世界貿易機関(WTO)

令和2年8月27日

1 WTO政府調達協定(GPA)の概要

 WTOの「政府調達に関する協定」(Agreement on Government Procurement:略称GPA)は、ウルグアイ・ラウンドの多角的貿易交渉と並行して交渉が行われた結果、1994年4月にモロッコのマラケシュで作成され、1996年1月1日に発効した国際約束(条約)です(以下、「1994年協定」という。)。日本は、1995年12月に1994年協定の締結及び公布を行いました。

 1994年協定は、1995年1月に発効した「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO協定)」の附属書四に含まれる複数国間貿易協定と呼ばれる協定のうちの一つです。複数国間貿易協定は、WTO協定の一括受諾の対象とはされておらず、別個に受諾を行ったWTO加盟国のみがこれに拘束されます。

 政府調達分野では、東京ラウンドの多角的貿易交渉の結果策定された「政府調達に関する協定」(旧協定)(1981年発効、1987年改正)により、政府機関等による産品の調達に内国民待遇の原則(他の締約国の産品及び供給者に与える待遇を自国の産品及び供給者に与える待遇と差別しないこと)、及び無差別待遇の原則(他の締約国の産品及び供給者であって締約国の産品を提供するものに与える待遇をそれ以外の締約国の産品及び供給者に与える待遇と区別しないこと)が適用されてきました。1994年協定は、こうした規律の適用範囲を新たにサービス分野の調達や地方政府機関による調達等にまで拡大するもので、政府調達における国際的な競争の機会を一層増大させるとともに、苦情申立て、協議及び紛争解決に関する実効的な手続を定め、政府調達をめぐる締約国間の問題につき一層円滑な解決を図るための仕組みが整備されました。

 さらに1997年以降、1994年協定の適用範囲を更に拡大するための改正交渉が行われ、その結果、協定の適用を受ける機関及びサービスの拡大、開発途上国の協定加入に対する特別な待遇、電子的手段の活用による調達手続の簡素化等の内容を盛り込んだ「政府調達に関する協定を改正する議定書」(以下「改正議定書」という。)が2012年3月30日に採択され、2014年4月6日に発効しました。我が国については、同議定書を2014年3月17日に受諾し、同年4月16日に効力が生じました。この改正議定書の発効によって1994年協定が改正され、締約国の政府調達市場が更に開放されることとなりました。ただし、改正議定書を受諾していない1994年協定の締約国との間では、同国が改正議定書を受諾するまで、1994年協定が適用されます(参考1参照)。

(参考1)締約国・地域(2020年8月現在)

(1)改正議定書を受諾した1994年協定の締約国・地域(47)

 アルメニア、カナダ、欧州連合(EU)及び加盟28か国、香港(中国)、アイスランド、イスラエル、日本、韓国、リヒテンシュタイン、モンテネグロ、オランダ領アルバ、ニュージーランド、ノルウェー、シンガポール、台湾、米国、ウクライナ、モルドバ、豪州

(2)改正議定書を受諾していない1994協定の締約国・地域(1)

 スイス
 (注)我が国とスイスの間では、1994年協定が適用されます。

(参考2)加入申請・交渉国・地域、オブザーバー国・地域(2020年8月現在)

(1)加入申請・交渉国・地域(12)

 アルバニア、中国、ジョージア、ヨルダン、キルギス、オマーン、ロシア、タジキスタン、北マケドニア、カザフスタン、英国、ブラジル

(2)オブザーバー国・地域(24)

 アルゼンチン、バーレーン、カメルーン、チリ、コロンビア、コスタリカ、インド、インドネシア、マレーシア、モンゴル、パナマ、パキスタン、サウジアラビア、セーシェル、スリランカ、タイ、トルコ、ベトナム、アフガニスタン、ベラルーシ、パラグアイ、エクアドル、フィリピン、コートジボワール

2 条文

  1994年協定 改正協定
条文 英語(WTOホームページへリンク)別ウィンドウで開く 英語(WTOホームページへリンク)別ウィンドウで開く
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条文のタイトル
  • 第1条 適用範囲
  • 第2条 契約の評価
  • 第3条 内国民待遇及び無差別待遇の原則
  • 第4条 原産地に関する規則
  • 第5条 開発途上国に対する特別かつ異なる待遇
  • 第6条 技術仕様書
  • 第7条 入札の手続
  • 第8条 供給者の資格の審査
  • 第9条 調達計画への参加に対する招請
  • 第10条 選択の手続
  • 第11条 入札の期限及び納入又は提供の期限
  • 第12条 入札説明書
  • 第13条 入札書の提出及び受領、開札並びに落札
  • 第14条 交渉
  • 第15条 限定入札
  • 第16条 調達の効果を減殺する措置
  • 第17条 透明性
  • 第18条 機関の義務に係る情報及び検討
  • 第19条 締約国の義務に係る情報及び検討
  • 第20条 苦情申立ての手続(内閣府ホームページへリンク)別ウィンドウで開く
  • 第21条 この協定の機関
  • 第22条 協議及び紛争解決
  • 第23条 この協定の適用除外
  • 第24条 最終規定
  • 第1条 定義
  • 第2条 適用範囲
  • 第3条 安全保障のための例外及び一般的例外
  • 第4条 一般原則
  • 第5条 開発途上国
  • 第6条 調達制度に関する情報
  • 第7条 公示
  • 第8条 参加のための条件
  • 第9条 供給者の資格の審査
  • 第10条 技術仕様書及び入札説明書
  • 第11条 期間
  • 第12条 交渉
  • 第13条 限定入札
  • 第14条 電子オークション
  • 第15条 入札書の取扱い及び落札
  • 第16条 調達に関する情報の透明性
  • 第17条 情報の開示
  • 第18条 国内の審査のための手続
  • 苦情申立ての手続(内閣府ホームページへリンク)別ウィンドウで開く
  • 第19条 適用範囲の修正及び訂正
  • 第20条 協議及び紛争解決
  • 第21条 この協定の機関
  • 第22条 最終規定
附属書の内容(英語のみ)
  • 附属書I(各国の適用範囲)別ウィンドウで開く
  • 附属書II(各国の調達公示等のための出版物)
  • 附属書III(各国の常設名簿情報の公示のための出版物)
  • 附属書IV(各国の法令等の公表のための出版物)
  • 附属書I(各国の適用範囲)別ウィンドウで開く
  • 附属書II(各国の法令等の公表のための媒体)
  • 附属書III(各国の調達公示等のための媒体)
  • 附属書IV(各国の統計等を公表するための媒体)

3 日本についての適用範囲などについて

(1)協定が適用される調達機関

(2)適用基準額

 「政府調達協定及び我が国の自主的措置の定める「基準額」並びに「邦貨換算額」」をご覧ください。

(3)適用対象サービス

(注)なお、我が国は、中央政府の機関及びその他の機関の調達については、内閣に設置されたアクション・プログラム実行推進委員会が、GPAより厳しい基準に基づく入札手続等を自主的措置として策定しています。(首相官邸ホームページへリンク別ウィンドウで開く

(注)個別の調達案件につきましては、各調達機関にお問い合わせください。また、我が国の政府調達市場への参入については「政府調達協定Q&A」をご参照ください。


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