ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

(日本に連れ去られた子の返還に関する手続)

令和8年6月15日
手続の流れイメージイラスト

1 手続の概要

 外国(ハーグ条約締約国)から日本に子を連れ去られた、又は外国(ハーグ条約締約国)に居住していた子が日本に留置(注)された場合、ハーグ条約実施法に基づき、日本から外国への子の返還を実現するための援助申請(外国返還援助申請)を行うことができます。その手続は、下図のような流れになります。

 なお、この申請は、申請者自身が居住する国の中央当局へ行うことも、子が所在する日本の中央当局(外務大臣。その実務は外務省領事局ハーグ条約室が担っています。)へ直接行うことも可能です。

(注)「留置」とは、子が元々居住していた国から日本へ子が渡航した後に、一方の親や裁判所との間で決められた期間を過ぎても、子が元々居住していた国へ戻ることを妨げられていることをいいます。

外国から日本に子を連れ去られた又は留置された場合の手続の流れ図、以下にテキストの説明があります。

2 外務省による手続

(1)申請の受付

 申請書が外国中央当局を通じて、又は直接、外務省に届いた場合、外務省は遅滞なく、申請書に記載された申請者の連絡先へ申請書を受け付けたことを通知する文書を発出します。

(2)審査

 外務省は、ハーグ条約実施法に基づき、申請書類(申請書及び添付書類)の審査を行います。申請書類に不備がある場合、申請者に連絡し、書類の修正や追加提出を依頼します。
 また、審査に当たって、申請書類に記載された情報をもとに、申請に係る子及び子の同居者の所在特定を行います。
 審査が完了したら、以下のいずれかの対応を行い、その旨を申請者に通知します。

  1. 援助決定(注)
  2. 申請の却下
  3. 申請に係る子が日本に所在せず、他のハーグ条約締約国に所在していることが明らかである場合には、その国の中央当局に申請書類を転送します。

(注)外務省が援助を行うことを決定したということであり、子の返還について何らかの決定をしたということではありません。

(3)外務省による支援

 ハーグ条約では、当事者間の合意による問題の解決が望ましいと考えられています。援助決定が行われた事案について、外務省は、申請者の希望に応じて相手方へ連絡を取り、当事者間の連絡の仲介を行います。また、問題の解決に当たり、当事者双方に、以下のような支援を提供します。

(注)「裁判に提出する証拠書類等の翻訳」については、次の「3 裁判所における子の返還申立手続」も併せて御確認ください。

3 裁判所における子の返還申立手続

(1)子の返還申立て

 子の返還申立てとは、外国(日本以外のハーグ条約締約国)内に常居所を有していた16歳未満の子が、同国から日本に連れ去られ、又は日本に留め置かれていることによって、申立人の子に対する監護の権利が侵害されている場合に、日本で子を監護している者に対して、常居所地国に子を返還することを命じるよう、裁判所に申し立てる手続です。

 子を日本へ連れ去られた又は留置された方は、外務省への援助申請とは別に、東京家庭裁判所又は大阪家庭裁判所に対し、子の返還申立てを行うことができます。申立て方法等については、東京家庭裁判所、大阪家庭裁判所又は弁護士にお問い合わせください。

【関連リンク】

(2)調停

 子を常居所地国に返還するかどうかは、子の福祉のためにも、本来は当事者間の話合いによって決めることが望ましいという観点から、当事者双方の同意に基づき裁判所が子の返還申立手続を調停に付した場合には、調停手続において話合いを行うことが可能です。

 調停手続の詳細についても、東京家庭裁判所又は大阪家庭裁判所のホームページを御確認ください。

(3)出国禁止命令の申立て、子の旅券提出命令の申立て

 子を連れ去った親が子を日本国外に連れ出すことを防止するための措置として、子の返還申立事件の当事者は、その事件が係属する裁判所において出国禁止命令の申立てや子の旅券提出命令の申立てを行うことができます。

 裁判所から旅券の提出を命じられた方は、子の旅券を外務省に提出する必要があります。

【関連リンク】

(4)裁判資料の翻訳

 子の返還申立事件において、裁判所に提出する証拠書類等は日本語でなければならず、外国語から日本語への翻訳が必要となる場合があります。外務省による援助決定が行われた事案について、当事者双方は、一定の範囲内で、無料で外務省が提供している翻訳支援を利用することが可能です。

 外務省への援助申請を行っていない場合は、外務省による支援を受けることはできませんので御留意ください。

4 返還の確定から返還までの手続

 裁判で子の返還が確定した場合、外務省は、当事者の意向も踏まえながら、子を安全に返還するための支援を行います(例:子の返還時や返還後の在外公館との連携、代替執行における必要な協力)。


ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)へ戻る