ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

日本へ連れ去られた子の返還を希望する方へ

(ハーグ条約に基づく中央当局による援助について)

平成28年9月29日

英語版 (English)

1 申請を行う前に:却下事由等の事前の確認

 子がハーグ条約の他の締約国から日本へ連れ去られた方,又は他のハーグ条約締約国に居住していた子が日本に留置(注1)された方で,子の元々居住していた国への日本からの返還を希望する方は,日本の中央当局に対し,外国への子の返還を実現するための援助(外国返還援助)の申請を行うことができます。
 ただし,以下の却下事由のいずれかに当てはまる場合には,申請が却下されることとなります(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(以下「実施法」といいます。)第7条第1項)。このため,申請を行う前に必ず御自分の事案が以下の却下事由のいずれにも該当しないことを御確認ください。

  • 申請に係る子が16歳に達していること。
  • 申請に係る子が日本国内に所在していないことが明らかであり,かつ,申請に係る子が所在している国又は地域が明らかでないこと。
  • 申請に係る子が条約締約国以外の国又は地域に所在していることが明らかであること。
  • 申請に係る子の所在地及び申請者の住所又は居所が同一の条約締約国内にあることが明らかであること。
  • 申請に係る子の連れ去り又は留置の開始の時に,申請に係る子の常居所地国が条約締約国でなかったこと(注2)
  • 申請に係る子の常居所地国の法令に基づき申請者が申請に係る子についての監護の権利を有していないことが明らかであり,又は申請に係る子の連れ去り若しくは留置により当該監護の権利が侵害されていないことが明らかであること。

 申請が却下される事案(ハーグ条約の適用を受けない事案)についてどのような支援を受けることができるかについては,ハーグ条約の適用を受けない事案についての支援を御覧ください。

(注1)「留置」とは,子が元々居住していた国から日本へ子が渡航した後に,一方の親や裁判所との間で決められた期間を過ぎても,子が元々居住していた国へ戻ることを妨げられることをいいます。

(注2)日本についてハーグ条約が発効し,実施法が施行された平成26年4月1日より前に子の連れ去りがされ又は留置が開始した事案については,本却下事由に該当し,申請が却下されます。

2 手続の概要

 子が他のハーグ条約締約国から日本に不法に連れ去られた方,又は他のハーグ条約締約国に居住していた子が不法に日本に留置された方に関するハーグ条約に基づく返還手続の概要は下図のような流れになります。

  • 外国から日本へ子の連れ去り,留置が行われた場合の事案の流れ

3 申請書の提出方法

 以下の方法で,日本の中央当局に対し,子の返還援助の申請書を提出することができます。

 日本の中央当局に子の外国への返還を実現するための援助(外国返還援助)を申請する場合には,日本の中央当局が指定する申請書に必要事項を記入の上,指定された提出書類とともに提出していただくことになります。申請書類や申請方法の詳細についてはこちらを御覧ください。

 (注)直接,子の返還に係る裁判を希望される方は,中央当局による援助を受けることなく,裁判所へ申立てを行うこともできます。申立て方法等につきましては,直接日本の家庭裁判所又は法律専門家にお問い合わせください。なお,日本の家庭裁判所は,日本語以外の言語による対応をしていません。

4 申請書の受理後の日本の中央当局による手続

(1)子等の所在特定

 申請の対象である日本に居住している子及び子の同居者の所在が不明な場合には,国の行政機関や地方公共団体等の協力を得て,日本に居住している子及び子の同居者の所在特定を行います。

(2)援助決定

 日本の中央当局は,実施法に基づき申請書の審査を行った後,以下のいずれかの対応を行い,その旨を申請者に通知します。

  1. 援助決定
  2. 援助申請の却下
  3. 申請に係る子が日本国以外の条約締約国に所在していることが明らかである場合にはその国の中央当局に援助申請書及び添付書類の写しを送付

(3)援助決定後の中央当局による援助

 条約上,当事者間の合意による問題の解決が望ましいと考えられており,当事者が協議のあっせんの支援等を希望する場合,中央当局は,申請者と子の返還を妨げている方との間の連絡の仲介,裁判外紛争解決手続(ADR)機関の紹介,弁護士紹介制度の案内等の支援を行います。

5 裁判所による子の返還申立事件の手続

 子を日本へ連れ去られた方又は日本において留置された方は,中央当局への援助申請と別に,東京家庭裁判所又は大阪家庭裁判所に対し,子を返還するための申立てを行うことができます(子を返還するための裁判所への申立てを希望される方はこちら子の返還申立ての調停を希望される方はこちらを御覧ください)。

 なお,子を連れ去った親が子を日本国外に連れ出すことを防止するための措置として,申請者は,子の返還申立事件が係属する裁判所において出国禁止命令の申立てや子の旅券提出命令の申立てを行うことができます(旅券提出の手続についてはこちらを御覧ください)。

6 返還決定確定から返還までの手続

 裁判所による子の返還決定が確定した場合には,日本の中央当局は,子を安全に元々居住していた国に返還するための支援を行います(例えば,返還後の現地における生活支援・保護・福祉等のサービスに関する情報の提供,査証取得等の側面支援,子の返還後の在外公館における相談対応等)。


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