G7/G8

G7シャルルボワ・サミット(結果)

平成30年6月9日

英語版 (English)

 6月8日及び9日,カナダ・ケベック州にて開催されたG7シャルルボワ・サミットに安倍総理が出席したところ,概要は以下のとおりです。

1 議題・日程

(1)出席者

日本安倍総理
米国トランプ大統領
フランスマクロン大統領
ドイツメルケル首相
英国メイ首相
イタリアコンテ首相
カナダトルドー首相(議長)
EUトゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員会委員長

(2)日程

6月8日(金曜日)

  • セッション1 (ワーキングランチ)「皆が裨益する世界成長」(世界経済,イノベーション,雇用)
  • セッション2 「経済成長,将来の仕事」(貿易)
  • セッション3 (ワーキングディナー)「平和で安全な世界」(外交,安全保障)
  • トルドー首相主催文化行事 等

6月9日(土曜日)

  • ジェンダー平等アドバイザリー評議会との朝食会
  • セッション4 「ジェンダー平等及び女性のエンパワーメント」及び「気候変動,クリーンエネルギー」
  • アウトリーチ・セッション及びワーキングランチ「海洋」
  • (注)アウトリーチには,アルゼンチン,ジャマイカ,ハイチ,セネガル,南アフリカ,ルワンダ,ケニア,セーシェル,バングラデシュ,ベトナム,マーシャル諸島,ノルウェー,国際連合(UN),国際通貨基金(IMF),世界銀行(WB),経済協力開発機構(OECD)が参加しました。

2 成果文書

G7での議論を踏まえ,「G7シャルルボワ首脳コミュニケ骨子仮訳英文)」を発出しました。また,併せて以下の宣言・附属文書もG7として発出しました。

(1)「平等と経済成長に関するシャルルボワ・コミットメント(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(2)「開発のための革新的資金調達に関するシャルルボワ・コミットメント(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(3)「AIの未来のためのシャルルボワ・共通ビジョン(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(4)「途上国の女児・思春期の少女・女性のための質の高い教育の推進に関するシャルルボワ宣言(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(5)「デジタル文脈におけるジェンダーに基づく暴力の撲滅に対するシャルルボワ・コミットメント(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(6)「外国の脅威からの民主主義の擁護に関するシャルルボワ・コミットメント(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

(7)「健全な海洋及び強じんな沿岸コミュニティのためのシャルルボワ・ブループリント(骨子(PDF)別ウィンドウで開く仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)」

3 G7会合概要

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    ワーキングセッションに参加する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)
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    ワーキングセッションに参加する安倍総理大臣
    (写真提供:内閣広報室)

(1)総論

 世界経済が相互依存を深める中,グローバル化などに対する不安や不満が,保護主義への誘惑を生み出し,国と国の間で利害対立を生じさせることがありますが,そうした中にあっても,今回のG7サミットでは,ルールに基づく国際秩序の促進,保護主義との闘いの継続,ルールに基づく国際貿易体制の重要性について確認するとともに,公平な競争条件を促進するための様々な措置について一致しました。
 安倍総理は,国際社会に平和と安定をもたらすのは個人の自由な発想と活動を保証する自由,民主主義,人権,法の支配といったG7が共有する普遍的価値に他ならず,国際社会の牽引役としてG7がこれまで以上に役割を果たしていくべき旨力強く訴えるとともに,イノベーションと雇用,貿易,北朝鮮,ジェンダーなどに関する議論を主導しました。

(2)各論

ア 世界経済

 安倍総理から,世界経済が引き続き堅調に推移し,新興市場国全体の強靱性が強化されている一方で,一部の新興国経済に変調が見られる中,市場の不安を払しょくするため,自由で公正な経済秩序を発展させ,世界の成長を牽引してきたG7が一致結束することが重要と指摘し,G7が引き続き市場動向を注視していくことなど,G7が協調して世界経済の安定に役割を果たしていくことを確認しました。

イ 貿易

 貿易を巡っては,活発な意見交換が行われ,全体の方向性として,WTOの機能改善の必要性を含め,自由で公正な貿易を如何に実現していくのか,また,非関税措置障壁や補助金等の市場歪曲的措置に関し,忌憚の無い議論が積極的に行われました。
 そして,自由で,公正で,互恵的な貿易及び投資が,成長や雇用創出の主要な原動力であるとの認識の下,G20ハンブルク・サミットの結論に改めてコミットするとともに,WTOの近代化,強制的な技術移転などのの不適切な知的財産の保護への対処,市場歪曲的な産業補助金及び国有企業などに関する国際ルール等の構築,鉄鋼をはじめとする過剰生産能力問題への対処,及び輸出信用に関する新たな国際指針の策定などの重要性についても一致しました。
 安倍総理からは,G7が貿易制限措置の応酬に明け暮れることはどの国の利益にならず,不公正な貿易・投資慣行に断固対抗し,自由で公正な市場を守っていくとのメッセージをG7として結束して発信すべき旨主張しました。

ウ イノベーション・雇用

 人口減少,少子高齢化,人工知能(AI)等の技術の進展,如何に持続的な成長をしていくのか,また,こうした技術の発展,AI,デジタル化,ビッグデータに如何に対応していくのか,さらに,人材育成・教育などの観点,女性の活躍促進などについて議論が行われました。新しい技術が進展しているという時代背景について共通認識の下,それらに対して,如何に持続的,かつ包摂的に成長していくかについて問題意識を共有しました。
 安倍総理より,少子高齢化,人口減少といった日本が世界に先駆けて直面する課題に関し,アベノミクスや女性の活躍推進といった政策によるこれまでの成果を紹介したほか,イノベーションについては,過度に恐れるのではなく,可能性を前向きにとらえるべき旨指摘しました。
 また,データの国外移転や外国企業の参入阻害,技術移転強要等の統制的な手法によるデジタル保護主義の動きが拡大していることへの懸念とともに,プライバシーやセキュリティーを尊重しながらも,情報やデータの自由な流通を含む,開放的で公正な市場環境の整備が重要であると述べ,日本としても,グローバルなルール形成に貢献していく考えを示しました。
 また,経済の電子化の進展により,例えば国境を越えた電子書籍,音楽配信等,新たなビジネスモデルの市場が大きくなってきている中,既存の課税原則では十分に課税できておらず,国際社会が協調して対応することが重要であり,G7が主導的役割を果たすべきこと,また明年のG20議長国である日本がしっかりと議論を進展させたい旨強調しました。

エ 外交・安全保障

(ア)北朝鮮

 北朝鮮情勢については,安倍総理が議論をリードし,首脳間で突っ込んだ議論を行いました。安倍総理の発言に対し,各国から賛同と,支持が得られた結果,G7として,北朝鮮による全ての大量破壊兵器,弾道ミサイル及び関連施設の完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄の実現が必要であること,そのために北朝鮮に対し,関連国連安保理決議の完全な履行を求め,具体的な行動を引き出していくこと等で一致し,米朝首脳会談の成功を後押ししていくことを確認しました。さらに,何よりも重要な拉致問題についても,安倍総理からの即時解決に向けた理解と協力の呼びかけに対し,支持を得ました。

(イ)中国

 アジア情勢について議論する中で,中国の最近の動向についても議論が及びました。議論の結果,G7として,中国が,地域及びグローバルな課題を解決するため,建設的な役割を果たすよう促していくことが重要との点などで一致しました。

(ウ)ロシア

ロシアとの対話と関与は必要であり,北朝鮮を始め,諸問題においてロシアの建設的役割を引き出すことが必要との基本的認識に立って,議論に参加しました。

オ ジェンダー平等

 今回のG7では,分野横断的なテーマとしてジェンダーが取り上げられ,全てのトピックにジェンダーの視点を含めて議論が行われました。これにより,伊勢志摩サミット等に引き続き,ジェンダー主流化が一層加速されました。特に,女性の活躍は経済成長に資するものであり,それを推進するためにも,質の高い教育やワークライフバランスの促進が必要で,具体的には,途上国における女性の教育支援,女性の理系分野への進出,さらには男女の賃金格差等の是正が必要との議論が行われました。また,その一方で,デジタル化がもたらす新たな課題にも対処が必要であり,オンライン暴力,ハラスメント等の撲滅の重要性についても一致しました。
 安倍総理からは,女性の活躍推進をアベノミクスの成長戦略の中核に据え,安倍内閣の最重要政策のひとつとして「女性が輝く社会」の実現に取り組み,2014年から国際女性会議WAW!を主催していることなどを紹介するとともに,来年,WAW!を,2019年G20議長国としてW20(注:Women 20。G20のエンゲージメント・グループの1つで,例年,G20参加国の女性リーダーが集まる会議を開催し,サミットに向けた提言を発出。)と合せて開催することを表明しました。また,日本として,途上国の女児・少女・女性のための質の高い教育,人材育成のために,2億ドルを拠出し支援するとのコミットメントを発表しました。
 また,カナダ議長国のイニシアティブにより,「ジェンダー平等アドバイザリー評議会」が立ち上げられ,提言が提出された上で,サミットにおいても朝食会に同評議会メンバーを招待し,G7首脳との間で闊達な意見交換が行われました。

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    ジェンダー平等アドバイザリー評議会との朝食会
    (写真提供:内閣広報室)
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    ジェンダー平等アドバイザリー評議会との朝食会
    (写真提供:内閣広報室)

カ 気候変動・エネルギー

 グローバルな課題である気候変動対策のために,排出量削減に加え,低炭素社会の実現を国際社会が進めることが重要であり,これは経済にとってマイナスではなく,成長との両立が可能との議論が行われたほか,海洋の温暖化は生物多様性にも悪影響を及ぼしつつあり,これらを踏まえ,パリ協定の実施,及び循環型社会の実現にむけて協力していきたいとの意見が出されました。
 安倍総理からは,気候変動問題に関し,エネルギー転換・脱炭素化におけるビジネスの活性化が,今後の世界の経済成長を牽引するエンジンである旨言及するとともに,パリ協定に掲げられた二度目標達成に国際社会全体が向かうよう,G7が脱炭素化を実現していく姿勢を示していくことが重要であり,日本が有する高い技術力を活用しながら,世界の脱炭素化を牽引していく旨強調した。また,パリ協定の着実な実施に向け,環境と成長の好循環を回転させ,ビジネス主導の技術革新を促す,これまでの常識にとらわれない新たなビジョンとして,長期戦略策定に向けた検討作業を加速するよう指示した旨表明しました。

キ 海洋(アウトリーチ)

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    G7アウトリーチ招待国との集合写真撮影
    (写真提供:内閣広報室)
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    G7アウトリーチ招待国との集合写真撮影
    (写真提供:内閣広報室)

 12か国の招待国(アルゼンチン(G20議長国),ジャマイカ,ハイチ(カリコム議長),セネガル,南アフリカ,ルワンダ(AU議長国),ケニア,セーシェル,バングラデシュ,ベトナム,マーシャル諸島,ノルウェー)及び,招待国際機関として国連,IMF,世銀,OECDの4機関を交え,特に沿岸部の強靱性の構築,海洋の健全性の強化,海洋プラスチックごみ対策等について議論が行われました。
 安倍総理から,防災は,日本の重要課題の一つであり,2011年の東日本大震災等を通じて蓄積した知見を世界の人々のために役立てていくべく,2015年の国連防災会議をホストし「仙台防災枠組」を推進していること,また,海洋ごみ対策については,とりわけプラスチックごみは,海洋の生態系に悪影響を与え得るほか,人の健康にも影響を及ぼしかねず,一カ国だけの努力,更にはG7や先進国だけの努力で解決できるものではなく,途上国を含む世界全体の課題として対処する必要があること,プラスチックごみの削減には,伊勢志摩サミットでも推進したリデュース・リユース・リサイクルの3Rや,廃棄物処理に関する能力の向上等の対策を国際的に広げていくことが不可欠であり,日本としても,そのための環境インフラの導入支援の協力を推進し,来年のG20でもこれらの問題に取り組みたいことを述べました。
 総理が述べた海洋ごみ対策は,途上国を含む世界全体の課題として対処する必要がある点について各国首脳から賛同の意が表された他,気候変動の影響やその適応策,強じん性向上のためのインフラ整備,資金アクセスの向上,科学的知識に基づく海洋資源管理,生物多様性の保護などについて活発な意見交換が行われました。また,何名かの首脳から,海洋での経済活動の基盤である海洋の安全保障の重要性についても指摘があり,安倍総理からもこれに支持を表明しました。

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    アウトリーチセッション
    (写真提供:内閣広報室)
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    アウトリーチセッション
    (写真提供:内閣広報室)

4 2019年G7サミット

 マクロン仏大統領は,9日,G7シャルルボワ・サミット終了後の記者会見において,2019年G7サミットを,夏の終わりに仏南西部のビアリッツ(Biarritz)で開催する旨発表しました。

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