ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

令和4年3月31日

1 子を連れて日本または海外へ渡航することを考えている方へ

(1)ハーグ条約によって子が元々住んでいた国に戻される可能性があります

 ハーグ条約では、国境を越えて子が不法に連れ去られた場合には、原則として、元の居住国に子を迅速に返還することになっています(場合によっては、子を返還しなくてもよいと裁判所が判断することもあります。ハーグ条約の概要についてはこちらを御覧ください)。
 したがって、一方の親がもう一方の親(親権者等監護権を有する者)の同意を得ることなく国境を越えて子を日本または海外へ連れて行った場合であっても、もう一方の親がハーグ条約に基づいて子を返還するように申請する場合には、子は原則として元の居住国に戻されます。

(2)刑事訴追を受ける可能性があります

(ア)子の連れ去りの違法性

 日本においては、親による子の連れ去りは略取又は誘拐の罪にあたるような場合を除き犯罪を構成しませんが、国によっては、父母の双方が親権を有する場合に、一方の親が、子をもう一方の親の同意を得ずに国外に連れ出すことを刑罰の対象としていることがあります(国によっては州外に連れ出す場合でも刑事罰の対象となる可能性があります。)。実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりする事案も生じています。
 子を連れて国外へ移動することを考えている方は、御自分の滞在国の法制度を御確認の上、行動してください。

(イ)ハーグ条約との関係

 ハーグ条約は、子の利益の観点から、あくまでも国境を越えた子の不法な連れ去り等が生じた場合に原則として連れ去り前に居住していた国に子を返還するための手続について定めたものであり、子を不法に連れ去った親に対する刑事訴追その他の事項については何ら規律するものではありません。

2 日本または海外への子の連れ去りについて不安を感じておられる方へ

子の連れ去りを防ぐためには子の旅券の管理が重要です

  • 一方の親による不法な国際的な子の連れ去りを防ぐためには子の旅券をしっかり管理することが重要です。一方の親が不正に子の旅券の新規発給を申請し、子を不法に国外に連れ去る事案が複数発生しております。一方の親による子の不法な国外への連れ去りの恐れがある場合は、事前に旅券発給不同意書をご提出ください。

旅券発給不同意書は旅券事務所または在外公館にご提出ください

  • 未成年の子に係る日本国旅券の発給申請については、親権者である両親のいずれか一方の申請書裏面の「法定代理人署名」欄への署名により手続を行っています。ただし、もう一方の親権者から子の旅券発給に同意しない旨の意思表示があらかじめ都道府県旅券事務所や在外公館に対してなされている場合等、両親の同意が推定できないときは、旅券の発給は、通常、当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてからとなります。このため、一方の親権者から不同意書の提出があった場合は、子の旅券発給にあたり、都道府県旅券事務所や在外公館では、通常、子の旅券発給についてあらかじめ不同意の意思表示を行っていた側の親権者に対し、同人が作成(自署)した「旅券発給同意書」の提出意思をお尋ねし、同意書の提出が行われた後に旅券を発給しています。
  • 不同意の意思表示は、都道府県旅券事務所又は在外公館に出頭の上、親権者であることを証明する資料(戸籍謄本等)を添付の上、書面で行う必要があります。提出書類等の詳細は、旅券発給不同意書を提出する都道府県旅券事務所又は在外公館までお問合せください。
  • 上記1(2)のとおり、国によっては、父母の双方が親権を有する場合に、一方の親が、子をもう一方の親の同意を得ずに国外に連れ出すことを刑罰の対象としていることがあります。実際に、居住していた国への再入国に際し、子を誘拐した犯罪被疑者として逮捕されたり、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配されたりする事案も生じており、そのように国内法で子の連れ去りを犯罪としている国に所在する在外公館では、在留邦人の皆様がこのような不利益を被ることを予防する観点から、子の旅券申請の際には、他方の親権者の不同意の意思表示がない場合であっても、旅券発給に関する両親権者の同意の有無を口頭にて確認させていただいております。
  • なお、2022年4月1日以降、民法の一部改正法による成年年齢の引下げに伴い、有効期間10年の一般旅券を申請することができる年齢が20歳から18歳以上に引き下げられます。

(注)以下をご参照ください。

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