外交史料館

平成29年3月24日
(写真1)平成28年度外交史料館講演会の様子
(写真2)平成28年度外交史料館講演会の様子

 平成28年度の講演会は、平成29年3月24日、東京裁判について国際政治の観点から考察されてきた日暮吉延・帝京大学教授と、国際法の観点から考察されてきた大沼保昭・東京大学名誉教授のお二人を講師にお招きし、「東京裁判 国際政治と国際法の観点から」と題して開催しました。
 日暮教授は、「文明の裁き」という意図で実施された東京裁判の展開を紹介し、東京裁判が非軍事化という目標を掲げた占領政策の中で一つの頂点を形成しており、その意義として戦争責任を一端清算し、日本の再出発の起点となったこと、一方で裁判に対する評価が戦争責任問題をめぐる論争の起点となったことなどを論じられました。
 大沼教授は、東京裁判が開廷から今日まで、どのように評価されてきたかの論争の経緯を紹介し、また、国際法の発展に対して東京裁判が果たした貢献と問題点、「文明の裁き」「勝者の裁き」という二つの側面から裁判を評価する際に欠如する視点、現在の東京裁判研究の抱える課題など、多様な論点を提示されました。

 本講演会の内容については、『外交史料館報』第31号に掲載される予定です。


外交史料館へ戻る