外交史料館

令和6年9月1日

 外交史料館は、わが国外交において歴史的価値のある記録文書を保存管理し、利用に供するとともに、外交史料の編さんを行う外務省の施設です。所蔵する特定歴史公文書等には、「戦前期外務省記録」を中心とする幕末から第二次世界大戦終結までの記録と、歴史的価値があるとして受け入れた戦後期の外交記録文書があります。

アクセス

アクセス地図
外交史料館
住所:
  • 閲覧室(本館)
    〒106-0041
    東京都港区麻布台1-5-3
    電話:03-3585-4513
  • 展示室
    〒106-0041
    東京都港区麻布台1-3-1
    麻布台ヒルズ森JPタワー5階
    電話:03-3589-0369
電話:03-3585-4511(外交史料館代表)
交通手段:
南北線「六本木一丁目」駅より徒歩8分
日比谷線・大江戸線「六本木」駅より徒歩10分
日比谷線「神谷町」駅より徒歩10分
南北線・大江戸線「麻布十番」駅より徒歩10分
大江戸線「赤羽橋」駅より徒歩12分
都バス「麻布台ヒルズ」停留所より徒歩1分

 各施設の詳細は、それぞれ閲覧室(本館)展示室の利用案内をご覧ください。

沿革

 外交史料館は、外務省の一施設として、1971(昭和46)年4月15日に開館しました。

 外務省では、明治初年以来、省内の一切の記録を網羅的に収集・分類・保存するほか、文書類の編さん・刊行を担当する事務を重視し、力を入れてきました。特に1936(昭和11)年以来、所蔵記録の中から主要な文書を整理・編さんした『日本外交文書』を公刊し、外交知識の普及と向上に貢献してきました。

 戦前の外務大臣石井菊次郎は、「書類整備の完否は結局、外交の勝敗を決する」と述べました。しかし、1941(昭和16)年の太平洋戦争開戦から終戦までの間に、残念ながら多数の重要記録が焼失しました。戦後は、残存した文書を整理する一方、散逸文書の収集・復元をはかり、さらに連合国に接収された記録の返還をもとめるなど、幾多の努力を重ねてきました。

 戦後、特にサンフランシスコ平和条約締結後、外交史実に対する関心が高まり、またその研究も急速に進歩したことで、外交史や国際政治学をはじめ、諸学を専攻する内外の学者・研究者の外務省の所蔵記録に対する期待がいよいよ大きくなってきました。従来外務省には特別の閲覧施設が存在しませんでした。

 こうした状況下、外交に関する有識者や学者・研究者などの間から、欧米諸国の例にならい、史料館の設立を要望する声が高まり、また外務省としても、従来の書庫の規模では、戦前記録の収蔵が困難になったこともあって、幕末から太平洋戦争終結までの記録を収める新しい施設を設けることとし、ここに「外交史料館」の発足をみた次第です。

 1988(昭和63)年7月には展示室、収蔵庫等を備えた別館が増設(吉田茂記念事業財団より寄贈)されました。

 2001(平成13)年には、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)の施行に伴い、総務大臣より歴史的な資料を適切に保存管理する施設に指定されました。

 そして、2011(平成23)年4月1日、「公文書等の管理に関する法律」別ウィンドウで開くに基づき、外務省の特定歴史公文書等の管理を行う施設として外務大臣の指定を受けました。これにより、外交史料館は、国立公文書館に類する機能と役割を担い、外交に関係する史料を所蔵し、外務省から保存機関を満了した文書の移管を受ける「国立公文書館等」となりました。

 2021(令和3)年4月15日、外交史料館は開館50周年を迎えました(記念特設ページ)。

 2024(令和6)年4月8日、展示室は外交史料館本館に隣接する麻布台ヒルズ森JPタワー5階に展示室が移転しました。移転により、一般の方によりわかりやすく親しみやすい展示室に生まれ変わりました。

主な活動

1 史料の閲覧

 所蔵史料の公開を行っています。閲覧を希望される方は、本館閲覧室において「外務省外交史料館利用等規則」および「外務省外交史料館利用細則」に基づき、所定の手続きの後、外務省記録をはじめとする当館所蔵史料の閲覧ができます。

2 レファレンス

 当館の所蔵史料の利用等に関する問合せに応じています。なお、史料調査の代行、及び史料の解読・翻訳等は行っておりませんのでご了承ください。

3 史料の展示

 麻布台ヒルズ森JPタワー5階には一般公開の展示室があり、幕末以来の代表的な条約書等の外交関係の史料のほか、吉田茂元総理の遺品なども展示しています。また、テーマを決めた企画展示も行っています。

4 『日本外交文書』の編さん・刊行

 外交上の主要な文書を総合的に編さんした『日本外交文書』を暦年順および特集形式で刊行しています。

 『日本外交文書』は、1936(昭和11)年に第1巻が刊行されて以来、明治年代は計73冊、大正年代は各年次の本巻と「パリ講和会議」「ワシントン会議」等の特集(別冊)を合せた57冊を刊行し、両時代の編さんを完結しました。現在は、戦後期を含む昭和年代の編さんを進めており、年2~3巻を刊行しています。このような、外交文書の編さん・刊行は、諸外国でも国の事業として行われており、たとえばアメリカ合衆国ではForeign Relations of the United States、イギリスではDocuments on British Foreign Policy(戦前期)やDocuments on British Policy Overseas(戦後期)を刊行しています。

5 史料の調査・収集

 戦災等で消失した外務省記録を補填するため、外交史料の収集には少なからず努力を払っています。また、外交当事者および関係者の方々からの貴重な外交史料や文献の寄贈も受けています。

6 講演会、研究会の実施

 外交知識の普及活動の一環として、本館講堂(収容能力100名)を利用して、外交史などに関わる講演会、研究会を行っています。

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