フランス共和国
第5回日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)



1 総論
(1)四大臣は,基本的価値と戦略的利益を共有する「特別なパートナー」として,また,本年のG20/G7の議長国として,日本とフランスが国際社会の平和と安定に向け緊密に協力していくことで一致しました。
(2)四大臣は,共に「海洋国家」かつ「太平洋国家」である両国が,自由で開かれたインド太平洋の維持・強化に向け,具体的な協力を推進していくことで一致しました。この点,特に海洋分野での協力を具体化するべく,四大臣は,日仏包括的海洋対話を立ち上げることを決定しました。
(3)四大臣は,フランスの戦略レビュー及び2019年―2025年の軍事計画法,並びに,日本の防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画の発表を歓迎しました。
2 日仏安全保障・防衛協力
(1)四大臣は,昨年2月の仏海軍フリゲート「ヴァンデミエール」の日本への寄港に際する共同訓練を歓迎するとともに,本年,仏空母「シャルル・ド・ゴール」を中心とする空母機動群がインド洋に展開する機会を捉え,共同訓練を実施することで一致しました。また、四大臣は、インド太平洋地域における両国の共同訓練・演習を全軍種で定期的かつ実践的に進めていくことで一致しました。
(2)四大臣は,海洋状況把握(MDA)を含む海洋安全保障や,東南アジア諸国や太平洋島嶼国における能力構築支援等の分野において,インド太平洋地域における両国の取組のシナジーを図りつつ,更なる協力を行っていくことで一致しました。
(3)防衛装備・技術協力に関して,四大臣は,両国間で初の協力案件となる,次世代機雷探知技術に関する共同研究の開始を歓迎しました。
(4)四大臣は,自由,公正かつ安全なサイバー空間の創出・発展に向け,日仏サイバー協議等の場を通じて緊密に協力していくことで一致しました。四大臣はまた,日仏間の宇宙協力の深化を歓迎するとともに,次回日仏包括的宇宙対話等を通じ,安全保障・民生分野両面の協力を一層強化していくことを確認しました。
3 地域情勢
(1)四大臣は,北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ不可逆的な廃棄の実現及び安保理決議の完全な履行の必要性について改めて一致しました。河野大臣及び岩屋大臣から,「瀬取り」を含む違法な海上活動への警戒監視のため,フランスが本年上半期に艦艇及び航空機を派遣することを決定したことを高く評価し,四大臣は,安保理決議の完全な履行のために両国が引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
(2)四大臣は,核合意を含むイラン情勢等についても意見交換を行い,日仏で引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
(3)更に,四大臣は,法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の重要性を改めて確認し,緊張を高める一方的な行動に対する強い反対を表明しました。