外交官の心得(こころえ)は何ですか?
外務省員として、私たちが日ごろから常に気をつけているモットーをご紹介します。
- 国民のために、国民とともに
私たちは、公務員として、国民全体のために働いています。それを忘れずに、国民の皆さんの声を聞き、責任を持って、誠実に行動します。 - 信頼される外務省員として
常に「国益:日本の国にとってためになること」を考えて、歴史をふまえて、世界のことを考えながら外交を行います。また、外交官として、自分の能力をいつも磨き、使命感を持って行動します。 - 活力ある外務省として
ものごとを考える力を高め、元気な外務省をつくります。
はっきりとした目標と仕事をする順番をきちんと考えながら、てきぱきとした仕事をします。
外務省で働くにはどうしたらいいですか?特別な資格・条件はありますか?
外務省に入るための試験には次の3種類の試験があります。
「国家公務員採用総合職試験」…幅広い分野で経験を積みながら視野を広げ、将来幹部職員になることが期待されます。
「外務省専門職員採用試験」…地域・分野に深い知見を持つプロフェッショナルとして活躍することが期待されています。
「国家公務員採用一般職試験」…本省や在外公館で領事、会計、通信・文書管理担当、秘書などとして活躍することが期待されています。
これらの試験を受けるためには、決められた年齢(注)に達すれば、学歴に関係なく受験することができます。3種類の試験があるので、年齢に合わせて、外務省で働きたいと思う多くの人びとがチャレンジできるようになっています。国際問題に興味があり、熱い思いをもっている人、冷静に人とのコミュニケーションができる人などを求めています。
(注)受ける試験により、18歳または21歳から受験できます。なお 、日本国籍を持っている人が受験できます。
外交官は外国語が話せないと、なれないのですか?
外国語があまりできないからといって、外交官を目指すことができないわけではありません。もちろん、日本の代表として各国の代表と話し合ったり、外国語の文書を読んだりしますので、外国語能力を伸ばしていくことは必要ですが、この力は外務省に入ってからでも研修などでしっかり身につけることができます。外務省で働く人に求められているのは、外国語ができることだけではなく、柔軟な思考力、交渉能力、コミュニケーション能力、などがあり、またどんな環境でも働くことができるたくましさも必要です。
「外交官」と「外務公務員」はどう 違うのですか?
外務省(東京の霞が関にある本省等と海外にある大使館等の在外公館)で 働 く人たちのことを、「外務公務員」といいます。 特に、海外の大使館などで働く外務公務員を「外交官」と呼んでいます。
第二次世界大戦中、ユダヤ系避難民に査証(ビザ)を発行して迫害から助けた日本人外交官がいると聞いたことがありますが、どのような人だったのですか?
当時リトアニアにあった在カウナス日本国領事館に勤務していた杉原千畝(すぎはら・ちうね)副領事は、多くのユダヤ系避難民にビザを発行し、多くの命を救いました。そのため、正義の人として国内外から高い評価を受けています。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツから迫害を受けていたユダヤ人たちはナチス・ドイツの手が届かない国へ逃げようとしていました。ポーランドと国境を接するリトアニアの在カウナス日本国領事館には、日本をとおってアメリカなどに脱出したい人びとが押し寄せ、その中にはビザをもらう条件を満たさない人もいました。こうした中、在カウナス日本国領事館に勤務していた杉原千畝副領事は、1940年(昭和15年)、多くのユダヤ系避難民にビザを発行し、その人達はソ連を通って日本に渡り、さらに上海、アメリカ、カナダなどへと脱出しました。多くの命を救った杉原副領事の功績は国の内外で高く評価されており、特にイスラエル政府からはイスラエル最高の勲章であるヤド・ヴァシェム賞が贈られ、「諸国民の中の正義の人」として讃えられています。