フランス共和国
日仏首脳会談及び昼食会

出迎えを受ける安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

出迎えを受ける安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)

(写真提供:内閣広報室)
現地時間4月23日,午前12時10分(日本時間23日午後7時10分)から約50分間,フランスを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領(H.E. Mr. Emmanuel Macron,President of the French Republic)と首脳会談を行い,続けて午後1時から約80分間,昼食会に出席したところ,概要は以下のとおりです。
- 共同記者発表
(写真提供:内閣広報室) - 共同記者発表
(写真提供:内閣広報室) - 共同記者発表
(写真提供:内閣広報室)
1 冒頭
(1)マクロン大統領から,安倍総理大臣の訪仏を歓迎する旨述べるとともに,G7/G20議長として協力していきたい旨述べました。これに対し,安倍総理大臣から,本年2月に大成功のうちに閉幕した「ジャポニスム2018」でのフランスの協力に改めて感謝を述べるとともに,日仏両国でG20/G7の議長国として,共に世界をリードする決意を述べました。
(2)安倍総理大臣から,パリのノートルダム大聖堂の火災について,マクロン大統領及びフランス国民に対する心からのお見舞いを伝達し,マクロン大統領から感謝の意が表明されました。
2 G20/G7に向けた協力
(1)両首脳は,G20とG7の相乗効果を高めていくことで一致し,G7ビアリッツ・サミットとG20大阪サミットの成功に向けて,G20/G7の議長国として引き続き協力していくことで一致しました。
(2)また,安倍総理大臣から,G20大阪サミットの際にデータ・ガバナンス,特に電子商取引に焦点を当て議論する「大阪トラック」を立ち上げるべく,フランスの力強い支援を要請する旨述べました。両首脳は,自由貿易体制の維持が国際社会の最重要課題であるとの認識の下,WTO改革のモメンタムを維持する必要性につき一致しました。また,両首脳は,気候変動や海洋プラスチックごみを始めとする環境・地球規模課題への貢献等に取り組み,力強いメッセージを発出することで一致しました。
3 二国間関係
(1)両首脳は,自由で開かれたインド太平洋の維持・強化について立場を共にしていることを確認し,具体的な案件の実施に向けて取り組んでいくことで一致しました。
(2)安全保障・防衛分野について,安倍総理大臣は,今月の仏海軍フリゲート艦「ヴァンデミエール」と海自の共同訓練,現在調整中のインド洋での仏空母「シャルル・ド・ゴール」との共同訓練,日仏物品役務相互提供協定(ACSA)の早期発効へ向けた協力など,具体的な連携の進展を歓迎しました。また,両首脳は,本年1月の日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の成果も踏まえ,海洋安全保障等の様々な分野で協力の具体化に向け緊密に連携していくことで一致し,第1回包括的海洋対話を年内に開催することを確認しました。
(3)両首脳は,経済関係について,人工知能(AI)やイノベーションやスタートアップ,民生原子力の分野で両国の間の協力が拡大していることを歓迎しました。
4 日EU関係
(1)両首脳は,本年2月の日EU・EPAの発効やSPAの暫定的適用開始を踏まえ,引き続き日EU関係(PDF)を強化していくことで一致しました。
(2)安倍総理大臣から,英国のEU離脱に関し,「合意なき離脱」の回避への期待を表明したのに対し,マクロン大統領から先般の欧州理事会での決定を踏まえ,現状の説明がありました。
5 地域情勢
両首脳は,地域情勢等についても議論を行い,引き続き両国間で緊密に意見交換していくことを確認しました。
(1)北朝鮮情勢について,両首脳は,引き続き,安保理決議に基づき,北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向け,緊密に連携していくことを確認しました。また,マクロン大統領から,哨戒機及び船舶の派遣による「瀬取り」対処で引き続き貢献したいとの意向が示され,安倍総理大臣からこれを高く評価する旨述べました。
(2)アフリカについて,両首脳は,G7サミットからその後のTICAD7に向けて,アフリカ開発に向けた気運を盛り上げるべく両国で協力していくことを確認しました。
(3)また両首脳は,核合意を含むイラン情勢等についても意見交換を行いました。