ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)
日本国返還援助申請の手続の流れ
(日本から連れ去られた子の返還に関する手続)
1 手続の概要
日本から外国(日本以外のハーグ条約締約国)に子を連れ去られた、又は外国に子を留置(注)された場合、ハーグ条約実施法に基づき、外国から日本への子の返還を実現するための援助申請(日本国返還援助申請)を行うことができます。その手続は、下図のような流れになります。
なお、この申請は、日本の中央当局(外務大臣。その実務は外務省領事局ハーグ条約室が担っています。)へ行うことも、子が所在する外国の中央当局へ直接行うことも可能です(国によっては、直接申請を受け付けていない場合がありますので、御注意ください。)。
(注)「留置」とは、子が元々居住していた日本から外国(他のハーグ条約締約国)へ渡航した後に、一方の親や裁判所との間で決められた期間を過ぎても、子が日本へ戻ることを妨げられていることをいいます。
2 外務省による手続
(1)申請の受付
申請書が外務省に届いた場合、外務省は遅滞なく、申請書に記載された申請者の連絡先へ申請書を受け付けたことを通知する文書を発出します。
(2)審査
外務省は、ハーグ条約実施法に基づき、申請書類(申請書及び添付書類)の審査を行います。申請書類に不備がある場合、申請者に連絡し、書類の修正や追加提出を依頼します。
審査が完了したら、以下のいずれかの対応を行い、その旨を申請者に通知します。
- 援助決定(注)
- 申請の却下
(注)外務省が援助を行うことを決定したということであり、子の返還について何らかの決定をしたということではありません。
(3)外国中央当局への送付
援助決定がなされた場合、ハーグ条約及びハーグ条約実施法に基づき、申請者から提出された申請書類の写しを、申請に係る子が所在している国の中央当局(外国中央当局)へ送付します。
(4)外務省による支援
援助決定が行われた事案の解決にあたり、外務省は、以下のような支援を提供します。
- 申請書類等の翻訳支援
外国中央当局に申請書類を送付するに当たり、申請書類の翻訳が必要となる場合には、一定の範囲内で、外務省が提供している翻訳支援を利用することが可能です。また、外国中央当局から提出を求められた書類についても、翻訳支援を利用することが可能です。 - 弁護士リストの提供
外国での手続(以下3参照)は、国によって制度が異なります。そのような外国での手続に際し、日本での証拠収集、日本の法制度等に関する説明、現地弁護士との連絡等を日本の弁護士に依頼したいとお考えの申請者に対し、ハーグ条約事案に対応可能な弁護士リストを提供しております。なお、依頼された日本の弁護士を代理人として外務省とやりとりをする場合には、外務省に委任状を提出いただく必要があります。
3 外国での手続
ハーグ条約に基づく手続や支援の内容は、締約国によって異なります。詳しくは、ハーグ国際私法会議(HCCH)のホームページに掲載されている各国の「カントリープロファイル(英語)
」(英語、フランス語又はスペイン語のみ。一部の国についてはカントリープロファイルが掲載されていません。)を御確認ください。
なお、子の返還に係る裁判の申立て方法も、締約国によって異なります。申請者自身やその代理人弁護士が裁判を申し立てる必要がある国もあれば、その国の中央当局や別の機関が、申請者に代わり裁判の申立てを行う国もあります(それと並行して、又はその代わりに、申請者が弁護士を雇い、自ら申立てを行うことが可能な場合もあります。)。
- 裁判資料の翻訳支援
外国で裁判を行う際に、裁判所に提出する証拠書類等は、外国の裁判所が受け付ける言語でなければならず、翻訳が必要となる場合があります。援助決定を受けた当事者は、裁判が行われる国で翻訳支援を受けることができない場合に限り、一定の範囲内で、無料で外務省が提供している翻訳支援を利用することが可能です。
