ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

令和8年5月29日
話し合いによる解決を希望する方のための「協議のあっせん」の支援をイラストにした様子

1 話し合いによる解決を希望する方のための「協議のあっせん」の支援

 子の連れ去りや子との交流に関する争いを解決するためには、両親が自発的に話し合い、友好的な解決を図ることが、子どもの福祉の観点から非常に有益です。
 そのため、外務省ハーグ条約室では、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第9条に基づき、援助申請者と相手方(以下、両者を併せて「当事者」といいます)に対し、外務省が委託している裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)機関の紹介及び利用費用の支援を行っています。

2 ADR機関による協議のあっせん

  • 「ADR機関による協議のあっせん」とは、公正中立な第三者の仲介のもと当事者が話し合う機会を設け、当事者間の争いを解決に導こうとする制度です。
  • 子の返還や子との交流について争っている場合、当事者の関係は円満ではないことが一般的です。何をどのように話し合ったら良いのか、どういったことを決めなければならないのか見当がつかず、当事者だけで解決を図ることが困難なケースが多くあります。
     しかし、当事者双方に、子どものために話合いで解決を図りたいという意思がある場合、ADR機関による協議のあっせんを利用することが可能です。ADR機関による協議のあっせんは、(1)リモートで参加できる、(2)両当事者の都合に合わせて期日の設定ができる、(3)外務省の支援があるので一定の限度額まで無料で利用できる、(4)子の返還や子との交流に関する取決め以外にも、監護権や養育費など、様々な条件を含めて協議を行うことができる、というメリットがあります(ただし、返還及び交流以外の合意事項については別途費用負担が生じる場合があります。)。
  • なお、(1)もう一方の親に出席を強制できない(あっせんに応じると言っていた親が翻意して欠席してしまうと、協議・解決ができない)、(2)合意しても和解契約書しかないと、合意が破られてもすぐに強制執行できず、事後的に一定の手続を経た場合にのみ、和解の合意内容を基にして強制執行が可能となる、といった点にはご留意ください。

3 ADR機関を利用した協議の大まかな流れ

 ADR機関を利用した協議の大まかな流れは次のようなものです。

裁判外紛争解決手続(ADR)の図。ADR機関を利用した協議の大まかな流れを表しています。内容は、図下の説明文を参照してください。

 上の図のとおり、裁判外紛争解決手続(ADR)は、当事者によるあっせんの申立てによって開始されます。一般的には、ADR機関であっせん人が選任されたのち、当事者に対して期日の通知があり、あっせん期日が複数回開催されます。
 あっせん期日の結果、両当事者に合意が成立すると、ADR機関が和解契約書を作成し、手続終了となります。また、合意不成立の場合も、手続は終了します。
 なお、合意が成立した場合、合意内容によっては、当事者の希望に基づいて、執行力を付与するために、合意内容を仲裁判断書にするためのADR機関における手続や、調停調書にするための家庭裁判所の手続を行うことができる場合があります。
 ただし、ADR機関によって手続に違いがありますので、詳細は個別のADR機関に直接お問合せください。

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