国連外交

平成29年9月22日
安倍総理大臣とグテーレス国連事務総長との会談
(代表撮影)
一般討論演説
(写真提供:内閣広報室)
ライチャーク国連総会議長と会談を行う安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)
  • 安倍総理は,9月18日(月曜日)から21日(木曜日)(現地時間)まで,第72回国連総会出席のため5年連続でニューヨークを訪問。
  • 北朝鮮が6度目の核実験を強行し,我が国上空を通過する弾道ミサイルをここ3週間で2回発射する中,様々な多国間会合,二国間会談や一般討論演説などを通じ,北朝鮮の脅威に対して国際社会が連携,連帯していく必要性を訴えた。また,新決議を含む関連安保理決議の完全な履行により,従来にない新たな段階の圧力をかけ,北朝鮮の政策を変えさせる必要があることを主張。
  • 一般討論演説では,北朝鮮の核・ミサイル問題はかつてなく重大で眼前に差し迫った脅威であることを指摘し,北朝鮮にすべての核・弾道ミサイル計画を完全な,検証可能な,かつ,不可逆な方法で放棄させなければならず,そのために必要なのは対話ではなく圧力であるとして国際社会の連帯を呼びかけた。また拉致問題についても被害者の一日も早い帰国のために全力を尽くす旨表明した。
  • 安倍総理は,イスラエル,ヨルダン,イラン,仏,トルコ,クロアチア,韓,米との首脳会談を行ったほか,グテーレス国連事務総長,ライチャーク第72回国連総会議長とも会談を実施。また,アフリカ首脳との会合,太平洋島嶼国との首脳会合を開催した。さらに,バッハIOC会長による表敬を受けた。
  • 安倍総理は,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)促進に関するサイドイベントにおいてスピーチを行い,UHCの重要性と我が国の果たしている貢献を発信した。また,UN WomenによるHeForSheキャンペーンにおいて,安倍総理自身がHeForSheを推進する10人の首脳の1人として選出されているところ,HeForShe IMPACT10×10×10男女平等報告書発表式でスピーチを行った。
  • さらに,アベノミクスを始めとする我が国の経済・財政政策を発信するため,ニューヨーク証券取引所でスピーチを行ったほか,食・観光レセプションの実施及び米国CEOとの懇談を通じて,日本の魅力を発信し,日本への投資を呼びかけた。日本人国連関係機関職員の激励会にも参加した。

1 主要行事の結果概要

(1)一般討論演説(9月20日(水曜日))

一般討論演説
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理は20日(水曜日)に国連総会にて一般討論演説を行い,概要以下のとおり述べた。

ア 語るべきことのリストは長いが,討論を北朝鮮に集中せざるを得ない

 SDGs実施,女性支援,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ,法の支配,パリ協定,質の高いインフラ投資,フリーでリベラルでオープンな国際秩序,多国間枠組みの維持,安保理改革,そして常任理事国として世界平和に積極的役割を果たす決意などを主張するつもりであった。けれども,討論を北朝鮮に集中せざるを得ない。

イ 北朝鮮の核・ミサイルは重大で眼前に差し迫った脅威

 北朝鮮は核実験を強行し,2度にわたり我が国上空を通過するミサイル発射した。脅威はかつてなく重大で眼前に差し迫ったものであり,軍縮の努力と不拡散体制への深刻な打撃。従前と次元の異なる質の危機。

ウ 必要なのは対話ではなく,圧力

 これをもたらしたのは「対話」の不足では断じてなく,米朝「合意された枠組」(1994年),「六者会合」共同声明(2005年)等のように,対話による問題の解決の試みは無に帰した。北朝鮮にすべての核・弾道ミサイル計画を完全な,検証可能な,かつ,不可逆な方法で放棄させなければならない。

エ 拉致問題解決に向けた決意

 多くの日本人がいまだ拉致されたまま。彼らが,一日も早く祖国の土を踏み,父や母,家族と抱き合うことができる日がくるよう,全力を尽くす。

オ 必要なのは行動,国際社会の連帯

 日本は日米同盟,日米韓の結束により北朝鮮の脅威に立ち向かう。「全ての選択肢がテーブルの上にある」とする米国の立場を一貫して支持する。安保理決議第2375号の全会一致の採択を高く評価するが,あくまで始まりにすぎない。核・ミサイル開発に必要なモノ,カネ,ヒト,技術が北朝鮮に向かうのを阻み,北朝鮮に累次の安保理決議を完全に履行させ,全加盟国による一連の安保理決議の厳格かつ全面的な履行を確保する。必要なのは,行動であり,国際社会の連帯である。
 北朝鮮の明るい未来は,経済発展,民生改善の途にこそある。拉致,核,ミサイル問題の解決なしに,人類全体の脅威となることで,拓ける未来などあろうはずはない。北朝鮮の政策を変えさせるために結束を固めなければならない。

(2)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)促進に関するサイドイベントにおけるスピーチ(9月18日(月曜日))

UHC:万人の健康を通じたSDGsの達成でスピーチする安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理は,我が国が主導した保健サイドイベント「UHC:万人の健康を通じたSDGsの達成」に出席。安倍総理は,「誰一人取り残さない」社会の実現という持続可能な開発目標(SDGs)の理念を実現する上でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進は必要不可欠な取組であると述べ,UHC達成に向け,途上国国内資金の他,国際機関やドナー国のみならず民間ビジネスや市民社会のリソースを動員し活用する枠組みが重要と主張した上で,UHC推進への我が国の決意を示した。イベントにはモハメッド国連副事務総長,テドロスWHO事務局長,シュタイナーUNDP総裁といった新しい指導者や,サル・セネガル大統領やレークUNICEF事務局長を始めとするこれまでのUHC牽引者たちが,安倍総理とともに登壇し,UHC推進に向けたコミットメントを示した。更にUHC推進に向けた具体的取り組みが議論される場として,本年12月に東京で予定されている「UHC Forum 2017」や日本政府の継続したリーダーシップへの期待が示された。

(3)二国間会談等

ア 日・イスラエル首脳会談(9月18日(月曜日))

日・イスラエル首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
日・イスラエル首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理は,経済や先端技術,サイバー分野など,引き続き幅広い分野での協力を進めていきたい旨を述べ,両首脳は,外交関係樹立65週年を迎えて,今後とも一層の協力を促進していくことを確認した。また,安倍総理から北朝鮮問題に関する我が国の立場を説明し,ネタニヤフ首相の理解と支持を得た。更に,中東和平について「平和と繁栄の回廊」構想など日本の独自の取組に対するイスラエルの協力に感謝するとともに,両国が今後一層連携していくことを確認した。

イ 日・イラン首脳会談(9月19日(火曜日))

日・イラン首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
日・イラン首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 ローハニ大統領から,最近の日イラン関係の発展に期待が示され,これに対し,安倍総理から,両国の経済関係の拡大に向けて企業の活動を支援していく,医療,環境,文化,観光など幅広い分野での協力を推進したい旨述べた。イランの核合意について,安倍総理から,日本は核合意を支持しており,イランによる遵守を今後も期待している,全ての当事国による核合意とその精神の遵守が重要である旨述べ,これに対し,ローハニ大統領から核合意を遵守していきたい旨の発言があった。北朝鮮について,安倍総理から,格段に厳しい措置を含む安保理決議を全会一致で採択したことを高く評価する,関連安保理決議は完全に履行されて初めて真価を発揮するものであり,イランの取組に期待している,拉致問題は安倍政権の最重要課題であり,早期解決に向けた,理解と協力を期待する旨述べた。これに対し,ローハニ大統領から,イランは核戦争や核兵器の開発,核兵器を用いた脅迫に反対しており,この点については北朝鮮にも伝えてきている旨の発言があった。

ウ グテーレス国連事務総長との会談(9月19日(火曜日))

国連事務総長との会談
(代表撮影)
国連事務総長との会談
(代表撮影)

 北朝鮮について,安倍総理から,安保理決議第2375号の全加盟国による完全な履行の重要性,意味ある対話には,まずは北朝鮮の非核化に向けた真剣な意思と行動が必要,今は一層の圧力により,北朝鮮から対話を求めてくる状況を作り出すことこそが重要,また,拉致問題は最重要課題であり,理解と協力を期待する旨述べ,双方は,引き続き緊密に協力していくことを確認した。
 さらに,国連改革について,安倍総理から,グテ-レス事務総長の国連改革に向けた取組を支持しつつ,安保理改革なしに国連改革は解決せず,今会期こそ目に見える前進を遂げたいと述べ,双方は国連改革について緊密に協力していくことを確認した。

エ 日・ヨルダン首脳会談(9月19日(火曜日))

日・ヨルダン首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

  安倍総理は,伝統的に友好関係にあるヨルダンと,外交・経済・安全保障等の幅広い分野で二国間関係を更に発展させたい旨を述べた。また,安倍総理はシリア難民を受け入れるヨルダンに感謝と敬意を述べるとともに,ヨルダンの経済・社会的安定のため,引き続きあらゆる可能な支援を行う考えを示した。さらに,安倍総理から,北朝鮮情勢に関する我が国の立場を説明し,双方は緊密に連携していくことを確認した。両首脳は,中東和平問題を含め地域情勢についても意見交換を行った。双方は「平和と繁栄の回廊」構想の推進のため,引き続き協力していくことを確認した。

オ 日仏首脳会談(9月20日(水曜日))

日仏首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,15日に北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射したことは,国際社会の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威となっている旨強調した。また,北朝鮮に対して格段に厳しい制裁措置を含む安保理決議を全会一致で採択できたことを高く評価し,新決議を含む関連安保理決議は各国により完全に履行されて初めて真価を発揮する旨述べた。この点,両首脳は,北朝鮮問題に対応する上での中国及びロシアの役割の重要性についても認識を共有し,安保理を含む国際社会において日仏で緊密に協力していくことを確認した。また,両首脳は二国間の安全保障・防衛協力を一層進めていくことで一致するとともに,南シナ海といった地域情勢についても意見交換を行い,法の支配に基づく国際秩序の維持のため,引き続き緊密に連携していくことで一致した。また,両首脳は,明年パリを中心に行われる大規模な日本文化紹介行事「ジャポニスム2018」を成功させるため,引き続き緊密に協力していくことで一致した。さらに,両首脳は,日EU・EPAの早期の署名・発効に向け,協力していくことを確認した。

カ バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長による表敬(9月20日(水曜日))

,P> 安倍総理とバッハ会長は,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向け,引き続き緊密に連携していくことを確認した。バッハ会長より,関係者の素晴らしい仕事ぶりと日本のオリンピックに対する一貫した支持に感謝しているとの発言があった。安倍総理から,東京大会は「復興五輪」でもあり,その観点から日本の自治体と世界の大会参加国・地域が草の根交流を行う「ホストタウン」の取組を推進しており,震災からの復興を多くの国からの訪問者に見ていただき,また事前キャンプ等で活用していただきたい旨発言し,バッハ会長から,日本の取組を引き続き支持するとの発言があった。

キ 日・トルコ首脳会談(9月20日(水曜日))

日・トルコ首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
日・トルコ首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,数々の困難を乗り越え,改革に取り組むエルドアン大統領には勇気づけられる旨述べ,また,戦略的パートナーとして両国関係を一層強化していきたい旨述べた。また,安倍総理から,北朝鮮情勢に関する我が国の立場を説明し,双方は緊密に連携していくことを確認した。二国間関係については,安倍総理から,戦略的パートナーシップにふさわしい,多層的な協力関係を構築すべく,一層緊密に連携したい旨述べた。両首脳は,トルコ・日本科学技術大学は,未来に向けた両国間協力の重要な基盤となるものであり,早期の開校に向けて,引き続き協力していくことを確認した。また,両首脳は,貿易,投資及び観光等,経済分野における関係強化の方途について議論し,日トルコEPA交渉を加速化させていくことで意見が一致した。

ク 日・クロアチア首脳会談(9月21日(木曜日))

 安倍総理から,来年は外交関係樹立25周年であり,これを機に,二国間だけでなく,国際場裡や日EU関係の文脈においても協力を強化して行きたい旨述べた。また,北朝鮮は15日にも我が国上空を通過する弾道ミサイルを発射し,北朝鮮が6回もの核実験を強行し,国際社会の安全に対する,これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっていることを述べ,さらに,拉致問題は安倍政権の最重要課題であり,早期解決に向け,クロアチアの理解と協力を期待する旨述べた。このほか,両首脳は,日クロアチア関係の一層の進展に向け,引き続き協力していくことで一致した。

ケ ライチャーク第72回国連総会議長との会談(9月21日(木曜日))

ライチャーク国連総会議長と会談を行う安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)
ライチャーク国連総会議長と会談を行う安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験の実施は,安保理決議の明白な違反であり,不拡散体制への深刻な打撃である,関連安保理決議の完全な履行に向けた加盟国への働きかけにつき,ライチャーク総会議長とも協力していきたい旨述べ,また,拉致問題の解決に向け,理解と支援を求めた。 また,安保理改革に関し,ライチャーク総会議長のリーダーシップに期待している旨伝えた。双方は,上記の課題や,持続可能な開発も含めた国際社会が直面する課題に対して協力していくことで一致した。

コ 日米韓首脳会談(9月21日(木曜日))

日米韓首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
日米韓首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
,P> 安倍総理から,再会を歓迎するとともに,前例のない,現実の危機に直面する中,日米韓で北朝鮮の核の放棄に向けた戦略を改めて議論したい,新たな段階の圧力をかけていく観点から,米国の新たな措置を歓迎し,支持する旨述べた。三か国の首脳は,三か国の結束の下に,中国及びロシアを含む国際社会への働きかけの強化など連携を深めることで一致した。また,北朝鮮の政策を変えさせるためには,圧力の更なる強化が必要との認識を共有した。その上で,安保理決議第2375号の全会一致での採択を非常に重要な一歩であると評価するとともに,その完全な履行を確保することが重要であるとの点で一致した。さらに,三か国の首脳は,三か国の国民の安全・安心を守るとの観点から,日米韓の安全保障・防衛協力についても議論し,協力を進めていくことで一致した。安倍総理は,トランプ大統領が演説で北朝鮮問題への強い決意を表明したこと,全ての選択肢がテーブルの上にあるとの立場を累次表明していることを改めて高く評価した。安倍総理は,トランプ大統領が米国大統領として初めて一般討論演説において言及した拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を訴え,両首脳と引き続き緊密に連携していくことを確認した。

サ 日米首脳会談(9月21日(木曜日))

 安倍総理から,トランプ大統領が一般討論演説において横田めぐみさんに言及したことについて,大変感謝する,北朝鮮問題においては,北朝鮮の政策を変えさせることが鍵となる,対話のための対話では意味がない,北朝鮮に対して更なる圧力をかけていくことが重要であり,これまでトランプ大統領と共に我々の強い意思を示すことができている,このことが国際社会による一致団結した対応につながる,本日は議論を更に深めていきたい旨述べた。両首脳は,北朝鮮問題について議論し,北朝鮮による8月29日及び9月15日の日本上空を通過する形での弾道ミサイルの発射や,9月3日の核実験の実施等一連の挑発行動は,日本を含む国際社会全体に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であるという認識を改めて共有するとともに,核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントが揺るぎないこと,日米両国が100パーセント共にあることを改めて確認した。また,両首脳は,安保理決議第2375号を歓迎するとともに,関連安保理決議の完全な履行を確保し,また,北朝鮮に対し最大限の圧力をかけるべく,中国,ロシアを含む関係国への働きかけを含め,日米,日米韓で引き続き連携していくことを確認した。さらに,両首脳は,北朝鮮籍海外労働者が多く存在する地域や北朝鮮との貿易を依然維持する地域に対し,北朝鮮への資金の流れを絶つように働きかけること,北朝鮮と「外交」関係を有する国々に対して北朝鮮との関係を見直すよう日米で連携して働きかけていくことで一致した。また,安倍総理から,拉致問題の早期解決に向けた支持と協力を求め,トランプ大統領の支持を得た。両首脳は,経済についても議論を行い,年内に開催予定の第2回日米経済対話に向けて調整を加速することを確認し,トランプ大統領の年内の訪日に向け,調整を加速することで一致した。

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    日米首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)
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    日米首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)

(4)多国間会合等

ア アフリカ安保理理事国首脳等との会合(9月18日(月曜日))

 安倍総理から,アフリカの平和と安定に関する日本の貢献につき紹介するとともに,北朝鮮による核実験及び弾道ミサイル発射の強行は国際社会の平和と安全に対する,これまでにない重大かつ差し迫った脅威である旨述べた。その上で,従来にない新たな段階の圧力をかける必要があり,制裁の「抜け穴」が生まれないよう,関連する安保理決議の完全な履行の重要性を強調した。また,国際社会の平和と安定に日本とアフリカがより積極的に貢献するためにも,安保理改革が急務である旨述べた。これに対し,アフリカ側首脳から,北朝鮮の核実験は国際社会に対する正面からの挑戦であり,日本の立場を支持する旨述べた。また,安保理改革の重要性が強調された。

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    アフリカ安保理理事国首脳等との会合
    (写真提供:内閣広報室)
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    アフリカ安保理理事国首脳等との会合
    (写真提供:内閣広報室)

イ 日本・太平洋島嶼国首脳会合(9月19日(火曜日))

 安倍総理は,第4回日本・太平洋島嶼国首脳会合を主催し,北朝鮮に関しては,各国から日本の立場への支持が表明されるとともに,安保理決議の完全な履行に向けて協力していくことを確認した。また,2018年5月に予定されている第8回太平洋・島サミット(PALM8)を念頭に海洋を巡る諸課題,気候変動,防災を含む持続可能な開発,人的交流の活性化,安保理改革等の国際的な諸課題に関して協力していくことを確認した。本件会合には,トゥイラエパ・サモア首相,レメンゲサウ・パラオ大統領を含む太平洋島嶼国の首脳・閣僚等が参加した。

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    第4回日本・太平洋島嶼国首脳会合に出席する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    第4回日本・太平洋島嶼国首脳会合に
    出席する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

ウ HeforShe IMPACT10×10×10男女平等報告書発表式(9月20日(水曜日))

 安倍総理は,HeForShe(男女平等促進のため男性・男児の関与を呼びかけるUN Womenのキャンペーン)IMPACT10×10×10男女平等報告書発表式にUN Women選出の10首脳チャンピオンの1人として出席し,「女性が輝く社会」実現に向けた取組と成果を発信すると共に,11月に東京で開催予定の国際女性会議WAW!2017を紹介し,「女性が輝く社会」を世界中で実現するため,WAW!で繋がり,共に一取組んでいくことをHeForShe支持者に呼びかけた。

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    HeForShe IMPACT10×10×10男女平等報告書
    発表式でスピーチする安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    HeForShe IMPACT10×10×10男女平等報告書
    発表式でスピーチする安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

(5)その他

ア 食・観光レセプションでの挨拶)(9月18日(月曜日))

 安倍総理は,日本の地方と食の魅力をテーマとしたレセプションに出席した。同レセプションには,コモロ,マケドニア,スイス,リビアの大統領をはじめとする各国要人,日米の食・観光ビジネス関係者等約200名を超える方々が出席。安倍総理から,挨拶の中で,『日本を,実際に見て,食べて,体験していただきたい。』と呼びかけた。

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    食・観光レセプションで挨拶をする安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    食・観光レセプションで挨拶をする安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

イ 米国CEOとの懇談会(9月19日(火曜日))

 安倍総理は,世界的に有名な事業家・投資家等と懇談会を行った。同懇談会において,安倍総理は,アベノミクスのこれまでの実績,これから変えていきたい日本の方向、外国人投資家への期待等について発言すると共に,対日投資促進のために日本政府が採るべき方策について,出席者との間で活発な意見交換を行った。

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    米国CEOとの懇談会に出席する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    米国CEOとの懇談会に出席する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

ウ ニューヨーク証券取引所での経済スピーチ(9月20日(水曜日))

 安倍総理は,対日投資の拡大に向け、国内外に影響力の大きい米国金融関係者等約200名に対して,日本経済の見通しとアベノミクスの今後の展開について直接説明した。安倍総理は,4年前のニューヨーク証券取引所で行ったスピーチで発言したとおり,日本の経済構造を根本から改革するため,ひたすらにアクションを続けてきたことを述べ,これからも日本の未来を拓くためあらんかぎりの政治資源をつぎ込んでいく旨表明した。

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    経済スピーチを行う安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    経済スピーチ後に質疑応答を行う安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

エ 日本人国連関係機関職員の激励会(9月21日(木曜日))

 安倍総理は,国連事務局,国連開発計画(UNDP),国連児童基金(UNICEF)等の諸機関で勤務する約100名の日本人職員と懇談を行った。安倍総理は,今年の国連総会では,一般討論演説のテーマを北朝鮮に絞ったことに言及した上で,北朝鮮の問題は,日本にとって重大かつ差し迫ったものであり,採択に際して,皆さんにも尽力いただいた国連決議を完全に履行することが重要である旨述べた。また,国連が持続可能な開発,移民・難民問題,気候変動等,世界が直面する課題に取り組んでいることを指摘しつつ,国連と協力してより良い世界を作っていきたい旨述べた。さらに,国連における日本人職員の方々の貢献を心強く,また,誇りに思っており,日本人職員の方々の更なる活躍を祈念するとの激励の言葉を述べた。

2 日程

9月18日(月曜日)

午後 ニューヨーク着
 UHC促進に関するサイドイベント
 アフリカ首脳との会合
 日・イスラエル首脳会談
 食・観光レセプション

9月19日(火曜日)

午前 米国CEOとの懇談会
 日・イラン首脳会談
午後 グテーレス国連事務総長との会談
 日・ヨルダン首脳会談
 グテーレス国連事務総長主催昼食会
 日・太平洋島嶼国首脳会合

9月20日(水曜日)

午前 経済スピーチ
 HeforShe IMPACT10×10×10首脳男女報告書発表式
 日・仏首脳会談
午後 バッハIOC会長による表敬
 一般討論演説
 日・トルコ首脳会談

9月21日(木曜日)

午前 日・クロアチア首脳会談
 ライチャーク第72回国連総会議長との会談
午後 日米韓首脳会談
 日米首脳会談
 日本人国連関係機関職員の激励会
               

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