や地域の経済に効果こうかあたえます。また、わたしたちの生活においても、EPAのおかげで海外から輸入ゆにゅうするものが安くなったり、商品をえらぶときに選択肢せんたくしが広がったりするなどの良い効果があります。

国際法こくさいほう

国際法こくさいほうとはどのようなものですか?

国際法とは、国と国の合意にもとづいて、主に国と国の関係かんけいを定めた法です。文章にされている『条約じょうやく』と、たくさんの国が「これは法である」と考えてしたがっている習わしである『国際慣習かんしゅう法』によってり立っています。

『条約』のれいとしては、日米安全保障条約ほしょうじょうやくや、気候変動対策きこうへんどうたいさくのためのパリ協定きょうていがあります。

国際法には色々な分野があり、内容ないようもバラエティにんでいます。それらをまとめて一口で説明せつめいすることはむずかしいですが、外国とおいするときのルールだと考えると分かりやすいかもしれません。

国際社会において、人々が平和で安心した生活をおくるためには、そうしたルールを各国かっこくが守ることが重要じゅうようであり、こうしたことを国際社会における「法の支配しはい」とんでいます。日本はその重要せいを国際社会に広げるために様々な取組を行っています。

国連(こくれん)教育(きょういく)科学文化(ぶんか)機構(きこう)
UNESCOユネスコ

国連(こくれん)教育(きょういく)科学文化(ぶんか)機構(きこう)UNESCOユネスコ)とはどういう機関きかんですか?

国連(こくれん)教育(きょういく)科学文化(ぶんか)機構(きこう)UNESCOユネスコ:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)とは、教育、科学および文化などの活動を通じて、世界平和に貢献こうけんするために作られた国連こくれんの機関の一つです。(本部:フランス・パリ)

ユネスコが作られた最大さいだいのきっかけは第二次世界大戦たいせんであり、1946年11月4日、人類じんるいが二度と戦争せんそうり返さないようにというねがいを込め、その活動をスタートさせました。

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりできずかなければならない」。これは、ユネスコ憲章けんしょう前文の冒頭ぼうとうかざる有名な言葉です。この言葉からも、ユネスコが、教育、科学、文化などわたしたちの普段ふだんの生活に大きくかかわる分野を通して、人の心に平和の砦を築き、世界の平和に貢献しようとしていることがわかります。

ユネスコには2024年4月現在げんざい194か国が加盟かめいしており、日本は1951年、世界で60番目に加盟しました。ユネスコは第二次大戦日本がはじめて加盟した国際機関であり、日本は当時からユネスコの活動が重要じゅうようであると考えています。

また、1999年にアジア出身者として初めて松浦晃一郎まつうらこういちろうさんがユネスコ事務じむ局長きょくちょうえらばれ、2009年まで10年間、ユネスコのトップをつとめました。

(写真)2006年8月に外務省を訪れ、麻生外務大臣と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん。

2006年8月に外務省をおとずれ、
麻生外務大臣あそうがいむだいじん(当時)と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん(当時)。

現在のユネスコの活動を紹介しょうかいしますと、たとえば教育の分野において、ユネスコはさまざまな国際機関と協力しながら、世界中のすべての人々に教育の機会きかいあたえられるよう取り組んでいます(「万人のための教育」)。また、科学の分野においても、津波つなみの発生をいち早く海岸の近くの住民じゅうみんに知らせ、大きな被害ひがいふせぐための努力どりょくを行っています(「津波早期警戒けいかい」)。さらに、人類共通じんるいきょうつう貴重きちょう財産ざいさんである遺跡いせき(アンコール遺跡、バーミヤン遺跡等)、建造物けんぞうぶつ(万里の長城、姫路城ひめじじょう等)、自然しぜん(グランドキャニオン、知床しれとこ等)などを世界文化遺産や世界自然遺産として登録とうろくすること、また同じく人類共通のたからである伝統的でんとうてきな音楽、演劇えんげき舞踊ぶとう工芸技術こうげいぎじゅつなどについては無形むけい文化遺産に登録して、国際てきに守っていく取り組みが行われています。

このようにユネスコは世界中のすべての人々にとって、とても重要な活動を行っています。

国連(こくれん)児童基金じどうききんUNICEFユニセフ

国連(こくれん)児童基金じどうききんUNICEFユニセフ)とはどういう機関ですか?

国連児童基金(UNICEF:United Nations Children's Fund)とは、世界の子どもたちの(いのち)権利(けんり)を守るために作られた国連こくれんの機関の一つです。

ユニセフの元の機関となったのが第二次世界大戦後たいせんごの1946年に作られた国連国際こくさい児童緊急きんきゅう基金( United Nations International Children's Emergency Fund )です。その時の略称りゃくしょうUNICEFは世界中の人たちに親しまれたため、現在げんざいまで引きがれています。

ユニセフは、子どもや女性じょせいの権利を守る団体だんたいであり、190以上いじょうの国と地域ちいきで、(もっと)支援(しえん)(とど)きにくい子どもたちを最優先(さいゆうせん)に、保健(ほけん)栄養(えいよう)、水と衛生(えいせい)教育(きょういく)暴力(ぼうりょく)搾取(さくしゅ)からの保護(ほご)緊急(きんきゅう)支援(しえん)、アドボカシー(子どもに(かん)する課題(かだい)への理解(りかい)を広げ、子どもの権利(けんり)実現(じつげん)()けての取組(とりくみ)啓発(けいはつ)政策(せいさく)提言(ていげん)を行うこと)などの(めん)支援(しえん)をし、持続(じぞく)可能(かのう)開発(かいはつ)目標(もくひょう)(SDGs:エス・ディー・ ジーズ)達成(たっせい)のために貢献(こうけん)しています。ユニセフは、1965年、ノーベル平和(へいわ)(しょう)受賞(じゅしょう)しています。

国連(こくれん)平和維持(へいわいじ)活動(かつどう)PKOピーケーオー

国連(こくれん)平和維持(へいわいじ)活動(かつどう)PKOピーケーオー)とは何ですか?

国連こくれん平和維持いじ活動のことを英語えいごUnited Nations Peacekeeping Operationsびますが、日本ではPKOもしくは国連PKOと呼ばれることが多いようです。

国連PKOの活動は、あらそいをしていた国同士どうしや人たちが、おたがいに攻撃こうげきをやめることを決めた後、ふたたび争いが起こらないように監視かんししたり、はなし合いを通じた解決かいけつが行われるように手助けしたりすることが中心でした。最近さいきんではこのような活動にくわえて、争いが終わったり新たに独立どくりつした国が一人前になれるよう、選挙せんきょ手伝てつだいをしたり、もうたたか必要ひつようがなくなった兵士へいし説得せっとくして武器ぶきてさせ、軍隊ぐんたいをやめた後に他の仕事につけるよう手伝ったり、その国の人たちが安心して生活できるよう国の仕組みや組織そしきを整える手助けをしたりと、様々な支援しえんを行うようになってきています。国連PKOのこうした活動はたくさんの人から高い評価ひょうかを受け、今では世界中の国が軍隊や警察けいさつ専門せんもん家やボランティアを国連PKOに参加さんかさせ、世界の平和と安定に貢献こうけんしています。

日本は、1992年にはじめて国連PKOに参加して以来いらい、アンゴラ、カンボジア、モザンビーク、エルサルバドル、ゴラン高原、東ティモール、スーダン、ハイチ、南スーダン等の国連PKOに参加してきました。今でも、南スーダンでは、自衛隊じえいたい隊員たいいん司令部要員しれいぶよういんとして活躍かつやくしています。また、国連(こくれん)PKOに派遣(はけん)される各国(かっこく)軍隊(ぐんたい)の人たちに(たい)して、けが人への対処(たいしょ)やブルドーザーの操縦(そうじゅう)についての訓練(くんれん)を行い、育成(いくせい)する協力(きょうりょく)も行っています。日本のこれまでの活動は、世界中から高い評価を受け、現地げんちの人たちからもとても感謝かんしゃされています。日本はこれからも、世界の平和と安定を目指して、国連PKOに積極的せっきょくてき貢献こうけんしていきます。

子どもたちにたいする暴力ぼうりょくをなくすための行動計画こうどうけいかく

子どもたちにたいする暴力ぼうりょくをなくすための行動計画こうどうけいかくとは何ですか?

(画像)子どもパブコメ

2015年に、「だれ一人取りのこさず、みんなが元気に活躍かつやくできる社会をつくるための目標もくひょう(SDGs)」を決めた時、2030年までに子どもたちに対する暴力ぼうりょく完全かんぜんになくすことを、世界のみんなで約束やくそくしました。

日本もそのことに率先そっせんして取り組むことを決め、この行動計画をつくりました。「子どもの権利条約けんりじょうやく児童じどうの権利にかんする条約じょうやく)」には、子どもに関係かんけいのあることを決める時、子どもは意見を言うことができること、子どもたちにはどのような暴力も受けない権利があることなど、世界中の子どもたちのもつ権利が定められています。行動計画は、条約にもとづいて子どもの権利を守っていくことにも深く関係しています。

この行動計画は、どれだけの日本の子どもたちが暴力にあっているのかを知って、どうしたら誰(だれ)も暴力にあわないようになるのか、そのために誰が何をしていくのか、決めたことを、2021年8月にまとめたものです。くにの関係者、専門家せんもんか、子どものための活動をしている人たちなど、たくさんの人たちが話し合ってつくりました。「子どもパブコメ」(Yahoo!きっず) 外部ウィンドウで開く で集まった子どもたちの声もいかされています。

Gジー7

Gジー7とは何ですか?

G7( Group of Seven )とは、フランス、米国、英国えいこく、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順ぎちょうこくじゅん)の7か国と欧州連合おうしゅうれんごうEUイーユー)が参加するグループのことで、この7か国とEUのリーダー(首脳しゅのう)が年に一回集まって話合いをします。これがG7サミットです。1998年から2014年まではロシアもくわわった「G8」サミットが開催かいさいされてきましたが、2014年3月のロシアによるウクライナの主権しゅけん領土りょうど侵害しんがいを受け、ロシアの参加さんか停止ていしされたことにより、2014年以降いこうは再びG7サミットになっています。

サミットとは、「山の頂上ちょうじょう」を意味する英語えいごで、首脳同士どうしの会談という意味でも使われます。話し合われる内容ないようは、その時々の世界における重要じゅうような問題についてです。サミットを開く国は順番に変わり、日本は1979年、1986年及び1993年に東京、2000年に九州・沖縄おきなわ、2008年に北海道の洞爺湖とうやこ、2016年には三重県の伊勢志摩いせしまでサミットを開きました。2023年5月19日、20日及び21日に、日本は議長国ぎちょうこくとしてG7サミットを広島県広島市で開催しました。

(ロゴ)G7広島サミット

G7広島サミットロゴマーク

Gジー20

G20とは何ですか?

G20( Group of Twenty )とは、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国かんこく、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国えいこく、米国、欧州連合(EU)(アルファベット順)の集まりのことです。

G20のリーダー(首脳しゅのう)が年に一回集まって、世界経済けいざいを中心とする問題を話し合う会合のことをG20サミットとびます。G20はもともと財務大臣ざいむだいじん中央銀行総裁ちゅうおうぎんこうそうさいが話し合いを行う場でしたが、2008年にリーマン・ショックという大きな金融危機きんゆうきき対処たいしょするために、リーダー(首脳)の会合にかく上げされ、G20サミットができました。

2019年6月28日及び29日に、日本は、初めて議長国としてG20サミットを大阪おおさか開催かいさいしました。主要しゅよう国のリーダーたちが一堂いちどうに会する中、たがいの共通きょうつう点を見出し、主要しゅよう世界経済けいざい課題かだい団結だんけつして取り組んでいく姿すがたを打ち出しました。

(画像)G20サミットロゴマーク

G20大阪サミットロゴマーク

G20大阪サミットのロゴマークでは、議長国日本から世界の経済成長せいちょう繁栄はんえいをもたらす象徴しょうちょうとして富士ふじ山の「いただき」と「旭日きょくじつ」がデザインされ、富士の裾野すそのいたさくらの花びらは春のおとずれ(経済成長と繁栄)を表現ひょうげんしています。

(画像)G20大阪サミット 集合写真(写真提供:内閣広報室)

G20大阪サミット 集合写真(写真提供:内閣広報室)

持続可能じぞくかのう開発(かいはつ)目標もくひょう
SDGsエスディージーズ

SDGsエスディージーズとは何ですか?

SDGs( Sustainable Development Goals )とは、日本語では「持続可能じぞくかのうな開発目標もくひょう」と言い、2030年までに、どんな国や環境かんきょうに生まれ育った人もふくめ、だれ一人のこさず、みんなが元気に活躍かつやくできる世界をつくるための17の目標です。

途上とじょう国では、いまだに多くの人が、きちんとごはんが食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けなかったりするという課題かだいがあります。日本国内でも、貧富ひんぷ格差かくさ、男女の不平等ふびょうどうはたらき方の問題などの課題があります。また、気候変動きこうへんどうなどの環境かんきょう問題のように世界共通きょうつうの課題もあります。SDGsは、国連こくれんで世界がかかえるこうした課題を解決かいけつするための17の目標を決めたもので、途上国も先進国も含めた世界中の一人ひとりが取り組む必要があります。

まずは、みなさん身の回りでSDGsに向けて取り組めることを考えて、実際じっさいに行動してみるところから始めてみましょう!

(画像)SDGs(持続可能な開発目標)

SDGs(持続可能な開発目標)

  1. みんなを貧しさからすくおう
  2. なかかせている人をなくそう
  3. みんなを健康けんこうにしよう
  4. いい教育をみんなが受けられるようにしよう
  5. 男女のをなくそう
  6. きれいな水をみんながつかえるようにしよう
  7. 地球に配慮はいりょしたエネルギーをつかおう
  8. 仕事も生きがいも大切にしよう
  9. 電気・水・インターネットなどに不便ふべんを感じないようにしよう
  10. ひとや国の不平等ふびょうどうをなくそう
  11. 住みやすいまちをつくろう
  12. 食べのこしなどムダをらそう
  13. 気候変動に取り組もう
  14. お魚や海のきれいさを守ろう
  15. 動物や森を守ろう
  16. 暴力ぼうりょくのない安全で平和な社会にしよう
  17. 政府せいふ・NGO/NPOエヌピーオー企業きぎょう・国連機関きかんなどみんなで協力しよう

現在げんざい、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するために、国連に加盟している国の政府とともに、国際機関・市民団体しみんだんたい・NGO・民間みんかん企業などが協力し合っています。

ジャパン・ハウス

ジャパン・ハウスとは何ですか?

外国の人々が、日本について知り、体験たいけんすることができるよう、日本政府せいふが2017年から2018年にかけて作った施設しせつです。ブラジルのサンパウロ、イギリスのロンドン、アメリカのロサンゼルスの3都市にあります。

文化、和食、地域ちいき特色とくしょく芸術げいじゅつ・デザイン、最先端さいせんたんのテクノロジーなど日本の様々な魅力みりょくを知ってもらうために、展示てんじやセミナーを行っています。現地げんちに行けなくても、みなさんも視聴(しちょう)できます。また、ジャパン・ハウスの中にはレストランやショップもあるので、実際じっさいに和食を味わい、日本のものを手にとって感じてもらうことができます。

(写真)ジャパン・ハウス サンパウロの建物

ジャパン・ハウス サンパウロの建物たてもの
(写真提供ていきょう:ジャパン・ハウス サンパウロ/ Rogerio Cassimiro

(写真)アイヌ展

Ainu Stories(アイヌ展)
(写真提供ていきょう:ジャパン・ハウス ロンドン)

集団しゅうだん安全保障あんぜんほしょう

集団しゅうだん安全保障ほしょうとは何ですか?

集団安全保障とは、ある国が世界の平和をおびやかしている場合に、国際こくさい社会全体が協力きょうりょくし合い、そのような国に対して、必要ひつような行動(経済制裁けいざいせいさい軍事ぐんじ制裁等)をとって平和を維持いじ回復かいふくするための仕組みであり、国連憲章こくれんけんしょうで決められています。

集団しゅうだん自衛権じえいけん

集団的自衛権じえいけんとは何ですか?

国連憲章こくれんけんしょう第51じょうに定められている自衛権には、個別的こべつてき自衛権と集団的自衛権とがあります。個別的自衛権とは、一般いっぱん的に自分の国が攻撃こうげきされたときに、その攻撃を実力ではば権利けんりです。集団的自衛権とは、一般的に自分の国と近い関係かんけいにある国が攻撃されたときに、自分の国が直接ちょくせつ攻撃されていなくても、実力でその攻撃を阻む権利です。どちらも、国際法上すべての国にみとめられている権利です。

これまで日本は、集団的自衛権を行使することはゆるされないと考えてきました。しかし、日本をとりまく安全保障環境ほしょうかんきょうきびしくなってきている中、平和安全法制ほうせいにより、「新三要件ようけん」という条件じょうけんたす場合には、日本を守るために集団的自衛権を行使することが認められました。

自由じゆうで開かれたインド太平洋たいへいよう
FOIPフォイップ

自由じゆうで開かれたインド太平洋たいへいようFOIPフォイップ)とはなんですか?

FOIPフォイップとは、 Free and Open Indo-Pacificりゃくで、「自由で開かれたインド太平洋」を意味しています。
 インド太平洋地域全体ちいきぜんたいの平和と豊かさをしっかり守っていこうというビジョンで、2016年に日本が発表はっぴょうしました。
 2023年3月には、新たなプランを発表するなど、日本はこのビジョンを主導しゅどうし、進めていこうとしています。

なぜ今、FOIPなの?

インド太平洋地域は、世界経済せかいけいざいの半分以上をめている一方で、法の準備じゅんびととのっていない国や外国と対等たいとうに向き合えない国など、弱さをもった国があることが背景はいけいにあります。
 そのような国々に対して、必要な協力を行いながら、この地域を、武力ぶりょくではなく、法の支配しはい(注)に基づく、自由な世界の中で、豊かにしていこう、というねらいがあります。
(注)「法の支配」とは、武力によって物事ものごと解決かいけつしようとするのではなく、話し合いや決められたルールに従って、国際社会こくさいしゃかいの平和を守ろうということ。

FOIPの新たなプランとは?
  1. 平和の原則げんそく繁栄はんえいのルール:「平和」を守り、「法の支配」をしっかりと打ち立て、弱い者が力で押さえつけられない国際環境こくさいかんきょうをつくる!
  2. インド太平洋流の課題対処かだいたいしょ気候きこう環境かんきょう保健ほけんなど、国境こっきょうえて解決かいけつしなければならない問題に対して協力を行う!
  3. 多層的たそうてき連結性れんけつせい:FOIP協力の中心!地域全体ちいきぜんたい成長実現せいちょうじつげんのため、各国のつながりを強化きょうかする!
  4. 「海」から「空」へひろがる安全保障あんぜんほしょう・安全利用の取組:「海」そして「空」も含む地域全体の安全・安定を確保かくほする!

日本は、米国をはじめ、オーストラリア、インド、ASEAN諸国あせあんしょこく、太平洋島嶼国とうしょこく韓国かんこく欧州おうしゅうなどと協力を強め、中東ちゅうとうやアフリカ、中南米ちゅうなんべいなど世界中で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現じつげんに向けた協力を深めていきます。

女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)WPSダブリュピーエス

女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)WPSダブリュピーエス)とは何ですか?

女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)(WPS:Women, Peace and Security)とは、平和(へいわ)(まも)紛争(ふんそう)予防(よぼう)解決(かいけつ)するための事業(じぎょう)政策(せいさく)などを計画し、実施(じっし)する(さい)に、男性(だんせい)だけではなく女性(じょせい)平等(びょうどう)(くわ)わること、紛争(ふんそう)下の女性(じょせい)(たい)する暴力(ぼうりょく)から保護(ほご)すること、ジェンダー平等(びょうどう)必要(ひつよう)という考え方です。

これは、2000年の国連(こくれん)安全(あんぜん)保障(ほしょう)理事会(りじかい)(ちゅう))で提唱(ていしょう)され、「安保理(あんぽり)決議(けつぎ)(だい)1325(ごう)」として(はじ)めて採択(さいたく)されました。この決議(けつぎ)によって、国連(こくれん)加盟(かめい)国はすべての取組(とりくみ)に、女性(じょせい)平等(びょうどう)完全(かんぜん)(くわ)わることができるようにすることが(もと)められています。

日本は、その後に採択(さいたく)された9本のWPSについての安保理(あんぽり)決議(けつぎ)(ふく)め、適切(てきせつ)()()むため、WPS行動(こうどう)計画を作り、実施(じっし)してきています。

(ちゅう)国連(こくれん)安全(あんぜん)保障(ほしょう)理事会(りじかい)安保理(あんぽり))は、国際(こくさい)平和(へいわ)(およ)安全(あんぜん)維持(いじ)重要(じゅうよう)責任(せきにん)()機関(きかん)。5か国(中国、フランス、ロシア、英国(えいこく)、米国)の常任(じょうにん)理事(りじ)(こく)と10か国の()常任(じょうにん)理事(りじ)(こく)構成(こうせい)される。

政府せいふ開発(かいはつ)援助えんじょODAオーディーエー

政府(せいふ)開発(かいはつ)援助(えんじょ)(ODA)オーディーエーとは何ですか?

政府開発援助(ODA: Official Development Assistance )とは、政府開発援助のことです。まだ経済けいざいが十分に発展はってんしておらず、まずしさなどに苦しんでいる国がゆたかになり、また、人びとが健康けんこうでよりよい生活を送れるようになり、世界が平和で安定し、繁栄はんえいしたものとなるように、お金や技術ぎじゅつによる協力きょうりょくを行います。

世界にはえや貧しさに苦しみ、きちんとごはんが食べられなかったり、きれいな水が飲めなかったり、学校や病院に行けない人が多くいます。環境かんきょう・人口・病気など、たくさんの問題もあります。このような地球全体の問題を解決かいけつするために、日本はこれまで190もの国や地域に協力をし、人々の生活の向上と国々の発展はってん貢献こうけんしてきました。こうした協力(きょうりょく)は、(じつ)世界(せかい)の人のためだけではなく、日本での食料(しょくりょう)やエネルギーの安定的(あんていてき)確保(かくほ)や日本企業(きぎょう)が海外でビジネスをしやすくなるなど、日本の(わたし)たちのためにもつながっているのです。

日本は、1954年10月6日、開発(かいはつ)途上国(とじょうこく)(たい)するODAを開始(かいし)しました。政府(せいふ)は、この10月6日を「国際(こくさい)協力(きょうりょく)の日」と(さだ)め、国際(こくさい)協力(きょうりょく)への国民(こくみん)理解(りかい)参加(さんか)()びかけています。また、2024年は、日本がODAを開始(かいし)してから70年の節目(ふしめ)にあたります。

国際協力70周年

国際協力70周年のロゴ

世界津波せかいつなみの日

「世界津波つなみの日」とはどんな日ですか?

2015年12月、第70回国連総会こくれんそうかいで、日本の提案ていあんにより11月5日が「世界津波の日」に制定せいていされました。

11月5日とすることは、津波から多くの命をすくった日本の有名な逸話いつわいなむらの火」に由来します。これは、安政あんせい元年(1854年)11月5日の安政南海大地震だいじしんさい伝統的でんとうてき知見から津波を察知さっちした一人の村人(濱口梧陵(はまぐち ごりょう))が自らの稲束いなたば(稲むら)に火をつけ多くの村人を高台に避難ひなんさせ、命を救ったという話です。この村人は、その後堤防ていぼう建設けんせつにも取組とりくみ、その後の津波災害さいがいから村人の命を守りました。

「津波を察知したら高台に避難する」このことを知っていれば、高台に避難することで命を救うことができます。

日本は「世界津波の日」を通して津波に関する知識ちしきを世界中に浸透しんとうさせるための取組も進めています。

太平洋たいへいようしまサミット(PALMパーム

太平洋・島サミットとは何ですか?

太平洋・島サミットとは、太平洋のミクロネシア、メラネシア、ポリネシアのそれぞれの地域ちいきにある島国がかかえている様々な問題について、日本と太平洋の島じまのリーダー(首脳しゅのう)が集まって問題の解決かいけつに向けてはなし合いをする会議かいぎ(サミット)です。

英語えいごでは Pacific Islands Leaders Meeting表示ひょうじされ、英語の頭文字をつなげて「PALM(パーム)」とんでいます。

太平洋の島国は「国土がせまく、人口が少ない」、「ひとつの国の中にたくさんの島がバラバラにらばっている」、「他の国と距離きょりはなれていて、行き来がしづらい」、「海抜(かいばつ)(ひく)く、津波つなみ地震じしん温暖化おんだんかといった災害さいがい気候変動きこうへんどう影響えいきょうを受けやすい」といったなやみをかかえています。1997年から始まり、3年に1度開かれているこの太平洋・島サミットで、地域ちいきの平和と繁栄はんえいに向けてこうした問題に長い間ともに取り組むことを通じて、日本と太平洋の島国とのきずなを強めています。

2024年に東京でおこなわれた第10回太平洋たいへいようしまサミット(PALM10)では、日本をふくむ19か国・地域ちいきちゅう)の首脳等しゅのうとうあつまり、変化へんかする地域ちいき国際こくさい情勢じょうせいについて議論ぎろんを行うとともに、日本と太平洋たいへいよう島国しまぐに気候きこう変動へんどう海洋かいよう資源しげん保護ほごなど共通きょうつう課題かだい取組とりくみながら、未来みらいけて「ともに歩む」関係かんけい確認かくにんしました。
ちゅう)日本、オーストラリア、クック諸島しょとう、フィジー、キリバス、マーシャル諸島しょとう、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島しょとう、トンガ、ツバル、ニュージーランド、バヌアツ、ニューカレドニア、仏領ふつりょうポリネシア

PALM10に参加する各国の首脳陣たち
PALM10会場の様子

(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

(画像)第10回太平洋・島サミット(PALM10)ロゴ

第10回太平洋・島サミットのロゴマーク

このロゴマークの作者(さくしゃ)は、グラフィックデザイナーの石田広宣(ひろのぶ)()です。ロゴマークの「PALM10」の文字は、植物(しょくぶつ)()や水の要素(ようそ)(ふく)み、数字の「ゼロ」のデザインはPALMのメンバーである19か国・地域(ちいき)表現(ひょうげん)しています。また、ロゴマークの上部(じょうぶ)島嶼(とうしょ)国、下部(かぶ)(なみ)のイメージで構成(こうせい)され、(なみ)のデザインは(よこ)から見た(てのひら)英語(えいご)で「PALM」)のイメージも(あらわ)しています。

たびレジ

たびレジとは何ですか?

「たびレジ」とは、事前にメールアドレスを登録とうろくしておくことで、外務省から海外の危険きけんや海外で注意しなければいけないことについての情報じょうほう(海外安全情報)を受けとれるメール配信はいしんサービスです。旅行に出かける前や旅行中に旅先の最新さいしんの安全情報を日本語で入手できます。また、万が一、現地げんち事件じけん事故じこまれても旅先の大使館からサポートを受けることが出来ます。外国に旅行に行くときは、かならず「たびレジ」に登録するようにしましょう。

(画像)たびレジロゴ

WPSダブリュピーエス女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)

女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)WPSダブリュピーエス)とは何ですか?

女性(じょせい)平和(へいわ)安全(あんぜん)保障(ほしょう)(WPS:Women, Peace and Security)とは、平和(へいわ)(まも)紛争(ふんそう)予防(よぼう)解決(かいけつ)するための事業(じぎょう)政策(せいさく)などを計画し、実施(じっし)する(さい)に、男性(だんせい)だけではなく女性(じょせい)平等(びょうどう)(くわ)わること、紛争(ふんそう)下の女性(じょせい)(たい)する暴力(ぼうりょく)から保護(ほご)すること、ジェンダー平等(びょうどう)必要(ひつよう)という考え方です。

これは、2000年の国連(こくれん)安全(あんぜん)保障(ほしょう)理事会(りじかい)(ちゅう))で提唱(ていしょう)され、「安保理(あんぽり)決議(けつぎ)(だい)1325(ごう)」として(はじ)めて採択(さいたく)されました。この決議(けつぎ)によって、国連(こくれん)加盟(かめい)国はすべての取組(とりくみ)に、女性(じょせい)平等(びょうどう)完全(かんぜん)(くわ)わることができるようにすることが(もと)められています。

日本は、その後に採択(さいたく)された9本のWPSについての安保理(あんぽり)決議(けつぎ)(ふく)め、適切(てきせつ)()()むため、WPS行動(こうどう)計画を作り、実施(じっし)してきています。

(ちゅう)国連(こくれん)安全(あんぜん)保障(ほしょう)理事会(りじかい)安保理(あんぽり))は、国際(こくさい)平和(へいわ)(およ)安全(あんぜん)維持(いじ)重要(じゅうよう)責任(せきにん)()機関(きかん)。5か国(中国、フランス、ロシア、英国(えいこく)、米国)の常任(じょうにん)理事(りじ)(こく)と10か国の()常任(じょうにん)理事(りじ)(こく)構成(こうせい)される。

TPPティーピーピー環太平洋かんたいへいようパートナーシップ)

かん太平洋パートナーシップ(TPPティーピーピー)とは何ですか?

環太平洋パートナーシップ(TPP: Trans-Pacific Partnership )とは、太平洋をかこむ国々の間で、モノやサービス、投資とうしなどが出来るだけ自由に行き来できるようにし、経済けいざいのつながりを強化するための国際約束こくさいやくそく条約じょうやく)であり、従来(じゅうらい)(くら)べても高いレベルの内容(ないよう)となっています。

(1)TPP協定きょうてい

日本は2013年7月にTPP交渉こうしょう参加さんかしました。参加国(さんかこく)間での交渉をて、2016年2月、ニュージーランドのオークランドにて12か国(注)がTPP協定に署名しょめいしました。2017年1月に、日本は締結ていけつ(協定をむすぶこと)のため必要ひつような国内の手続てつづき完了かんりょうしましたが、その後間もなく、就任(しゅうにん)直後だった米国のトランプ大統領だいとうりょう当時とうじ)が、米国はTPPから離脱りだつすると発表しました。

(注)日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ。

(2)CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership:環太平洋(かんたいへいよう)パートナーシップに(かん)する包括的(ほうかつてき)(およ)先進的(せんしんてき)協定(きょうてい)

TPP協定から米国が離脱りだつした後、米国をのぞく11か国で話し合いを重ね、2018年3月に、チリのサンティアゴにて、基本的きほんてきにTPP協定と同じ内容ないようのCPTPPに署名(サイン)しました。そして、署名(しょめい)を行った各国(かっこく)の国内手続(てつづ)きを()て、CPTPPは2018年12月30日に発効(はっこう)効力(こうりょく)発生(はっせい))しました。

CPTPPが発行(はっこう)した後、英国(えいこく)がCPTPPへの加入(かにゅう)希望(きぼう)し、2021年6月以降(いこう)、CPTPPの参加国(さんかこく)との間で加入(かにゅう)交渉(こうしょう)が行われました。日本は、その加入(かにゅう)交渉(こうしょう)議長(ぎちょう)(つと)め、交渉(こうしょう)妥結(だけつ)尽力(じんりょく)しました。交渉(こうしょう)結果(けっか)、2023年7月、英国(えいこく)のCPTPPへの加入(かにゅう)議定書(ぎていしょ)署名(しょめい)(いた)りました。ヨーロッパの国である英国(えいこく)がCPTPPに加入(かにゅう)することにより、CPTPPがアジア太平洋(たいへいよう)()えて世界(せかい)に広がっていくことが期待(きたい)されます。

TICADティカッド(アフリカ開発会議かいはつかいぎ

アフリカ開発(かいはつ)会議(かいぎ)TICADティカッド)とは何ですか?

アフリカ開発(かいはつ)会議(かいぎ)(TICAD:Tokyo International Conference on African Development)とは、日本やアフリカの国々、国際機関こくさいきかんのリーダーたちが集まって、アフリカの開発について議論する国際会議です。そこでは、 貧困ひんこん平和へいわ安定あんてい、教育、保健ほけん医療いりょうなど、アフリカがかかえている課題かだいだけでなく、豊かな資源しげん人材じんざい、ビジネスなどのアフリカのもつ様々さまざま可能性かのうせいについて議論ぎろんします。

1993年にはじめてのアフリカ開発かいはつ会議かいぎが日本で開催かいさいされて以来いらい、これまで8回開催かいさいされています。

2022年8月27日~28日には、チュニジアの首都しゅとチュニスで第8回アフリカ開発会議(TICAD8えいと)が開催されました。同会議(どうかいぎ)では、アフリカと「(とも)成長せいちょうするパートナー」として、アフリカ自身じしん目指めざ強靭きょうじん持続じぞく可能かのうなアフリカを実現じつげんしていくため、力強ちからづよ後押あとおししていくことが表明ひょうめいされました。また、日本は、「経済けいざい」、「社会」、「平和へいわ安定あんてい」という3つの分野ぶんやで、「人」に注目ちゅうもくした日本らしいアプローチで、「人への投資とうし」や「成長せいちょうしつ」を重視じゅうししながら取組とりくみすすめていくことを強調きょうちょうしました。

次回の第9回アフリカ開発かいはつ会議かいぎ(TICAD9)は、2025年8月20日から22日に横浜よこはま開催かいさい予定よていです。これまで30年以上いじょうにわたって推進すいしんしてきたTICADプロセスまえながら、日本とアフリカ諸国しょこくとの関係かんけい一層いっそう深化しんかさせる機会きかいとしていきます。

TICAD8会場の様子
オンラインで参加する岸田総理大臣と対面で会議に参加する林外務大臣

TICAD8 開会式(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のロゴ

このロゴは、専門せんもん学校がっこうせい渡部わたなべ菜都美なつみさんのさくです。TICAD9開催かいさいである横浜よこはまの海の青をアフリカ各国かっこく国旗こっきにもかかげる緑と合わせ、生いしげ雄大ゆうだい成長せいちょうするイメージを持つ碧色へきしょくもちい、会議かいぎ記憶きおくのこるように、アフリカ大陸たいりくを9に見立てシンプルながら力強ちからづよ文字もじ表現ひょうげんしています。

テロ

テロとは何ですか?

「テロ」とは、自分たちの考えをみとめさせるために、ものをこわしたり、人々をきずつけたりころしたりして人々をこわがらせることです。2001年9月11日にアメリカのニューヨークで起きたテロでは、武器ぶきを持ったテロリストが乗っ取った飛行機ひこうきが乗客を乗せたまま世界貿易ぼうえきセンタービルなどに衝突しょうとつしました。このテロで、日本人をふくやく3000人もの人がくなりました。また、2013年1月16日には、アルジェリアにある日系企業にっけいきぎょうのガスプラント(天然てんねんガス製造施設せいぞうしせつ)がおそわれ、日本人10名をふくむ40人が亡くなり、2016年7月1日には、バングラデシュの首都ダッカ市内のレストランでテロが発生し、日本人7名を含む20人以上が亡くなりました。さらに、2019年4月21日にスリランカで発生した連続爆発れんぞくばくはつ事件じけんでは、日本人1名を含む多数の死傷ししょう者が発生し、2019年12月4日には、アフガニスタンで車で移動中に遭った襲撃しゅうげきで日本人1名が亡くなりました。

東南とうなんアジア諸国連合しょこくれんごう
ASEANアセアン

ASEAN(東南とうなんアジア諸国連合しょこくれんごう)とは何ですか?

ASEAN(アセアン)は、正式名称めいしょうを「東南アジア諸国連合」といいます。1967年の設立当初せつりつとうしょは、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国でしたが、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが順次加盟じゅんじかめいし、現在げんざいでは10か国から構成こうせいされています。ASEAN地域ちいきは、文化、言語、宗教しゅうきょう政治体制せいじたいせい経済発展けいざいはってんの度合いなどの点で多種多様たしゅたようですが、たがいをみとめ合いながら発展はってんげてきました。2015年に念願ねんがんだった「ASEAN共同きょうどう体」が発足しましたが、ASEANは「共同体」としてさらに発展はってんするため、域内いきない連結性れんけつせい強化や開発格差かくさ是正ぜせいなどの課題かだいに取り組んできています。

今や、ASEAN地域は7おく人にせまる人口をかかえ 「世界の成長せいちょうセンター」として注目を集めており、日系企業にっけいきぎょうも1万を越える拠点きょてんかまえています。

インド太平洋地域の中心に位置いちするASEANは、「自由で開かれたインド太平洋」実現じつげんかなめであり、そのASEANとの関係強化は、地域全体の安定と繁栄はんえいにとってきわめて重要じゅうようです。1973年に対話が始まり、2023年に友好協力ゆうこうきょうりょく50周年をむかえた日本とASEANは、半世紀にわたって幅広はばひろい分野で協力を進めています。

(写真)ASEANの旗

ASEANのはた

ASEANの旗の中央のシンボルマークは、ASEAN加盟国10か国をあらわす10本のいねくきたばを表し、友好ゆうこう結束けっそくむすばれた東南アジアのすべての国で構成こうせいされるASEANを表しています。

PALMパーム太平洋たいへいようしまサミット)

太平洋・島サミットとは何ですか?

太平洋・島サミットとは、太平洋のミクロネシア、メラネシア、ポリネシアのそれぞれの地域ちいきにある島国がかかえている様々な問題について、日本と太平洋の島じまのリーダー(首脳しゅのう)が集まって問題の解決かいけつに向けてはなし合いをする会議かいぎ(サミット)です。

英語えいごでは Pacific Islands Leaders Meeting表示ひょうじされ、英語の頭文字をつなげて「PALM(パーム)」とんでいます。

太平洋の島国は「国土がせまく、人口が少ない」、「ひとつの国の中にたくさんの島がバラバラにらばっている」、「他の国と距離きょりはなれていて、行き来がしづらい」、「海抜(かいばつ)(ひく)く、津波つなみ地震じしん温暖化おんだんかといった災害さいがい気候変動きこうへんどう影響えいきょうを受けやすい」といったなやみをかかえています。1997年から始まり、3年に1度開かれているこの太平洋・島サミットで、地域ちいきの平和と繁栄はんえいに向けてこうした問題に長い間ともに取り組むことを通じて、日本と太平洋の島国とのきずなを強めています。

2024年に東京でおこなわれた第10回太平洋たいへいようしまサミット(PALM10)では、日本をふくむ19か国・地域ちいきちゅう)の首脳等しゅのうとうあつまり、変化へんかする地域ちいき国際こくさい情勢じょうせいについて議論ぎろんを行うとともに、日本と太平洋たいへいよう島国しまぐに気候きこう変動へんどう海洋かいよう資源しげん保護ほごなど共通きょうつう課題かだい取組とりくみながら、未来みらいけて「ともに歩む」関係かんけい確認かくにんしました。
ちゅう)日本、オーストラリア、クック諸島しょとう、フィジー、キリバス、マーシャル諸島しょとう、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島しょとう、トンガ、ツバル、ニュージーランド、バヌアツ、ニューカレドニア、仏領ふつりょうポリネシア

PALM10に参加する各国の首脳陣たち
PALM10会場の様子

(写真提供ていきょう内閣広報室ないかくこうほうしつ

(画像)第10回太平洋・島サミット(PALM10)ロゴ

第10回太平洋・島サミットのロゴマーク

このロゴマークの作者(さくしゃ)は、グラフィックデザイナーの石田広宣(ひろのぶ)()です。ロゴマークの「PALM10」の文字は、植物(しょくぶつ)()や水の要素(ようそ)(ふく)み、数字の「ゼロ」のデザインはPALMのメンバーである19か国・地域(ちいき)表現(ひょうげん)しています。また、ロゴマークの上部(じょうぶ)島嶼(とうしょ)国、下部(かぶ)(なみ)のイメージで構成(こうせい)され、(なみ)のデザインは(よこ)から見た(てのひら)英語(えいご)で「PALM」)のイメージも(あらわ)しています。

排他的経済水域はいたてきけいざいすいいきEEZイーイーゼット

排他的経済水域はいたてきけいざいすいいきEEZイーイーゼット)とは何ですか?

排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone )とは、漁業ぎょぎょうをしたり、石油などの天然資源てんねんしげんったりという活動を自由に行うことができる水域です。海に面している国は、自分の海(領海りょうかい)の外側そとがわに決められたはばえない範囲はんいで排他的経済水域を設定せっていすることができます。海に面している国は、これらの活動を行うほかは、排他的経済水域を自分の海としてひとめしてはならないことになっています。たとえば、他の国の船が通ったり、飛行機ひこうきが上空をんだり、他の国が海底かいていにパイプラインを作ったりすることを禁止きんしすることはできません。

パリ協定きょうてい

環境かんきょう問題の話になるとパリ協定きょうていという言葉をよく聞きますが、どのようなものですか?

パリ協定とは、気候変動きこうへんどう原因げんいんとなっている二酸化炭素にさんかたんそやメタンガスなどの温室効果こうかガスの排出はいしゅつらし、産業革命以降さんぎょうかくめいいこうの地球の温度上昇じょうしょうを2℃以内いない、できれば1.5℃以内にとどめることを、世界共通きょうつう目標もくひょうとして定めた国際的こくさいてき約束やくそくのことです。1997年に京都で作られた「京都議定書ぎていしょ」に代わる約束で、先進国だけでなく途上とじょう国もふくめたすべての国が目標の達成たっせいのために取り組むことになっています。2015年にフランスのパリで作成されたことから、パリ協定という名前がつけられています。

PKOピーケーオー国連平和維持活動こくれんへいわいじかつどう

国連(こくれん)平和維持(へいわいじ)活動(かつどう)PKOピーケーオー)とは何ですか?

国連こくれん平和維持いじ活動のことを英語えいごUnited Nations Peacekeeping Operationsびますが、日本ではPKOもしくは国連PKOと呼ばれることが多いようです。

国連PKOの活動は、あらそいをしていた国同士どうしや人たちが、おたがいに攻撃こうげきをやめることを決めた後、ふたたび争いが起こらないように監視かんししたり、はなし合いを通じた解決かいけつが行われるように手助けしたりすることが中心でした。最近さいきんではこのような活動にくわえて、争いが終わったり新たに独立どくりつした国が一人前になれるよう、選挙せんきょ手伝てつだいをしたり、もうたたか必要ひつようがなくなった兵士へいし説得せっとくして武器ぶきてさせ、軍隊ぐんたいをやめた後に他の仕事につけるよう手伝ったり、その国の人たちが安心して生活できるよう国の仕組みや組織そしきを整える手助けをしたりと、様々な支援しえんを行うようになってきています。国連PKOのこうした活動はたくさんの人から高い評価ひょうかを受け、今では世界中の国が軍隊や警察けいさつ専門せんもん家やボランティアを国連PKOに参加さんかさせ、世界の平和と安定に貢献こうけんしています。

日本は、1992年にはじめて国連PKOに参加して以来いらい、アンゴラ、カンボジア、モザンビーク、エルサルバドル、ゴラン高原、東ティモール、スーダン、ハイチ、南スーダン等の国連PKOに参加してきました。今でも、南スーダンでは、自衛隊じえいたい隊員たいいん司令部要員しれいぶよういんとして活躍かつやくしています。また、国連(こくれん)PKOに派遣(はけん)される各国(かっこく)軍隊(ぐんたい)の人たちに(たい)して、けが人への対処(たいしょ)やブルドーザーの操縦(そうじゅう)についての訓練(くんれん)を行い、育成(いくせい)する協力(きょうりょく)も行っています。日本のこれまでの活動は、世界中から高い評価を受け、現地げんちの人たちからもとても感謝かんしゃされています。日本はこれからも、世界の平和と安定を目指して、国連PKOに積極的せっきょくてき貢献こうけんしていきます。

FOIPフォイップ自由じゆうひらかれたインド太平洋たいへいよう

自由じゆうで開かれたインド太平洋たいへいようFOIPフォイップ)とはなんですか?

FOIPフォイップとは、 Free and Open Indo-Pacificりゃくで、「自由で開かれたインド太平洋」を意味しています。
 インド太平洋地域全体ちいきぜんたいの平和と豊かさをしっかり守っていこうというビジョンで、2016年に日本が発表はっぴょうしました。
 2023年3月には、新たなプランを発表するなど、日本はこのビジョンを主導しゅどうし、進めていこうとしています。

なぜ今、FOIPなの?

インド太平洋地域は、世界経済せかいけいざいの半分以上をめている一方で、法の準備じゅんびととのっていない国や外国と対等たいとうに向き合えない国など、弱さをもった国があることが背景はいけいにあります。
 そのような国々に対して、必要な協力を行いながら、この地域を、武力ぶりょくではなく、法の支配しはい(注)に基づく、自由な世界の中で、豊かにしていこう、というねらいがあります。
(注)「法の支配」とは、武力によって物事ものごと解決かいけつしようとするのではなく、話し合いや決められたルールに従って、国際社会こくさいしゃかいの平和を守ろうということ。

FOIPの新たなプランとは?
  1. 平和の原則げんそく繁栄はんえいのルール:「平和」を守り、「法の支配」をしっかりと打ち立て、弱い者が力で押さえつけられない国際環境こくさいかんきょうをつくる!
  2. インド太平洋流の課題対処かだいたいしょ気候きこう環境かんきょう保健ほけんなど、国境こっきょうえて解決かいけつしなければならない問題に対して協力を行う!
  3. 多層的たそうてき連結性れんけつせい:FOIP協力の中心!地域全体ちいきぜんたい成長実現せいちょうじつげんのため、各国のつながりを強化きょうかする!
  4. 「海」から「空」へひろがる安全保障あんぜんほしょう・安全利用の取組:「海」そして「空」も含む地域全体の安全・安定を確保かくほする!

日本は、米国をはじめ、オーストラリア、インド、ASEAN諸国あせあんしょこく、太平洋島嶼国とうしょこく韓国かんこく欧州おうしゅうなどと協力を強め、中東ちゅうとうやアフリカ、中南米ちゅうなんべいなど世界中で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現じつげんに向けた協力を深めていきます。

プロトコール

プロトコールとは何ですか?

プロトコールとは、外国からのお客様をむかえる時など、国際的こくさいてき・公式な場で用いられるルールです。その目的もくてきは、国の大小にかかわらず、だれもが納得なっとくして気持ちよくしたがえる国際的なルールを使用することによって、不必要ふひつよう誤解ごかい混乱こんらんけることです。

つまり、国家や相手同士どうしたがいをより理解りかいするための環境作かんきょうづくりにかせない配慮はいりょであり、それにより外交や大事なはないがスムーズに進むようにするおいのルールといえます。プロトコールの一例いちれいとしては、たとえば服装ふくそう席順せきじゅん国旗こっきの立て方などがあります。

UNICEFユニセフ国連児童基金こくれんじどうききん

国連(こくれん)児童基金じどうききんUNICEFユニセフ)とはどういう機関ですか?

国連児童基金(UNICEF:United Nations Children's Fund)とは、世界の子どもたちの(いのち)権利(けんり)を守るために作られた国連こくれんの機関の一つです。

ユニセフの元の機関となったのが第二次世界大戦後たいせんごの1946年に作られた国連国際こくさい児童緊急きんきゅう基金( United Nations International Children's Emergency Fund )です。その時の略称りゃくしょうUNICEFは世界中の人たちに親しまれたため、現在げんざいまで引きがれています。

ユニセフは、子どもや女性じょせいの権利を守る団体だんたいであり、190以上いじょうの国と地域ちいきで、(もっと)支援(しえん)(とど)きにくい子どもたちを最優先(さいゆうせん)に、保健(ほけん)栄養(えいよう)、水と衛生(えいせい)教育(きょういく)暴力(ぼうりょく)搾取(さくしゅ)からの保護(ほご)緊急(きんきゅう)支援(しえん)、アドボカシー(子どもに(かん)する課題(かだい)への理解(りかい)を広げ、子どもの権利(けんり)実現(じつげん)()けての取組(とりくみ)啓発(けいはつ)政策(せいさく)提言(ていげん)を行うこと)などの(めん)支援(しえん)をし、持続(じぞく)可能(かのう)開発(かいはつ)目標(もくひょう)(SDGs:エス・ディー・ ジーズ)達成(たっせい)のために貢献(こうけん)しています。ユニセフは、1965年、ノーベル平和(へいわ)(しょう)受賞(じゅしょう)しています。

UNESCOユネスコ国際連合こくさいれんごう教育きょういく科学文化ぶんか機関きかん

国連(こくれん)教育(きょういく)科学文化(ぶんか)機構(きこう)UNESCOユネスコ)とはどういう機関きかんですか?

国連(こくれん)教育(きょういく)科学文化(ぶんか)機構(きこう)UNESCOユネスコ:United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)とは、教育、科学および文化などの活動を通じて、世界平和に貢献こうけんするために作られた国連こくれんの機関の一つです。(本部:フランス・パリ)

ユネスコが作られた最大さいだいのきっかけは第二次世界大戦たいせんであり、1946年11月4日、人類じんるいが二度と戦争せんそうり返さないようにというねがいを込め、その活動をスタートさせました。

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりできずかなければならない」。これは、ユネスコ憲章けんしょう前文の冒頭ぼうとうかざる有名な言葉です。この言葉からも、ユネスコが、教育、科学、文化などわたしたちの普段ふだんの生活に大きくかかわる分野を通して、人の心に平和の砦を築き、世界の平和に貢献しようとしていることがわかります。

ユネスコには2024年4月現在げんざい194か国が加盟かめいしており、日本は1951年、世界で60番目に加盟しました。ユネスコは第二次大戦日本がはじめて加盟した国際機関であり、日本は当時からユネスコの活動が重要じゅうようであると考えています。

また、1999年にアジア出身者として初めて松浦晃一郎まつうらこういちろうさんがユネスコ事務じむ局長きょくちょうえらばれ、2009年まで10年間、ユネスコのトップをつとめました。

(写真)2006年8月に外務省を訪れ、麻生外務大臣と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん。

2006年8月に外務省をおとずれ、
麻生外務大臣あそうがいむだいじん(当時)と会談をしたユネスコの事務局長松浦晃一郎さん(当時)。

現在のユネスコの活動を紹介しょうかいしますと、たとえば教育の分野において、ユネスコはさまざまな国際機関と協力しながら、世界中のすべての人々に教育の機会きかいあたえられるよう取り組んでいます(「万人のための教育」)。また、科学の分野においても、津波つなみの発生をいち早く海岸の近くの住民じゅうみんに知らせ、大きな被害ひがいふせぐための努力どりょくを行っています(「津波早期警戒けいかい」)。さらに、人類共通じんるいきょうつう貴重きちょう財産ざいさんである遺跡いせき(アンコール遺跡、バーミヤン遺跡等)、建造物けんぞうぶつ(万里の長城、姫路城ひめじじょう等)、自然しぜん(グランドキャニオン、知床しれとこ等)などを世界文化遺産や世界自然遺産として登録とうろくすること、また同じく人類共通のたからである伝統的でんとうてきな音楽、演劇えんげき舞踊ぶとう工芸技術こうげいぎじゅつなどについては無形むけい文化遺産に登録して、国際てきに守っていく取り組みが行われています。

このようにユネスコは世界中のすべての人々にとって、とても重要な活動を行っています。