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みんなの質問 Q & A

ちょっと知りたい国際問題!

日本とアメリカ合衆国(がっしゅうこく)(米国)との関係はどのようなものですか?

今日、日本と米国は自由や民主主義みんしゅしゅぎほう支配しはいといった基本的価値きほんてきかち共有きょうゆうする、とても大切な同盟どうめいの関係にあります。日米にちべい同盟どうめいは、日本だけでなくインド太平洋地域ちいきの平和と繁栄はんえい基礎きそであり、日本の外交・安全保障あんぜんほしょう政策せいさくかなめです。しかし、日本と米国がここまで良好りょうこうな関係をきずくまでの道のりは、決して平坦(へいたん)ではありませんでした。

1853年に米国の海軍大将かいぐんたいしょうのペリーが黒船で日本に来たことを受け、翌年よくとしに日米和親わしん条約じょうやく調印ちょういんされました。これをきっかけに、日本は米国と公式な外交関係をむすび、本格的ほんかくてきに交流するようになりましたが、第二次世界大戦たいせんでは敵国てきこくとしてたたかいました。戦争せんそうが終わった後、日本は米国を中心とした連合国軍総司令部れんごうこくぐんそうしれいぶGHQジーエイチキュー)に占領せんりょうされましたが、1952年のサンフランシスコ平和条約発効はっこうにより主権しゅけん回復かいふくし、米国と日米安全保障ほしょう条約を結びました(その後、条約は改定かいていされ、1960年に日米安全保障条約がむすばれました)。その後、日本と米国は日米安全保障体制たいせい基礎きそとして、今日にいたるまであらゆる分野で関係を深めてきました。

経済けいざい面では、二国間の貿易ぼうえき投資とうしともに活発です。2022年の統計とうけいでは、日本にとって米国は輸出ゆしゅつ相手(あいて)国としても、輸入ゆにゅう相手国としても第2位であり、米国にとって日本は輸出相手国としても、輸入相手国としても第4位です。また、米国にとって日本は最大さいだい直接投資国ちょくせつとうしこくであり、日本にとっても米国は最大の直接投資先ちょくせつとうしせきであると同時に最大の対日直接投資国です。

人の交流もさかんで、学生、研究者、議員ぎいん政府要人せいふようじんなど様々な人々が二国間を行き来しています。2022年、バイデン大統領だいとうりょうが日本を訪問した際、日米両首脳りょうしゅのうは、先端技術等せんたんぎじゅつとうの専門家や実務家じつむか日系人にっけいじん等、幅広い分野での交流促進そくしんはかることで一致しました。

今日、日本をく安全保障環境かんきょうきびしさをす中、日米同盟はますます大切になってきています。これからも強い日米同盟をもとに、米国と協力して地域と国際社会がかかえる課題かだい積極的せっきょくてき()り組んでいきます。

日本に米軍(べいぐん)基地きちがあるのはなぜですか?

日本は第二次世界大戦後たいせんご、新しい憲法けんぽうのもとで、新しい国造くにづくりを目指しました。新しい憲法では、戦争せんそうを行わず、そのための武力ぶりょくを持たないことを定めました。これが憲法9じょうです。日本は、この憲法の下で平和国家の道を歩んできました。

こうした政策せいさくは、日本が世界にほこることのできるものです。しかし日本の外から攻撃こうげきされる前にそれをふせぐ場合や、日本の安全がおびやかされる場合には、日本の持っている防衛ぼうえい力だけでは十分とは言えません。

そこで日本政府せいふは、日本と日本国民こくみんの安全を守るために、米国と日米安全保障条約ほしょうじょうやくという約束やくそくむすびました。この条約じょうやくは、日本が攻撃を受けたときに米国が日本を守ること、そして、日本は米軍(べいぐん)が使う施設しせつなどを提供ていきょうすることを約束しています。だから、米軍(べいぐん)の基地が日本にあるのです。

日本と韓国かんこくとの関係かんけいはどのようなものですか?

韓国は、日本にとって日本海をはさんだもっとも近いとなりの国です。両国は、先の大戦たいせんの後、隣国りんこくとして関係を良いものにするために、10年以上もの長い間をかけて話し合い、1965年に国交正常(せいじょう)()実現(じつげん)しました。その後、関係が悪くなる時期もありましたが、今は国際社会の様々さまざま課題かだいに協力して取り組むべきパートナーとなっています。また、新型(しんがた)コロナウイルス感染症(かんせんしょう)によりお(たが)いの国へ()()することが(むずか)しかった期間(きかん)()て、人の()()(ふたた)活発(かっぱつ)になっており、2023年には、(やく)232万人の日本人が韓国(かんこく)を、(やく)696万人の韓国人(かんこくじん)が日本を(おとず)れました。

日本と韓国は、政治や経済にとどまらず、文化、芸術、スポーツ等、幅広はばひろ分野ぶんや交流こうりゅうを深めています。2002年には日本と韓国が協力してサッカーワールドカップを成功させたり、日韓にっかんのドラマがお互いの国で流行したりするなど、お互いの文化の交流は継続的けいぞくてきに進められてきました。近年、日本で人気を(はく)した日本のアニメ映画(えいが)などが、韓国(かんこく)でも若者(わかもの)を中心に大ヒットし、映画(えいが)舞台(ぶたい)になった日本の土地を(おとず)れる韓国人(かんこくじん)観光客(かんこうきゃく)()えています。また、キムチや冷麺れいめん、ビビンバといった韓国料理はすでに日本でもおなじみですし、「K-POP」ケーポップと呼ばれる韓国の音楽を耳にすることも非常ひじょうに多くなりました。毎年秋には、「日韓交流おまつり」が東京とソウルで開催かいさいされ、日本や韓国の文化をはだで感じることができるお祭りの会場は、多くの来場者らいじょうしゃにぎわっています。国同士の交流が、国民同士の交流へと広がり、生活の様々な場所でお互いの文化を楽しめるようになったのです。

今、日本の総理大臣と韓国の大統領が、何度もお互いの国を行き来して会う「シャトル外交」が本格化ほんかくかし、日韓関係の改善かいぜんが進んでいます。2025年は日本と韓国(かんこく)が国交を正常(せいじょう)()して60周年(しゅうねん)記念(きねん)すべき年です。両国間の歴史に関する問題などもありますが、これからも、両国の協力を様々な分野で進めていくため、しっかりと話し合いを行っていきます。

竹島は何が問題なのですか?

竹島は、歴史的れきしてき事実にらしても、かつ国際法上も明らかに日本固有こゆう領土りょうどであり、韓国(かんこく)による竹島(たけしま)占拠(せんきょ)は、国際法(こくさいほう)上の根拠(こんきょ)が何もないまま行われている不法(ふほう)占拠(せんきょ)です。戦後一貫いっかんして平和(へいわ)国家としての道を歩んできた日本は、この韓国の行為こういに対して厳重げんじゅう抗議こうぎかえねばり強く行い、また国際法にのっとって平和へいわ的に解決しようと韓国に提案ていあんしています。

日本と北朝鮮きたちょうせんとの関係かんけいはどのようなものですか?また北朝鮮に対してどのように向き合っていますか?

朝鮮半島はんとう現在げんざい 、南と北に分かれている 状況じょうきょうにあります。日本は南がわにある韓国(大韓民国だいかんみんこく)とは1965年以来いらい国交がありますが、北朝鮮とはいまだ国交がありません。
日本は、拉致らち問題や(かく)・ミサイル問題などの課題かだい解決かいけつして、北朝鮮と国交を正常化せいじょうかできるよう、努力どりょくしています。

日本としては、米国や韓国を始め、国際社会ともしっかりと連携れんけいしながら、拉致問題や核兵器・ミサイルなどの課題の解決に向けた具体的ぐたいてきな行動を、北朝鮮に対して強くもとめていきます。

また、拉致問題はさい重要課題です。北朝鮮は当時13さいの少女を含む多くの人を拉致しており、政府せいふとしては、一日も早い全ての拉致被害ひがい者の帰国を実現じつげんするため、あらゆる努力を行っています。

日本と中国との関係はどのようなものですか?

1972年9月29日、日本と中国は国交正常せいじょう化を実現し、両国関係の歴史に新たな時代を切り開きました。以来いらい、日中両国の関係は着実に進展しんてんし、両国民の交流が幅広はばひろく行われています。2023年の中国からの訪日者数は約243万人でした。また、今や世界で二番目の経済けいざい大国となった中国は、日本にとって最大さいだい貿易ぼうえき相手であり、3万3,000拠点きょてんを超える日本企業きぎょうが中国に進出する等、両国には経済面で強いつながりがあります。ほかにも、文化やスポーツ、科学技術ぎじゅつ等様々な分野での交流も深まっています。

日本と中国の間には、様々(さまざま)可能性(かのうせい)(とも)に、数多くの課題(かだい)懸案(けんあん)存在(そんざい)しています。(たと)えば、中国が尖閣諸島(せんかくしょとう)(ふく)む東シナ海、南シナ海において力による一方的(いっぽうてき)現状(げんじょう)変更(へんこう)(こころ)みを継続(けいぞく)強化(きょうか)していること、また中国とロシアとの軍事的(ぐんじてき)連携(れんけい)(ふく)めて中国が日本周辺(しゅうへん)軍事(ぐんじ)活動(かつどう)活発(かっぱつ)()させていることなどがあります。同時に日中両国(りょうこく)は、地域(ちいき)世界(せかい)平和(へいわ)繁栄(はんえい)(たい)して大きな責任(せきにん)(ゆう)しています。「戦略的(せんりゃくてき)互恵(ごけい)関係(かんけい)」を包括的(ほうかつてき)推進(すいしん)するとともに、主張(しゅちょう)すべきは主張(しゅちょう)し、責任(せきにん)ある行動(こうどう)を強く(もと)めつつ、対話(たいわ)をしっかりと(かさ)ね、共通(きょうつう)(しょ)課題(かだい)については協力(きょうりょく)する、「建設的(けんせつてき)かつ安定的(あんていてき)な日中関係(かんけい)」を日中双方(そうほう)努力(どりょく)構築(こうちく)していくことが重要(じゅうよう)です。

尖閣諸島せんかくしょとうは何が問題なのですか?

尖閣諸島は、歴史的れきしてきにも国際法こくさいほう上も明らかに日本固有こゆう領土りょうどであり、げんに日本が有効ゆうこう支配しはいしています。したがって、尖閣諸島をめぐり解決かいけつすべき領有権りょうゆうけんの問題はそもそも存在そんざいしません。

1968年に東シナ海に石油埋蔵まいぞう可能性かのうせいがあると国連こくれん機関きかん指摘してきした後の1970年代になって、中国は、突如とつじょとして尖閣諸島に関する独自どくじの主張を始めました。それまでは、何ら異議いぎをとなえていませんでした。

その後、2008年になり、中国国家海洋局に所属しょぞくする船舶せんぱくが突如として尖閣諸島のまわりの日本のりょう海に侵入しんにゅうしました。それ以降、中国海警かいけい局等に所属する船舶が領海侵入をかえしています。

このような力による一方的いっぽうてき現状げんじょう変更へんこうこころみに対して、日本が譲歩じょうほすることはありません。他方、日本から事態じたいをエスカレートさせることなく、自国の領土・領海りょうかい領空りょうくう断固だんことしてまもくとの決意で、つづ冷静れいせいかつ毅然きぜん対処たいしょしていきます。

日本とロシアの関係はどのようなものですか?

日本は、インド太平洋地域ちいき戦略せんりゃく環境かんきょうが大きく変化へんかしつつある中で、ロシアと安定的あんていてきな関係をきずくことは、日本の国益こくえきのみならず、地域の安定と発展はってんにとっても重要じゅうようとの考えの下、これまで取り組んできました。具体的には、政治せいじ経済けいざい、文化など、幅広はばひろい分野で日本とロシアの関係全体を日本の国益にするよう発展させるため、日本とロシアの間の最大(さいだい)問題もんだいである北方領土りょうど問題を解決かいけつして平和条約を結ぶという方針ほうしんの下、これまでねばつよく平和条約じょうやく交渉こうしょうを進めてきました。

しかし、2022年2月、ロシアはウクライナ侵略しんりゃくを始めました。この侵略は、力による一方的な現状げんじょう変更へんこうこころみであり、国際こくさい秩序ちつじょ根幹こんかんるがす行為こういです。明白な国際法こくさいほう違反いはんであり、だんじて容認ようにんできません。厳しく非難します。国際秩序の根幹を守り抜くため、日本として断固だんことして行動していく考えです。

同時に、漁業ぎょぎょうなどの経済活動といった日本とロシアが隣国りんこくとして対応する必要(ひつよう)がある事項じこうについては、日本の外交全体において、何が日本の国益こくえきするかという観点かんてんから、適切てきせつに対応していきます。

その上で、北方領土問題に関しては、領土問題を解決して平和条約を締結(ていけつ)するとの方針ほうしん堅持けんじしていきます。

北方領土ほっぽうりょうどは何が問題なのですか?

北方領土は、一度も外国の領土となったことがない、くに固有こゆうの領土です。

日本はロシアより早く、北方四島(択捉えとろふ島、国後くなしり島、色丹しこたん島及び歯舞はぼまい群島)の存在そんざいを知り、多くの日本人がこの地域ちいきに渡るとともに、徐々じょじょにこれらの島々の統治とうち確立かくりつしました。

1855年、日本とロシアの間でまったく平和的、友好的ゆうこうてきな形で調印ちょういんされた日魯通好条約にちろつうこうじょうやく下田しもだ条約)は、当時とうじ自然しぜん成立せいりつしていた択捉島とウルップ島の間の国境こっきょうをそのまま確認するものでした。それ以降いこうも、北方四島が外国の領土となったことはありません。

しかし、第二次大戦たいせん末期まっきの1945年8月9日、ソれん当時とうじまだ有効ゆうこうであった日ソ中立ちゅうりつ条約に違反いはんして対日参戦さんせんし、日本がポツダム宣言せんげんを受け入れた後の同年8月28日から遅くとも9月5日までの間に、北方四島のすべてを占領せんりょうしました。当時、北方四島には、ソ連人は一人もおらず、日本人は四島全体でやく1万7千人が住んでいましたが、ソ連は、1946年に北方四島を一方的に自分の領土に「編入へんにゅう」し、1948年までに全ての日本人を強制的きょうせいてき退去たいきょさせました。今日にいたるまで、北方四島は、ソ連、ロシアによって不法ふほう占拠せんきょされています。

北方領土問題が存在するため、日本とロシアの間では、戦後せんご70年以上いじょうっているにもかかわらず、いまだ平和条約がむすばれていません。

日本政府は、北方領土問題を解決かいけつして平和条約を締結(ていけつ)するという基本方針きほんほうしんもとづいて、ロシア政府との間でねばり強く交渉こうしょうを行ってきました。しかし、2022年2月、ロシアはウクライナ侵略しんりゃくを開始しました。日本政府としては、ロシアによるウクライナ侵略を止めるため、きびしい対ロシア制裁せいさいを行っています。2022年3月、ロシアは、ウクライナ侵略に関連して日本が行った措置そち一方的いっぽうてき友好的ゆうこうてきでないとして、平和条約交渉を継続けいぞくしないと発表しました。日本政府は、今回の事態じたいは全てロシアのウクライナ侵略が原因であるにもかかわらず、日本側に責任を押し付けようとするこのようなロシア側の対応はきわめて不当であり、だんじて受け入れられないと強く抗議こうぎしました。

いずれにしても、日本政府としては、北方領土問題を解決して平和条約を締結(ていけつ)するとの基本方針に変わりはありません。

日本と中央(ちゅうおう)アジアの関係(かんけい)はどのようなものですか?

中央ちゅうおうアジアは、ユーラシア大陸たいりく中央ちゅうおう位置いちする国々くにぐに(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)で、ふるくから様々さまざま民族みんぞくうシルクロードの中心地ちゅうしんちとしてさかえてきました。

(写真)ヒヴァの風景

ウズベキスタンの古都(こと)ヒヴァ

中央(ちゅうおう)アジアの5か国が1991年に()(れん)から独立(どくりつ)すると、日本は翌年(よくねん)にいち早く中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)と外交関係(かんけい)(むす)びました。さらに2004年には、中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)と日本の6か国の対話(たいわ)枠組(わくぐ)みとして「中央(ちゅうおう)アジア+日本」対話(たいわ)を立ち上げました。今では、中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)様々(さまざま)な国との間でこのような対話(たいわ)枠組(わくぐ)みを(もう)けていますが、日本は、域内(いきない)協力(きょうりょく)地域(ちいき)全体(ぜんたい)としての発展(はってん)着目(ちゃくもく)した対話(たいわ)(ほか)の国に先駆(さきが)けて(はじ)めたパイオニアです。

2022年に(はじ)まったロシアによるウクライナ侵略(しんりゃく)によって、現在(げんざい)中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)様々(さまざま)影響(えいきょう)()けています。こうした中、(ほう)支配(しはい)(もと)づく自由(じゆう)(ひら)かれた国際(こくさい)秩序(ちつじょ)維持(いじ)強化(きょうか)していくためにも、中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)協力(きょうりょく)連携(れんけい)していくことは、これまで以上(いじょう)重要(じゅうよう)になっています。

このため、日本は、2024年で20周年(しゅうねん)(むか)える「中央(ちゅうおう)アジア+日本」対話(たいわ)枠組(わくぐ)みで(はじ)めての首脳(しゅのう)会合を開催(かいさい)し、これまでの緊密(きんみつ)協力(きょうりょく)関係(かんけい)をもとに、政治(せいじ)経済(けいざい)、人と人との交流(こうりゅう)(はじ)めとする様々(さまざま)な分野で、日本と中央(ちゅうおう)アジア諸国(しょこく)との(さら)なる協力(きょうりょく)連携(れんけい)()()予定(よてい)です。

(写真)ヒヴァの風景

漫画(まんが)乙嫁語(おとよめがた)り』の作者(さくしゃ)森薫(もりかおる)先生によって(えが)かれた
中央(ちゅうおう)アジア+日本」対話(たいわ)20周年記念(しゅうねんきねん)イラスト

第二次世界大戦たいせんについての日本の考えはどのようなものですか?

日本は、第二次世界大戦以前いぜんに、他の国を日本の一部として日本の考え方でおさめたり、他の国の土地をうばったりして、多くの国、とくにアジアの人たちをきずつけました。

このことに対して、心からの反省はんせいとおわびの気持ちをつねに心にもって、こうしたことを二度とり返さないという考えから、第二次世界大戦後、ずっと武力ぶりょくを持つ国にはならず、どのような問題も平和的へいわてき解決かいけつしようと努力どりょくしてきました。

そして、これからもその姿勢しせいわりません。

日本は核兵器かくへいきの問題にどのように取り組んでいますか?

やく79年前、広島と長崎ながさきで核兵器が使われ、20万人以上いじょうの人がくなりました。それ以後いご、核兵器が戦争せんそうで用いられたことはありませんが、世界には、今も約1万3,000はつの核兵器があると言われています。また、核兵器をようとする国やテロリストなどもいます。核兵器がいかにおそろしいものであるかを知っている日本は、世界の国々と協力きょうりょくして、核兵器を持つ国がこれ以上えないように、テロリストなどの手にわたらないように、そして、核兵器を世界からなくすために積極的せっきょくてきに活動しています。

たとえば、世界には、核兵器を持つ国がこれ以上増えないようにする条約じょうやく(核兵器不拡散ふかくさん条約(NPTエヌピーティー))や核実験かくじっけん禁止きんしする条約(包括的核実験禁止ほうかつてきかくじっけんきんし条約(CTBTシーティービーティー))など、核兵器に関する条約がありますが、これらの条約に入っていない国がまだいくつかあります。日本はこのような国に対し条約に入るようはたらきかけるとともに、国際連合こくさいれんごうなどの場において、「核兵器(かくへいき)のない世界(せかい)」の実現(じつげん)目指(めざ)した議論(ぎろん)積極的(せっきょくてき)に行っています。

また、ウランやプルトニウムなどの核物質かくぶっしつが核兵器をつくるために使われていないかを確認かくにんする国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんIAEAアイエーイーエー)という機関があります。日本はIAEAとの関係の強化に向けて努力どりょくしているほか、IAEAと協力きょうりょくし、北朝鮮やイランなどの核問題の解決かいけつに向けて、積極的に取り組んでいます。

核兵器の恐ろしさについては、広島や長崎の資料しりょう館をおとずれたり、核兵器による被害ひがい経験けいけんした人(被爆者ひばくしゃといいます)の話を聞いたりすることで学ぶことができますが、核兵器が使われてから約79年たち、最近さいきんでは、その記憶きおくうすれていくことも心配されています。外務省では、広島・長崎の記憶をぎ、「核兵器のない世界」に向けて取り組む若者わかもの応援おうえんする「ユース非核特使ひかくとくし」という制度せいどもうけており、海外の若者もこの制度を活用するようになりました。また、被爆ひばく者のメッセージを、多くの言葉で翻訳ほんやくして、発表もしています。みなさんにも、ぜひ、これらの取組を通じて、「核兵器のない世界」に向けた思いを共有きょうゆうしてほしいと思います。

日本はテロをなくすためにどのような取り組みをしていますか?

テロをふせぐためには、世界全体がテロを絶対ぜったいゆるさないという決意をしめして団結だんけつすること、テロリストに活動する場をあたえないこと、テロを行うためのお金や武器ぶきがテロリストにわたらないようにすること、ことなる考え方を持つ人々の交流の場をもうけ、寛容かんような心(ことなる意見や価値観かちかん拒絶きょぜつしない)や、穏健おんけん(おだやか)な考えを持つ人々を支えていくこと、穏健(おんけん)な社会を(きず)いていくための開発(かいはつ)支援(しえん)などがとても大切です。

外務省では、ほかの国々と協力きょうりょくしてテロをなくすための様々な努力をしています。たとえば、2016年5月のG7伊勢志摩いせしまサミットでは、日本は議長ぎちょう国として、テロや(目的もくてき達成たっせいするために人を傷つけたり殺したりしてもよいという)過激かげきな考え方を少しでもらすための行動計画を取りまとめました。また、2019年6月のG20大阪おおさかサミットでは、日本は議長ぎちょう国として、インターネットを悪用あくようしたテロや暴力的(ぼうりょくてき)過激(かげき)主義(しゅぎ)ふせぐための首脳しゅのう声明せいめいを取りまとめました。日本は、とくに東南アジアでのテロ対策として、出入国管理官(かんりかん)や税関の職員、警察官などに対するトレーニング、過激化を防止するための教育といったプロジェクトを実施しているところです。

また、外務省では、海外に旅行したり住んだりする日本人がテロに巻き込まれないように、「海外安全ホームページ」や、「たびレジ」・在留(ざいりゅう)(とどけ)提出(ていしゅつ)された方への大使館(たいしかん)総領事館(そうりょうじかん)からのメールや「ゴルゴ13」とコラボした安全(あんぜん)対策(たいさく)のマンガ(とう)を通じて、安全に(かん)する情報じょうほう注意喚起ちゅういかんき発信はっしんしています。

日本は国連こくれんでどのような活動をしているのですか?

国連(国際連合こくさいれんごう)は、二度と人々が戦争せんそうで苦しむことがないように1945年に作られた国際機関きかんであり、今日では、世界のほとんどの国(193か国。2024年4月現在げんざい)が加盟かめいしています。戦後せんご、平和国家として再出発さいしゅっぱつした日本は、1956年に国連に加盟かめいして以来いらい、平和と安全、開発、人権じんけんなど、様々な分野において、積極的せっきょくてきに国連の活動に参加さんかしてきました。

戦争をなくすために作られた国連において、一番重要じゅうよう課題かだいは、世界の平和と安全を守ることです。たとえば、日本は、戦争に使われる武器ぶきらすこと、核兵器かくへいきやさないこと、紛争ふんそうやテロをふせぐことなどで世界の平和のため努力どりょくしてきました。

また、世界が平和であるためには、人々がゆたかに、幸せにらせるようにすることが重要じゅうようです。日本は、国連とも協力きょうりょくしながら、政府開発援助せいふかいはつえんじょODAオーディーエー)等を活用して、人々がより豊かな生活が送れるように努力しています。また、わたしたち一人ひとりの権利けんりが守られ、人間として尊重そんちょうされるように、人権理事会など、国連の場において、積極的な取組を行っています。

個別こべつの分野だけでなく、日本は国連の活動全体にも大きな役割を果たしています。

日本は、米国、中国に次いで3番目に多くの国連の活動資金かつどうしきん分担金ぶんたんきん)を負担ふたんし、国連の活動をささえています。

また、日本人の方々も国連の職員しょくいんとして、グローバルな課題かだい解決かいけつに取り組み、活躍かつやくされています。

国連ができてから80年近くがたち、国際社会のあり方もわりました。世界の国々が協力し合わなければ解決かいけつできない問題も増える中、国連が新たな課題かだいにより効果的こうかてきに取り組めるように、国連を改革かいかくすることも重要です。

とくに、世界の平和と安全に大きな責任せきにんを持つ国連安全保障ほしょう理事会(安保理あんぽり)がその役割やくわりを効果的に果たせるようにするために、安保理のしくみを変えなければなりません。日本は、これまで以上に世界の平和と安全に貢献するためにも、安保理の常任じょうにん理事国となることを目指して積極的に取り組んでいます。

気候変動きこうへんどう問題に日本はどのように取り組んでいますか?

気候変動問題は、地球に住むみんなの問題です。世界(せかい)平均(へいきん)気温(きおん)上昇じょうしょうふせぐためには、気候変動の原因げんいんとなっている二酸化炭素にさんかたんそなどの温室効果こうかガスをらさなければなりません。

日本は、温室効果ガスを減らすためのルールをみんなで作るよう、世界の国々にはたらきかけてきました。その結果けっか、2015年12月に「パリ協定きょうてい」ができました。「パリ協定」では、歴史上れきしじょうはじめてすべての国が気候変動対策たいさく参加さんかすることを約束(やくそく)しました。日本はいろいろな国とともにこのルール作りに貢献こうけんしました。

日本は、パリ協定の目標(もくひょう)達成(たっせい)するため、2050年までに温室効果ガスの排出(はいしゅつ)事実上(じじつじょう)ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言(せんげん)しています。日本国内の企業 きぎょう自治体じちたいとも 連携 れんけいしながら、そのための対策たいさくを進めています。

他の国であらそいが起こったときに日本は、どのようなことをしていますか?

争いが起こる前にその原因げんいんを取りのぞくことが最善(さいぜん)です。しかし、起こってしまった争いに対しては、目をそむけず平和に向けて取り組む必要ひつようがあります。

日本では、1992年に「国際こくさい平和協力法きょうりょくほう(いわゆる「PKOピーケーオー法」)」という法律ほうりつをつくり、国連こくれん平和維持いじ活動などの国連を中心とした国際平和のための活動に協力するしくみをつくりました。

国民こくみん支持しじ理解りかいて、次の活動に対して協力を行ってきました。

(1)国連平和維持活動(PKO)および国際連携平和安全活動
争いの後、二度と争いが起きないように、現場げんば自衛隊員じえいたいいん監視かんし巡回じゅんかいをしたり、道路や橋を直したり、警察官けいさつかんが助言や指導しどうをします。
(2)人道的じんどうてきな国際救援きゅうえん活動
争いで被害ひがいにあった人々へテントや給水容器きゅうすいようきを配ったり、病気やケガをした人のために必要なものを送ったりします。
(3)国際的な選挙せんきょ監視かんし活動
争いの後、混乱こんらんした地域ちいきで選挙が正しく行われるよう、指導しどうしたり、立ち会ったりします。

争いによっててた地域は世界各地かくちにあります。PKO法にもとづいて、そのような地域にんで、こうした活動をしている日本人がたくさんいます。これまでにカンボジア、東ティモール、ゴラン高原(中東)、南スーダンなどで約12,500人以上いじょうが活動してきました。

国際法こくさいほうをやぶるとどうなりますか?

国際法とは、国と国の合意にもとづいて、主に国と国の関係かんけいを定めた法です。
どこの国でも、人が法律ほうりつをやぶった場合は、当然とうぜんその人はその責任せきにんを負わなければならないように、国際社会においても、国が国際法をやぶった場合には、当然何らかの形でその責任を負わなければなりません。

その方法ほうほうには、元の状態じょうたいもどす(原状回復げんじょうかいふく)、お金をはらう(金銭賠償きんせんばいしょう)、あやまる(陳謝ちんしゃ)、かえさないと約束やくそくする(再発防止さいはつぼうし確約かくやく)などの色々な方法があります。

ただし、ある国がどうしても国際法をやぶらなければならない仕方のない事情じじょうがあった時には、例外れいがいとして、責任を負わなくていい場合もあります。