アフリカ開発会議(TICAD)

令和元年8月28日

 8月28日(水曜日),横浜において第七回アフリカ開発会議(TICAD7)が開幕しました。会議においては,安倍晋三内閣総理大臣が共同議長を務め,麻生太郎副総理が議長代理を務めたほか,河野太郎外務大臣等が出席しました。また,アフリカ53か国から,42名の首脳級が参加したほか,国際機関,開発パートナー国及びアジア諸国,民間企業,市民社会の代表等が出席しました。
 さらに,本28日,安倍総理は,エジプト南アフリカケニアアルジェリアマリギニア及びトーゴの計7か国や国際機関等との会談を実施しました。また,河野外務大臣は,チュニジアコンゴ(共)リビアセネガル及び国際機関等との会談を実施しました。

1 開会セッション・全体会合1

(1)安倍総理大臣は,基調演説において,今後のTICADが,民間事業活動とイノベーションを推進するNew TICADとなるとの方向を示しました。また,過去3年で200億ドルであった民間投資が今後更に拡大するよう,政府として全力を尽くす旨表明しました。更に,「ABEイニシアティブ3.0」を始めとする人材育成や,アフリカ健康構想の立ち上げを始めとするUHCの更なる推進,アフリカ自身の平和と安定に向けた取組を後押しする日本のイニシアティブを発表しました。日本の取組(PDF)別ウィンドウで開く

(2)共同議長を務めるエルシーシ・エジプト大統領(AU議長国)からは,安倍総理及び日本に対する謝意表明とともに,TICADプロセスを通じてAUアジェンダ2063及び持続可能な開発目標2030(SDGs)を達成したい旨発言がありました。また,再生可能エネルギーの活用や気候変動の影響に触れつつ,アフリカの市場は開かれており,ビジネス環境は良好である旨の発言がありました。

2 全体会合2

(1)麻生副総理が議長代理を務め,「民間セクター育成やイノベーションを通じた経済構造転換の加速とビジネス環境整備」をテーマに議論しました。冒頭,麻生副総理から,5月にアフリカ大陸自由貿易圏設立協定(AfCFTA)が発効し,アフリカ市場の拡大が期待されることにつき,歓迎の意を述べました。また,この機会をとらえ,持続可能な開発を達成する上で対処すべき課題も残っており,特に科学,技術,イノベーションの分野で人材開発を高める必要がある旨述べました。

(2)同全体会合においては,TICAD7のテーマである,ひと,テクノロジー,イノベーションを中心に,民間企業が担う役割が増す中,技術,ブルーエコノミー,イノベーションを活用した産業の多角化の後押し,経済発展の基盤や原動力となる特に若者の人材育成や質の高いインフラの推進,ガバナンスを含む投資環境・制度の改善,農業の付加価値の向上,投資促進のための日・アフリカ間の官民対話の更なる強化及び経済成長を下支えする平和と安定や法の統治の重要性等についてアフリカ首脳を始めとする出席者から発言がなされました。

(3)また,ゴー・チョクトン・シンガポール名誉上級相から,同国における発展を紹介すると同時に経済社会開発のためには一貫した政策が継承されることが重要であるとの発言があり,アジアの経験を生かしたアフリカの持続可能な経済成長への期待が表明されました。


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