ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

令和8年9月10日
電話で質問しているイラスト
  • (子の連れ去りを心配している方、子と国境を隔てて暮らしている方へ)
  • (ハーグ条約に基づく中央当局(外務省)の援助対象者の方へ)
  • (子を国外に転居させることを考えている方へ)
  • Q1 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)とは何ですか。

    A1 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)とは、国境を越えた子の不法な連れ去りや留置をめぐる紛争を解決するための国際的な枠組みとして、元の居住国への子の返還や国境を越えた親子の交流を実現するための手続、締約国間の協力等について定めた条約です。このホームページでは、1980年に採択された「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」のことを「ハーグ条約」と表記しています。

    【関連リンク】

    Q2 なぜハーグ条約と呼ばれているのですか。国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約以外に、「ハーグ条約」という名前の条約はありますか。

    A2 オランダのハーグにあるハーグ国際私法会議(HCCH)で採択された条約だからです。同様にハーグ国際私法会議で採択された条約は、現時点で約40あり、これらの条約もまた「ハーグ条約」と呼ばれることがあります。日本が締結している「ハーグ条約」については、HCCHのウェブサイトをご覧下さい。

     よく養育費に関する御質問をいただきますが、日本は2007年に採択されたハーグ国際扶養条約(条約英語名仮訳:子及びその他の親族の扶養料の国際的な回収に関する条約)については締結しておりません。

     なお、ハーグ送達条約関連については、「外国の裁判所が日本に裁判文書の送達及び証拠調べを要請する方法」を御覧ください。
     ビザ(査証)、パスポート、証明(公印確認・アポスティーユ)に関する御照会・御連絡・御意見に関しましては、以下のページ内に案内がございますので、御参照ください。

    Q3 日本がハーグ条約を締結した意義を教えてください。

    A3 外国で生活する親が子と共に日本に一時帰国を希望する場合、日本が条約の締約国であることで、もう一方の親の同意や外国の裁判所の許可等が得やすくなり、里帰りや出国時のトラブルを減らす効果が期待できます。但し、日本が適切にハーグ条約を実施していることが他の締約国に理解されることが重要であり、そのための努力を引き続き行っていく必要があります。また、ハーグ条約を締結したことで、国際的なルールに基づき、日本から他の締約国へ不法に連れ去られた子の返還や、他の締約国にいる子との交流の機会の確保について、外国及び日本の中央当局からの支援を得て手続を進めることが可能となりました。各国の中央当局からは、それぞれの国の実情に応じて、子の所在特定、弁護士紹介、裁判手続等に関する各種支援が提供されています。詳細は、以下のページを御参照ください。

    Q4 ハーグ条約の中央当局とは何ですか。

    A4 中央当局は、国境を越えて連れ去られた子の元いた国への返還や、国境を隔てて暮らす親子間の交流の実現といった、条約の目的の達成のための中心的な役割を担う存在で、日本の中央当局は外務大臣です。締約国によっては、司法省など他の省庁に中央当局を設置している国もあります。

    Q5 日本でハーグ条約はしっかり実施されていますか。日本に連れ去られた子のうち、どのくらいの子が返還されていますか。

    A5 日本は、ハーグ条約を着実に実施しています。また、外務省は、日本におけるハーグ条約の実施状況や実績、中央当局(外務省)による支援の内容について、より正確な理解を持ってもらうため、関係国に対してセミナーや説明会を実施しています。

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    Q6 海外在住で、家庭内の問題で悩んでいます。日本大使館や総領事館はどのような支援を提供してくれますか。

    A6 日本の在外公館(大使館や総領事館)では、家庭問題への対応を拡充し、以下のようなサービスを行っています。詳しくは、関連リンク先「海外生活の悩み・家族問題」を御覧いただくとともに、お近くの在外公館に御相談ください。

    • 現地の家族法や渉外民事に詳しい弁護士や通訳・翻訳家の情報を提供
    • 現地において家族問題、児童福祉、国際結婚などに関するカウンセリング、調停・親子交流・DV被害者支援を実施している団体の窓口等の情報を提供
    • 安全が懸念される場合の現地警察、司法当局又はシェルターへの通報・保護の要請
    • 家庭問題に関する在外公館への相談内容の記録の作成及び相談者への提供(本人の希望に応じて)
    【関連リンク】

    Q7 (元)配偶者が無断で子を日本から外国(外国から日本)へ連れ去ったのですが、どうしたらよいですか。ハーグ条約に基づいて子の返還を求めるための条件はありますか。

    A7 16歳未満の子が、一方の親の監護の権利を侵害する形で、子が元々住んでいた国から外国に連れ去られた又は留置された場合、ハーグ条約に基づいて、子の返還を求めることができます(連れ去り等の時点で、子が元々住んでいた国と、連れ去られた先の国のいずれもがハーグ条約の締約国である必要があります。)。なお、子や両親の国籍は、ハーグ条約の適用に関係ありません。

    【関連リンク】

    Q8 子の連れ去り先がハーグ条約の非締約国や日本国内での連れ去りでも、ハーグ条約の適用対象となりますか。

    A8 子の連れ去り先がハーグ条約の締約国でない場合や日本国内での連れ去りの場合は、ハーグ条約の適用対象とはなりません。現地の法律に基づき、弁護士等に相談の上、問題を解決する必要があります。在外公館で得られる家族問題に対応するための具体的な情報や支援は、以下のリンク先をご確認ください。

    Q9 一年以上前に子の連れ去りが起きた場合も、ハーグ条約の適用対象となりますか。

    A9 子の国境を越えた不法な連れ去りが一年以上前に起きた場合でも、ハーグ条約に基づいて子の返還を求めることはできます。ただし、子の不法な連れ去りから一年経過した後に司法当局等が手続を開始した場合に、子が新たな環境に適応していることが認められれば、子の返還は命じられない可能性があります。

    Q10 ハーグ条約に基づき、子の出国を防止することはできますか。

    A10 ハーグ条約は、締約国間で子の不法な連れ去り等が起きた場合に適用される条約であり、条約の中に子の連れ去りを未然に防ぐための仕組みはありません。出国防止制度については、各国の出入国を管理している当局(日本においては出入国在留管理庁)にお問い合わせください。
     なお、一方の親権者の同意を得ない子の国外への転居に伴うトラブルを防ぐためには、子の旅券をしっかり管理することが重要です。日本国旅券に関しては、事前に未成年の子の旅券発給に対する不同意書を提出することが可能です。外国旅券に関しては、未成年の子の旅券発給を防ぐ手段の有無・内容について、日本にある当該国の大使館・総領事館等にお問い合わせください。

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    Q11 外国(日本)にいる子と会えません。どうしたらよいですか。

    A11 日本(又は日本以外のハーグ条約締約国)にいる親が、日本以外のハーグ条約締約国(又は日本)にいる16歳未満の子と交流できない場合には、子との交流ができなくなった時期にかかわらず、ハーグ条約に基づき、子との交流を実現するための支援を日本や、お子さんがお住まいの国の中央当局に申請することができます。ただし、交流を求める親と対象となる子が同じ国内にいる場合は、ハーグ条約は適用されません。
     なお、子との交流を実現するための支援は、子の国境を越えた移動がない場合(たとえば、日本で暮らしていた家族の一方の親が、日本から他のハーグ条約締約国に移住した後に子との交流ができなくなった場合)でも、申請することができます。

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    Q12 親権がなくても、ハーグ条約に基づいて子の返還を求めたり子との交流を求めたりすることができますか。

    A12 子の返還を求める場合、返還を求める親が、子について監護の権利を有していれば、ハーグ条約の適用対象となり得ます。したがって、子の日本への返還を求める場合には、例えば離婚時の合意や裁判に基づいて、法的に監護権を有していれば、親権がなくても、ハーグ条約に基づき子の返還を求めることが可能です。その場合は、法的に監護権を有していることを証する書面を御準備ください(合意書や審判書など。)。
     他方、子との交流に関しては、父母であれば親権がなくても原則としてハーグ条約に基づき子との交流を求めることが可能です。
     ただし、返還・交流いずれの場合についても、実際にハーグ条約が適用されるかどうかは、最終的には裁判所の判断になります。なお、日本では令和8年4月施行の改正民法で、離婚後に父母双方を親権者と定めることも可能となりました。詳細は下のリンク先をご参照ください。

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    Q13 外務省に援助申請をしたら、どのように手続が進みますか。

    A13 外務省は、ハーグ条約実施法に基づき、申請書類(申請書及び添付書類)の審査を行います。申請書類に不備がある場合、申請者に連絡し、書類の修正や追加提出を依頼します。審査が完了したら、申請者に援助決定や却下等の審査結果を通知します。

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    Q14 外務省による「援助決定」とはどういう意味ですか。

    A14 外務省がハーグ条約と日本の法律に基づいて援助を行うことを決定したということであり、子の返還や交流について何らかの決定をしたということではありません。
     なお、ハーグ条約に基づく手続や支援の内容は、締約国によって異なります。詳しくは、ハーグ国際私法会議(HCCH)のホームページに掲載されている各国のカントリープロファイルを御確認ください。

    【関連リンク】

    Q15 子が連れ去られた場合や、日本に所在する子と交流できない場合に、日本の中央当局はどのような支援を提供していますか。

    A15 日本の中央当局(外務省)は、当事者間の連絡の仲介、弁護士紹介制度の案内などに加え、外務省の費用負担による裁判外紛争解決手続(ADR)機関による協議のあっせん、親子交流支援機関の紹介や費用負担、裁判資料の翻訳等の支援を行います。また、経済的な困難を抱えている方は、弁護士費用等の貸付制度である民事法律扶助制度も利用できます。

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    Q16 子を連れて日本に帰ってきました。子と同居している親は外務省の支援対象となりますか。

    A16 日本の中央当局(外務省)は、援助を決定した案件について、子の利益を最優先に、中立的な立場から、援助決定を受けた申請者の方と子と同居している方の両方に対して支援を行います。支援の内容は、援助決定後に申請者及び子の同居者それぞれに送付する書面でも詳しく説明していますので、書面を受け取られた方は、必ず内容を御確認ください。

    Q17 ハーグ条約案件に対応可能な弁護士を紹介してもらえますか。

    A17 日本の中央当局(外務省)では、当事者の希望があれば、ハーグ条約案件に対応可能な弁護士紹介制度を案内しております。案件の種類によってご案内内容が異なりますので、それぞれ以下のリンク先をご参照ください。

    Q18 子を連れて外国から日本へ帰りたい(日本から外国に転居したい)のですが、問題が起きる可能性はありますか。

    A18 ハーグ条約によって、子が元々住んでいた国に戻される可能性があります。また、もう一方の親の同意なく子を国外へ連れ出すことが誘拐罪等に問われ、逮捕されることもあります。もう一方の親の同意がとれない場合は、子を連れて日本に帰ることについて、現地の弁護士に相談するなど、滞在国の法制度を御確認ください。

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    Q19 子と一緒に海外に渡航しようと考えているのですが、渡航同意書は必要ですか。ハーグ条約では渡航同意書についての取決めがありますか。

    A19 出入国にあたっての渡航同意書については、ハーグ条約に基づく取決めはなく、提示の要否は各国の法令に基づいて定められています。渡航同意書の要否については、各国の出入国を管理している当局(日本においては出入国在留管理庁)にお問い合わせください。なお、日本を出入国する際には、渡航同意書を提示する必要はありません。

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    Q20 配偶者に暴力を振るわれるので、子を連れて日本(又は外国)に帰国したいです。DVがあっても、子を元の居住国に戻さなければならないのでしょうか。

    A20 ハーグ条約では、原則として子を元の居住国に返還することとなっています。子の返還を求める親が子に対して暴力を振るうおそれがあるなど、子の心身に害悪を及ぼすこととなる重大な危険(子の返還拒否事由)があれば、裁判所の判断で、返還が命じられないことがあります。裁判所に子の返還を求める申立てがなされた場合、子の返還拒否事由を主張する当事者は、法律上、その事由についての資料を裁判所に提出するものとされています。

    Q21 DV被害者に対する配慮や支援はありますか。

    A21 外務省ハーグ条約室では、ハーグ条約の実施に当たってDV対応専門家を職員として採用し、DV被害者の方に対する適切な対応(PDF)別ウィンドウで開くに努めています。たとえば、当事者の希望に応じて、専門家が相談に乗ったり、国内のDV被害者支援団体を案内したりします。

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