外交史料館
特設記念ページ「外交史料館開館50周年」
茂木敏充外務大臣メッセージ「外交史料館開館50周年に寄せて」
令和3年4月15日をもって、外交史料館は開館50周年を迎えました。
政策の立案に当たって、一つの指針となるのが、歴史の歩みを振り返ることでしょう。かつて外務大臣を務めた石井菊次郎は、「外交の指南車とは何であるかと問はば、夫(それ)は歴史であり外交史である」という言葉を残しています。
多くの先人の活動が刻まれた歴史は、貴重な教訓の宝庫です。外交史料は、外交における苦心と決断の歴史を後世に証明するものです。外交史料館の所蔵史料は、開館当初は幕末から昭和戦前期までの約5万点でしたが、外交記録公開制度の進展や公文書管理法の制定とともに拡充し、その数は今や12万点に及んでいます。
外交史料館が所蔵する史料は永久保存が義務付けられており、文書の整理、紛失対策、環境対策や修復など、日々の地道な努力の積み重ねが必要です。そうしてこれまで維持されてきた史料の一点一点が、日本外交の軌跡を示し、歴史を考察するための良い材料となっています。
また、史料は公開され、史実の検証に使われてこそ意味を持ちます。外交史料館は、閲覧室でのレファレンス対応はもちろん、戦前から連綿と引き継がれる外交史料集『日本外交文書』の編纂刊行や、貴重史料を中心とした展示、デジタル化時代の要請に応えたインターネット上での公開などを通じて、広く史実に触れる機会を提供しています。
日本の歴史を紡ぎ、未来を創るために外交史料が果たす役割は、ますます大きくなります。今後とも、より多くの方々に外交史料館を利用していただけますよう、取り組んでまいります。


外交史料館 これまでの歩み


日米修好通商条約(批准書)
昭和46(1971年)4月15日 外交史料館開館
記念講演会「歴史の教訓」(細谷千博・一橋大学教授)
昭和51(1976)年5月31日 第1回戦後外交記録公開。
昭和54(1979)年3月30日 『日本外交史辞典』刊行。
昭和57(1982)年9月20日 浩宮徳仁親王殿下(現天皇陛下)ご視察。
昭和57(1982)年11月18日 鈴木善幸総理視察。
昭和63(1988)年7月5日 外交史料館別館開館。
平成10(1997)年6月30日 所蔵史料「日米修好通商条約」他全5点、重要文化財に指定。
平成11(1999)年5月28日 皇太子同妃両殿下(現天皇皇后両陛下)ご視察。
平成12(2000)年10月10日 杉原千畝誕生100周年記念顕彰プレート、当館ロビーに設置。
平成13(2001)年4月1日 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(情報公開法)の施行に伴い、総務大臣より歴史的な資料を適切に保存管理する施設に指定。
平成14(2002)年3月28日 壺屋発サミット協力会制作の九州・沖縄サミット開催記念壺屋焼チブルシーサー、当館正面玄関に設置。
平成23(2011)年4月1日 「公文書等の管理に関する法律」の施行に伴い、外務省の特定歴史公文書等の管理を行う施設として外務大臣より指定。
平成25(2013)年3月30日 国立公文書館・宮内公文書館との連携展示「近代国家日本の登場-公文書に見る明治-」を開催(4月18日まで)。
平成28(2016)年8月17日 所蔵史料「通信全覧」320冊、「続通信全覧」1784冊、重要文化財に指定。

平成30(2018)年12月10日 所蔵史料検索システムを開設。検索システムのデジタルアーカイブ機能を利用した「明治150年記念デジタルアーカイブ 国書・親書にみる明治の日本外交」を開設。
令和3(2021)年4月15日 開館50周年。
外交史料館特別展示「外交史料館50年」
外交史料館では開館50年を記念し、特別展示「外交史料館50年」を令和3年4月15日から7月9日まで開催します。ぜひご覧ください。詳細な展示内容は「特別展示「外交史料館50年」をご覧ください。

『外交史料館報』アーカイブ
外交史料館の刊行する雑誌『外交史料館報』では、これまで開館20周年、30周年、「外交記録公開に関する規則」制定の節目に、「日本外交文書」の編纂にあたる外部有識者である「日本外交文書」編纂委員会の委員を中心とした座談会を掲載してきました。ここではインターネット上にこれらの座談会を再掲載します。
- 細谷千博・臼井勝美・吉村道男・大川忠治「外交史料館の二十年と将来(PDF)
」(『外交史料館報』第5号、1992年)
- 細谷千博・臼井勝美・濱口学・林正和・吉村道男・波多野澄雄・原口邦紘「外交史料館の三十年と将来(PDF)
」(『外交史料館報』第16号、2002年)
- 波多野澄雄・佐藤晋・細谷雄一・原口邦紘「『外交アーカイブ』の役割について(PDF)
」(『外交史料館報』第24号、2011年)